石造りの檻の隅で、少年は小さくうずくまっていた。
彼は、敗戦国からこの奴隷市場に売られてきた。
そして、今日少年の買い手がついた。
男が二人入ってきて、少年の腕を掴んで、檻から引きずり出した。
少年は白人なので、貴族の愛玩物になる。
少年は全裸にされ、檻の側にある石造りのベッドに両手を結わえられた。
両足は目一杯に広げられ、頭の上で固定される。
少年は、自分の運命を知っている。
抗えないことも。
買い手がつくということが、自分の身の上に何をもたらすのかということも。
一人、また一人と檻の中から引きずり出されてゆき、檻の隅のベッドに結わえらて股間のものを切り飛ばされるのを見るごとに、その絶叫を聞くごとに思い知らされていた。
「いいチンボとタマぁしてんな。」
去勢師は、少年の男性器を、胡椒湯で洗いながら言う。
恥毛は生えてないが、もはや子供の性器ではない。
思春期の少年特有の、先端が包皮に覆われてはいるが、太さも長さも大人に育ちかけたものだ。
愛玩用…しかも貴族向けの高級品は、男性器を跡形もなく切り飛ばさなくては、商品にならなかった。
「おめえを飼う奴はなぁ。…こんな物いらないんだとよ。もう少し育てれば女泣かせになろうが…なあ。」
去勢師は、少年の二つの睾丸が、手のひらの中にあることを確かめ、体の中に逃がさないように、男根もろとも力任せに鷲掴みにした。
少年が、睾丸を握り締められる苦痛にうめく。
続いて、男根や、体内にある筋が断ち切れそうなくらい、目いっぱい引っ張られる激痛に見舞われ、さらに声が高まる。
去勢師の右手の丸鎌が、その付け根に当たる。
次の瞬間、今まで体験したことのない激痛が、少年を襲った。
部屋の中いっぱいに、少年の絶叫が轟いた。
…すべては、一瞬で終わった。
去勢師は腕ききだ。
えぐるように鎌を振るうので、左手の中のものには、ぐるりと下腹の皮が付いている。
彼は、切り残しもない上に、殺したりもしないので、仕事も多かった。
少年も、傷が癒える頃には、かつてあったものがどんなだったか伺い知ることもできないだろう。
傷の手当てをされながら泣き叫ぶ少年の股間についさっきまで付いていたものを見ながら、誰に言うこともなく去勢師は呟いた。
「傷が治ったら、座ってションベンすんだ。…もう、センズリも立ちションも、夢の中だけでしかできねえぞ。おめえには、もうチンボもキンタマもねえんだ。男じゃねえんだからな。」
2ちゃんからサルベージしてみました。
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投稿:2007.11.10更新:2009.06.05
虜囚の哀歌
著者 真ん中 様 / アクセス 19624 / ♥ 26