11.男性器売買商談
翌日、健太は英愛に連れられ、訓練所の商談室に案内された。健太は両手が利かない。
なぜなら、この商談では、女神候補者が乱心して、顧客に暴力をふるう事件が多発したため、
商談時には、両手を後手錠で固定して両手の自由を奪って行なわれることになっていたので
あった。
「辻元君、服をすべて脱いでください」
英愛は落ち着いた声で、健太に命令した。
健太はただ無言で、そそくさと服を脱ぎ始めた。全裸になると同時に、
「前を露出したままじゃね」
と英愛は小さなエプロンを健太の陰茎の前に垂らし,腰に紐で結んだ。風が吹いて翻れば、
十分にものが露出してしまう程の粗末なものだった。
健太は、英愛に手錠をかけられる時も、素直に応じた。健太は英愛に反抗できない。
学校から訓練所に連行された時、英愛に負けたことが、彼の抵抗心を抑えてしまったよう
だった。
健太の部屋から、商談室に移動する時、英愛は商談相手について、詳しく説明し始めた。
「購買希望者の方は...政府の外務部の官僚をしている菊川玲子さんという人なのよ」
健太は黙って聞いている。
「歳は25歳。来年外務部の次官試験を受けるために、性転換したいとのことで、商談に
来たらしいわ。次官試験は、最上級知性男子しか受験資格がないからとか言うからね」
英愛と健太は商談室に入った。商談室は、他のどの部屋よりも明るく、整然としていた。
白いソファーにその高さに合わせた低いテーブル、会社のオフィスの商談室を連想させる
ものだった。
部屋の中では既に、購入希望者である菊川玲子と、その友人が、ソファーに座って待っていた。
「お待たせしました」
英愛は,深深と頭を下げ、玲子に挨拶した。
健太はちらりと玲子を見た。
スレンダーな身体には少し不似合いな丸顔だが、比較的シャープな目をしていて、知性の
溢れる表情をしている。
黒のスーツで身を固め、スカートはかなり短いタイトミニだ。付き添いの友人も、似た
ような格好だが、少しのどかな雰囲気がある。
「とりあえず,こんなに早く性転換の機会を得ることが出来て大変嬉しいですわ」
玲子は喜びに溢れた口調で、英愛に言った。
「玲子さん、性転換は最近になって希望されるようになったんですか?」
と、英愛は玲子尋ねた。玲子は口元を緩め、
「いいえ、男の子になるのは、少女の時からの夢でした。自分にペニスが付いていないことを
恨んでいました。いっぱい勉強して、偉くなって、いつか男の子になるんだって、いつか
男の子みたいに立ってオシッコするんだって、そう思って勉強してたんです」
玲子は、喜びに溢れたの声でそう話し、そして
「では、商品の方、確認させてもらってもよろしいでしょうか?」
と言った。
英愛は
「はい」
と短く答え、健太のエプロンの紐に手を掛け、一気に解いた。ハラリと前掛けが床に落ちた。
12.男性器売買商談2
わぁ...という感嘆の声を出し、視線は健太のペニスに集中した。
前を覆いたくても覆うことも出来ない。後ろ手錠で両手が利かないのだ。
「触っても良いでしょうか?」
玲子は英愛に尋ねた。
「どうぞ」
と英愛が言うや、直ぐに玲子の手が、にゅっと健太のペニスに伸び、荒々しく掴んだ。
暫くの間、力強く掴んでから、指で包皮を反転し、根元までぎゅっと引っ張る。さらに上下に
動かし始めたので、健太のペニスもゆっくり反応し始めた。
細い指が健太のそれを刺激する。
それでも玲子は動きを止めない。
(あ...)
