[写真小さくしました。(^^;) 2010.5.15]
こんにちは。
東高等学校生徒会長の愛理です。
私は宇宙ステーション”アリエス”の短期乗組員高校生代表に選ばれました。
代表はもう一人、別の高校の男の子がいます。名前は隼人くんです。
アリエスからは楽しい実験風景や星の観察等を配信し、高校生同士のコミュニケーションの場を提供できたらと考えています。
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「さあ、皆さん今日の最後の問題です。『アリエスの内部はご覧の通り無重力状態ですが、これはアリエスが地球の重力の影響を受けないくらいに高いところを飛んでいるからである。○か×か。』さあどうですか?皆さんどちらか選んでくださいね。では隼人くん、答えをどうぞ!」
「はい、答えは×です。宇宙ステーション”アリエス”は、もの凄いスピードで地球の周りを回っています。この時発生する遠心力が地球の重力と釣り合うように調整してあるために、船内は無重量状態になっているというのが正しい理解です。地上400㎞の軌道上ではまだまだ地球の重力の影響を大きく受けているので、答えは×。」
「どうでしたか。さて今日の放送はそろそろ時間になりました。明日は又おもしろい実験を予定しています。皆様どうぞお楽しみに。それではごきげんよう、さようなら。」
「ふーーー。今日も無事に終わったね。放送中は緊張するね。何より高校生らしく制服で放送するのはいいんだけれど、無重力状態でふわふわしているから、ぐるんとひっくり返ってパンツ丸見えにならないか心配だわ。」
「宇宙からの放送事故を期待してビデオに撮ってる人も多いかも。」
「やだー!」
アリエスに来て今日で3日目。ようやく生活にも慣れてきたところかなって感じ。
船内は私と隼人くんの二人きり。スタッフの人とか乗ってるのかと思ったけど、今は地上からの遠隔操作が基本で乗組員はできるだけ少人数に押さえる方針なんだって。
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私は隼人くんと放送後の雑談を楽しんでいた。そのとき、ビービービーッ!とけたたましい警告ブザーの音が鳴った。私はメインコンピュータを通常モードから緊急モードに切り替えて事態を把握しようとした。
『隕石群がもの凄いスピードで接近中、アリエスとの衝突可能性90%以上』と表示されている。
「緊急回避!」
隼人くんができるだけ損傷の少ない方向へ全速で移動するようコンピュータに命じた。しかし、これがいけなかった。損傷が少ないといっても、外壁の損傷面積を少なくするのか、運行への影響を最小限に抑えるのか、生命維持装置の確保を最優先にするのか、そこまで命令してやらないとコンピュータは意図したように動かない。
結果として小さな隕石ではあるが、それがエンジンルームを直撃するコースを取ってしまった。ガガーン!轟音とともにステーションは大きく傾き、しばらくは揺れが納まらなかった。
幸い私も隼人くんも大したケガもなく、ステーションは元通り水平を保っているが、コンピュータは『エンジン出力低下、緊急事態発生』を示している。
私は地上との通信が可能か試してみた。幸い通信は可能なようで、こちらの様子を報告し、指示を待った。
地上からは脱出用ボートの状態を確認するよう指示があった。隼人くんに確認してもらったが、エンジンルーム付近に備え付けのボートは大破して使用不能。操縦室付近の一機のみ使用可能とのことだった。しかしこれは一人乗り用。制限重量100㎏となっている。
また、しばらくして地上での情報分析の結果が報告されたが、その内容は恐るべきものだった。アリエスはエンジン出力低下により、十分な遠心力を確保できず徐々に高度が下がっているとのこと。つまり地球という巨大な惑星の重力に徐々に引き寄せられ、墜落の危機に瀕しているとのことだった。
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脱出するには一人乗りボートに二人が乗り込むしかない。しかし制限重量はクリアできるのか?地上から二人の体重を正確に報告するよう指示があった。しかし私は拒否した。いかに緊急時とはいえ乙女の体重を何の配慮もなく求めてくる地上の対応に少なからぬ憤りを覚えたからである。また、次に地上から来た指示は信じられないものだった。制限重量をクリアするために衣服を全て脱ぎ捨ててボートに乗り込めというのである。こんな事が許されるだろうか。一人乗りの狭いボートの中に、花も恥じらう乙女にすっぽんぽんになって男の人と乗り込めなどと正気の沙汰ではない。セクハラもいいところだ。
脱出用ボートは完全にコンピュータ制御のため、ボート本体に対する勝手な改変は許されない。例えば座席シートのクッションを取り除いて重量を軽くするような改変は誤作動のおそれがあるので許されない。しかし、若い男女が裸になってこんな狭いところに乗り込めば、何が起こってもおかしくないわけだし、仮に何事も起こらなかったとしても、世間の人がどう考えるか。私の将来のことも考えて欲しい。
