プロローグ
日亜大学探検部は日本国内は勿論、海外、特に秘境探検では世界に知られた実績を残してきた。
しかしながら、それらの実績は全て先輩達のものであり、新入生にとっては重荷でしかなかった。毎年今まで人が訪れたことの無い所へ出掛けて行くには、能力的にも、資金的にも負担が強いられる。平成××年入部の者達にとってもそれは同じだった。秘境といわれる所では先ず言葉が通じない為に、外国語学部の橘寛と飛鳥朱美がスペイン語、ポルトガル語、南米の少数民族の言語をマスターした。体力も必要とされる為、体育学部の佐藤亨、朝永美枝は筋力トレーニングのみならず、サバイバルに必要なトレーニングもマスターした。交渉力を養う為に探検部主将の雨宮芳雄は政治学部でディベートを専攻していた。
彼等が平成××年の探検で選んだ地域は南米ペルーの山岳地帯であった。この地域は秘境とはいってもクスコまでは文明の利器を使って気軽にいける所でもあり、しかも山岳地帯に向けて歩を進めれば、未開と言うよりは文明人が未だ誰も足を踏み入れたことが無い地域が残っており、ペルー政府も安全情報は発信出来ないと言っている地域であった。それは正に日亜大学探検部にとっては絶好の選択であり、探検部の歴史に名を刻める選択と誰もが感じた。と同時に選ばれた五人(雨宮芳雄、佐藤亨、橘寛、飛鳥朱美、朝永美枝)にとっては永遠の旅への門出でもあった。
(1)始まり
彼等、一行5名が以後『地獄の探検』と呼ばれた旅に出たのは南米の季節を考慮に入れ、又3年生から4年生になるという春休み、3月15日だった。
クスコまでは予想通り難無く到着し、現地でしか入手出来ない食料品も調達し山岳地帯に出発したのは3月19日になっていた。
地図も入手し、地図に書かれていない山岳地帯まで辿り着いた3月23日にはメンバー全員が真っ黒に紫外線焼けし、現地人と区別がつかなくなっていたが、彼等の消息はここまでであった。
秘境に住む現地人には何年かに一度の大祭の為の生け贄が必要だった。
彼等はどうもその生け贄にされたようであるが・・・・・。
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五人がテントを張って男三人、女二人のアンバランスなカップルでいつものように乱交が終わって寝息を立て始めた頃、テントの外では原住民達が秘伝の香を焚き始めていた。この効果はほぼ十分後に現れ、次に五人が目覚めた時には全裸のまま両手両足を縛り上げられていた。
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『××・・・。』ふいに訳の解らない言葉でまず最初に目覚めたのは佐藤であった。強靱な体力が最初に目覚めさせたとも言える。佐藤は自由にならない自分の体に驚くと共に、事態を打開する為に隣に転がっている言語能力に優れる橘を思いきっり蹴飛ばした。
佐藤『おい、橘、どうなっている?奴らは何と言ってるんだ?』
橘『うーーん、こりゃ難解だ。何々、エッツ。佐藤こりゃ大変なことらしいぞ。奴らは俺達を一番大事な客人としてもてなすらしいぞ。』
佐藤『なーーんだ、それなら縛られていても何とかなりそうじゃないか。探検部最大の功労者になれるぞ、俺達ゃー。』
現地人達は次々に目覚めた五人の顔をのぞき込むと、彼等の仲間呼んできた。
『××』
『××?』延々と彼等の会話は続いた。そして新たな香が焚かれたところまで五人は見届けたが再び意識を取り戻した時は雨宮芳雄の姿は消え、佐藤、橘、飛鳥、朝永の四人になっていた。しかも四人は全裸で手足を縛られてもいなかった。しかし、意識はハッキリしているものの、体は全く動かなかった。橘は彼等が話す言葉がある程度判るだけに恐怖に駆られた。
彼等は先ず彼等の体毛を全て刈り取ることにするらしい。筋肉が全く動かせない為か言葉を発することも出来ないので、次に起こる事態を他の三人には伝えられ無かった。四人は屈強な現地人に担ぎ上げられると、別の建物に移され、体を大の字にして石のベットに縛り付けられた。その後四人は香の効力で又眠りにつかされてしまった。
翌朝、目覚めはほぼ同時に四人に訪れた。最初に言葉を発したのは朝永だった。
