彼女とのデートが上手く行き、少し遅くなった送っていく帰り道。
思いもしない不幸が僕らを襲った。
「龍斗クン。止めようよ。ここ変質者が出るって話よ。」
「大丈夫だよ。変質者が出ても僕が守ってやるから。」
僕は躊躇う彼女の手を引いて公園に入っていった。
人気が無い静かな公園を二人緊張しながらあるいていくと丁度公園
の中心当たりに夜なのに帽子にサングラス、マスクで顔を隠してい
る、片手にバットを持った如何にも怪しい男がた。
「兄ちゃん。勇気があるねぇ。ここに変質者が出るって話知らな
いのかい?彼女を置いていくんなら見逃してやってもいいけど?」
「ふざけるな。彼女には指一本触れさせない。」僕は彼女を庇っ
て前に出る。
「格好いいねぇ。でも後悔するよ?」
男は棒で殴りかかってきた。
僕も喧嘩慣れしている訳では無いが、相手もそう強いわけでは無
い。
僕の足払いが決まり、男は尻餅をついた。
「僕の勝ちだな。大人しく逃げるなら見逃してやるけど。」僕は
男に言った。
「兄ちゃん。やるねぇ。でも・・・油断はするもんじゃないぜ。」
男は素早く立ち上がると僕の股間を蹴り上げた。
「うぐっ。」強烈な痛みに反射的に僕の体は前屈みになり、手は
股間を押さえようとするが、男はその隙に僕のうつ伏せに倒し背中
を足で押さえつけた。
「龍斗くん。」彼女の悲鳴が彼女がまだ逃げていない事を気付か
せた。男も気付いたらしい。
「さて。どうするか。彼氏の前で彼女をヤルのもいいなあ。」
「やめろ。ふざけるな。僕に構わず逃げろ。」僕は言う。
「で、でも・・・。」躊躇う彼女に男はいう。
「いいのかい。逃げたら彼氏、男じゃ無くなるよ。」
「な、何をする気?」
「男じゃ無くなるって言ったら玉を潰して竿を切り落とすに決ま
っているだろう?」
「な、何。」僕の顔は引き攣る。が彼女の反応は違った。
「玉?竿?」お嬢様育ちの彼女には分からなかった様だ。
男のモノを見た事が無いらしい。
「ふうん。折角だ。彼氏のモノを見せてやるよ。
男はうつ伏せのままの僕の背中に腰を下ろすと腕を背中に回して
ロープできつく縛ると僕を仰向けにし、今度は胸の辺りに腰を下ろ
す。
「来いよ。姉ちゃん。変な真似はするなよ。」
彼女が近づいて来るとベルトを外し始める。
「や、やめろ。やめてくれ。」僕は男に言う。
男は「止めてやってもいいけどそしたら彼女を犯すぜ。それでも
いいのかい?」
「好きにしろ・・・」僕は不本意ながら彼女の前に性器を晒すし
か無かった。
男がジーンズを寛げると初デートの為に買った黒いビキニが晒さ
れる。
「やらしい下着穿いてるねぇ。」男が揶揄する。
「ではご開帳と行きますか。」男がビキニを下ろし、僕の萎えた
股間を彼女に晒した。
「これが竿で、これが玉だ。生意気にちゃんと剥けてるな。大き
さは並だけどよ。」
「玉?」彼女は竿の方はなんとなく分かった様だが、玉にはまだ
納得しかねるものがあるらしい。
「仕方ねえなあ。」男は彼女の手を掴むと僕の陰嚢を掴ませた。
「ほら、二つの玉があるだろ。これだ。しっかり掴んでみろ」
彼女の繊細な手が僕の玉をしっかり握る。
「ぐぅ…」僕は苦痛の声を上げながらも陰茎が勃起していくのを
止められなかった。
「若いっていいねぇ。」男が揶揄する。
彼女は「えっえっ」と驚きの声を上げる。
「男は気持ち良いと竿が大きくなって来るのさ。右手でしっかり
玉を握りながら左手で亀頭をこう擦ってやんな。すぐにでも射精す
るぜ。」
「射精?」彼女はまたしても不思議そうに問いかける。
「やってみればわかるさ。」
彼女が僕のペニスを扱き始める。掴まれた玉が少し痛いけれど呆
気なく射精してしまった。
「すっごい。」彼女は感心した声を、男は「早いねえ。」と揶揄
