「先生、お目覚めになった?」
…声をかけてきたのは、俺が受け持っているクラスの、美佐子だった。
たしか、家庭訪問で赴いて、だされたお茶を飲んで、それから…
俺は、全裸で手足を縛られていた。
「ちょっと髪が肩に付いてたからって、よくも無理やり切ってくれたわね。」
「何を言ってるんだお前!うちの学校は、女子はショートカットにするのが規則だろ!?」
「…何勘ちがいしてんの?私たちが、好きでこんな中学に行ってるとでも思ってる訳?義務で学区で公立だから、行きたくもないのに、嫌嫌行ってるに決まってるじゃないの。何が創立以来の伝統だから、男子は二厘の坊主で、女子はショートカットよ。私たちが、どれだけ他の学区の子を妬んだか分かる?私たちの親が払った税金で養われてる豚の分際で、調子に乗るんじゃないよ。」
「お、俺はな。お前たちのことを思って…しゃ、社会に出た時、規則を守れない人間だとあとで困るから…!!」
「自分の面子と出世と給料の為の癖に。…あと、変態趣味と。」
美佐子は、俺の男根を握り締めると、付け根に裁ちばさみを当てがった。
「デカマラだけが取り柄か。お肉ちゃん不細工だもん。どうせ素人童貞だろうけど。…私の大親友の亜梨沙って子、いたでしょ、今引きこもってる。ほら、私と二人で美少女コンビって言われてた。お肉ちゃんは知らないだろうけど、子供の頃に、男の人からいやらしい事をされた子って意外と多くて、そういう子って、見た目じゃわかんないないもんね。…お肉ちゃん、しょっちゅうスキンシップって言っては、女の子に触ってたでしょ。亜梨沙の気持ちを考えた事でもあるって訳?社会に出ればこれが当たり前だから慣れろとでも言いたいの?一目で分かるように腕章でも付けろとでも!?嫌なら社会に出るなとでも!?あの子の心の傷をこじ開けたのは…あんたなのよ!」
美佐子は、そう言うなり、はさみを握り締めた。
「ぎゃあー!!」
激痛で絶叫する俺に見せつけるように、美佐子は、付け根から断ち切られた俺の物を、床に落とすと、足で踏みにじった。
「おまえ、こんな真似してただで済むとでも思ってるのか!?」
「ええ。こうしてくれって頼んだのは、亜梨沙のパパだもの。…そして、私のパパは亜梨沙のパパの親友。表向きは貿易商だけど、実は人身売買のブローカーなの。」
美佐子は、そう言いながらボールペンを手に取った。
「そういやお肉ちゃん、…水泳の授業のある日は、月経検査ってやってたよね。」
ボールペンは、俺の傷口に空いた尿道にねじ込まれる。
「こう、ショーツの中に指を入れて、あそこんところを小汚い垢だらけの爪の指でぐりぐりって掻きまわして、血が付かないかって調べて。」
ボールペンがくちゅ、くちゅ、と掻きまわされるたびに、さらなる激痛が俺を襲い、血があふれ出る。
「普通に犯罪よね、これ。社会的地位を抹殺されない?普通にやったら。…教育、体育をさぼらないためって言ってたよね。お肉ちゃん。ひょっとしてロリコン?吉外?変態?」
「たっ…頼む!!もうやめてくれ許してくれ!!謝るから!!」
「…ばーか。やめるわけないじゃん。序の口だよ、お肉ちゃん。」
美佐子はさらに、ボールペンを尿道の奥にまで抜き差しし始めた。
「ひ…ひぎぃ!!痛えっ!!痛えよぉ〜っ!!」
美佐子は、そんな俺を見て、薄笑いを浮かべた。
「ぷっ…ブタが、鼻水と涙まで流しちゃって。みっともない。あの検査のせいで処女じゃなくなった子だっているし、生理が来てたからってマセガキ呼ばわりされて、自分が女だってことを憎んじゃってる子だっているのに。亜里沙以外にも、大勢苦しんでる子たちがいるのに。スカートをめくられて、白じゃない下着だからとか、スカートの下にブルマを穿いてたとかで、髪を切られたり、スカートを没収されたり、下着を脱がされたり。マラソンで、足をくじいてしゃがみこんじゃった子を、いきなりサボってるって決めつけて、骨が折れるまで蹴ったこともあったっけ。喘息の子を、甘えてるって、おなかを蹴ったことも。…その子、あとで、子宮から血が出ちゃったんだって。もう、赤ちゃん産めないかもしれないって。」
くちゅ、くちゅ、くちゅ。
「ひ…ひぎぇええ!!」
尿道には、二本目のボールペンが突き刺された。
