古代ローマ、コロッセオ〈闘技場〉
そこで繰り広げられるのは命のやり取りという見世物。
人間同士が闘うだけでなく、ときに猛獣と人間が闘うこともあったという。
グラディエイターという名で知られる〈剣闘士たち〉
グラディエイターとして実力の劣るものは〈闘獣士〉ベスティアリィ
として観客達を熱狂の渦に巻き込む。
その多くは戦争で捕獲された捕虜や奴隷で一般的に〈剣奴〉と呼ばれた。
勝者には栄誉と自由が、そして敗者には死が与えられたのである。
————————————————————————————————
その命が見世物として扱われる残酷なショー。
現代社会ではありえないはずの殺人ショー。
しかし社会の暗部と呼ばれるところにおいては
このような人権を無視したようなショーが
今宵も行われているのである。
犠牲となる哀れな奴隷達の魂の叫びと
それを味わう狂った観客達の熱狂につつまれながら。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
目が覚めると体が動かない。
拘束されている。
何も見えない。何も聞こえない。
突然何物かに襲われて、車に連れ込まれたまで覚えている。
今思い返すと友人の借金の保証人になったのが原因かもしれない。
とにかく僕を襲った連中が見た目は日本人だが
言葉がカタコトだった時点で危険な連中であることに間違いない。
突然視界が開ける。闇に光がともされたというより
まるで視力のスイッチをオンにした感じ・・・。
これはモニターなのだろうか?
おそらくモニター付きのゴーグルを強制的に装着させられているのだろう。
ならば今見ている映像はどこかのカメラから送信されていることになる。
モニターは立体視できるようになっているようで視界は良好だ
やがて僕より少し年上の20台半ばくらいの女性が現れた。
「コロッセオにようこそ。皆様。」
声が聞こえる。モニターゴーグルにヘッドフォン機能もあるのだろう。
視覚と聴覚を支配されている。
皆様ということは僕以外にも同じような目にあっている人がいるようだ。
いったいこの女は僕たちに何をさせようというのか。
コロッセオということは観客たちの前で殺しあいでもさせようというのか。
カメラが切り替わり司会の女の横顔を映しだす。
やはり今見えている視界はカメラで写された映像。
その映像は目の前のものともリアルタイムのものとも限らない。
「皆様には自由を賭けて、自らの肉体で闘ってもらいます。」
女は三度闘い、勝ち残ったならば負債の全てが精算されたうえに
10万ドルのファイトマネーなどを勝ち取れること、
しかし負傷や死亡で敗北した場合、なんら補償はされずに
借金はそのまま残ることなどを楽しげに説明した。
本人の承諾無しに勝手に話が進む様子に怒りを感じる。
何とか拘束から逃れてこの状態から脱出できないかと自分の状況を確かめる。
手足の拘束は万全のようでがっちり固められている。
ただ、腰まわりだけはある程度自由に動かせられる。
モニターゴーグルのせいで自分がどのように拘束されているか
目視する事はできないがどうも身体の前後を壁ではさまれているようだ。
両手は頭上で拘束され、両足は足を閉じた状態で足枷をさせられている。
腰は何とか左右にもがくことはできるが前後には動かすことができない。
やはりこのままでは逃亡など無理だ。
チャンスがあるなら闘わされるために拘束を外された瞬間しかない。
「それでは皆様の健闘をご期待します。」
他人の運命を嘲笑するようにクスクス笑いながら
司会の女は映像とともにフェードアウトしていった。
VTRの映像だったのだろう。視界は砂嵐に切り替わってさらに別の映像に切り替わる。
映し出された映像は円形型闘技場・・・コロッセオ。
闘技場自体は古代ローマ風の石造りに見えるがおそらく表面上だけのものだろう。
設けられた観客席は驚いたことに女性客で一杯だ。
観客席上部には大型スクリーンも確認できる。
そして闘技場の壁際に三本の不思議な円柱。
まるで大型医療機器のような場違いな円柱は丁度円周を三等分する位置にそびえていた。
突然視界が闇に消える。
モニターの映像か消えたのではなく照明が落ちたようだ。
観客たちが黄色い歓声をあげる。
ショーの開幕を告げるファンファーレ。
スポットライトに照らし出された女性はVTRと同一人物。
「観客席の皆様、お待たせいたしました。いよいよ開幕です。」
司会の女は両手で合図をすると、闘技場のゲートが開く。
入ってきたのは一匹のチワワ。
