二年二組の教室は定例のクラス会議で、机を壁際に寄せて皆が中心を向いて座っていた。男子と女子が対立するように座っている。担任の先生は教育委員の研修とかで欠席していた為、生徒だけのクラス会が開かれていた。
「次の議題は男子のセクハラについてです」
クラス委員長である上原瑞樹が議題を宣言すると、男子の中からブーイングが上がった。俺は部屋の隅からその様子をまるで他人事のように眺めていた。いつも同じ議題が取り上げられるから飽き飽きしていた。一部の男子が女子を性的な言葉で冷やかしたり、時には乱暴したりする。異性に興味がある中等部らしい問題だ。
「毎回このような問題が絶えませんので、今回はしっかりとした罰を与えたほうが良いとの提案が鈴木さんからありました」
「なんだよそれ! 横暴だ」
「あんた達が止めないからでしょ!」
そんな口論が飛ぶ。
「静かにしてください。罰を何にするかは後にして、先ずこの提案に賛成かどうか挙手でお願いしたいと思います」
クラスの男子と女子の比は丁度半々だった。男子が全員反対すれば提案は無効になるはずだ。しかし俺としてはもうこんな不毛な議論を繰り返すのは止めにしたかった。ガキっぽくてかなわない。一部の男子が性欲を抑えきれずにいることで問題が起こるのなら、そいつらに罰を与えても良いと思った。
「それでは顔を伏せて、挙手をお願いします」
こんなやりかたは幼稚だなと思いながら、俺は顔を伏せて賛成に手を挙げた。
「はい分かりました。賛成21反対19で今回の提案を承認します」
「なんだって!」「ふざけるな」
男子から大声が上がった。
そして男子の一部がひそひそと話始めた。誰が裏切ったんだという詮索をしているのだろう。俺は別にバレても良かったが黙っていた。するとすぐ隣にいた横山という奴が、俺が手を挙げていたということをバラした。
「お前! ふざけんなよ」
セクハラをしている男子の一人が大声を上げた。俺は無視して頬杖をついた。
「議長! 罰を受けるのは全員ですか?」
村井という男子の中で最も気弱な男が挙手をしながら訴えた。
「それを含めて鈴木さんから引き続き提案があります」
どうやら議長と鈴木は前もって段取りを決めていたらしい。
鈴木が起立し、A4紙を片手にしながらまるで演説するように声を高めた。ヒステリックに興奮した高い音が聞き苦しい。少しこいつらに賛成したのを後悔した。
「男子の中から見せしめとして一人に罰を与えます。罰は……女子の前でしゃ、射精を我慢することです!」
鈴木は顔を真っ赤にして座った。
「なんだよそれ!」
男子全員がざわめいた。女子達も口を押さえてこそこそと話し合っている。これには俺も驚いた。あまりにもむちゃくちゃだ。
「理由はセクハラを止めさせる抑止力が必要だと言うことです。生理用具にいたずらしたり女子トイレを覗いたのは男子が先ですから。女子が恥ずかしいことをされた分、男子もそれを味わう必要があります。あと鈴木さんが言い終わる前に止めてしまいましたが、男子が気持ち良くなっては意味がありません。だから絶対に“射精できなような状況下”で行います」
議長の上原瑞樹の瞳が怪しく光った。サディスティックな迫力が男子全体を飲み込んでいった。
めちゃくちゃだ。俺はてっきり掃除当番などの強制労働くらいと思っていた。こんなことは許されない。
「では賛成か反対か挙手でお願いします」
クラスの中は依然騒然としていた。男子は特にざわざわと喋り続けている。
「静かに! 皆さん顔を伏せてください」
こんな提案に賛成できるか。俺は反対に挙手した。
「終わりました。皆さん顔を上げてください。結果は……賛成24反対16で承認です」
「なんだって」
俺は声に出して驚いた。すると隣に座っている横山が低く笑った。横山は四つ離れた席にいる掛川と町田に手を上げてサインを送った。こいつらと他の数人が賛成に手を挙げたのか! そして俺は町田が口にした「議長! 誰が罰を受けるか男子内で決めてよいですか?」という言葉で、こいつ等のたくらみに気付いた。
女子の提案では罰を受けるのは一人だ。つまり奴等は俺をターゲットにするつもりなのだ。
上原は女子の方を見た。とうぜん彼女達は直接被害を受けた人間に制裁を加えたいはずだ。だが……女子達のいや上原瑞樹の回答は予想に反した。セクハラ組としてはそれも計算済みの対応だった。
「クラス会での決定事項ですので多数決で決めたいと思います」
いつも型にはめたがるお堅い議長のもっともな答えと言えた。
こうしてクラス全体を巻き込んで、男子の誰に罰を与えるか投票が始まった。紙に名前を書いてそれを集めるという単純なものだ。
「投票の結果が出ました。意外な結果でしたが、一位は宮路くんです」