10秒もせずに、健太のペニスは玲子の目の前で完璧に勃起してしまった。
3人の若い女性の前で、明るい部屋で勃起する瞬間を目撃されてしまったのだ。
健太は恥ずかしくて声も出ない。
玲子は、勃起したペニスを手でぎゅっと掴み左右にゆっくり振り始め、さまざまな角度から、
健太のペニスを調べていた。
しばらくして、玲子はペニスから手を離し、眼鏡を取り出しそそくさと眼鏡をかけ、机の
上の資料を読み始めた。
「資料どおり、すこし小さいようですね」
玲子は英愛に尋ねる。
「はい、しかし,これを見てください」
と言って、健太のペニスを指で掴み、玲子に良く見える角度に直して
「見ての通り、この商品は短いですが、亀頭の傘は十分大きくひらいていて、堅さも申し分
ないですよ」
と、説明した。
「包皮に黒子があるとのことですが、特に問題はありませんか?」
「ええ、病的なものではないので。それに特に大きな傷などもありませんし、十分綺麗で
性転換後も自慢できますよ」
英愛は常に営業的に答える。
「でも...やっぱり少し長さがなぁ...」
玲子は片手を顎に軽く添えながら考えるような素振りで資料とペニスを見比べながら、
小声で呟いている。
「ねえ、かおり!」
玲子は、横に座っている友人の名前を呼んだ。
「かおり、このおちんちんどう思う?やっぱり小さくない?」
かおりとよばれた女は暫しペニスを観察した後、フウーとため息をついて
「うん、これ...とてもちっちゃいと思うよ。ほんと、私だったら...こんな粗悪品は
不合格ね」
といって、吹き出して笑い始めた。それにつられて玲子も
「そうよねえ...やっぱりちっちゃすぎるよね」
と言って、再び健太のペニスをちらりと見て笑い出した。2人で向かい合って大笑いしている。
笑いが収まった後、かおりは少し真面目な顔に戻して言った。
「...でもまあ使えるんだから、これぐらいで妥協したら?時間もないんでしょ?」
玲子は、暫く考え、そして
「決めました。購入します。価格は...資料どおり1000万で宜しいでしょうか?」
「結構です」
と英愛は一言で答え、さらに
「こちらの商品は、見ての通り仮性包茎ですけれども、破瓜儀式はご希望されますか?」
と、玲子に尋ねた。
「勿論です。やっぱり...私も今までの自分を整理したいので、これで気持ちも変えれると
思いますし」
「分かりました。儀式は...3日後に行ないますが宜しいでしょうか?」
英愛は玲子に確認する。
「結構です。3日後またこちらにお伺いします」
と玲子は英愛に向かって言い、
「商談成立ですね」
とニコっと笑って英愛と握手し、商談室を後にした。
健太は悔しくて、身体をぶるぶる震わせていた。後ろ両手で手錠を掛けられ、素っ裸で陳列
させられ、今この場で、健太の意思を無視した商談が行なわれ、商品として、自分の性器が
売られたのだ。
この3日間で、あっという間に自分の運命が変わってしまったのだ。
しかし、健太が1つ気になっていることがある。さっきの商談で、「破瓜儀式」という単語が
出てきたが、いったいなんなのか?また、自分の自尊心を傷つけるようなものなのか...?
「破瓜儀式」とは、いったい...?
13.破瓜儀式1
健太は英愛に連れられ、自分の部屋にやって来た。ここでの生活は、全て英愛の管理の下
動かなければならない。
「英愛さん...さっき言ってた破瓜儀式っていったい...?」
部屋に鍵をかけられる前に、健太は、気になっていたこのことを英愛に尋ねた。
英愛は少し戸惑った表情をしたが、直ぐに落ち着いた表情をして、
「分かった。教えてあげる...でも落ち着いて聞いてね」
と前置きして、話を始めた。
元来、破瓜儀式は、この性転換法が施行された当時は行なわれておらず、5年前から実施
されはじめた通過儀礼の一種であった。
性転換の女性側の対象者は、「最高級知性女子」に限られており、彼女達は、この手術を
通じ、大和共和国最高の地位である「最高級知性男子」に生まれ変わることが出来るわけ
だが、彼女達が購入した男性器が、必ずしも完全なものとは言えず、特に包茎の男性器に
対する不満は大きいものであった。
購入したものの包茎であった場合、性転換後、自ら包茎手術を受けなければならなかったが、
「最高級知性男子」の階級に属している以上、仕事をむやみに休むわけにもいかず、
彼女(?)達にとって大きな時間的、精神的負担になっていたのだった。
また、この手術の女性側の対象者は満25歳以上であり、多くの場合、男性との性経験を
済ましている場合が多い。
しかし、彼女達の考えでは、本来自分達は男として生まれてくる筈だったのが、何かの
間違いで女として生まれ、さらに、処女喪失時の破瓜の痛みなど、本来味わう必要など
なかったのに、味わうはめになったのは不当でありなんらかの代償が必要である、と
考えたのだった。
そこで、政府は、男性器購入者の女性自らが、包茎の「女神」候補者に対して、無麻酔で
包茎手術させるという方法を推進した。女性達は、本来味わう必要のなかった処女喪失時
の破瓜の痛みを、「女神」候補者の男に女性自ら無麻酔で執刀することにより痛みを与え、