パタパタとシッポを振って司会の女性に駆け寄る。闘技場に似合わない座敷犬。
思考が停止する。そして割れんばかりの歓声。
またしても視界が闇に消える。今度はモニターが落ちた様子。
「今宵、自由を賭けて闘う三人の勇士たちの登場です。」
声が響くと光が戻る。カシャンと何か開く音。
同時に感じる虚脱感。何かがおかしいという不安感。
違和感を感じる原因はモニターに映し出される光景。
それほど広く無いはずのコロッセオがあり得ない広さ。
まるで自分が小人になった感じだ。
驚いたことに視線が意のままに動く。
右を見れば右方の視界に。遠くを見れば遠くに視点が。
そこで観客の女性と目が合う。僕と同じくらいの年齢の女性。
指を差して僕を笑う。
まるで顔に変なものがついてますよ、と言わんばかりに。
僕を笑う女性の隣の女性は別の方向を指差し笑っている。
その視線を追いかけると、先程見た医療機器のような円柱。
その円柱の根本付近、地面から20㎝ほどの高さに・・・。
どっと冷や汗が流れた。
開閉式のような小窓からみじめに顔を出したもの。
男性器、ペニス。それも立派とは程遠い短小なうえに包茎。
ご丁寧に陰毛まで剃られている。
ペニスのすぐ上にはキョロキョロと動く二台の小型カメラ。
まるでその様子は人間の目のようだ。
実際二台の小型カメラは丸い瞳に見えるようにデザインされている。
丁度マンガに描いた蟹の目と言えば分かりやすい。
ならば、ペニスはまるでゾウの鼻のようだ。
視線を右手側の円柱から左手側の円柱に移す。
やはり同じくそこには包茎のペニス。
視線を観客席に戻す。大勢の女性客が僕の顔を指差して笑う。
違う、と気付いた瞬間、恥ずかしさと悔しさが体内を駆け巡った。
円柱は三本あった。そして右手60度の方向に一本の円柱。
左手60度の方向に一本の円柱。
残りの一本は・・・もちろん僕だ。
会場女性たちが指差して笑っているのは僕の性器、
他人は知られたくない包茎のペニスだった。
僕が屈辱にうちひしがれているその時、
ぬっ、と現れる黒い影。
全てを理解して、背筋が凍りついた。
まるで人の大きさを超えるチワワ。
まさしくそれは、小型犬などではなく肉食獣〈プレデター〉だった。
パニックに陥る。肉食獣たるチワワは低いうなり声をあげる。
司会の女は闘えと言った。沸き返る観客席。
そう、確かに『自らの肉体で』と言ったのだ。
吐き気をもよおす。全てが悪辣だ。
つまり僕は今、ペニスという疑似生物でしかなかった。
この医療機器のような円柱は、いわばシミュレーターだ。
僕たちを円柱のようなカプセルに閉じ込め、五感を遮断し
太もも辺りまで闘技場に埋めて視線の高さを調整する。
小窓からペニスを露出させて、
カメラとマイクを目と耳の位置に取り付ける。
すると人間の脳は自分がまるでペニスになったと誤認識するのだ。
そして闘わされる。本来愛玩動物でしか無いはずの小型犬と。但し武器は自身のペニスのみ。
観客席を見上げる。愛嬌を振り撒くチワワに手を振り返す女性たち。
その微笑みの裏には残酷な期待が隠されているのだ。
小型犬とペニスが闘う。これほど滑稽な光景は無いだろう。
そして残酷だ。小型犬には牙があり、ペニスは急所以外の何物でもない。
勝負にすらならない。小型犬がペニスを噛みちぎって終わり。
滑稽かつ残酷なショー。それがコロッセオの正体だった。
ここで司会の女から嘲笑まじりの説明が入る。
彼女に言わせると僕たちは落伍者だという。
成人して定職につかず借金を作り、その返済の意思もない。
そういう者たちは通常強制労働所に送られて債務を回収する。
しかし労働に耐えられる体力の無い者は性的な労働を強いられる。
但し、それでも使えないもの、役立たず。
つまり短小包茎は、こういう形で見世物になると。
司会の説明に会場はクスクスと苦笑する。
屈辱に震える三人の惨めな性器。
付け加えて僕たち三人が童貞で盗撮や下着泥棒などの
性犯罪を繰り返したとでっち上げ、その見せしめだと観客に説明した。
観客は非難の眼差しを僕たち三人の包茎に向ける。
誤解だ。借金は僕が作ったものではないし、性犯罪など犯してはいない。
定職についてないのは資格取得のために勉強中だからだ。
・・・童貞であるのは間違ってはいないが。
観客席から激しいヤジが飛ぶ。
卑怯者だと、包茎の癖に、だの。そして観客たちは正当化するのだ。
こんなペニスはまさしく女性の敵、噛みちぎられて当然だと。
会場中が親指を下に向け突き出す。古代闘技場での処刑を意味するポーズ。
僕たちは言葉を返すことも出来ない。
ただ惨めな性器をしょんぼりとうなだれさせた。