俺は開票中、自分の名前の横に一つずつ正の字が増えていく度に血の気が引いた。そして自分が一位になった時は頭の中が真っ白になっていた。
二位は町田。しかしその差は歴然としていた。その他セクハラをした男子四人にも同じくらいの票が集まったが俺のそれにまったく及ばない。仕組みは簡単だ。男子のほぼ全票を俺に差し向けた奴等がいたのだ。裏切り者だという一時的な敵外心が男子に広がった。そして本来筋の通っている女子の票は五人のセクハラ男子に割れたのだった。
「ふう。危ねぇ危ねぇ」
町田がわざとらしく胸をなでおろしている。
「くそ、汚いぞ町田」
俺は立ち上がって怒鳴った。
「お前が裏切ったんだからな。責任取れよ。はは」
「宮路くん。席に着いてください。罰は放課後に行います。女子は残ってください。男子は宮路くんを除いて教室から退出してください」
クラス会の後は日直の簡単な連絡事項があり、すぐに放課後となった。
「じゃあな宮路! がんばれよ」
町田と掛川が俺の席に近づいて笑いながら去っていった。
「はい。宮路くん以外の男子は教室から出て行って」
上原が壇上から言った。数人の男子が俺の前で両手を合わせゴメンナと言って、足早に出て行った。
「さて、宮路くんには悪いけど。決まったことだから始めます」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。ホントにそんなことするのか? 掃除当番とか他の罰にならないか?」
「言ったでしょ。セクハラに対する見せしめの為でもあるって」
上原の言葉は強く冷たかった。
女子達は机を教室の半分に寄せ、教壇を囲むように椅子を扇状に並べた。俺は教壇の上に立たせられた。女子の四十の瞳が俺を見つめる異常な雰囲気に俺の心拍数は上がっていった。
「じゃあ制服を脱いでください」
ヒュウと冷やかしの声が飛んだ。
俺は学ランを脱ぎ、ズボンを脱いだ。体育用の短パンを履いていたから恥ずかしくは無かった。白いTシャツに短パン姿だ。
「じゃあこれからは抵抗できなようにこれで拘束します」
どこから持ってきたのか木の板に二つ穴があいた枷を後ろ手に取り付けられる。なんて幼稚なんだと余裕だったが、予想以上にしっかりと作られた枷で、とたんに被虐的な不安がこみ上げた。
俺は誰かが持ち込んだ教員用の椅子に座らされ、両足を開いて肘掛に置くように言われた。「そんなのできない」と言うと、上原はバレー部の女子三人に手伝わせて俺を無理やり椅子に縛り付けた。彼女達は男子より背が高く、万里の長城のようだからとバンリ三姉妹と言われていた。力もそれなりにあり、帰宅部で特に鍛えていない俺には太刀打ちできなかった。
俺は股間を広げ膝を教員用の椅子の肘掛に置いた状態で、女子二十人に囲まれた。背もたれは垂直に調整され、背筋は伸びているが下腹部は斜め45度で天井を向いている。あまりにも恥ずかしい格好をとらされた俺は、顔の温度がみるみる上がっていった。
「宮路くんが赤くなってる」
「結構かわいいね」
女子達の言葉は羞恥心を掻き立てる。
「服を取りましょう」
上原は大きなはさみで、俺のTシャツを切っていった。上半身が裸にされると、キャアと言う歓声があがった。
「やめろっ!」
上原のハサミが短パンを切り取り、その下のトランクスまで切ろうと言う時、俺は大声を上げて抵抗した。
「恥ずかしいでしょう。ふふふ」
上原が耳元で呟いた。俺は背筋に冷たいものが流れるのを感じた。
上原は躊躇なくトランクスの両脇を切っていった。
「みんな。宮路くんの恥ずかしい姿を見たい?」
「はーい!」
女子のテンションも上がっている。みんな興味深々といった風に、瞬きすらしていない。
「やめて。やめてくれ。あっ!」
上原がトランクスを俺の股から引き抜いた。
キャァーと言う歓声が上がる。俺は一糸纏わぬ格好でクラス女子全員の目の前で股間を曝け出した。これだとペニスや睾丸はおろか、肛門まで彼女達に丸見えだ。最近剥けたペニスは亀頭がまだピンク色で、まるで興奮した犬のペニスのようだった。俺はそれが一番恥ずかしかった。
「み、見るな! 見ないでくれ」
俺は何の抵抗も出来ずに大股開きで声を上げた。
予想以上の辱めを受けて、完全にパニックに陥っていた。
「へえ、男子のって結構かわいいね」
「それは宮路くんが子供だからじゃない? うちの親父とかサイテー。お風呂上りとかさ、ぶらぶらさせてんの超気持ち悪いもん」
「そっかまだ毛が生えてないもんね」
毛は生えている。しかしまだ薄くて遠目には見え辛いだけだ。いや、こんなことを考えてる場合じゃない。
「宮路くんが情けない格好をすればするほど、良い見せしめになるわ。ほら遠くから男子達も見てる」