代償とすることができるようになったのだ。
女性達は、嫌がる男性のペニスにメスをあてがい、メスで裂かれる疼痛で苦しむ男性の顔と
流れ落ちる血を見ながら、自分の物になる
ペニスを完全体にするのだった。この儀式こそ、破瓜儀式とよばれるものであった。
健太は、じっと英愛の顔を見つめている。
「俺に...そんな酷いことしようって言うのかい...?」
健太は,今にも英愛に飛びかからん程に紅潮して、英愛に言った。
英愛は無言で、バタン!と大きく扉を閉めると、すぐさまガチャリと鍵をかけた。
「チクショー!てめえ...こっから出しやがれ!」
鉄製の扉をガンガン叩きながら英愛に訴えた。しかし英愛は無言のまま背を向け、離れて
いった。
英愛のヒールの音が、コンクリートの床に響いている。
14.破瓜儀式2
3日後いよいよ「破瓜儀式」の日がやって来た。健太は目を真っ赤に腫らし、目の下には
くすんだ隈があった。
英愛が部屋の扉越しから声をかける。
「とりあえずは、落ち着いたみたいだけど、あまり眠れなかったみたいね?」
英愛は静かに健太に向かって言う。健太は何も聞こえないふりをしていた。
「じゃあ,今から手術室に移動しますから。執刀は購入者の菊川玲子さん。そして,手術の
指導は菜穂先生がやるので、間違いはないはずよ」
英愛は鍵を開錠し、扉を開けた。無言のまま健太は部屋から出てくる。
英愛に連れられて、「手術準備室」と書かれた部屋に案内された。建物の出口のすぐ傍で、
明るい陽光が入ってくる。
中には既に菜穂と看護婦の明日香が椅子に座って待機していた。
「健太君の方は大丈夫なの?」
菜穂は不安そうな顔で英愛に尋ねた。英愛は、3日間の出来事を菜穂に話し始めた。
手術準備室。名前だけで、部屋の中は、これと言った設備もない。菜穂、明日香の座っている
椅子と開脚台を除いては。
開脚台。
準備された開脚台は、産婦人科で見るそれとは違って、太いステンレスパイプで土台が作られ、
さらに固定する部分も両足首だけではなく、両膝、両手首、両肘、そして腰部と首まで動か
ないよう固定できるようになっており、全て鎖で縛るようになっていた。一度、この開脚台に
上がれば、身動きひとつ出来なくなるだろう。
英愛は菜穂との会話に夢中になっているようだ。明日香は、すご近くで直立して会話が終わる
のをじっと待っている。
健太から見れば、歳も近いせいか、明日香に一番親しみを感じていた。それに後の二人は
大人すぎて、距離感を感じる。
健太は思い切って明日香に声をかけてみた。
「こんなにしっかり固定しなければならないの?」
明日香は、最初自分に向けられた言葉だと思わなかったせいか、一瞬反応が遅れたが、
にこっと笑って、
「ええ。あまり動かれると危険ですし」
と答え、さらに
「これでも、まだ強度が足らないことがあるんですよ。やっぱり麻酔なしですから。凄く
痛いみたいですよ。傍で見ててもホント痛そうですし。それで、激痛のあまり鎖を引き
ちぎる男の子もいるんです」
と口を滑らし、思わずハっと口を抑えたが、その途端菜穂が
「変なこと言うのはやめて頂戴!」
と明日香を叱りつけた。
菜穂に叱られた明日香は泣き出しそうな顔で、肩をすぼめて、しゅんとしている。
そこに
「菜穂先生!」
と菜穂の名前を呼びながら、若い看護婦が準備室に入って来た。
「ああ、来栖さん、何のようかしら?」
看護婦は明るい声で菜穂に尋ねた。
「すいません。明日香さんと次の検査についてなんですけど、少し確認したいことがあっ
て...」
「まだ,手術まで時間があるから、手短に明日香さんと話してくれる?」
「何なの?厚美。確認したいことって?」
明日香は、怪訝そうな顔で厚美と話しはじめた。
明日香と厚美は、最初は仕事についてだったが、それは30秒程度で、すぐにおしゃべりに
変わっていった。
「ところでね...」と明日香は一言言うと、笑いながら健太をちらちら見ながら手を厚美
の耳に当てて、ヒソヒソ話し始めた。
はっきりとは聞こえないが、会話の中に「短小」とか「包皮」などの単語が入っているような
気がする。
厚美も、明日香の話を聞きながら、次第に健太をちらちら見始め、ニヤニヤ笑っている。
そして厚美は
「4級!?ウソー!?」
とはっきりした声を上げ、「プッ」と吹き出してしまった。
「だめじゃない厚美...患者さんの目の前よ!」
そう言いながらも、明日香もクスクス笑っている。
「分かってる。分かってる、だけど...だけど信じられない」
と言いながら、また健太の顔をちらっと見て「プッ」と吹き出した。笑いが止まらない。
菜穂が厚美を咎めた。
「来栖さん。おしゃべりはあとにしてくれる?」
「ハハ..ハイ!」
と,厚美は、懸命に笑いを堪えつつ準備室を退室した。
絶えがたい屈辱感...健太は懸命に怒りを抑えていた。
15.破瓜儀式3
健太は、暫く開脚台を見つめていた。その瞬間、今までなかった恐怖感が一気に湧き上がって
きた。
菜穂と英愛は再び話し込んでいる。手術の手順について、打ち合わせしているようだ。
一瞬、健太の脳裏に
(逃げるか?)