司会の女は更に僕たちに向けて説明を続けた。
闘う相手は三頭の小型犬。一頭づつ闘技場に放たれ
10分持ちこたえるか、小型犬の戦意を喪失させれば奴隷側の勝利。
勝利すれば次の二頭目の小型犬が放たれる。
つまり計30分持ちこたえれば完全勝利となり、生存を果たした者の
借金は帳消しになりファイトマネーが支払われる。
さらに観客の多くは賭博を行っていて、
一頭目で全滅、二頭目で全滅、三頭目で全滅などにお金を賭けている。
1人でも生存すると全ての掛け金は、奴隷側の総取りになる。
いわば臨時ボーナスが支払われるらしい。
「三匹の小型犬は充分な殺傷力を持たせるため、
歯は全てセラミック製の『刃』になっています。」
司会の女はつまり小型犬でもペニスを噛みちぎることが可能だと説明した。
対する僕たちの防御手段は・・・
腰を左右に振ってみる。ぺちんぺちん、と頼りなくペニスが振られる。
一応シミュレータの機能で通常の三倍ほど
運動エネルギーが増幅されていると司会の女は説明した。
「もっとも、あなたたちのモノは通常の三分の一ほどに見えるけど。」
司会の女のジョークに観客はどっと笑いを爆発させた。
何処までも繰り返される侮辱。
目の前を小型犬であるはずのチワワがうろうろする。
まだリードに繋げられているので、襲って来ることはないが、
まるでグリズリーのような大きさ。
恐怖でペニスが縮みあがり、小刻みな震えが止まらない。
その様子こそ観客の女性たちがまさに期待していた反応。
「あんな可愛いチワワが怖いのかしら。」
信じられないと、苦笑しながら軽蔑の視線で僕たちの性器を見下した。
一通りの説明が終わると司会の女が中央に陣取った。
獰猛な肉食獣が低くうなる。
三本の哀れなペニスはガタガタ震えることしかできない。
「ラウンド1、ファイト!」
司会の女の掛け声とともにチワワは一直線に駆け出した。
向かった先は僕の右前方のペニス。
恐怖でパニックを起こしているのが一目でわかる。
最早戦闘ではなくただ包茎が泣き叫ぶように暴れもがいてるだけ。
その速度は皮肉なことにシミュレーターにより三倍に増幅されていて、滑稽さも三倍。
観客の女性達は通常の三倍の速度で振り回されるペニスに笑い転げる。
僕にはその様子が悲しくなるほど残酷だった。
チワワはペニスの目前で急ブレーキをかけると、可愛らしく「ワン!」と鳴いた。
しかし僕らにしてみればそれは凶犬の咆哮。
おそらくヘッドフォンの音量や音質がそう聞こえるように調整されているのだろう。
それまで必死に振り回されていたペニスがびくり、と恐怖で固まりつく。
一瞬の静寂の後ぴくぴくと痙攣すると、感情があふれ出したかように
そして子供が泣き出すがごとく、包茎のペニスは失禁した。
沸き返る観客席。苦笑する女性たち。軽蔑の眼差しの女性たち。
そして拍手でチワワを讃える女性たち。
失禁し終えると放心したかのようにピクリともしなくなるペニス。
そして喉笛を襲うようにペニスの付け根に噛み付くチワワ。
あふれ出す赤い体液。
ご自慢のセラミック製の刃でペニスをあっけなく噛みちぎる。
唖然とする僕たち。
最後に睾丸も噛みちぎるとペニスを露出させていた小窓は自動的に閉じてしまった。
瞳のようなカメラも光りを失う。
もうそこにあるのはただの円柱でしかない。
中の人間がどうなってしまったのかうかがい知れない様子に恐怖を感じた。
そんな僕たちとは対照的に・・・、
観客の女性たちは、まるで応援しているスポーツチームが勝利したかのように歓喜していた。
大型スクリーンの時計をみると、まだ二分ほどしかたっていない。
突如観客席がわっと沸く。
恐怖の限界を突破したのだろう、左前方のペニスも観客席の女性たちが見守るなかミジメに失禁した。
「お漏らしするほどあんな可愛いチワワが怖いだなんて!」
次々とペニスが失禁する様子が可笑しいのだろう。
女性客たちはどっと笑いをこぼす。
そして失禁に気付いた猛獣は一直線に左前方のペニスに向かう。
まるでだだっ子のように振り回されるペニス。
小型犬はすぐさま襲いかかることはせず、その目前で低く構える。
一歩たりとも近付けまいと暴れまわる包茎。
やがて沸き上がるクスクス笑い。
悲しいまでの一人相撲に観客が失笑をもらしている。
三倍に増幅された運動エネルギーは闘うためではなく、
ペニスが恐怖で暴れ回る姿をより滑稽に演出するためだった。
やがて訪れる疲労。息を切らしたように動きが止まる男性器。
タイミングを計ったように襲いかかる肉食獣。
ペニスの喉笛に喰らいつくと、あっという間に性器を噛みちぎった。