え!? 俺は上原が指すほうを見た。教室は二階にあった。別の校舎へ続く渡り廊下が三階にあるのだが、教室はその渡り廊下から丸見えなのだ。もちろん普通に移動している分にはこの教室を覗く人間なんていない、しかし「あの教室で特別なことが起こっている」ことを知っていれば絶好の覗き場と化す。
そこには頭の影が五つ見えた。セクハラ組であることは間違いない。
俺の視線に気づいた奴等は、ふざけて敬礼のしぐさをとった。
あいつらにまでこの痴態を観察されるとは。
「じゃあ、勃起させます。男子は単純な生き物だからペニスや睾丸を刺激すると簡単に興奮するわ。誰かやってみたい人はいますか?」
何名かの女子が手を挙げる。
「えーあんたやるの?」
「練習よ練習」
「なんのよ。あはは」
と言った軽口が飛び交う。
「じゃあ、加藤さんと筒井さんはゆっくり睾丸とペニスをさすってあげてください。私と本庄さんは乳首に刺激を与えます」
女子四人が俺の傍に屈み、それぞれが理科の実験で使う薄いゴム手袋をつけた。
そして同時に四人がペニス、睾丸、乳首に触れた。
恐る恐る触る彼女達の手から、くすぐったい刺激が全身を襲う。
「あっ! くっ。やめっ」
俺は腰を捩ったり胸をずらして抵抗したが、女子達の手から逃れることはできない。
だんだん彼女達の手先も慣れてきて、加藤という女はペニスを握って摩る動きを始めた。
「男の子って自分で摩るんでしょ」などと俺に聞いてくる。さらに筒井が睾丸を握ったり離したりと繰り返した。「私、本で読んだことがあるんです。袋を押して血流を良くすると構造的に勃起してしまうんだって」と豆知識を披露する始末だ。
そして一番俺に淫猥な刺激を与えるのが、乳首を摘んだり捏ねたりとする上原と本庄だった。最初はくすぐったいだけだった俺も、彼女達の巧みな指の愛撫で体にびくびくと刺激が起きるようになっていった。
「あっ」
びくっと勝手に体が強張る。
「あ、たってきた!」
緊張から猥褻な刺激へと管理された体が、俺の気持ちとは別に反応してしまうのに時間はかからなかった。
「おっきい!」
「ホント」
ペニスはびんびんと脈動して天井に向かって垂直に勃起した。
包皮がめくれ上がった亀頭が、真っ赤に張っている。
「さあ、もういいかな。じゃあ早速始めたいと思います」
上原が教卓の上に置いたバックから、黒いベルトになにやら複雑な機械のついた道具を取り出した。
「この黒いベルトは股間に装着できるようになっています。そしてこの丸く穴の開いた金属部分にペニスを通します。そしてこの突起物はお尻の穴に入ります」
その道具はちょうど褌を細くしたような感じだった。股の部分は、幅が五、六センチと言ったところか。金属の不可解な機械仕掛けの板が取り付けられており、ペニスが通るように丸く穴が空いていた。睾丸部も圧迫しないように両脇へベルトが分かれていた。そして長さにして五センチ、太さは人差し指くらいの突起物が内側に向かって付いていた。
「宮路くんにはこれを穿いてもらいます」
上原はまず勃起したペニスを穴に通した。穴はぴったりでペニスに金属が当たってひんやりした。
「ぎりぎり。これでも大きめのサイズなのに。宮路くんのって大っきいんだね」
上原がそういって器具を装着する。
「はい、お尻の力を抜いて」
「ちょ、嫌だよ。そんなのまじで」
「早く!」
上原は突起物を肛門にねじ込んだ。力を入れても先の細い突起物はヌルリと肛門に侵入した。なにか円滑剤がついていたのかもしれない。ベルトを締め、留め金に南京錠をつけられる。
皮のTバックを穿かされたようだった。思いのほかきつく、びっちりと体に張り付いている。肛門から入った突起物が気持ち悪い。
「説明します」
上原が教壇に立って教卓のかばんの中から、穴の空いた金属版と棒のような物を取り出した。棒から細い線が延び金属板に繋がっている。
「この機械は、いま宮路くんのペニスを通しているものと同じです。こちらはアナルに入っている棒と同じです」
くすくすと笑い声が聞こえた。アナルに異物を差し込まれ、勃起しながら股間を開いてる姿はクラスの女子はおろか、俺に濡れ衣を着せたセクハラ男子も眺めている。心は屈辱と羞恥心でいっぱいになった。
「男子は興奮すると射精します。射精にあわせて肛門の括約筋も収縮します。ぎゅっぎゅとリズミカルにね。それをこの棒が察知すると……」
上原は棒をギュ、ギュ、ギュっと握った。すると金属版に穴が大きな音を立てた。
「一瞬だったので分かり難いですが、このように射精したことを察知するとペニスを通した穴に仕込まれたギロチンが閉じて陰茎を切断します。またそれと同時に出血を抑えるために、強力な輪ゴムが内側で開放され、ペニスの根元を締め付けるようになっています」
俺は呆然とした。
尻の穴に力を入れるとペニスが切断される!?