私は自分の考えを地上に伝え、宇宙技術庁長官が直接謝罪しない限り、セクハラとしてこの事実をマスコミに公表すると伝えた。
しばらくして、宇宙技術庁長官が直々にモニターの前に現れた。
「今回の地上からの配慮に欠けた指示は全て撤回する。どうか許して欲しい。地上では君たちの安全な帰還を最優先に考え、今我々にできることを模索している最中だ。そこでひとつ私からの提案だが、君たち二人の乗ったボートの中で決しておかしな事態が発生しない、発生するはずがないということを担保するために、隼人くんに去勢手術を受けてもらったらどうかと考えている。幸いアリエスには緊急事態に備えて自動手術装置が配備されている。メニューに従って操作すればほんの数分で痛みもなく手術は終わるだろう。どうだろうか。」
私は、長官の配慮に感謝し、それは受け入れ可能だと返答した。そのとき後ろから「ええええーー!」という悲鳴とも受け取れる声がした。
「そんなー、どうしてぼくが去勢されなきゃいけないんですか!」
隼人くんは半分泣きべそをかきながら訴えるようにマイクにすがりついた。
「まあまあ、君も愛理くんの将来のことを察してあげたまえ。こんな可愛い女の子の評価に傷がつくようなことがあってみろ、君自身も不本意だろう。人の命のかかった非常事態にわがままを言うものではない。」
長官の返事に隼人くんは言葉を失った。
「長官、後は私にお任せ下さい。隼人くんは私が説得し、手術を受けさせますので。」
「分かった、後は頼んだぞ。」
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地上との通信が終わり、私は隼人くんを説得するしかなかった。
「あなたのキンタマと私の乙女の純潔とを天秤に掛けたら、それはもう私の乙女の純潔の方が遙かに大切で重いのよ。そのことは分かってくれるわね。あなたはこどものつくれない体になって女の子を抱くこともできないでしょうし、恐らく結婚もできないわ。でもね、心配しないで。あなたがこどものつくれない体になっても、私が将来何回も気持ちいいセックスをしてたくさんのこどもをつくるから、人類の繁栄のことなら心配しないで。それにセックスする度にあなたのことを思い出してあげる。」
隼人くんは渋々だが状況を理解してくれたようだった。
「ひとつ聞いていい?東校には去勢執行人というのがいると聞いたんだけど、本当かな。」
「本当よ、その去勢執行人を取りまとめるのが生徒会長の私の仕事よ。」
「だったら、どうせ去勢されるんだったら、こんな機械でじゃなくて愛理ちゃんの手で潰して欲しい。」
「分かったわ、そうであれば東校の規程に従って最後の射精をさせてあげなければならないわね。地上なら白い噴水だけど、ここは無重力だから船内に飛び散らないようにサックをはめてもらうわ。」
私は隼人くんの半立ちしたオチンチンにサックをかぶせ、空中電気あんまを試してみた。空中ででんぐり返って、私の高貴にして純白のパンツは丸見え状態となった。ほどなくして隼人くんは最後の射精を終わった。
無重力状態では蹴り潰しも踏み潰しも難しいわね。無重力状態で去勢を担当するのは恐らく私が人類初じゃないかしら。私はそういいながら隼人くんのキンタマを鷲掴みにし、握りつぶしを試みた。
「この3日間、楽しかったわ。こんな最後を迎えたけど、許してね。」
「気にしなくていいよ。こんな可愛いお嬢様の手で去勢されるなんて想像もしていなかったけど、これ以上ない想い出をありがとう。」
じゃ、いくね。せーの、それ!
ぐちゅーーーーー!!
ぎゃああああーーーーーー!!!
ステーション内に男の子の悲鳴が響き渡る。私は男子の尊厳に配慮し、隼人くんが気絶するまで笑顔で潰れたキンタマを握りしめてあげた。
「さあ、いよいよ手術よ。」私は隼人くんを手術台に載せて、潰れたキンタマの除去と後処理を行った。ここで初めて気がついたんだけど、自動手術のメニューには、睾丸1個除去と男性器全部除去の2とおりしかないのよね。睾丸2個除去の場合は1個ずつ2回手術するんでしょうけど、時間がないわ。隼人くん、ごめんなさい。オチンチンは予定に入っていなかったけど、人の命がかかっているの。すっきりしちゃおうね。
手術終了後、隼人くんはお又の間に大きな湿布を貼られて、なんとも情けない姿だけど、これも男子に生まれた宿命と思ってもらうしかないわ。
次に隼人くんを脱出ボートに乗せてと。無重力だから軽いわね。最後にアリエスの残った全エネルギーを脱出ボートに移動させて、さあ、地球に向けて出発よ。
ところでさぁ、隼人くん、こうして眠っているんだったら去勢の必要なんてあったのかなぁ?それに私と彼の体重の合計が100㎏以下だって、私知っていたし、実際、私は制服着たままだし。乙女の危機って、何?ちょっと言い過ぎたかな。ま、いいか。念には念をって言うし。セクハラの代償は大きいのよ。
地球に到着したら、隼人くんに無事に帰ってこれたよ。よかったねって、握手のひとつもしてあげよっと!
(おしまい)
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投稿:2010.03.24更新:2010.05.15
宇宙からの生還
挿絵あり 著者 小学生の女の子 様 / アクセス 18237 / ♥ 12