やはり残された2つの睾丸も余すことなく引きちぎる。
まるでK,Oシーンのように沸き返る観客席。
勝者であるチワワを讃える黄色い歓声。
そして退場するように寂しく小窓は閉じ、円柱から人の気配は消えてしまった。
とうとう残されたのは僕ひとり。
今目の前で起こった逃避したい現実。次は僕の番。
観客席を見上げると、ほぼ全ての視線が僕に集まっている。
闘技場の大型スクリーンが目に入った。
映し出される惨めな包茎。小刻みに激しく震えているのに初めて気がつく。
会場中が僕を笑う。包茎であること。小型犬に震えていること。
最後に残ったのが僕ひとりだから、会場の嘲笑は全て僕に向けられたもの。
時計を見る。まだ5分以上残っている。しかもまだ1頭目。
そして最後の獲物を求めてゆっくり近付くチワワ。
目と目が合う。鋭く光る凶犬の刃。震えが止まらない。
感じる無防備感。二人の包茎はなすすべもなく、噛みちぎられた。
元々勝負にならない勝負。・・・そして、
突然トップギアに入れかえ、急加速するチワワ。
瞬間パニックに陥る。わっと沸く観客。
無我夢中でペニスを振り回す。
背筋を戦慄が駆け抜ける。もう駄目だ!!と息を飲んだ。
どっと沸き上がる笑い声。
我に返るとチワワは目の前でお座りしている。
みっともなく、取り乱した僕のペニスを女性客が笑っている。
その残酷な仕打ちに涙が出そうになった。
チワワは再び攻撃姿勢から一飛びに襲いかかってくる。
闇雲に、でたらめに、悲壮感一杯にペニスを振って抵抗する。
僕にできることは包茎のペニスを振り回すことだけ。
屈辱だ。惨めだ。大勢の女性たちの視線を感じる。
嘲笑の声が聞こえる。しかし、失いたくない。
男であることの証を。だから滑稽でも屈辱でもペニスを振る。
しかしながら攻撃は空を切る。チワワは襲いかかるフリをしただけ。
何度も沸き上がる女性客の笑声。
チワワは何度も執拗に攻撃のフェイントを仕掛けてくる。
その度に恐怖のあまりに僕は必死でペニスを振り回す。
沸き返る女性客たち。それはまさに嬲り殺しだ。
悪意を感じる。少しでも僕を笑い者にしようという意思。
それはもうすでに小型犬のものではない。
僕は片隅に微笑む司会の女に気がついた。
きっとあの女が小型犬をしつけた上で命令しているのだろう。
僕の視線に気付いたのか司会の女はウィンクを投げた。
遊びは終わり、と言わんばかりに。
その瞬間チワワは猛スピードで襲いかかってきた。
ウィンクに気を取られて反応が遅れる。まさに致命的。
恐怖で身体がこわばる。目前に凶器の牙。瞬間に時間が止まる。
「ワンッ!!」
大きく開けられた口は僕のペニスを噛みつくのではなく、
代わりに雷鳴のような咆哮。
一瞬僕は魂が抜けてしまった。全身の筋肉が弛緩するほどの恐怖。
観客席の女性全員が僕を指さして笑っている。
それは屈辱的な失禁。完全に打ち砕かれる男としてのプライド。
封印していた昔の記憶がよみがえる。全く同じ光景だ。
僕がまだ子供の頃、とても大きな犬を飼っているクラスメートの女子がいた。
とても賢い犬で人を噛むことはないようだった。
次々クラスメートの他の女子たちが犬の頭を撫でていく。
その様子をたまたま見ていた通りがかりの僕がいた。
その場に居合わせた唯一の男子。僕は身体が当時から小さく怖がりだった。
飼い主の女子が意地悪く笑顔をこぼした。
「女子全員怖がらずに頭を撫でたよ。」と。
僕は憤慨して怖いのを必死に抑えつけて犬の頭に手を伸ばす。
その瞬間その女子は僕に飼い犬をけしかけたのだ 。
びっくりしてしりもちをつく僕。
周囲のクラスメートの女子から嘲笑の声があがる。
股間に感じる生暖かい感触。僕はお漏らしを女子全員に見られてしまった。
そして得意顔の飼い主の女の子。その瞬間僕は序列を感じてしまった。
飼い主の女子≧犬の頭を撫でた女子>女子に従順な犬>お漏らしした僕
というふうに。
僕の家が遠いので、飼い主の女の子の家で汚した衣服を着替えることになった。
用意された着替えは意地悪くも新品の女児用下着と体操パンツ。
結局言われるまま皆の見てる前で着替えさせられることになり
恥ずかしくて泣きそうになったが、クラスメートの女子たちが
「下着を用意してくれたお礼を飼い主の子に言いなさいよ。」と僕を責めた。
「・・・パンツありがとう。」
皆が見守るなか、涙目で女児用下着を片手に握りしめ
下半身を晒したまま僕は頭を下げた。
飼い主の子は頭を下げた僕の前でしゃがみこんだ。
その視線の高さは股間の高さ。
