初めての方は古城の中から◆PART1〜バブルの果て◆からお読みください
この作品は古城の中から◆PART9〜グランドオープンそして◆からの続きです
さて、今日はTV局の取材も入っている。取材クルーの後を追ってみよう。
「地元ローカルの4チャンネルの『5時だよこんばんわ』という番組です。博物館はいかがでしたか。」
「いやあ、凄いの一言ですわ。拷問椅子の後ろに回ると、棘がモデルのお尻に刺さって血が出てるし、水車のように回る車輪では、モデルの顔や腹が床の棘々に擦れて、血まみれになってますし。」
「人形でもなく、マジックでもないんですよね。」
「ショックで失神している女性もいました。」
「特別イベントは、想像を遥かに超えました。」
「もう、ぶっ飛んでいたね。」
「絞首刑志願者も続出するし。」
「それ以前に、ボランティアの中に去勢者があんなにいたとは。」
「おっとここで、初日にCコースの体験をした方のライドが、ちょうど出てきました。Cコース体験第一号の方の様子を見に行きましょう。」
「ここがライドの終点です。エジプトのミイラの棺みたいですね。ただ、蓋が中央で割れて左右に開くようになってます。ここらへんは鉄の処女を横倒しにしたようにも見えます。」
「いよいよ蓋が開かれるようです。中には仰向けに素っ裸の男性が横になっています。口にはボールギャグを嵌められています。股間は何もないノッペラボーの下腹部です。」
「尿道の栓の周りには血が固まった黒いかさぶたが広がっています。カメラがアップしているこの部分が、宮刑を受けた股間です。いやあ、男性の痕跡は全くありません。見事な宦官がここに出来上がってます。」
「係員がボールギャグを外しました。手足などのベルトはそのままです。」
「鼻には家畜のような鼻輪のピアス、左腕には江戸時代の入墨刑のような2本線の入墨が見えます。宦官としての登録番号は右の太腿に大きく焼印されています。下腹部には『EUNUCH』の入墨、顔には略称の『EU』の入墨、焼印は胸にもあります。これは宦官の製造元を表す記号だそうです。」
「それでは、さっそくお話をお伺いしましょう。今のご感想は。」
「予想していたよりは簡単だったかな、というのが正直な感想です。」
「途中で怖かったことはありませんでしたか。」
「怖いことはなかったです。去勢まではむしろ期待でわくわくでした。でも痛みは強烈でした。」
「それは去勢の瞬間ですか。」
「そのときもそうですが、去勢後に入墨と焼印を入れるときですね。去勢の傷の痛みに重なって、そこからすっと大変でした。」
「3日間、ライドの中に閉じ込められていた気分はどうでしたか。不安とかは。」
「傷がどうなっているのか見えないのは、ちょっと不安でした。ボールギャグのせいもあって、喉の渇きが強烈だったです。」
「これからどうしますか。」
「このまま安静にして、傷が完全に塞がるのを待ちたいと思います。中国の宦官みたいに縫わずに治したいです。」
「ありがとうございました。」
「さて、ここで、全自動の去勢棺が開発されたという話がきました。ちょっと拝見しましょう。」
「こちらは、陰茎と陰嚢の切断も自動で行ってくれるそうです。切り離された性器と血液などは、このジャバラホースが吸い取ってくれるとのことです。」
「切断された男性器はご覧のようにパイプから分岐して、ちゃんとビニール袋に収まっっています。」
「このあと加工されて展示されるようです。」
「こちらは、完成後初めての使用なので、なんと開発責任者が自ら乗って体験したそうです。続いて副責任者が棺に入るようです。楽しみです。」
「とりあえずここで失礼します。取材にご協力いただいた皆さん、どうもありがとうございました。」
「個別の体験もなかなかハードですね。こちらの女性は単なる首枷晒体験かと思ったら、両耳を釘で打たれています。」
「顔を上に向けさせる目的らしいですが、枷から解放されるときは釘を抜くのではなくて、両耳を切り落とされるようです。」
「体験コースを回られた方にお聞きします。かなりハードなものもあったとか。」
「私はAコースで一番楽と聞いていましたが、素っ裸で籠に入って暑さ寒さを堪えるのは、思ったより大変でした。」
「汗搾箱ではもう汗だくだく。」
「鞭打ちや鉄の処女は痛かったです。鉄の檻の中にいてもうまいこと枠を避けて刺さってくるんだす。ほら、あちこちに傷が残ってます。」
「コースの最後に、一糸纏わぬ姿でエントランスホールに吊るされたのは、ゾクゾクしたなあ。」
「Bコースの体験者はお見えになりませんか。」
「Bコース行ってきました。鉄環絞首刑は結構本格的で苦しかったです。椅子から飛び出してくる棘も、想像以上に尖っていました。ただ、数が多いので体重が分散したのか、皮膚に突き刺さるまでは行きませんでした。」
「水責めと汚物責めは、これでもか、これでもかと繰り返されて大変でした。特に最後に吊金具が外れてしまうところは、水中に取り残されて怖かったです。」