「男の子にだって、頭に火傷や傷跡があるのに、無理やり坊主にされて泣いてた子だっていっぱいいたのに。お肉ちゃんは、見ず知らずの他人も見てる前で体の傷をさらけ出して生きることを無理強いされたその子たちになんて言ったっけ。女の腐ったのみたいだって。たかが髪の毛だ、三年ぐらい我慢しろって。そこから学びとれることもあるって。女の子にやって許されない事を、男の子にやって許されるわけないじゃん。バカじゃないの?」
「修学旅行の時は、男の子はつるっつるの青刈り坊主にされたよね。女の子は、耳が半分出るほどの刈り上げおかっぱで。それでぞろぞろ歩かされて。あの時、私たちを見た人、全員吃驚してたよ。今時、どこの独裁国かド田舎かって。くすくす笑ってる声まで聞こえてきて。あ、そうそう。私たちの入浴中に、いきなり入ってきたよね。騒ぐな、静かにしろって。騒いでなんかなかったのに。やっぱあんた変態だよ。つか、あんたのせいで棒に振った私らのたった一度の三年間返してよ。おっさんが無駄に過ごしてる三年間と、私たちの大事な時間がおんなじだとでも思ってるの?…こんなもんじゃ全然足りっこなんかないのに。…もっと泣けばぁ?ぶーぶーって。お肉ちゃん。」
溢れた血で、全身を真っ赤に染めた美佐子は、そう言いながら、俺の玉袋を左手でわしづかみにすると、その下にブロックをあてがった。
そのそばに用意されたハンマーを見て、俺は全てを察した。
「もう不細工なチンボも無いし、キンタマも要らないから。…私はね。復讐したかったの。心をずたずたに引き裂かれた亜梨沙の為にも。生徒に非があるから殴られるんだという考えにあぐらをかいて、昔はこれでうまく行ってたから、それに逆らう側が間違ってるって、本気で思ってる連中に。自分の理想の子じゃないから、自分色に染まらないからって怒る連中に。」
「たっ…頼む!!それだけは、それだけは勘弁してくれ!!」
「だー、かー、らーぁ。やめないって言ったでしょ、バカお肉ちゃん。何人もの女の子や男の子と、その両親の気持ちを土足で踏みにじって、体にも心にも一生消えない傷をつけて、教育的指導だって大ぼら吹いて通るって、本気で思ってるわけ?…あ、お肉ちゃん判んないんだよね。親が我が子を思う気持ちなんて。」
美佐子は、ブロックの上に、テープで俺の金玉を二つともしっかり固定した。
「何たって、子供が出来たら責任をとって守って育てなきゃいけないっていうセックスなんて一度もしたことが無いから。女の事を快楽のはけ口としか思ってないから。だから、その女が産んで育てた他人の子供をあそこまでぞんざいに扱えるんだよね。自分の薄汚いチンボから出たザーメンと他人の子供を一緒に思ってるんだよ。心のどこかで。やっぱ、お肉ちゃんにこんな物が付いてること自体が間違いなんだよ。お肉ちゃんには豚に真珠だよ、生殖器なんて。天に唾するのと一緒よ。」
美佐子が、ハンマーを振りかざした。
「…分かったら自分の玉にさよならを言いなっ、このブタぁ〜っ!!」
「ぐぎぇええええ〜っ!!」
美佐子が勢い良く振り下ろしたハンマーの下で、俺の金玉が一つ、、あっさりとはじけた。
俺の意識は、その一撃であっけなく吹っ飛んだ。
…美佐子は、彼の睾丸が二つとも跡形もなくつぶれるまで、何度も、何度もハンマーを打ちおろした。
その様子は、ビデオに撮影され、亜里沙の両親のもとに送られた。
体育教師、イソベススムは、それから間もなく失踪した。
彼は醜いので、他の貧乏国上がりの竿玉なし奴隷と共に、十人五百ドルという破格値で、アラブ貴族のハレムの下働き用に売られていった、という。
「…で、お肉ちゃんどうなっちゃうのパパ。」
「…大抵、転売転売のうちに、体がボロボロになって最期は屠殺だな。移植用臓器としてもあの手のブタの使い道なんてないから、灰になるまでゴミと一緒に焼却だ。生きていた痕跡なんて、骨のかけらさえ残らないよ。」
「ふーん。…いい気味。」
後日談はこちら
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投稿:2008.02.21更新:2011.10.20
美佐子の復讐
著者 真ん中 様 / アクセス 25586 / ♥ 2