「女の子でも撫でれる犬が怖くてお漏らしだなんて
男の子失格ね。おちんちん切って女の子になる?」
その一言に女子全員笑顔が爆発した。
僕は悔しさで心が張り裂けそうになった・・・。
甦る過去の記憶。まるで追体験のような現実。
僕は司会の女を見る。全員を恐怖で失禁させたことに満足気だ。
観客席の女性を見る。笑いながら「信じられない」などと言う。
違う。あのときのクラスメートの女子たちも同じことを言った。
きっと全部予定通りだったのだろう。
信じられないと言いつつ、みっともなく失禁するのを期待していたのだ。
畜生!!悔しさが心の奥まで充満する。
あの飼い主の女子は犬を撫でられないことを馬鹿にし、
男失格だから性器を切って女性になれ、と言った。
ここに来て初めて奮い立つ闘志。
犬に噛まれるのでは無く、噛みつく勇気。
まさしく男としてのらしい在り方。
やってやる。心に闘志を燃やし、頭は冷静に冷やす。
改めて闘うべき敵を観察する。
観客たちの屈辱的なヤジを聞き流す。
連中は少なからず掛け金を賭けている。
生き延びればそれをむしり取ることができる。
吠え面をかかせてやる。一矢報いてやるのだ。
ついに獲物に喰らいつかんと一直線に襲い掛かるチワワ。
これは賭けだ。自分の信じた勝機に賭ける。
目前せまるチワワ。沸き返る観客。チャンスは一瞬。
ペニスの喉元に噛み付くために大きく口をあけた瞬間、
犬の急所、マズル部のさらに先端の弱点、鼻。
唯一の武器であるペニスは振り回すのではなく
鞭のように、濡れ手ぬぐいを打つがごとく!
「キャン!」確かな手応えとともに小型犬らしい鳴き声。
意外な反撃に会場はざわめく。
司会者も想定外の出来事に表情は穏やかではない。
そして反撃を喰らったチワワは・・・。
その表情を曇らせた司会者の影に隠れて出てこない。
勝った・・・。僕は何か吹っ切れた気がした。
余程異常事態だったのだろう。次戦までしばらく間が取られることになった。
勝機、生存が見えてきた。観客席は騒然としている。
ここでモニターが切り替わる。
映し出されたのは司会の女。闘技場の管制室のような場所。
「お見事ね。今まで時間切れで二匹めまで生き延びた者は数名いたけど
戦意を喪失させての勝利は初めてだわ。」
司会の女は感心した様子で取り引きを持ちかけた。
つまり10倍のファイトマネーを支払うから八百長しろというのだ。
「ここのお客様が御覧になりたいのは去勢ショーなの。」
万が一にでも奴隷側が勝ってしまうと主催者側は困るということか。
「お客様が望む以上、君には去勢されてもらう。
ただし、相応の代価を支払う用意があるわ。」
それが10倍のファイトマネー、100万ドルという大金。
さらに去勢時に際して一切の苦痛を与えないと言う。
小型犬に性器を噛みちぎられた二人も噛みちぎられて小窓が閉じた瞬間に
即効性の麻酔が打たれて苦痛からは開放されたという。
僕の場合、降参という形で麻酔が打たれてから専用の器具で去勢されるという。
「悪くない条件でしょう。君のペニス、悪いけどそれ程たいした価値はないでしょ?」
司会の女がクスクス笑いながらモニターに映し出された僕の包茎をじっと見据える。
他人の性器を値踏みする許しがたい行為。僕はペニスを左右に振って拒絶の意思を表す。
「あっ、そう。」さもつまらないように返答する司会の女。
僕は気づいている。司会の女の狙い。
この女は僕から反抗心と言うものを奪った上で去勢し屈服させたいのだ。
僕は今この瞬間取り戻した男のプライドを奪われたくなかった。
「言っとくけど、勝ち残るなんて不可能よ。賭けたっていいわ。」
司会の女は自身ある様子でつづける。
「そうね。次の二匹目に勝てば・・・、」
頬杖をついて僕の性器を見つめる。ふっ、と笑みをこぼして
「いいわ、見られてばかりってのは可哀想だから次の二匹目に勝てれば
特別に今はいている下着を脱いでスカートの中を見せてあげる。」
そういうと全身が見えるように立ってその場にくるっと回ってポーズを取ってみせた。
白いブラウスに黒のベスト、蝶ネクタイにスリットの入った黒いタイトなミニスカート。
まるでカジノの女性ディーラーのような服装。
その美しい脚線美に目が奪われる。
そうだとも!僕は心の奥底ではそう思っていたのかも知れない。
僕に与えられた屈辱を目の前の女に、あの遠き日の飼い主の女子に
与え返したい、僕と同じ目に遭わせてやりたいと。
俄然闘志が沸く。勝算は十分にある。
闘技場のゲートを見た。あの大きさでは小型犬程度しか入場できない。
次に出てくる敵の大きさは先程と変わらないはず。