「なんだよそれ! やめてくれよ!!」
「必死だよ。宮路くん」
「そりゃそうだよ。おちんちんが無くなるか無くならないかの瀬戸際だもん。あはは」
笑い事じゃない。こいつら、どうかしているんじゃないか?
「宮路くん安心して、射精しなければ大丈夫よ。ふふふ」
上原が腕を組んで見下しながら言った。
「で、でも、やめてくれよ。生きた心地がしないよ」
「これは罰だからね。宮路くんには悪いけど仕方ないよ」
女子の一人が声を出す。
「そうそう。射精しなければ良いんだから。簡単だよね」
「やらしくなければ大丈夫だしね」
女子が口々に言った。しかし何か勘違いしているようだ。男はやらしいから射精するんじゃない。こいつらどんな知識を持ってるんだ。
「宮路くんは結構信用されてるんだね。ふふふ」
上原が不気味な笑みを湛えている。
「じゃあ本番。宮路くんのペニスを扱いていきます。一人一分ね」
「なんだって!? やめてくれ! もがぁ」
上原が俺にボール状の猿轡を噛ませた。そして俺の肩に顔を乗せて後ろから乳首を愛撫しながら「さあ、始まり始まり」と小声で言った。
「むむん。んんん!」
やめろと叫んでも言葉にならない。
いつの間にか女子は一列に並んでいる。
一人目の女子が俺の股間を前に立膝をついた。緊張した面持ちで両手でゆっくりとペニスを包む。ひんやりとした冷たい手。小さくて脂肪が少しついた柔らかい感触が伝わった。
「結花ってば、手袋しないの?」
「ん……。大丈夫……」
「あ、そっか結花ってたしか……」
後ろの女子のささやき声は最後まで聞こえなかった。
ただ桜井結花という子の顔は俺が分かるほど真っ赤になっていた。
「宮路くん。痛くない?」と言って桜井結花の手が優しく上下する。
痛くないどころか、気持ちよすぎる。
俺のペニスから透明の液体が垂れた。
「きゃ」
「結花ちゃん大丈夫だよ。宮路くん気持ち良いって。ぬるぬるに滑らすともっと気持ち良くなるんだよ」
「んん! むもんんん!」
ダメだ。言葉にならない。こんなことを続けられたらすぐイってしまう。
上原はねちっこく乳首の愛撫を続けている。これが相乗的に快感を煽る。
「気持ち良い? いっちゃいそう? 射精したらチンポなくなるよ?」
上原が耳元で囁いた。小さくほんの僅かな声で。今まで聴いたことの無いような卑猥な言葉を使って。
戦慄が走った。
俺は普段クラスを引っ張るクラス委員長が究極のサディストであることに気づかされた。しかし遅すぎた。体の自由を奪われ、股間に凶悪な装置を嵌めらた今となっては全てが手遅れだった。俺は二十人の女子からペニスを扱かれ射精しないように我慢するしかない状態に陥されたのだ。
こんなことってあるか。常軌を逸している。しかしこのクラスの女子達は誰もこの異変に気づいていない様子だ。どう間違えたのか男は射精をコントロールできると吹き込まれている。それを煽動したのは上原であることは間違いないだろう。
「はい結花ちゃんあと十秒」
白く可愛らしい手が無邪気に俺のペニスに力を込める。彼女はペニスから噴出した恥液を利用して、ねちゃねちゃと音を立てながら手のひらいっぱいでこすり続けた。
きゅっきゅっ。にゅちゅっにゅちゃ!
