私の名は谷山真吾、35歳。都内のある民間病院で臨床検査技師をしていて、検査室の全般を任されている検査室長だ。妻の陽子も、この病院の看護師だ。
今回、うちの病院の院長のが退職することになり、病院の職員用大食堂の内部をきらびやかに飾り、特別料理を並べ、退任記念パーティが開かれた。宴もたけなわとなり、院長夫妻は盛大な拍手を浴びて退席し、院外からの招待客も大半は去ったが、職員を中心に会場に留まる者が多かった。
誰にでも慕われていた院長の送別とあって、パーティは素晴らしく盛り上がり、全員がいつもよりいささか酔っ払っていた。院内食堂とあって、時間は無制限で使えるため、川瀬外科部長夫妻、白石泌尿器科部長夫妻、松本薬局長夫妻、高嶋事務局長夫妻など、結局10組のカップルが、しっとりとしたパーティの余韻を楽しんでいた。
BGMは流れていたが、カラオケを歌うような雰囲気ではなかった。
突然、職員厚生会幹事長の中川氏が、「何か面白い企画でもしませんか」と言い出した。彼は若手で独身だが、私がチーフをしている検査室の女性が恋人で、彼女ももちろん一緒に残っている。
このようなパーティの終盤で、このようにカップルだけ残っているとき、なかなかきわどい企画が持たれたことも多かったので、皆、即座に賛同の意を表わした。
「誰か何かアイディアはありますか?」
私達は、わいわいがやがや語り合いましたが、何かゲームをしようということで、まとまった。このメンバーでゲームといえば、かなりエロチックなものになることは、十分予想された。
「それぞれのカップルの彼氏の、ペニスの長さを測るコンテストはどう?。」
声を上げたのは、医療相談室長の大草氏だった。
会場からは、くすくす笑いが上がったが特に異存はなく、コンテストは早速実行されることになった。
ゲームが決ると、「優勝者の商品は?」「敗者の罰ゲームを決める必要があるぞ!」という声が、あがった。
「えーと、賞品と罰は、女性に決めていただきます。川瀬外科部長婦人、いかがですか。」
大草氏が仕切る。
「優勝者は、最下位の男性の妻をファックできます。・・・しかも敗者を含む全員の前で公開で。」
川瀬外科部長婦人がアドリブで答えると、会場から、大歓声が上がった。
これまでも、キスとかヌードに披露とかは行われてきたけど、ここまで思い切った提案はなかった。全員が酔っ払って、常軌をかなり逸していたに違いない。
こうして、会場にいた男性10人は、ステージに一列に並ぶことになった。
そのとき、私の妻が叫んだ。
「ファックは敗者の妻への罰です。敗者自身はもっと重い罰を受けるべきです。」
この妻の声は、私にはいささかショックだった。なぜなら私はペニスのサイズに自信がなく、妻も当然それを知っていたからだ。
松本薬局長婦人は、少女のようにあっけらかんとした声で、
「それでは、敗者は去勢されることにしましょう。」
と、言い出した。思い切った答えに、会場は大拍手。
ただし、ステージの男性たちはちょっと怯んだ。が、彼らに決定権は無かった。ここで逃げて、妻に恥をかかせば離婚の危機である。彼らはぎこちなく微笑んだ。
ところが、
「なぜ、去勢なの?。去勢はタマタマを取るのでしょ?。」
と、白石泌尿器科部長婦人が言い出した。
「ペニスの長さがたりない罰は、当然ペニスに与えられるべきです。敗者はペニスを切断されることにしするべきよ。」
会場からは、
「当然!」
という声が届く。
今度は、高嶋事務局長婦人が、
「勝者の妻への賞品がありません。これは不公平です。褒美として、勝者の妻に敗者のペニスを切り取る権利を与えましょう。」
と発言した。
会場の誰もが興奮のるつぼの中。この提案も異存なく決っってしまった。もう全員が異常にハイな精紳状態で、止めたり抜け出したりしようとする者はいなかった。
ゲームの司会役は、川瀬外科部長婦人が勤めた。
「ご婦人方!。あなたのご主人の勝利に貢献しましょう。全員服を脱いで下さい。でも、旦那様に触れてはいけません。」
10人の女性がオールヌードになると、男性の中には早くも股間部が膨らみ始める者もいた。