つまり同じ戦法で十分倒せるのだ。必ず勝つ。
果たして闘技場のゲートが開き、二頭目の敵、次なる小型犬が放たれる。
先程のチワワと同じくらいの大きさのスピッツ。
僕の視線から見ればそれはまさに肉食獣と呼べる大きさだ。
観客の黄色い大声援を受け闘技場中央まで歩み寄る。
司会の女が再び戦いの火蓋を切る号令を発する。
「ラウンド2!ファイト!」
観客席が汚い野次と罵声を投げる。
女性とは思えない卑猥で低俗な野次と罵声。嘲笑よりも苛立ちの色が見え隠れする。
司会の女を見る。こちらは余裕たっぷり。だがそれも今失わせてやる。
うなり声とともに一直線に駆け寄るスピッツ。鋭い刃を見せたその初撃を身をよじってかわす。
その鼻面めがけてカウンターを打つ。
一発だけではない。返す動作で二発、三発。まさしく滅多打ち。
目の前のスピッツが司会の女に、観客の女性に、あの日のクラスメートに見えた。
しんと、静まり返る会場。気づけばスピッツは一目散にゲートへと逆戻りしていた。
拍子抜けすぎるほどの圧勝。勝利の爽快感が身体中を駆け抜けていく。
真っ先に司会の女を見る。無表情で僕の勝利を宣言する。会場は大ブーイング。
またしてもここでしばらく間を取られることになる。
安堵のため息をつく。あと一勝。もう怖いものはない。
三頭目もおそらくチワワやスピッツと同程度の大きさでしかありえない。
司会の女が僕に近付いてくる。目の前でしゃがみこみ僕を見下ろす。
「どうも、まぐれじゃないみたいね。降参よ。」
しかしながらその表情には余裕がある。
突然立ち上がると、さっと下着を脱いだ。
不意を突かれて動揺した。
いや油断していたのだ、先ほどの圧勝に。
そしてまだ勝負が終わってもいないのに勝った気になってしまった。
魅入られたようにその脚先を下から見上げてしまう。
覗き込んだタイトスカートの中は薄暗い闇。
僕はまだ彼女の意図を知らず掌の上で踊っていることに気付かない。
次の瞬間彼女はクスクス笑いながら脚を開いてしゃがみこんだ。
僕の視線と同じ高さちょうど目前に、モザイクのかかった女性器。
モニターによってモザイクを掛けられていることを卑怯と思う前に・・・
冷たさすら感じる美貌の持ち主の女性器が
剃毛され、無毛となった恥丘には卑猥な言葉が刺青され
多数のピアスをぶら下げ、それに連結されたチェーンによって
目一杯開帳を余儀なくされている様子に衝撃を受けた。
彼女の冷たく美しい顔と卑猥で淫靡なもうひとつの素顔、その性器を交互に凝視する。
それはいわば彼女の秘密。まるで僕が短小包茎を秘密にしていたように。
鬱屈した劣情がもよおす。下半身に身体中の血液が集中する。
徐々に頭をもたげていく包茎に、観衆はまるで勝利したように沸き返る。
そこで初めてワナに落ちたと気付いた。
腰を必死に振る。はち切れんばかりに勃起したペニスは固定されたように動かない。
そこに入場してくる三匹目のハンター。
知っている。あの犬は品種改良で小型化し弱く見せることで
ギャンブルとしての闘犬で大穴として使われた非常に危険な幻の犬。
絶滅し現存しないとされた、トイ・ブルテリア。
心の中に宿った希望が絶望に塗り替えられていく。
勃起した状態ではまともに闘えない。
そしてこんな状態で噛みちぎられてしまったら、出血多量で死の危険すらある。
僕の心の変化を読み取って観客は手を叩いて歓喜する。
二重の意味で僕が恥ずかしい失態をおかしたことに。
勃起を抑え込もうと必死に無心になるがすぐには不可能だ。
「勝ち残るのは不可能って言ったでしょ。」
余裕の表情で司会の女は自身の性器を見せつける。
見せつけられるだけで抑え込むどころかますます硬くなるペニス。
「これが最後のチャンスよ。闘うか、降参するか選びなさい。」
司会の女は男らしく僅かな勝機に賭けるか、もしくは安全に去勢されるかを選べと言う。
しかし先ほどと状況が違うので条件が僕に不利なように変更されている。
闘って勝利した場合、条件はそのままで、自由と莫大な富を得る。
闘って敗北した場合、麻酔で苦痛を和らげること無く、出血多量で死を迎える。
闘わず降参した場合、去勢と同時に麻酔で痛みを取り除く。但し借金は残り自由も認められない。
つまりほとんど望みの無い勝負を挑むか、否か。と言う選択。
それは先ほど取り戻した男としてのプライドを取るか捨てるかということ。
「男の子失格ね。おちんちん切って女の子になる?」
あの日の苦い記憶、心をえぐる言葉が甦る。
闘えば性器を噛みちぎられて死ぬ。生き地獄のような苦しみを味わって死ぬ。