「んんんん! んん!」
気持ちよすぎるぅう!
「はいおしまい。お疲れ様」
ふうっと息をついた桜井結花が手を止めた。
あぶなかったイクところだった。俺ははぁはぁと荒い息をついた。
口が空きっぱなしで涎がとまらない。相変わらず上原が俺の乳首を責め続けていた。
「はい次の方」
上原は妙に明るい声を上げた。
バレー部のバンリ三姉妹の一人が次の相手だ。
薄手のゴム手袋をはめた大きな手がビンビンに立ったペニスを握った。彼女は既に濡れている俺のペニスを力いっぱい扱いた。
「んがぁあ!」
痛たた。まるで恨みでもあるようなその責めはある意味助かった。最初の痛みで桜井結花に高められたボルテージがいったんリセットされたようだった。
しかし剥けたての敏感な亀頭をぎゅっぎゅっと締め付けられると、堪えられない衝撃が全身を襲った。俺は腰を引いたり反ったりしその刺激から逃れようとした。それが面白いのかバンリ長女は遊ぶように俺のペニスを痛みつけた。
「いがあ! んん! んんん!」
そんな乱暴な責めもバンリ次女、3女と続くと快感になった。
俺のペニスは全体が赤く充血していっそう大きくなったようだ。
痺れる。ペニスが俺の意思から離れていくようだ。
すると突然、射精の衝動が生まれた。
やばい! 俺は精一杯他に気を散らして高まるボルテージを下げようと試みる。
「宮路くん。激しくされて嬉しそうね。いっちゃう? いちゃってもいいよ。ほら」
耳元で上原が囁きながら、バンリ三女の扱きに合わせて乳首を弾いた。
「んひぃ! んんがぁ!」
いぐぅううう。 だめだいっちゃう。イったら無くなるぅ。
俺は必死に射精しないように足の指をぎゅっと握り全身に力を込めた。しかしお尻の穴には力を入れてはならない。その苦しみは想像を絶した。三日に一度は自慰で射精をしていた。あの達成感がすぐ傍にぶら下がっている。このまま射精できたらどんなに幸せだろう。そんな思いがじわじわと心を侵食した。
「はい終わりー。次の人どうぞ」
もうダメだ。これ以上やられたらホントに射精する。それでも女子の責めはまだ四分の一も終わっていない。俺は声を上げてやめてくれと叫んだが「もが」とか「んが」とか言葉にならない。大きなボールが口の中一杯に嵌めこまれて、舌も顎も動かないのだ。
次の女子は本庄サユで先ほど俺の乳首を責めていた女の子だ。
「宮路くんて立派だよね。こんなに大きいなんて知らなかったよ」
本庄サユは優しく俺のペニスを撫でながらいった。まるで陶芸の轆轤を回しているように両の手のひらを下から上となで上げる。さっきまで激しく痛めつけられびりびりと痺れが残っていたペニスが一気に治癒されていくような感覚がした。
彼女は学年男子から一番の人気を集める子だった。色白で細身の彼女は、優しい細めの二重でドキッとするような可憐さを持っていた。そんな彼女が俺のペニスを愛おしそうに包んでいる。傍から見れば羨ましい光景なのだろう。
彼女は睾丸を左手で掴み、右手で扱き始めた。ゆっくり優しい愛撫だ。さっきの乳首への責めもそうだったがこの子にはそう言う素質があるのかもしれない。きっと肩を揉んだりするのも上手いのだろう。
とそんなことに感心している場合ではなかった。
彼女が触れて十秒も経たない内に、俺のペニスは爆発寸前まで駆り立てられた。
「宮路くん苦しそう。サユの気持ちよくない?」
そういって本庄サユがさらに優しくそれでも男を喜ばせる天性の素質を開花させて責め続けた。
気持ちいい。イぎたいいい。
俺は叫んでいた。心が壊れてしまいそうだった。
耳元で上原が、「いっちゃえ。いっちゃえ」と囁く。
「溜まった精液を本庄さんの顔に向かって吐き出したいんでしょ? 男子の憧れの本庄さんだよ。出しちゃいなよ」
まさに悪魔の囁きだった。薄氷を歩いているように、ちょっとでも緊張を解けば射精してしまう。いや、あと数秒も持たない。
「くしゅん!」
本庄サユがくしゃみした。と同時にぎゅっと強く握られる。
天才的なアドリブだった。本庄サユはペニスから手を離しティッシュで鼻をかんだ。しかし彼女が俺に与えたダメージは許容値を超えていた。
「ぅんんんん!」
