一台のフルスモのベンツが夜の闇をライトで打ち消しながら疾走していく。そのベンツの後部
座席に哀れなホストが一人、顔を涙や鼻水でクシャクシャにして乗っている。両脇は背中に絵の
入っている男達に挟まれ逃げ出したくても逃げられない状況だ。このホストの名前はレイジ。
無論源氏名であるがこれから死んでいく男に本名は必要ないだろう。レイジはK町のホストクラブ
に勤務していた。その美貌と女性を飽きさせない軽快なトークで入社半年でNo.2にまで昇り詰め
た。が、それがこの男の限界であった。すぐに客と寝る、それがレイジを万年No.2に留めさせて
いた。
「レイジ、お前すぐ客と寝るだろ。だからお前はNo.1にはなれないんだよ。ホストってのは寝そ
うで寝ない、寝ちまったら最後なんだよ。わかるか?え~。それにな~付いて間もない客とすぐ
に寝るのは危険だぞ、相手の素性も分からねーつーのに。おい聞いているのか?」
店長の話にも耳を傾けない。俺は俺のやり方で伸し上がる。レイジのその自尊心が途方もない結
果を招き、後でデカイ付けを支払うハメになった。
その日レイジはいつものように出勤し、いつものように仕事をこなしていた。指名が入り、席に
着き酒を飲んで客とのトークに花を咲かせる。これを繰り返すこと3時間、深夜11:00を回
った頃一人の女性客が店に来店した。レイジの上客である自称ヒトミという女性だ。レイジは待
ってましたといわんばかりに、今しがた付いた客を後にしヒトミの待つ席に着いた。
「よっ、ヒトミちゃん。今日も来てくれたんだ~で調子はどう?前の彼氏のことは吹っ切れ
た?」
ヒトミは失恋の憂さ晴らしの為にこのホストクラブに通っていた。失恋の原因は彼女にも元彼に
もなく彼女の父親にあった。ヒトミいわく彼女の父親はものすごく厳格な人間で、彼女が男と付
き合っていることを知るやいな、相手方の家にまで怒鳴り込みに行き、彼女も手酷く叱られ殴ら
れたそうだ。
「うん、もう大丈夫レイジ君がいるから。でも、もうお店来れないかもしれない夜に家を抜け出
してることをお父さん感づかれてるかもしれないの。もしホストクラブに通ってることが知れた
ら殺されるかもしれない。」
レイジはオーバーな事を言う子だと感じつつも泣き出すヒトミの背中に手を回し引き寄せた。
「よしよし、君はそんな危険を冒してまで僕に会いに来てくれるんだ。嬉しいよ。」
「もうあたしにはレイジさんしかいないの、例え殺されてもいい毎日でも絶対会いにくるか
ら。」
優しい甘い言葉とは裏腹に、そうだそれでいい毎日でも会いに来い、そして俺の売り上げを伸ば
せ、というのがレイジの内心だ。ヒトミは始めて来店した時、レイジを指名してから数時間もし
ないうちにドンペリを2本開けた。最初はレイジも戸惑ったがヒトミと話をするうちに、おおか
たこの娘はどこかの大企業の社長の娘だろうと安易に考え気にも留めなくなった。
それから今日までの一週間ヒトミはレイジの為に500万近い金を費やしレイジの売り上げはう
なぎ昇り、月末の決算をレイジは心底楽しみにしていた。このままいけば、来月こそ俺がNo1だ、
これでNo1と店長の鼻をあかせるぞ、ざまーみろ、と。
「ねえ、レイジ君これからアフター付き合って。」
レイジはギョッとした。まだ彼女が来店してから30分もたっていない。なのにアフターと
はいったい。
「えっ、もうアフター?だって今来たばっかりじゃん。」
「お願い、二人っきりでどこか行こうお金なら幾らでも払うから。」
ハイハイハイそれはもう。と言わんばかりにレイジは手のひらを擦り合わせた。
「ヒトミちゃんがそういうなら~まっいいか、いいよ何処へでも愛するヒトミちゃんの生きたい
所に着き合ってあげるよ。」
「本当?じゃあホテル行こう。」
何の躊躇いもなくそう言い放つヒトミに、思わずレイジは口に含んだ水割りを吐き出しそうにな
った。
「ちょっ、いきなりホテル?」
「えっ、だめなの?今どこにでも着き合うって言ったじゃん。」
いつものレイジならすんなりホテルに行き己の欲望を満たしただろうが、今は店長の言葉を思い