降参すれば命を失うことはないが、男としての証とプライドを同時に失う。
「降参するなら、ご褒美に自慰させてあげる。」
つまり男として最後の射精、それを許すと。
しかしそれはまさしく心からの屈服の証。
言い替えるならば・・・、
「屈服の証として、皆の見守る中自慰しなければ降参を認めない。」
と、この女は言っているのだ。
降参するなら、自慰をしなくてはならない。しかし自慰をすれば、
まるで自慰をしたくて降参した様に思える司会の女の言い回し。
その皮肉さに観客たちはわっと歓声をあげる。
1分で決めなさい、と司会の女は性器を見せつけながら言う。
1分で勃起が収まるだろうか。カシャリと円柱が音をたてる。
ペニスの根元が機械で締まり、さらに前後に動かせなかった腰が
わずかに動かせられるようになる。
お尻を後ろに押し込めば空気圧の反発でピストン運動ができる仕組み。
観客たちは僕の決断をクスクス笑いながら見守る。
1分以内に自慰を開始すればそれが降参の意思表示。
1分を過ぎても開始しなければ戦闘続行の意思表示。
一瞬のあいだに目まぐるしく思考が巡る。
男としての意地。去勢。死の恐怖。ズタズタに噛みちぎられたペニス。
望みの薄い勝利。嘲笑する観客席。面前での自慰行為。最後の射精。甘美な誘惑。
気が付くとカメラの視点が強制的に切り替わっている。
視界の全てがモザイクのかかった淫靡な女性器のアップ。
画面片隅にワイプで司会の女の表情が映る。
視点の操作が出来なくなっている。
司会の女がくぐもった声をあげ悩ましげに表情を曇らす。
そして僕は視界に映る光景に魂を奪われる。
モザイク越しに映る女性器の中央。その深い穴を割って顔をだす白い球体。
聞こえてくる振動音。卵型のワイヤレスのローターが液にまみれて震えている。
こぽり、と押し出すようにローターが産卵された瞬間、すぐ上の尿道口からこぼれ落ちる小水。
小水は意図的でなかったようにタイトスカートの裾を汚す。
意図的でない小水・・・、つまり失禁。
それに魅入ってしまった瞬間、誘惑に心が折れた。
会場中から物凄い歓声があがる。嘲笑、罵倒、非難、そして歓喜。全てが交じり合った歓声。
気が付けば僕は一心腐乱に腰を振っていた。固定されていた視界が自分の視界に戻る。
スクリーンに僕のペニスが映っている。みっともなく包皮を前後させて自慰をしている。
観客席が僕を笑う。闘いを放棄して自慰に耽る僕を。
会場の女性たちが見守る中、性器をさらけ出し自慰を行いながら僕は観客と自分に言い訳をする。
敵の罠に落ち降伏したが、一矢報いたのだと。
目前の司会の女の性器を凝視する。
僕は見た。彼女の淫靡な性器が卵を産み落とし失禁する姿を。
それは僕が善戦した結果、彼女をそこまで追い詰めたのだ。僕が失禁させてやったのだ。
だから受けた屈辱を返したのだと。
力一杯闘って一矢を報いたなら、男のプライドは守られたのだと。
一矢報いたという自己欺瞞。嘲笑を受けながら自慰を行い
去勢されるという現実を受け入れるにはそれが必要だった。
そして気づく。ペニスのピストン運動、1ストローク毎に
面前の性器を覆い隠すモザイクがだんだん薄まっていく。
何故そんなことが起こりうるのかすらもう考えが及ばない。
ただ、これで本当に平等だと。そうでなくては卑怯だとすら思った。
絡まった糸がほつれるようにモザイクは薄れていく。
ピストン運動が先を急かすように速度をます。
モザイクが消滅するまでは、と必死に射精を耐える。
観客の嘲笑も絶頂を極めたその時、霧散するようにモザイクがかき消える。
現れたものはまるで性教育用の教材のような
ゴムで出来た女性器のイミテーション。
僕はまだ何も理解できない、いや理解しようとすらしない。
司会の女はベージュの水着の上にそれらしく性器のイミテーションを取り付けただけ。
目に入る事実を真実としてとらえることができない。
ならばあの鮮烈な産卵と失禁はなんだったのか。
イミテーションと水着の間にローターを隠し入れるのは無理がある。
そこでやっと映像の編集という単純な手品のタネに思い至る。
産卵と失禁できる別の大がかりなイミテーションを用意して録画し
僕の目前でリアルタイムで起こったように映像を割り込めばすむ。
そこでようやく会場の女性客の嘲笑の真の意味に気付いた。
僕は偽物の女性器に興奮して自慰を行っていたのだ。
僕は一矢報いてなどいなかったのだ。
僕のたった一つの心の拠り所がガラガラと音を立てて崩れさる。
自慰による降参という屈辱も、去勢という恐怖も
それがあったから受け入れられたというのに!