ぎゅううと括約筋が収縮した。いく! いっちまううう。
俺は必死で我慢した。リビドーに繋がらないよう力で押さえつけようと、全身を強張らせた。手を強く握り、爪を立て、痛みで衝動を拡散させる。
「ふふふ。あと一歩かな。チンポが切れる五秒前? 今敏感な乳首を弾いたら、どう?」
「んんん!」
上原の目が合った。そして視線が俺の乳首に移るのを追いかける。
やめてくれ。俺は必死に願った。その願いがかなったのか、上原は乳首を責めることをしなかった。
「本庄さんタイムアウト。もったいない」
「ええ。今のは不可抗力なのに」
本庄サユはしぶしぶ立ち上がると、席についた。
「ふふ。苦しい? 今のは危なかったね」
耳元で上原が言った。
それからビンビンのペニスを10人の女子から扱かれた。どの子も初めて触れる男性器に興奮して触れるだけで精一杯だったので助かった。それでも俺には地獄のような苦しみだった。水が欲しくてたまらない減量中のボクサーといい勝負だろう。
頭の中はもう射精のことで一杯だった。
最後の五人のうち三人は触りたくないと言って辞退した。
あと二人だ。
石井真由という子が俺の前に座った。
「へへ。やっとだよ」
石井は興味深々といった感じで俺のペニスを近くで眺める。そして鼻先を近づけて匂いを嗅いだ。
「真由なにしてんのよ!」
他の女子が叫んだ。
「ん? いや、どんな匂いかなって」
「石井さんスタート」
石井は別に握ろうとせず、俺のペニスを観察するだけだった。
「10秒経過」
「真由どうしたの?」
女子達が声をかけるが石井真由は俺のペニス一点を見つめて動かない。
しかし「30秒経過」と上原が言った時だった。
ぱく。
ぱく?
「きゃあ!!」と言う女子の叫び声があがった。
そう、石井真由は俺のペニスを口に含んだのだ。温かい石井の口の中、体験したことの無い艶かしい刺激が全身を駆け上がった。
な、な、何やってるんだ! この女は!
俺は狼狽しバタバタと不自由な肢体を動かしたが何の抵抗もできない。
「んろ。むちょ」
石井は俺のペニスの形を探るように舌をまわした。カリ首を舌が這い、尿道口が彼女の舌先と擦れあう。
「んあ。あああ!」
思わず恥ずかしいくらい大きな喘ぎ声を漏らしてしまった。
「真由! 何してんのよあんた!」
石井と親しい女子二人が彼女を俺のペニスから引き剥がそうとするが、「んんん!」と言葉にならない呻き声をあげる石井真由はスッポンのように離れない。
ちゅうと吸われ、舐められて、俺は一瞬で射精を催した。
「大胆だね石井さん。たまんないでしょ。女の子にフェラされて。イっちゃいなよ。ふふ。最初で最後のフェラだけど」
上原は楽しそうに笑っている。
ろろろぉ。むちゅう。教室に卑猥な音が響く。
「石井さん一緒にペニスを扱くと、美味しいものが飲めるかもよ」
「ん! んんん!」
上原の言葉を素直に行動へ移した彼女は、涎を絡ませペニスを舐めながら、自分に向かって絞りだすようにペニスを扱いた。
無理だ。ここまでがんばったのに。こんなの我慢できるはずがない。
ぎゅっぎゅっと扱かれる度に、もう俺のコントロールを離れた下半身は射精に向けて秒読みを開始していた。
絶望が支配した瞬間だった。
「もう、いい加減にしなさい」
せーのと、掛け声を上げた女子二人に石井真由は俺のペニスから引き離された。
「はあ。はあ。ああん。結構おいしいよ」
「あんたって子は……」
女子全員に呆れられた石井真由だったが、まだ俺のペニスを指を咥えて見ている。俺は自分を取り戻したと同時にどっと冷や汗を掻いた。危機一髪だった。一瞬、これで終われるかもという開放感に安堵してしまった。
「石井さんもタイムアウトか。じゃあ最後は私ね。宮路くんご苦労様だったわね。これでやっと終わり」
ぐっと体に緊張感が走る。
上原瑞樹の冷たい瞳と目が合う。最後にして最大の壁とも言えるだろう。
普段の外見からは決してサディストには見えないまじめそうな子だ。膝上に丈を詰めた短いスカートを除けば肩に伸びる黒髪も、きちんと着こなしたブレザーやタイも優等生を感じさせた。本庄サユがいなければ間違いなく学年一かわいい子だ。いや、タイプが違うだけでこの子を好きな男子は多いはずだ。