朝永『何なのこれ。全裸じゃないの。佐藤君見ないでよ。うわっつ、体毛が全く無くなっているわ。何てこと!』もう四人とも縛られてはいなかった。高窓から差し込む陽の光で全く体毛の無い四人が横たわっていた。
飛鳥『頭の毛まで無くすなんて、何なのよ!』
佐藤『脇毛も、臑毛も、指毛も、本当に何にも無いぜ。』
橘『体毛が全くないってのは、何と無く、恥ずかしいと言うより滑稽だな。』
彼等の無邪気なおしゃべりは延々と続いたが、
飛鳥『でも何で雨宮君が居ないの?彼だけ脱出したのかな?早く助けに来てくれないかなぁ。』
高窓があるだけの部屋は、頑丈そうな木の扉で外界とは通じているらしいが、屈強な佐藤の力をもってしても寸毫も動くものではなかった。
佐藤『雨宮だけが脱出出来なんて考えられないな。何か他の役割を与えられたンじゃないか?』
飛鳥『何よそれって。雨宮君が既にどうかされたってこと?』彼女の目に涙が浮かんだ。
橘『めそめそするなよ、俺達やー、日亜大探検部だろう。多少のことではびくともしないぜ。雨宮は精神力もあるし、土壇場にゃ強い奴だぜ。』
そんな話をしている最中、木の扉が開けられ、上半身裸の原住民が食事らしいものを持って入ってきた。『××、××』それだけ言って、床の上に食事を置いて出ていった。
橘『朝食だそうだ。なかなか旨そうじゃないか。』確かに食器に盛られた料理からは旨そうな香りが立ちこめていた。
朝永『私、これに毒が入っていたとしても食べるわ。』と言うなり食器と共に添えられていた木製のスプーンでガツガツと食べ始め、『美味しい!』と歓声を上げた。他の四人もこの二十四時間以上も食べて無かったことを思い出したかのように、料理に群がった。アッという間に料理は無くなった。これが彼等の言う原住民の第二の罠だとは・・・・。
腹が一杯になると、健康な彼等には性欲が蘇った。部屋は寒くも無く暑くも無く、更にベットとなるべき藁の様な植物を枯らせ、その上にシーツを被せた物体が二つ置いてあり、又殺風景だと思われた部屋の片隅には便所が設置されていた。
排泄も済ませ、更には性欲もお互いのパートナーと心ゆくまで堪能した彼等四人は急に眠気をもよおし眠りに落ちた。そう、料理には即効性の催婬剤と遅効性の睡眠剤が仕込まれていたのだった。彼等が性の宴を終え、眠りについた頃八人の原住民が入ってきた。
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明くる朝も最初に目が覚めたの佐藤だった。まず最初に気が付いたのは剃毛されていることに変化はなかったものの、体を隠す衣服に包まれていたことだった。辺りを見回すと昨日四人で乱交した粗末なベットでは無く、ふんわりとした包み込む様なベットで寝ており、他の三人も同じように惰眠を貪っていた。
佐藤『おーーい、お前達、起きろよ!』思わず叫んでいた。『俺達はやはり最高のもてなしを受けているんだ。』寝ぼけ眼で他の三人が次々と目を覚まし、佐藤が感じたことと同じことを感じた様だった。ただ、飛鳥だけは直ぐに正気に戻った様だった。
飛鳥『でもさぁー、私達って何だか寝ている間に状況が次々に変わっていくじゃない。それって本当に最高のおもてなしな訳?誰に何をされているか判らないんだよ。そんなおもてなしって有り?橘君が言った(大事なお客として扱う)って言うのとは何か違うみたい。』
佐藤『そりゃそうだけれど、食事も睡眠も・・・・、それにHしても良いみたいだし、なぁー、もう一回やろうかぁー。』
朝永、飛鳥『やだぁー、佐藤くんたらもう大きくなってるぅ。』
飛鳥『別にすること無いみたいだから、やっちゃおうかな。』
朝永『じゃぁ、私は今度佐藤君としてみるけれど、こんな朝からって恥ずかしい、でももう一番恥ずかしいところの毛は無いんだし、まぁーーーいいかっ。』
そんな風に始まった四人の乱交を隣の部屋から覗いている陰があった・・・・・。
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投稿:2006.11.01更新:2006.11.06
秘境探検Ⅰ
著者 Crazy Ted 様 / アクセス 11244 / ♥ 3