もとみやさん、読んでくれてありがとうございます!
300x年地球は人口増加の為、食料危機に陥っていた。
そこで政府は、人口増加に歯止めをかける為今までの三大義務(勤労の義務、納税の義務、子供に教育を受けさせる義務)に新しい義務を加えることにした。
それは、『去勢の義務』である。
この去勢の義務は、大多数の男女に平等に施行されることとなる。
男女共に10歳になると、GPS付きの貞操帯を着用することが義務付けられる。そしてこの貞操帯は、無理に外そうとすると、気絶する程の電流・警察への自動通報が行われる仕組みになっている。
男子用の貞操帯は鉄でできており、勃起していない状態でペニスを収納できるようになっている。その為、勃起しようとしても、勃起することさえできない鬼のような仕様になっている。
女性用の貞操帯は、クリトリスの部分に、圧迫オナニー防止装置がついてる。これは、女性が机の角などに陰核を押し付けて自慰をしようとすると、男子の貞操帯同様に電流と通報が同時に行われる仕組みになっている。
そして性器の洗浄の為、小中高の保険室には去勢管理資格をもった職員が待機している。
洗浄の際は、絶対に自分で性器をさわらないように、後ろ手に手錠をはめた状態で、職員に洗浄されることとなる。この洗浄の際に一分以上勃起が続いたり、女性は膣が濡れたりすると、教育の一貫としてペナルティーがかせられる。主に、電気ショックやムチ打ちなどである。
そしてこの去勢の義務は、全員がすると言うわけではない。
15歳になり高等学校に入学して、17歳までの二年間の成績によって決められることとなる。
男女共、成績が全体の半分以上のものは、子孫繁栄クラスとしてクラス替えを行われ、
成績が半分以下の生徒は去勢管理クラスにクラス替えを行われ、残り一年の高校生活をおくることとなる。
そして子孫繁栄クラスでは、さらに熾烈な成績競争が行われる。
それは、子孫繁栄クラスでの上位2割の生徒は去勢を免除されて、残りの8割の生徒は、一部去勢をしなければならないからだ。
一部去勢は、男子はその8割の中の成績上位者は睾丸の摘出が施行され、残りの成績下位の男子生徒は陰茎の切除をしなければならない。
女子は、卵巣の摘出、成績下位の生徒は卵巣と陰核の除去をしなければならない。
言うまでもないが、去勢管理クラスの生徒は、男子は陰茎と睾丸及び前立腺の摘出をされる。
女子は、卵巣と子宮及び膣の除去を施されることとなる。
そして、高校3年になってからの一年間は去勢管理クラスの生徒にとっては地獄となる。
これは、300x年3月末日のクラス替え直前の頃の話しである。
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外は春らしい心地よい風が吹き、桜が満開になろうとしている。
『とうとう明日はクラス替えの発表だね‥‥。涼平は怖くないの?』
『もちろん俺だって怖いさ。明日のクラス替えで俺たちの人生が変わるだからな。でも葵、俺たちはあんなに勉強して頑張ったんだ。きっといい結果になるはずさ。』
『うん‥‥。でももし、私達のどちらかが去勢管理クラスになったり、2人とも去勢管理クラスになったっらって思うと‥‥』
葵は青ざめた表情で今にも泣きだしそうにしている。だが、俺は心に決めていた。俺達が例えどんな結果になろうとも、葵とは死ぬまで一緒に寄り添っていくと。
『葵、俺はなにがあってもお前を裏切るようなことはしない。俺とお前は一蓮托生⁈だろ!』
『一蓮托生?』
ちょっと受け狙いで四字熟語を使ってみたが、葵は一蓮托生の意味がわからなかったようだ。
『よくわかんないわ‥‥』
『後でウィキペディアでもみろよ。』
翌日。
この日は、朝から皆とても緊張した面持ちで、明らかにいつもと教室の空気が違っていた。
皆うつむいてなにもしゃべろうとしない‥‥。
あと五分もすれば、先生が教室に入ってきてクラス発表をするからだろう。
だが俺は緊張に耐えかねて、左隣の席の男友達に話しかけてみた。
『あのさぁ‥‥』
『今話しかけんなよ。』
どうやら、話しかけてほしくないみたいだ。
どうせだから、右隣のあまり仲良くない女子にも話しかけようとしたが、目があった瞬間明らかに彼女の目は『しゃべりかけんじゃねぇ!』という感じだったので、おとなしく座っていることにした。
長い沈黙‥‥。
ガラガラ!
