僕は生まれてすぐに、母親の手によって去勢されてしまったらしい。
もちろんそんな事は記憶にないし、施設に引き取られたため、母親の顔だって知らない。
はっきりとわかるのは、普通の男の子なら持っているはずのキンタマという物を、僕は持っていないということだ。そのせいで、オチンチンも同級生のみんなより小さいらしい。
でも、それも今日までの話。
犯罪被害者救済ボランティアの人達が、僕のためにキンタマを用意してくれたんだ。
そして今、キンタマ手術を受けるために、T**大学付属病院までやってきた。
「お〜い、ルゥくん。ひっさしぶりやなぁ、元気しとったかぁ?」
「朱音さん」
日野原朱音さんは大学生で、ボランティアのスタッフをしている。今回僕がキンタマを貰えるようになったのも、彼女のおかげらしい。
「あの、朱音さん、今まで本当にありがとうございます。朱音さんのおかげで…」
「なに言うてんのん。ルゥくんがいままで勉強とか頑張ってきたから、今日キンタマが貰えんねんで。お姉ちゃんはなんもしてへんよ。ホラ、なか入ろ」
「ほなココでこの手術着に着替えて。そ、服は全部脱ぐねんで。パンツも」
手術着を着ると、オチンチンが丸見えになってしまう。朱音さんには何度も見せているけど、今日はなんだかいつもと違って恥ずかしい。
「あはは、なんや今頃。今日はソコを手術するんやから、隠したってアカンよ。キンタマ貰ったらその小さいオチンチンもだんだん大きくなってくるんやし、もっと胸張っときぃ」
そのまま朱音さんに手を引かれて僕は手術室へ向かった。
ひんやりとした空気。室内にはベッドがふたつあって、片方には僕と同い年くらいの男の子が仰向けになり、下半身だけ晒すようにして、シーツがかぶせられていた。
「朱音さん、この子どうしたの? …死んでないよね? まさか僕この子のキンタマを!?」
すると朱音さんは優しく僕を抱きしめて
「ルゥくんはそんなん気にせんでええの。これからキンタマのある人生が待ってんねん。その事だけ考えてたらええ」
顔に当たる朱音さんのおっぱいが気持ちよかった。キンタマが付いたら、朱音さんみたいな素敵な女の人と付き合ったりできるんだろうか。僕は期待で怖さを打ち消してベッドに横になった。
やがて麻酔が効き始めたのか、ゆっくりと意識が遠くなっていった。
目が覚めた。僕が自分の目覚めを覚るよりも早く、朱音さんは喋りだした。
「おおっ、目ぇ覚めたか。ほれ、見してみ。お姉ちゃんにキンタマ付いたルゥくんのオチンチン」
そう言うよりも布団を剥ぎ取る手の方が早かった。
「おっほぉ〜、勃っとる勃っとる。ビンビンやぁ〜」
「え、僕はまだ寝てるよ」
「そっか、ルゥくんオチンチン勃起させるん初めてやもんなぁ。ほら見てみ、オチンチン」
僕が自分の股間に目を移すと、普段見慣れたはずのオチンチンが見たこともない形で天井を指していた。刹那、怒涛のように僕の体は勃起という感覚を味わった。
「あ、ああっ! なんか、オチンチンに力が集まってる! 何コレ! 痛い!」
「ふっふぅん、それがキンタマパワーや。これから毎朝、いや昼も夜も勃ちっぱなしやで。ええなぁ。ちょい握らせて。うん、硬い硬い」
朱音さんに握られたトコロがびくびくっとした。今までは触られてもただくすぐったいだけだったのに。
「ふふ、感度良好。こんだけ硬くてそんな感じるんやったらもうオチンチンやなくてチンポって言わなアカンねぇ」
「チンポ?」
「そう、チンポ。立派なチンポや」
僕は朱音さんに大人になったと認められたような気がして、嬉しくてたまらなかった。
「さて立派なチンポのルゥくん。早速で悪いけどこれから射精じっけ…んにゃんにゃ、射精訓練をせなあかんのよ」
「しゃせいくんれん?」
「そう、チンポとキンタマをちゃんと使えるように、これから色々覚えていかなアカン。その最初で、一番大事な訓練よ」
「なんだか怖い…」
僕がそう言いかけると、朱音さんは僕のキンタマを思いっきり指で弾いた。
「ヒッ! ひぃっ! 何したの!?」
「初めて感じる痛みやろ? キンタマは男の子にとって大事なモンなんよ。ちゃんと勉強せなアカン。ほら、行こ」
また朱音さんに手を引かれて、オチンチン丸出しの手術着で廊下を歩く。
ただ今朝と違っているのは、僕にキンタマが付いていることと、オチンチンがチンポになって勃起していることだった。僕はそれが誇らしく思えて、入院患者の女の子や看護婦さんに見られても恥ずかしくなかった。
僕は朱音さんに言われたように胸を張って勃起チンポを突き上げてキンタマを揺さぶって歩いた。
(続かない)
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投稿:2010.04.26
LOST AGAIN:1
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