する声を上げる。
男が彼女に説明する。「男は気持ちが良いと射精するんだぜ。」
「そうなの龍斗クン。気持ちよかった?」
「ああ、気持ち良かったよ。」僕は答えた。
男は僕を玩具にする事に楽しみを見出したらしい。彼女には手を
出す気は無いようだ。射精の満足感から僕は油断していた。
男が「喉か湧いたろう。いいものがあるんだ。」そういうと錠剤
と水を無理やり飲ませる。不覚にも僕は怪しげな錠剤を呑んでしま
う。
程無くして心臓がドキドキしてきてペニスも再び勃起し始める。
「すごーい。また大きくなってきた。」彼女が嬉しそうな声を上
げる。
「さっきよりも強く玉を握りながら擦ってやるといいぞ。玉から
精液を搾り出すように潰れるくらいな。」男が不穏な事を言い始め
る。
しかし彼女に玉を握られる痛みとコチコチになった亀頭を擦られ
る快感とで男の言葉を訂正する事が出来ない。
そして一回射精したのと媚薬の副作用のせいか強烈な快感を感じ
る割には二回目の射精の気配は遠い。
男が言う。「ほらほら、玉を潰す位強く掴まないと愛しの龍斗君
が射精出来ずに苦しんでるよ。」男が出鱈目を言うのを彼女は本気
にして更に強く握る。僕は抗議しようとするが、息が荒く上手く言
葉に出来ない。
「ぐしゃ。」遂に僕の片玉は潰されてしまった。
男は「あれ、まだ射精しないな。もう片方の玉で試してみよう。
射精出来ないと龍斗君が死んじゃうよ。」
僕は必死で彼女を止めようとするが、媚薬のせいで上手く喋れな
い。その隙に男は僕の声が聞えないように更に彼女を急かす。
「ほらほら、早くしないと。」彼女は残った僕の玉をきつく掴む
ともう片方も潰してしまった。
「龍斗君射精しないよ。大丈夫なの。」彼女が涙声で男に問いか
ける。
男は堪える様に言う。僕には笑いを堪えているのが分かるが、彼
女は沈痛な顔と見て取ったようだ。
男の「こうなったらペニスを切るしかないな。このままだと出血多
量で死んでしまうから髪留めのゴムかなんか貸してくれ。ゴムで血
止めをしてからペペニスを切るからよ。お前は早く救急車を呼んで
やれ。」という言葉に彼女は自分の髪留めのゴムを男に渡すと救急
車を呼びに公園を急いで出て行った。
「さてとペニスを切り落としてやるか。」男はポケットからナイ
フを取り出すと僕の亀頭を摘む。
「何を飲ませた?」僕は必死で問いかける。本来なら二・三度は
射精した筈の刺激にも僕のペニスには射精する気配が無い。
「あまり時間が無いがまあ教えてやるか。これはインポを直す為
の薬さ。勃起の仕組みを知っているか?こいつは効果が強すぎで射
精まで止めちまう上に何時間も勃起したままになり、ペニスが壊死
しちまうとんでも無い失敗作だが、金持ちの道楽の道具として製造
している所があるのさ。どうせお前のペニスはお仕舞いだ。楽しか
ったぜ。じゃあな。」
男は僕のペニスを根元から切り落とすと踏み潰し去っていった。
遠くから救急車の音と彼女の声が聞えてくる。
僕は意識を失った。
結局、病院に運ばれた時に僕のペニスも一緒に運んでもらえたが
薬のせいで接合は出来なかった。潰れてしまった睾丸と陰嚢も除去
され、僕は股間が平らな男として生きていく事になった。
彼女に睾丸を両方とも潰された為、男の告訴も諦めた。
男を訴えるには薬を飲ませた事とペニスを切り落とした事の2つ
があるが、生殖能力の喪失は彼女の責である為、こちらが払う犠牲
に見合う罪に問えないからだ。
こうして僕は男で無くなった。
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投稿:2007.02.06
無邪気な彼女
著者 ふう 様 / アクセス 19246 / ♥ 1