「では、右の殿方から順番に。ズホンとパンツを下ろして下さい。」
4番目が私の順番であった。陽子の目の前で下半身素っ裸になり、せいいっぱい大きくなったペニスにメジャーを当てられる。外科部長婦人は言った。
「9.5センチ。ここまでで最下位です!。」
半ば予想していたとはいえ、現実に引き戻され、目の前が暗くなった。
9番目まで、10センチを下回る男性はいない。
最後は、中川職員厚生会幹事長のペニスに、メジャーが当てられた。
「18.3センチ!優勝です!。」
と、外科部長婦人の声。
こうしてあっさり勝負は決って、私は最下位。
「このサイズなら、ペニス切断は、理想的な罰だと思いませんか?。」
外科部長婦人が、追い討ちをかけることを言う。
「当然、完全切断だな。尿道口も変えないといかんな。」
これは、白石泌尿器科部長。酔ってもプロだ。
まず、衆人環視の中で、妻の陽子が中川にファックされた。妻のあえぎ声を聞き、醜態を見るのは正直言って辛い。
でも、私の部下である中川の恋人の咲美は、恋人のセックスを黙って見つめている。
そういえば彼女が、私のペニスを切り落とすことに決ったのだと気がついたとき、私は真剣に逃げ出したくなった。しかしそれは仕事も妻も失うことになる。病院での検査技師の立場は弱い。逃げることはできなかった。
突然、手術台に使うベッドや外科の医療器具が、食堂に運び込まれてきた。何と言っても、ここは病院の中なので、そのぐらいの手配は、いとも簡単なことだった。
私は川瀬外科部長によって、下半身麻酔を打たれ、外科部長婦人によって股間部をツルツルに剃毛された。外科部長婦人も元看護婦で、これらの処置はお手のものだ。
「普通ならここで、お浣腸ですよね。でも、今回は省略しましょう。」
などと、言っている。
私はそれから、持ち込まれた手術台に運ばれ、手足を大股開きにして拘束された。
手術台は移動式ながら、両脚を持ち上げて載せる台まで付いた本格的なものだ。おそらく産婦人科で使わなくなった、古い内診台を持ってきたようだ。
咲美がメスを持ち、白石泌尿器科部長が手を添えている。
「室長の小さな息子さんにさようならしてね。」
咲美はこう言うと、私のペニスにメスを入れた。
難しい部位になったらしく、途中で白石泌尿器科部長が引き継ぐ。やがて私のペニスが根元まで摘出され、下腹部から分離された。そして医療用トレーの上に落とされるのを見たとき、私は失神した。
翌朝、見慣れた病院の個室のベッドの上で、私は目が覚めた。昨夜のことは、全部悪夢だったのだろうと一瞬思った。でも、私の手が股に触れたとき、悪夢は現実の出来事だったと思い知らされた。
ベッドの枕元には、「泌尿器科・谷山真吾・35歳( )~主治医・白石」とある。
( )には性別が入るはずだが、なぜか空欄だった。
しばらくして妻の陽子が病室に入ってきた。いつもの看護婦の服装だ。私が声を掛けられずにいると、にっこり笑ってこう言った。
「心配しないで。あなたのペニスには飽きていたから切り取って欲しかったの。昨日のことは、半分以上私のシナリオどおりなの。これからもよろしくね。」
「そうだったのか。全て陽子の・・・・。」
私は、再び気を失ったようだ。
一週間して個室を出て、大部屋に移された。そこは何と女性用の病室であった。相部屋のご婦人患者には、事情が説明されていたらしく、私が入っていっても全く意外な顔はされず、ただ、クスクス笑いが聞こえただけだ。
二週間後に私は退院した。陰嚢と睾丸は残されたが、ペニスは影も形もなくなり、尿道口は会陰に移し替えられていた。私は、家でも職場でも、トイレは個室に入って、しゃがんでしなければならなくなった。
睾丸は残されているので、性欲は変らなかった。それらのことは、またいずれ話すことがあるかもしれない。
(終り)
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投稿:2006.06.08更新:2022.06.03
パーティルームは手術室
著者 名誉教授 様 / アクセス 24376 / ♥ 45