「電気椅子も結構ビリビリ来て、ヤバかったす。」
「単独コースはどうでしたでしょうか。」
「見学自由で大勢に見られているのは、刺激的だったなあ。」
「全裸のハリツケはそれこそすっぽんぽん。強烈だった。女性の体験者もいて驚いた。」
「あれは恋人とペアで挑戦したそうだよ。右側の男性が彼氏。」
「新タイプの結婚披露宴かな。」
「三角木馬も下半身だけ全裸だったし。」
「しかも穿いていた自分のパンツを顔に被って、誰だか分からないようにする。ちょっと間違ったら変質者。」
「ただ跨るだけじゃなくて、両足に重石を付けたり、上から吊るしたロープで身体を引き揚げて突然落としたり、凝ってましたねえ。」
先端が刃物になった巨大な木馬の上を、天井から吊るされた全裸の体験者が、少しづつ引っ張られて、前へ移動していくのも、なかなかだった。
「股間からみんな出血していました。男性は邪魔モノがあるから、女性より痛かったと思います。」
「自動鞭打機は、回転ドラムに本当にいろいろな鞭が付いていて、それがお尻に食い込むのを見るのも良し、もちろん体験するのも良しって感じだったと思いました。」
「あれって、床の手枷足枷に固定されてから、お尻を丸出ししするでしょ。ズボンとパンツを引き摺り下ろされるから、どんなの穿いてるか、全部分かっちゃう。」
「スカートの女性は、スカートをめくり上げられて、パンティを下されてましたね。」
「あれ、ドラムが時々逆回転になるんです。そうなるとこれまでお尻の中央に当たっていた鞭が、まともにフクロにぶつかるので、タマタマが痛くて痛くて。これは男性だけですね。」
「ここからはスタッフの方に感想をお聞きします。いやあ、凄い人出ですね。」
「ありがとうございます。」
「最も印象に残ったのは何ですか。」
「初日の日本式磔の実演、あの体験者・・・アーティストとか呼ばれていましたが・・・・の恍惚の表情が忘れられないです。」
「しかももう1人が飛び入り参加。野外の磔柱は一つしか用意がなかったので、そのまま晒し者にするはずの最初の体験者の磔柱を移して、急遽2人目も磔で処刑。そうしたらさらに・・・・」
「ドラキュラ公の串刺もびっくりした。出るのは1人かと思っていたら何人も。」
「全員がちゃんと、槍を肛門から口まで一気に突き刺したのは見事でした。普通にやると、肩とか背中とか途中で出てきちゃうんだそうです。」
「余興で人間串焼きバーベキューにしたのも、盛り上がりました。焼かれた人肉を食べたいという人もあったし。」
「あの人は、明日の特別イベントで腰斬刑になるんだって。自分への最後のご褒美で、同じ体験者仲間の肉を食って、勇気を分けもらったとか聞いたよ。」
「それを見てなのか、人間バーベキューの志願者が殺到して困っているそうです。肛門から口まで長い鉄串を刺し通すのは、高度な技術が必要で、いつでもできるわけではないそうです。」
「それで、乗れば自動的に串刺にしてもらえる機械を持ち込みました。最初は空想世界のグッズとして作られたものだったのですが、役に立つとは。さっそく2人の男が体験して、動作確認済です。」
「さらに男性1人、女性2人が体験して肛門から口まで簡単に串刺にされました。動作に問題ありません。」
「その機械があれば、後は串刺された肉を調理会場に運ぶだけ。」
「時間があるときは仮置きして展示します。」
「人間バーベキューですから調理会場は野外の方がいいでしょう。」
「ところてせっかくなら生きたままバーベキューにされたいという体験者もいて、そのための特別な器具も、もう作られたそうです。」
「なるほど。これなら串刺の棒を付け替えるだけでできそうだ。串刺と生きたまま焼かれるのはどっちが苦しいんでしょうかね。」
「最初は生きたまま焼かれて、途中から串刺にされることもできます。」
「そういえば串刺でないバーベキューも楽しめます。」
「西欧の火刑ではわざと炎を遠ざけてゆっくり火刑にした例もあったようで、この装置は鉄の脚が伸縮式で、炎との距離を調整できるようになっています。」
縛り付けた体験者の周囲の溝に、燃える油を流して焼死させる火刑の実験も行われました。装置が大変大がかりになりましたが、結果は期待通りでした。
「そして新作の刑具では、ガスの炎で囚人を焼き殺す近代的な火刑装置も開発されました。」
「既に体験者も出ていますが、囚人の様子が最期までよく観察できると、なかなかの評判です。」
「いやあ、まだまだいろいろなお話をお聞きしたいところですが、お時間のようです。それではまたお会いしましょう。」
(PART11に続く)
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投稿:2014.02.17更新:2024.08.01
古城の中から◆PART10〜注目の体験者インタビュー◆
挿絵あり 著者 名誉教授 様 / アクセス 44070 / ♥ 250