出しじっと押さえた。今この娘と寝て飽きられでもしたらNo1への道が閉ざされてしまう。ここ
は、焦らして通い詰めるように仕向けるんだ。そんなレイジの決意は次の彼女の言葉に打ち消さ
れてしまった。
「私の初めてをレイジ君にあげたいの。」
「えっ、今なんて?」
「だから、私の処女をレイジ君にあげる。」
処女と経験のないレイジは舞い上がりたくてしょうがなかった。ヒトミは自分に処女をくれると
いうのだ。こんなにいい経験、いや体験を見す見す逃して堪るか。もはやレイジの頭の中から店
長の言葉は消えうせ、処女の二文字しか残らなかった。
「分かった。いくよホテル。君のせっかくのその気持ちを踏みにじることなんてできないよ。」
「レイジ君ありがとう。」
抱きつくヒトミを尻目にレイジは、美女の処女と大金が手に入る一石二鳥の状況に嫌らしい笑み
を浮かべた。とうとう俺にもツキが回って来たと。
二人は店を後にすると、毒々しいネオンに彩られたホテル街へと消えていった。
あくる日、レイジは昨夜の処女との余韻に浸りながらニコニコ顔で店に向かっていた。
店の前の曲がり角を回ったところでいつもと違う異変に気が付いた。店の前に我が物顔でフルス
モのベンツのSLが止まっている。レイジはなんとなく嫌な予感を感じながら店の中へと入ってい
く、店に入るや否やレイジは、黒服の男に胸倉を掴まれ思いっきり投げ飛ばされた。顔面を床に
しこたま強打し鼻血を流しながらレイジうずくまった。店内には見たこともない黒服の男たちが
三人鬼の形相で仁王立ちしている。
「取り返しの付かないヘタを打ってくれたなレイジ。」
店の奥から真っ青に青ざめた店長が現れた。レイジは鼻を抑えながら店長の方に顔を向けた。
「どっ、どういう事ですか店長?俺は何も。」
「あれほど言ったはずだ、誰振りかまわず女と寝るなって、お前が昨日アフターに着き合ってホ
テルに連れ込んだ女はな~、よりにもよってウチの店のケツ持ちをしていただいている○×組系
の△組の組長の一人娘だ!」
「え~っ、そっ、そんな。」
レイジは目の前が真っ白になった。
「お前どうこの落し前つけるつもりなんじゃコラ。」
黒服が怒鳴り散らしながらうずくまるレイジに蹴りを入れる。
「組長の愛娘の初めてを、テメーどう責任取るつもりなんかコラ。」
「ひぃ~すいません。知らなかったんです。組長さんの娘だったなんて。」
「すいませんで済むかコラ。こい組長がお待ちだ。」
黒服二人に脇を抱えられながらレイジはベンツの後部座席に消えていった。
港区のとある倉庫の前にベンツは止まった。倉庫の周りは、センチュリー、プレジ、セルシオ、
シーマなど、様々なVIPセダンが荒々しく停められ有無を言わさぬ威圧感が漂っていた。
レイジは、半ば強引に引きずられるように倉庫の中に引き込まれた。倉庫の中は、その筋の男た
ちであふれレイジの顔がますます青みがかっていく。
倉庫の中央のパイプ椅子に座る男の前にレイジは連れて行かれた。
「社長、レイジをサラって参りました。」
社長と呼ばれた男はレイジを静かに見据えると、手にした木刀で殴りかかった。
殺さぬよう手加減を加えながら男は顔色一つ変えずにレイジを殴り続ける。レイジは血反吐
を吐いてのた打ち回りながら必死に許しを請う。が、無表情な男の顔の内に秘めた冷たい怒りは
収まりそうになかった。男は何故かレイジの顔と性器だけは避け、それ以外を殴りつけた。
レイジにとっての長い地獄の時間は突然ぴたりと止まった。男は、木刀を投げ捨てると血まみれ
のレイジのスーツの襟元を掴みあげた。
「おいお前、スナッフビデオを知ってるか?人を殺すところをビデオに写して売る、まーどうし
ょもない異常者向けのAVみたいなもんだが、なかなかどうして、世界中には結構その趣味の人間
がいて中々の儲けになるんだ。お前に落とし前としてそのビデオの男優になってもらう。」
「そっそんな勘弁してください。」
「安心しろ殺しはしねーよ。そのかわりお前の商売道具を詰めてもらうことになるが。」
「商売道具って?」