そんな子が究極のサディストだったなんて誰が思うだろう。しかも見たことも無い特殊な器具まで持ち出し、俺のペニスを切り落とそうとしている。正気の沙汰とは思えない。
「ふふ。大きなペニスなのに勿体無いけど。やっぱり射精させちゃおかな」
「え?」
ざわざわと女子達が騒ぎ出す。
みんな気づいてくれ! こいつは危ない奴なんだよぉ。
俺はそう叫んだが、声は相変わらず言葉にならない。
「宮路くんは射精しないよぉ」
最初に俺のペニスを扱いた桜井結花が言った。「そうよね」女子みんなが頷く。
「だそうよ。がんばって期待に答えてあげてね。宮路くん」
そう言うと、上原は俺の股間の前に立って右足の上履きを脱いだ。
「15秒でイカしてあげる」
そう言うと上原は足の裏で俺のペニスを押し倒した。かかとが睾丸をぐりぐりと押さえつけ、親指と中指の付け根が亀頭の裏側を挟んで締め上げた。
「んんんぁあ!」
びくんと体が仰け反る。
今まで味わったことの無い、強烈な刺激が体を縦に突き上げた。同級生に股間を足蹴にされる屈辱を受けながらも、俺の股間はこの上ない快感に悦んだ。
薄生地の紺のハイソックスは、強すぎず弱すぎず絶妙な抵抗力を持ってカリ首を押さえつけた。上原の足の裏は少し湿っていて温かかった。びんびんと脈動する俺のペニスはお腹に押さえつけれられ逃げ場は無い。
俺の目線上には片足を上げた上原がいた。短いスカートが捲れて股間に白いショーツが見えた。
「けっこうがんばったから、ご褒美に見せてあげるよ。それに宮路くんのチンポが女の子のここに入ることは一生無いなんて、ちょっと可哀想だしね。しょうがないから、あたしのをじっくり見ながら射精していいよ。ふふふ」
しゅっしゅっと上原の足が動き始めた。目の前で、上原のショーツが寄れたり張り付いたりと、その奥の割れ目に沿って筋を作った。
初めて見る同世代の女の子の股だった。
「ふふ。初めてみる? 興奮する? 残念だね。宮路くんだったらいろんな人とHできたかもね」
まるで機械のように股間全体から精液を搾られていくような快感だ。俺はたちまち射精臨界点へ持ち上げられてしまった。
「あは? もうきたよ。もうイっちゃうの? まだ5秒だよ」
何だよこれ。ああああ!
「いいの? イったらチンポ無くなるんだよ。無くなりたいの?」
いやだぁあああ! やめてくれええ!
俺の目から涙が流れた。
「15秒まであと少しだよ。なんてね。あはは」
しゅっしゅっしゅ。しゅっしゅっしゅ。
動きは単調なのにピンポイントで彼女の足が睾丸をぐりぐりと押し、さお全体を摩り、カリ首をこすり上げた。
「んんんん! んんんあああ!」
「あははは。そんなに切って欲しいんだ。おちんちんの付け根がぎゅるぎゅるって言ってるよ。男の子ってしょうがないね。目先の快楽しか考えてないんだもん。最後の射精させてあげる。ほらっ。ほらっ」
ひいいいい。いっちゃう。いぐううう。
ぎゅうううと肛門が収縮した。
き、気もちひいいぃよ。
止められなかった。
びゅくっと大きな脈動で股間に溜まりに溜まった精液が放出された。
俺の開きっぱなしの口や鼻の穴、目など顔全体に暖かい飛沫がこびりついた。
次々と脈動が繰り返された。
肛門が勝手にセンサーを何度も締め付けた。
四度目の脈動が起こったが、精液はでなかった。
代わりに股間に衝撃と激痛が走った。
女子達の悲鳴が起こる中、俺は意識を失った。
雨戸を開けると朝の日差しがまぶしかった。
俺は今日から高校生活を始める。
「明弘、早く降りてきなさい。結花ちゃん来てるわよ」と母さんの呼ぶ声がした。
俺はパジャマを脱いで、下着姿になるとクローゼットの扉に掛かったセーラー服をハンガーごと手に取った。
鏡の前で自分に合わせてみる。
うん。変ではない。
セーラー服をベットに置き鏡の前に立った。女物のショーツを穿き、胸には飾り程度のブラをつけ、黒髪を肩まで伸ばした自分を見つめた。
俺は一年半前、上原瑞樹と言う精神異常者にペニスを切断された。