長い沈黙を、勢いよく教室のドアを開けた先生が突き破る。
『おはようお前ら!今日も朝から歯磨きと、キンタマ磨きしてきたぜ!』
僕以外誰も笑わなかった。
皆、クラス発表で頭が一杯らしい。
『お前ら、それじゃあお待ちかのねのクラス発表をするが心の準備はいいな?』
皆、緊張したままコクンと頷いた。
先生はなにやら封筒の中に厳重にに包まれた名簿のようなものを取り出した。
『では、これよりクラス発表を行う。
赤井ひでかず‥残念!去勢クラス!』
楽しそうに読み上げる先生とは裏腹に、赤井の顔は真っ青になっている。可愛いそうに。
『次!
井上まお!おめでとう!去勢クラスだ』
美人のまおちゃんは去勢クラスになったのか‥。可哀想というか、もったいない‥。
まおちゃんは半ば半狂乱になりながら先生に怒鳴りつけた。
『なんで先生は私が去勢クラスなのに、おめでとう!って言うんですか?人の不幸を楽しんでるんですか?このクズ教師‼』
しかし先生はまおちゃんを相手にすることなく、淡々と名簿を読み上げていく。
上田‥遠藤‥緒方‥。
俺は山田だから、最後のほうだな。
葵は、山崎だから俺の前だな。
皆、喜んだり泣いたり温度差が激しい。子孫繁栄クラスになったものは、その場に立ち上がりガッツポーズなんかしたりしてる。
そういえば、ガッツポーズってのはガッツ石松とかいうチンパンジーが、やったのがはじまりだときいたことがあるな。
まっ、今はどうでもいいが。
そしてついに葵が呼ばれた。
『山崎葵!』
『はい‥』
とても小さい声だ。あいつは緊張すると声が小さくなるからな。
『残念だが‥、葵‥、去勢クラスだ。』
葵の顔が凍りついた。
そんな馬鹿な⁉なぜ葵が去勢クラスなんだ⁈
俺が先生に抗議の言葉を出そうとしたところで、先生は俺の名前を読み上げた。
『山田涼平!』
『はい!』
『去勢クラスだ!やったな!』
『えっ⁈』
先生は俺の目を見ながらにっこり微笑み、親指を立てている。
俺は目の前が真っ白になった。
その日はそこまでの記憶しかなかった。
去勢される。
チンチンを切られる。
セックスできない。
射精したい。
風俗いきたい。
俺は絶望していた。
一週間後。
僕は去勢クラスのB組になっていた。葵も運良くB組だったのが、俺にとって唯一の救いだった。
ちなみに、赤井とまおちゃんもB組になった。
今日は去勢クラスの初日の授業で、まだ担任の先生が誰かもわからない。
去勢クラスの皆は神妙な面持ちで、担任の先生があらわれるのを待っていた。
そして‥
ガラガラ!