「テメーのチンコだよ。ウチの娘の処女を破りやがったんだ、それが妥当ってもんだろ。」
「やっやめて、それだけは、お金なら幾らでも払いますから。」
「おい連れて行け、あと女優にくれぐれも言っとけよ。殺すなって。去勢した後は臓器を売るか
ニューハーフとして売りだすか。なんにせよ金になる。」
倉庫の奥の別室に連れ込まれたレイジは、パンツ一枚に剥かれ手術に使う椅子の様なものに座ら
され両手両足を固定された。
部屋にはカメラマンと長身のエキゾチックな黒髪の白衣の美女が残された。
「ふふっ、君が可愛そうな本日の男優さんね。ホストなんだって?可愛い顔してるわね。」
「おねがい。やめて。」
「だーめ、せっかくの可愛い獲物を逃がしたりなんて絶対しないわ。君みたいな可愛い顔の子の
おちんちんを切る機会なんて滅多にないわ。大体自ら去勢をねだってくる男なんて無男ばっかリ
だもの、そんなヤツラのおちんちんを切ったところでちっとも萌えないわ。サーおしゃべりは終
わりにして始めるとしますか。カメラを廻して。」
美女は本当に楽しそうにテーブルの上に置かれた銀色のトレーから手術用のハサミを取ると
レイジのトランクスを切り始めた。トランクスの裾から円を描くようにハサミを入れるとレイジ
のペニスが露になった。
「まー小さくて可愛いおちんちん、しかも包茎だし色も綺麗だし、あなた本当にホストなの?ふ
ふ、本当に可愛いわ、こういうおちんちんを切りたかったの。たっぷり時間を掛けて切ってあげ
るからね。」
レイジはあまりの恐怖に言葉らしい言葉を発することが出来なかった。女はトレーからペンチを
取り出すとレイジの右の睾丸を軽く挟み込んだ。レイジはびくっと体を震わせた。
「まず。男の子の大切なタマタマからいくわよ。覚悟はいい?いっぱい泣き叫んでね。」
女は徐々にペンチに力を込める。レイジの睾丸が見る見る潰れていく。」
「ぎゃああああ、やめてやめて、潰れちゃうツブレジャウ、ヒィギョアアアア。」
「あっははは、もっとよもっと叫んで、もっと泣き喚いてその顔がたまらないわ。ホラ、つぶれ
るわよ。潰れるわよ。あなたの大切な精子工場が!ほら。」
「ぎゅぁあああああ。」
ぶちっ という鈍い音と共にレイジの右の睾丸が押しつぶされた。あまりの激痛にレイジは口か
ら泡を吹き激しく体を痙攣させた。
「あ~っあ、潰れちゃった君の大切なタマタマ。もう一個も潰しちゃお~。それ!」
女は間をおかず左の睾丸も何の躊躇もせず捻り潰した。レイジは狂ったように体を痙攣させ何か
言葉にならない言葉を叫び続ける。
「さあ~て、あたしの一番の楽しみのおちんちんをきろうかなー。でもその前に意識をしっかり
持ってもらわないとね。」
女は麻酔の入った注射器をレイジの睾丸のあった場所に打ち込んだ。レイジの痙攣が治まりつつ
ある。
「さて君の意識もしっかりしたところだし、大切な大切なおちんちんを切るとしますか。」
女はレイジのペニスを引っ張り根元にメスを当てた。
「可愛そうに、もう君はセックスもオナニーも出来ない体になっちゃうんだよ。」
「やっやめて切らないで。」
「どこを切られたくないのかな?」
「僕のおちんちんきらないで!」
「だーめ」
女のメスが徐々にレイジのペニスの根元から切り込みを入れていく。レイジは、なんとも情けな
い悲鳴を上げながら腰を痙攣させている。
「あーあー、もう半分まで切れちゃった。あと少しで君の大切な可愛い男の子のシンボルが無く
なっちゃうんだよ。ホラホラもう何も感じないでしょ?」
もうレイジのペニスはかろうじて表皮と海綿体で繋がっている状態になってしまった。
「ほら、最後の部分が切れちゃうよ。男の子じゃなくなるよ。いくよ。」
ぶち、という音と共にレイジの男の証は彼の股間から永遠にきりはなされた。
その後レイジはフィリピンの臓器密売業者の手に渡り...............
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投稿:2007.06.12
姦淫の代償
著者 イルサ 様 / アクセス 21554 / ♥ 1