一つの戦争が終わった。手枷を嵌められた捕虜たちがぞろぞろと鎖に引かれて山岳地帯を登っていく。
狂戦士の国と呼ばれ恐れられたその都市国家は、強力な兵団と魔導技術で瞬く間に周辺国を支配下に置いていた。
今日彼らによって滅ぼされた国は国家群の中でも優れた技をもつ戦士たちの戦闘国家だったのだが、それでも彼らには歯が立たなかったのだ。
首都に連れてこられた捕虜たちは年齢順に分けられた。捕虜たちはその年齢によって少しばかり用途が違ってくる。
20を超えたくらいの若者たちが奴隷商人に引っ張られていく。まずは彼らの末路から見ていくとしよう。
数人の若者が連れてこられた場所は、まだ建設中の石で造られた屋敷前だった。
主な建築材料が岩石であるこの国では、力仕事ができる奴隷がどこでも必要とされ、奴隷を手に入れるために戦争を吹っ掛けることもままあった。
「おい、先生を呼んで来い。」
奴隷商人が呼んだのは妙に目をぎらつかせた初老の男だった。連れてこられた捕虜たちを見てにやにやとその男は笑った。
奴隷商人は先生と呼ばれた男と共に大きな小屋の前まで向かう。
「お前ら、何人かこの中に入れ。」
すぐに石運び奴隷になるものだと思っていた若者たちは、それの意図する意味が分からず内心首をかしげた。もし彼らが何をされるか分かっていたら、その小屋には意地でも入らなかったに違いない。
黒い染みがこびりついた台が若者たちの前に現れ、嫌な予感が彼らの頭をよぎる。
暗い部屋の中は湿っぽく、周囲の壁を人体図や鋸、縄などが覆い尽くしていた。
「お前、脱いで上に寝ろ。」
先生が一人の捕虜を指さし、渋々その若者はぼろぼろの奴隷服を脱ぐ。
身につけている衣類はそれ一つだけであったので、必然的に全裸となった彼は仲間たちの視線が注がれるのを恥じた。
特に若者の股から垂れ伸びる男根は両手でやっと隠せるほどの太ましいもので、普段から彼が自慢していたものだった。
若者が仰向けに台の上へ寝転がると、ちょうど台に開けられた穴の上に自らの男性器がくるような格好となった。
「お前たち、こいつの手足を押さえておけ。暴れおるからきつくな。」
捕虜の仲間たちが台にのった若者の逞しい手足を遠慮がちに押さえつける。
×印の形に四肢を固められた若者は冷や汗を滝のように流した。一体これから何をしようというのだろう。
油の入った皿に先生が火を付け、何かを炙っている。若者はおそらく奴隷の焼印でも押すのだろうと予想した。
しかしそれなら何故、服まで脱がすようなことをするのか。その疑問は先生が戻ってきたときに解決することとなる。
「さあ、これからお前さんの一物を落とすぞ。」
焼印を押す鏝ではなく、真っ赤に熱された巨大な鋏を持って現れた先生は、若者にそう言い放った。
捕虜たちが絶句する。台に寝かされた若者は逃げ出そうと仲間の押さえつけを振りほどこうとした。
「やや、逃げてどうする? そんなことをすればお前たちはまとめて死罪だぞ。」
先生が鋏をかちかちと鳴らす。
「儂のいうことを聞いたほうが良い。さもなくば、股ぐらを切られる苦しみよりも、もっともっと酷い地獄が待っているだけじゃわい。」
一度は緩めた捕虜たちの押さえが強くなったのを感じ、若者は信じられないといった表情で周囲の仲間たちを見た。
共に戦場で戦ったかっての戦友たちが、恐怖で震えながら自分の去勢を手助けしている。若者は絶望で泣きわめいた。
「あまり水分は出さん方がええぞ。切ったらしばらくは水を飲めんからな。」
舌を噛まぬよう、若者は丸めた布を噛ませられた。
(ぐぎゃぁああぁあああぁあああっ!!!!)
熱気を放つ鋏が若者の太い男性器を挟みこむ。じゅうじゅうと肉が焼け、若者は全身の筋肉を暴れさせた。しかし屈強な戦士であった仲間たちの力に押さえつけられてぴくりとも身動きが取れない。
使いこまれた去勢用の鋏は切れ味が極端に悪く、傷口を焼き塞ぎながらゆっくりペニスを千切っていく。
自慢だった雄の象徴を無残に刈り取られる。精力満ち溢れる若い男にとってこれほどの屈辱はないだろう。
実はまだ女の中も知らなかったペニスが、台にぽっかり開いた穴の中へと落ちて行った時、若者の精神は粉々に打ち砕かれた。
最後に先生が、焼けた傷口から尿道を探し出し、栓となる杭を埋める。
その間もずっと哀れな仲間の手足を押さえ続けていた捕虜たちは、泣きながら片方の手で必死に、最後の射精をするべく己のペニスを扱き続けていた——。
2へ続く
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投稿:2010.11.01更新:2010.11.01
狂戦士の狂国(1)
著者 モブ 様 / アクセス 14075 / ♥ 6