僕の名前は上杉拓哉。雑誌編集の記者をやってる。次の仕事のことでデスクに呼ばれ「今回はタイに行ってもらう。今話題の人身売買についての記事だ!危険は伴うがやってくれるか?」と言われ、これはスクープのチャンスだと思い引き受けてしまった。これが後々の大惨事になるとは知らずに・・・。
「臓器売買など深刻な問題もあるが、とりあえず児童買春について記事を書いてくれ。現地にナタリーという通訳の女性がいるから詳しいことはその人に聞いてくれ」言われるがままにタイに行くことになった。バンコクの空港を出てすぐの喫茶店で待ち合わせることになった。「はじめましてナタリーさん。上杉といいます。詳しいことはナタリーさんに聞いてくれって言われたんですけど、どこから調べたらいいんですかね」
「児童買春ね。貧困な農村地帯の親は自分の子供を売ってしまうの、そして売られた子供たちは性奴隷のように働かされて、使い物にならなくなったら捨てられる。それがこの国の現状よ。あなたには雑誌で国際社会にこのことを訴えてほしいの。」
このことがにわかに現実だということは信じられなかった。僕は疑いながら聞いた。「やはり現実にこのようなことが起こってるのでしょうか?闇のことだから調べるにも・・」
「私は数年間調べてきてやっと尻尾をつかんだの。ソープ街の奥に児童買春施設があるからそこに潜入してあなたには調べてきてほしいの。女の私より入りやすいと思うから」
車で移動し、例の場所までついた。マフィアが取り仕切ってるところだ。危ないがここまできたのだから覚悟を決めなくては・・。入り口に男が立ってる。500バーツ渡すと中に入り14歳の女の子を指名し、部屋に入った。女の子はすぐに僕のズボンを脱がして奉仕しようとするが、「ここに来たのはHなことをするためじゃないんだ。君の知ってること教えてくれるかい?」
少女はおびえた様子で「ハナセナイ。言ったら私は殺される」
「君たちを救うためだ。教えてくれ!」交渉の末話してもらえることになった。
「私は農村部から売られてきた。毎日こうやって働かされてる。私たち女はまだいいわ、男の子たちは男として指名が取れなかったりすると闇医者によって性転換されてしまったり、切ったモノを売られたりしてるの。その子たちを助けてあげて」
僕はタイの恐ろしさを知った。とりあえず今日はホテルに泊まり明日ナタリーとそのことについて話し合うことにした。
つづく
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投稿:2008.08.31更新:2008.08.31
タイの男の子
著者 あさくら 様 / アクセス 18960 / ♥ 5