不器用なりに互いになりきり1週間が過ぎようとしていた。
毎日やり取りしているヒロミちゃんと俺の中でもう戻る事が出来ないだろうと薄々思い始めていた。
ヒロミちゃんは俺になりきり家に戻ると妹が部屋で待っていた。
「最近のお兄ちゃんなんか変だよ。何て言うか女の子が無理して男の子演じてるみたい」
妹がそのように話す。追いかけるように妹が
「彼女とも連絡とってないでしょ。最近のお兄ちゃん見てると女の子になりたいのかなって思うよ」
「別にそんなことないよ。。。」めいいっぱい嘘をついているヒロミちゃん
「まぁ私も女だし別に最近理解が出てきてる性同一性障害ならお兄ちゃんに手助けするよ?」妹は察するかのようにそれだけ言い残し部屋に帰っていった。
ヒロミちゃんはその言葉に少し心を動かされたようだった。
「あの、ヒロミだけどもう私たちこのままなのかな?」ヒロミちゃんからか細い声で電話がなる。
「病院いって皆に話して楽にならない?」
そう言ってきた。
「そんなこと話しても信じてくれないだろうし、下手したら病院でモルモットみたいにされるかもしれないし、お互いにこの体でもとに戻る保証もなにもないよ」
俺は必死に説得した。
「。。。確かにそうね。。。」
納得されたみたいだ。
「わたしさ女の子なんだよ。もう男の子としているのが耐えられないかも。」
意味深な事を言って電話を切る。
あれから1ヶ月がたった。
お互いの彼氏、彼女は自然消滅に近い状態。
学校では俺の体のヒロミちゃんは周りから避けられ1人でいることが多くなっている。
俺は特に変わることなく生活しているが女子友達にはヒロミ変わったねと言われるくらいになっていた。
さらに1ヶ月がたった頃
「お兄ちゃんやっぱり男の子より女の子としての方がいいと思うよ。わたしこの数ヶ月見てたけど本当は女の子になりたいんでしょ」
「うん。」ヒロミちゃんは妹の言葉にそう返した。
「お父さんとお母さんに私も協力するからその気持ち伝えなよ。まだ10代だし女の子野、体にするには少しでも早い方がいいって私調べたもん」
「ありがとう。」妹の胸でヒロミちゃんは泣いた。
その夜に両親に妹が切り出しヒロミちゃんは女になりたいと告げた。当然俺はその話をまだ知らない。
父親は残念そうにしながらも唇を噛みしめ病院に行くことを進めた。
母親はあなたが考えてるなら反対はしないと応援するような感じだ。
数日後母親に連れられ性同一性障害の診断を受けに病院にやって来た。
先生からの質問、心理テストのような質問をテストのような形式で受けさせられ余日結果を聞きに母親と病院に聞きに来た。
「ハッキリ言います。性同一性障害で心と思考が女性です。このまま男性として生きるよう努力することも可能ですが本人が女性として生きていきたいのなら治療は早めに始めた方がよいと思います。」
母親とヒロミちゃんは父親に話しますといい病院を後にした。
父親は「そうか。ならヒロミの人生だ自分の好きなようにしなさい。」
それだけ言い残し話は終わった。
「おねぇちゃん(*^^*)」妹が母親から聞いたのかそのように声をかけてくる。
「やっぱり無理してたんだね?これからは姉妹として一緒に協力するね。頑張ろう」
明るく励ましてくれる。この妹がヒロミちゃんを後押ししたのだろう。
「あの、ヒロミ君、話があって」ヒロミちゃんから電話だ。
一通りのながれを説明された。
「もう戻れないだろうからっていつ元に戻れるかわからないじゃん!それまで待とうよ」
俺は抵抗した。
「いつ戻れるか保証も無いって言ったのはヒロミ君じゃないっ!私は女の子として生きていたいのっ私の体に戻ってもそれならそれが1番いいのっでもそれまで男の子でいるのは無理なのっ」そのように返ってきた。
「俺だって男として女のままいるのは嫌だよっ」
「私は女の子の体になるからっ!」一点張りの意見だ。
「ふざけんなよっお前の体もてあそぶからなっそんなことしたらっ!」
「ふざけないでっ!もう本当に嫌なのよ。。」
「お前俺の体にケチつけるからお前の体自由にするからなっ」そう言いきって電話を切った。
ヒロミちゃんはそのあとすぐに家に来た。
「私の体もう一度見せて下さい」
そう言いながら泣きながら髪の毛を撫でる。
「今さらふざけんなっ!悪いけどお前の体隅々まで見せてもらったかんなっ」
「オナニーだって毎日してるよっこれが男ってもんだっ」
先程の事もありたまっていた感情が勢い余って吐き出してしまった。
「。。。」ヒロミちゃんは固まっている
「なにをしているの毎日。。。」
まだ勢いの収まらない俺は
「お前もう処女じゃねーよっ」暴露した。
「私の彼としたの??」
泣きながら聞いてくる。
「俺は男の心なんだよ男となんかできるかっ!お前の初体験はこれだよっ!」そう言いながら香水の瓶を見せつけた。
ヒロミちゃんは俺の体で
「初めての、初めての経験が好きな人じゃなくてこの瓶なの??」相当ショックがあったようで泣きながら飛び出していった。
俺は腹いせいにやったことが1人になってものすごく悪いことをした罪悪感で反省した。
この時からヒロミちゃんは俺を避け電話もでない会話もしない完全にシャットアウトされた。
俺の体のヒロミちゃんは医師の治療を受けているようで体全体が丸みを得てきて髪の毛も伸ばしている。外見は中性的な姿に変わってきている。
俺は自分の体が変わっていくのをなにも言えず見ていくしかなかった。
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投稿:2020.09.11更新:2022.04.09
男の俺と女の俺 3
著者 よーこ 様 / アクセス 3012 / ♥ 3