あの後すぐに救急車で運ばれた俺は、出血が酷かったが一命を取りとめた。切断面は綺麗ですぐに適切な処置していればくっついたはずだったが、生徒がパニックを起こす中、上原がどこかに持ち去ってしまった。上原は3日ほど行方不明になったが、都内の風俗店で逮捕された。今は何処か精神病棟に入っているはずだ。
彼女は養父からひどい虐待を受けていたらしい。普段は優等生を演じさせられ、裏では性的虐待を受けていた。
衿まで白のセーラーに紺のスカーフを巻き、膝上に詰めたスカートを穿いた。続いてベットに腰かけながら白いハイソックスを穿く。そしてもう一度鏡の前に立った。
「よし。変じゃない」
確かめるように声に出した。
体の傷は直ぐに治った。しかし俺はあの惨劇がトラウマとなり学校はおろか、普通の生活もままならなくなった。精神不安定になり親や病院のスタッフにも暴力をふるった。半年ほど精神病棟に隔離されたりもした。そこでも自分を傷つけ自殺しようとした。精神科医との長いカウンセリングを受け、睾丸を取って去勢することにした。
俺は男として生きていくことが出来なくなった。
薬を飲めば、ちゃんと男として成長すると言われた。だけど俺は怖かった。ペニスを踏みつけて笑う上原の顔がフラッシュバックで蘇る度に、俺は男として生きることに恐怖した。別に女になりたいと思ったわけではない。単に男ではいられないのだ。世間から男として見られるだけで恐怖が蘇る。世の中に二つの性しかないから、一つを辞めたら必然的にもう片方にならざる負えない。
声変わりもまだで体毛も生えていなかった俺は、髪を伸ばして服を変えるだけで普通の女の子とそう変わらなかった。少量のホルモン治療を行い、僅かだが胸もある。身長も160センチで止まった。
階段を降りてダイニングに入り、冷蔵庫を開けた。
「あきくん。似合ってるよ」
後ろから桜井結花が声をかけた。彼女はダイニングテーブルについてこちらを見ていた。俺と同じ学校のセーラー服を着ている。
「うん。明弘似合ってる」
母さんがテーブルにトーストやスクランブルエッグの乗った皿を置きながら言った。
二人にハイハイと手を挙げて答えると、俺は牛乳をコップに注いで席に着いた。
何気なく腰を下ろすと下着越しで直に座ってしまい、慌ててスカートでお尻を覆った。通信教育を受け、一年の間ほぼ引き篭もり生活を送った俺はズボンか短パンしか穿いてなかった。たまに外へ出かける時もジーンズを穿いた。スカートという奴はどうも慣れない。
「なんか緊張するな。スカート短すぎない?」
「何言ってるの、いまどきの子はそんなんでしょ」
母さんが言った。事件と俺の精神病のせいでずっと元気がなかったけど、今は昔と変わらない笑顔が戻っていた。嘘かホントか、今では「息子と娘を両方持っているようで幸せよ」などと言っている。
「母親がそんなんでどうするんだよ」
「あきくん。それでも長い方だよ。私なんてほら」
結花が立ち上がりくるりと俺の前で一回転してみせた。スカートがふわっと広がり、ピンクのショーツが見えた。
「パンツ見えてるって。たく」
桜井結花は俺が入院している時も、精神病棟に隔離されているときも面会に来た。何度か彼女にも辛く当たった。
彼女と俺は今付き合っている。見た目は女同士だが、心はたぶん健全なカップルだ。もし将来、彼女と結婚し家族を作りたいと思った時でも、精子バンクに保存した俺の精子を使って子供を持つことが出来る。
ん? そうすると結花はバージンで妊娠することになるのか。
そんなことを考えていると「ほら、さっさと食べてちゃっちゃと行きなさい」と母さんに急かされた。
結花と二人で「はーい」と言って朝食を平らげる。
今日から行く私立高校は、精神科医の勧めで女として入学する。
社会復帰の第一歩だ。これから少しは前向きに生きよう。そう思った。
しかし、こんな第二の人生を歩みだすはずった清々しい朝に、一つの保冷小包が届くとは、この時の俺達はまだ知らない。その送り主が上原瑞樹だと言うことも、彼女が精神病棟から消えた言うことも。
了
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投稿:2005.08.19更新:2005.08.20
宮路の冤罪
著者 エイト 様 / アクセス 36763 / ♥ 7