という言葉が浮かんだ。この部屋は建物の出口から近い。英愛をうまくかわせば、後は
なんとか逃げ切れんじゃないだろうか?菜穂も英愛も打ち合わせに夢中になっていて、
こちらに注意が行っていないし、明日香はおっとりしているから危険はないだろう。健太は
暫く様子を覗った。
(今だ!)
健太はタイミングを見計らって、一気に明日香を突き飛ばし、出口に向かって駈け始めた。
突き飛ばされた明日香は床に倒され、呆然としている。
菜穂は異変に気付き、「あっ!」という声を上げたが、行動にでるのが、少し遅れた。だが、
英愛は考えられない速さで健太の前に立ち塞がった。
「どきやがれ!」
響くような大声で叫び、そして英愛の顔をめがけて殴りかかった。
まさに殴りかからんとしたその瞬間、英愛の顔がスッと健太の視界から消えた。一瞬迷いが
生じた。
「うっ...」
健太は英愛が自分の真横にいることが分かった時には、既に英愛の拳が腹に炸裂していた。
健太はその場にうずくまった。息もろくに出来ない。
「軽く見ないで頂戴!!」
英愛は見下しと軽蔑の混ざった怒りの表情で健太を睨みつけている
「いい加減...ふざけるのはやめて!」
床にへたり込んでる健太は何も答えられない。
「何...?あなた...?なにしようとしたの?ホント情けないわよね」
さらに英愛は健太に向かって罵る。
「ほんと、あなたって最悪。ホント立っておしっこする資格なんてないよね。しゃがんで、
パンティ下ろして、お尻剥き出しにしてシャーシャーおしっこしてさ、紙で拭って、
一生そうするのがお似合いよ!」
英愛は罵るのをやめない。
「切断されてさ、綺麗なフリルつきのパンティとか穿いてさ、しゃがんでおしっこする度に
自分の情けなさを十分味わって、後悔しなさい!」
健太は、やっと、一言口から出すことが出来た。
「だって...だって俺男の子だもん...」
健太は泣き出しそうな顔をしている。
「男?」
英愛は予想もしなかった答えを受け取ったかのようにハアーと大きくため息を吐いて、
「あなた...男だ、男だって言うけど...」
英愛は一息おいて、
「あなたは...男なんてもんじゃない..」
不思議そうな顔をする健太に向かって、はっきりした口調で答えた。
「あなたは...辻元君...君は女の私にまで負けたじゃない!」
英愛は話を続ける。
「私も...女なのよ...あなたが死ぬほど嫌がっている座りおしっこなんて...
生まれた時からずーっとやってるのよ」
健太の頬に涙がつたわっている。英愛は健太の気持ちが分かったのか、少し語調を緩めて
「でも...あなたは、15年間、男の子でいれたんじゃない?羨ましいよほんと。それに
あなたのオチンチンはこの国の指導者になられる方に捧げることになるのよ。凄い事
じゃない!嫌がるんじゃなくて喜ばないとね。自分のオチンチンを優秀な女の人に捧げる
ことが出来たってことをね」
一息おいて、英愛は
「もし...君が男だって言うんだったら、怖がらずに破瓜儀式受けてよね...
こんなことせずに...」
「分かったよ...」
健太はぶっきらぼうに答え、自ら開脚台に上がった。
「英愛さん...宜しいんでしょうか?」
菜穂が不安そうな声で尋ねた。
英愛は、ゆっくりコクンと頷いた。
明日香が菜穂の指示を受け、固定鎖を健太の四肢に絞め始めた。
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投稿:2008.07.28更新:2008.07.28
永遠の女神(11章〜15章)
著者 キャプテンヤマト 様 / アクセス 16809 / ♥ 2