全てが手遅れだった。次の瞬間には僕は敗北感しか感じないまま
勝ち誇った女性客の前でまさしく降参するように惨めに射精した。
その瞬間、僕の敗北つまり去勢が現実のものになる。
目の前の司会者が去勢者に変貌する。
あともう一歩で僕は勝利していた。
目の前の女が下着を脱がなければ、僕は男として生存できたのだ。
卑劣なワナ。去勢の恐怖をあおり、降服するに足る理由をあたえた。
僕は屈辱にも自慰を披露した揚げ句、去勢されるという選択を選ばされたのだ。
クスクス笑いながら司会の女はペニスカッターを片手に歩みよる。
僕はこんなことは反則だフェアじゃないと激昂する。
拘束を解かんと必死で身体を暴れさせる。
観客席がどっと笑い声をあげる。
渾身の抵抗も結局、ペニスがじたばたと暴れただけ。
観客席の女性たちをただ面白がらせるだけの行為。
あふれる悔しさに僕は半狂乱で抵抗を続ける。
ついには狂ったようにペニスを暴れさせながら再び失禁した。
「やっぱり去勢ってのはこうでなくちゃね。」
僕の醜態にクスクス笑いながらペニスカッターを僕に取り付ける。
後はスイッチを押すだけで全てが終わる。
気分はギロチンにセットされた死刑囚。
往生際悪く暴れ続けたその瞬間、それが視界に入ってしまった。
見てはいけないモノ。三匹目の敵、トイ・ブルテリア。
座り込んで大きくあくびをしたその口の中には、
一本たりとも歯が存在しなかった。
・・・つまり、自慰などせず男らしく闘う覚悟があれば僕は去勢されずに勝利していたのだ。
遠いあの日、僕は女の子でも撫でれる犬を怖がり失禁して笑われた。
今また、僕は噛まれることの無い犬を恐がり自慰をして笑われている。
そしてついに認めてしまった。
降服するため仕方なく自慰をさせられたのではなく、
最後の自慰というご褒美をもらうために勝負を諦め降服したことを。
それも女性客が見守る中である。
そこには男としてのプライドのかけらも無かった。
司会の女がクスクス笑いながらバイバイする。
視界が闇に落とされる。音だけが聞こえる恐怖。
か弱く耳障りな警告音が聞こえてくる。
その電子音の間隔は徐々に早くなる。まるで爆弾が爆発を教えるみたいに。
失禁を終えたペニスは処刑寸前の死刑囚がごとく暴れ回る。
その暴れっぷりは電子音の間隔に比例する。
観衆の笑い声もどんどん大きくなる。
ついに警告音の間隔がなくなった瞬間。
僕は恐怖のあまり意識を失ってしまった。
泥のように溶けていく意識のなかで女性客たちの勝利の歓声が聞こえた。
・・・永遠のようで一瞬。一瞬のようで永遠の時間が過ぎて
闇のなかで、僕はようやく意識を取り戻した。
僕はどうなってしまったのだろうか。
まだゴーグルモニターを着用したまま、寝かされている。
上半身はシミュレーター装置に閉じ込められているが
下半身のみ装置から飛び出し、妊婦のように開脚台に固定されている。
ゴーグルモニターが起動し画面が映る。平面的な映像はカメラが一つということ。
目の前に女がいた。無論、司会の女。
僕を覗き込んで笑っている。すぐにまた股間からの視界だと気付く。
「お目覚めかしら、白雪姫さん。」
クスクス笑いながら皮肉をこめた挨拶をする。
司会の女は僕の現状について説明しにきたという。
そして僕に鏡を見せつけた。鏡に映ったその僕の姿。
映ったのはわずかに盛り上がった去勢の跡の切り株。
その切り株の断面には男として屈辱のオマンコマークの刺青が彫り込まれていた。
モニターゴーグルのカメラはオマンコマークの中心の膣口部分に埋め込まれている。
ならば今の僕はペニスではなく、オマンコなのだ。
男としてのプライドを失った僕にふさわしい姿だ。
但しもう何かと闘うことはない。
僕にできることは見世物になることだけ。
司会の女が合図をすると、数名の女性たちが部屋に入ってくる。
当然僕を見るなり驚きと好奇の混ざった黄色い悲鳴をあげる。
全員興味津々な様子で司会者に質問がとぶ。
ショートカットの可愛らしい僕と同じくらいの年齢の子が
少し可哀想じゃないですか?と尋ねると、
「平気よ。勝負を放棄して自分から進んでオナニーしてまで降参しちゃったんだから。」
と司会者はクスクス返答した。
ショートカットの子はビックリしたように、
「へぇ、プライドが無いんですね。」とつぶやいた。
『オナニーして降参』に反応した女性客はそのVTRに盛り上がった。
僕よりずっと年下のロングの女の子がVTRみたいに芸はできないの?と司会者に尋ねる。
司会の女は「やってごらんなさい。」クスクス苦笑する。
部屋中の視線が僕のオマンコに集まる。
女性客が見守る中、命ぜられるままに僕は失禁して見せた。
-
投稿:2012.02.23
シミュレーター
著者 うっかり 様 / アクセス 20344 / ♥ 9