『皆さんおはようございます!去勢クラスB組の担任の、竹内よし江です!』
なんと、入ってきたのはとびきり若くて美人な女の先生だった。
貞操帯がなければ、間違いなく勃起していただろう。
『これから残り一年の高校生活、先生と楽しくすごしましょうね!』
先生の鼻の下にあるスケベボクロがなんともたまらない。
しかしこの美人な先生が、かえって俺を苦しめることになる。
『それでは皆さん!早速ですが、男子も女子も全裸になって下さい!』
先生はいきなりすごいことを言い出す。
『なんで全裸にならなきゃいけないのよ!あんた頭おかしいんじゃない!』
先生が言うないなや、喰ってかかったのは美人だけど性格の悪いまおちゃんだ。
『井上さん、あなたは去勢クラスの一員としての自覚はありますか?』
先生は興奮するまおちゃんを諭すように優しく話しかける。
『そんなもんないわ!私は去勢なんか絶対しないし、あんたなんかの言いなりにはならないから!』
まおちゃんは先生を睨みつけ、吐き捨てるように言った。
『井上さんがなんと言おうと、あなたに対する去勢の権限は先生にあります。
先生が直ちに去勢を行なうと言えば、井上さんを今すぐにでも去勢できると言うことをお忘れなく』
先生も一歩も引かずまおちゃんを睨み返す。
『だったら、今すぐやればいいじゃない!そんな脅し、怖くもなんともないし!』
『本当にいいの?先生は言うことを聞かない生徒には、とことん厳しくするわよ?あなたの子宮及び膣の摘出は、麻酔なしでするけど本当にいいの?』
先生はドスのきいた目つきでニヤリと口元を緩めた。
これには、さすがのまおちゃんも黙るしかなかった。
この先生‥以外とやるな。
僕は他人事のように感心してしまった。
『皆さんに全裸になってもらうのには、いくつかの理由があります!
一つは、新しい貞操帯に取り替える為です!』
『先生!もしかして新しい貞操帯って勃起できる貞操帯ですか!』
僕はつい興奮して馬鹿な質問をしてしまった。
『山田くん。残念だけど、全くその逆よ。』
『逆ですか?』
僕は意味がわからなかった。
『そう。逆なの!
男子の貞操帯には勃起すると、この鋭い針が肉棒に食い込む、勃起すると針が刺さる装置が追加されるの!』
そのまんまのネーミングだ。
『そして女子には、膣内と陰核に五分おきに微弱な電流を流して刺激する、バイブ装置付きよ!』
やっぱりそのまんまのネーミングだった。
バイブという言葉をきいて、沈黙を保ってきた赤井がついにしゃべりだした。
『先生‥!バイブはお尻の穴にも入れる二本刺しタイプですか!』
赤井‥。お前ってやつは‥。
そして僕達は全員全裸になり、新しい貞操帯を装着した。
『あっ!そうそう!あなたたちの使命は、子孫繁栄クラスの生徒達の手助けをする、いわば喜ばせ組だってことも忘れないでね!』
新しい貞操帯を装着した、僕達に先生は言った。
『あと、先生もあなたたと同じで、全裸になります。
男子は絶対に勃起したりしないようにね!』
葵やまおちゃんの貞操帯&全裸だけでもかなりやばいのに、この上先生の全裸は‥確実に勃起する‥。
先生が服を脱ぐ音はしているが、どうしても目を開ける勇気が湧かない‥。
しかし、やっぱり男の本能で見てしまった‥。
先生は胸の大きさもちょうど良く、乳首はピンク色で、肉付きもよく、しかもなぜかパイパンだった。
教室の男子全員が一斉に股間の激痛に襲われた。
『あなたたち!もっとよく先生を見なさい!そして性欲をコントロールしなさい!自分が喜ばせ組だっていうことを理解しなさい!』
女子は、痛がる男子を冷ややかな目つきでみている。
『あなたたち女子も、他人事ではないのよ⁈あなたたちの貞操帯についてるバイブには、愛液の分泌を感知する機能がついていることを忘れないようにしなさい!一定量以上の愛液の分泌を確認したら電流が流れるんだからね!』
僕達はこの日、自分達が去勢クラスに来たことを思い知ることとなった。
まだまだ地獄が始まったばかりだと言うのに‥。
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投稿:2013.01.19更新:2018.02.07
去勢の義務『前編』
著者 キンタマフェチ 様 / アクセス 27617 / ♥ 1