「今から…しよ」
「え?」
山奥にある村の大屋敷…そこの一人娘である彼女との結納を済ましたその夜、それまで頑なに体を許さなかった彼女が僕を誘ってきた。
「本当にいいの?まだ正式に結婚ってわけじゃないけど」
「うん、いいの…結納の晩が儀式って代々決まっているの」
「儀式…すごい言い方だね」
儀式という言葉が意味すること、それが僕の人生を大きく変える事となった。
神秘的な雰囲気が漂う寝室で僕たちはお互いに重なり合った。
「…すごい、これがオチンチンなのね…熱くて固い」
彼女は照れながらそう言うと、まるで少女のように嬉しそうに僕のペニスを長々と眺め、触り続けた…本当に処女である事を確信した。
「私とオチンチン、どっちが大切?」
「えぇ?そんな事聞かれても…純子の方が大切に決まってるよ」
「本当?後悔しない?」
「後悔なんかしないよ、僕は純子のことを愛してるから」
「私もすっごく愛してる…瞬」
後悔って?と疑問を持ちながらも僕は純子の機嫌を取ろうと思いそう話し、そして熱いキスに終始した。
「あぁ…ッツ!痛い!…」
「あぁ…純子、ごめんよ、大丈夫か?」
「大丈夫…すごく嬉しい…瞬、瞬…」
僕のペニスが純子の大事な所を貫いた…最高の一瞬、純子も二人がひとつになった充実感を味わいながら感じていった…長い長い夜、何度も何度も…最高の恍惚感に二人は溺れていった。
夜明けの薄明かりが障子紙を照らす。
二人は肌布団をはおりながら肩を寄せ合い、暖かいお茶を飲んでいた。
「純子…初めてなのに、こんなに激しくして大丈夫なの?」
「うん、だって…瞬と最初で最後の儀式、絶対に忘れたくないから」
「最初で最後?…う」
急に体に力が入らなくなり僕はうなだれる。
「(一体どうしたんだ?、お茶に何かが…うぅ)」
意識はハッキリしているが宙に浮いたように体が動かない。
ぐにゃりと横たわる僕の唇に純子が熱いキスをする。
「ごめんね、瞬…先祖代々の決まりなの…ごめんね」
純子がそう言って程なく障子戸が開き、純子の母が現れた…小太刀と何か薬ビンをのせたお盆を手にしている。
「瞬さん、許してね…先祖代々の決まりなの、一生純子の事を愛する為に」
まるで人形のようになった僕を布団に寝かせ、足を開かせる。
純子とその母が僕のペニスを切なそうに見つめ、一つの薬を付け根に塗る。
「(お願いだから、やめて!)」
何が始まるのかを理解した僕は心で叫ぶ、しかし自由が利くのは視線だけだ。
「瞬さん心配しないで、一番大事なタマは残すから、薬が効くからそんなに痛くはないそうよ。純子の父もね…切り取ったのよ」
「純子とひとつにはなれなくなるけど、ちゃんと愛し合えるし感じあえるの、お父さんと今でも毎晩ネ…でも立ちオシッコだけはごめんなさいね」
純子の手に小太刀が渡され母の手が僕のペニスを握り上に引っ張り上げる。
「ごめんなさいね、瞬さん…私のようなおばさんが大事なトコを触って」
「純子、今日のことは一生忘れちゃダメよ…最初で最後に一つになったんだから」
純子の母が切る部分を示し純子がそれにうなずく、僕は相変わらず心で叫び続ける…涙を流す僕を見つめて純子も涙を浮かべる。
「瞬、愛してる!」
シュッ!
僕のペニスは一瞬で付け根から切り離された、僕は心で大きく叫んだ。
「(うわぁぁ!そんな、そんな、そんなぁ!)」
大切そうに手に乗せて数秒ほど母が眺めた後、僕のペニスは純子に手渡された…純子はそれをあらわなままの乳房にうずめ抱きしめる。
「瞬の大切なオチンチン…ごめんね、一生愛してあげるから許して…お願い」
それから1年後、僕たちは入籍し結婚披露宴を開いた。
純子の胸には生まれたばかりの娘が抱かれている…そう、あの最初で最後の夜に授かった娘だ。
神棚の奥にあった純子の父のペニスは下げられ、代わりに僕のペニスが鎮座している。
この村の妻帯者にペニスがない、では夫婦の営みは?…ご想像におまかせします。
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投稿:2005.12.17更新:2011.08.30
最初で最後の…
挿絵あり 著者 いち 様 / アクセス 30720 / ♥ 10