魑魅魍魎が巣食う街、新宿歌舞伎町。何も知らない人間達がその餌になる為に集まっている…。
巷に「ジャンケン女」と呼ばれる妖女が現れたのがいつ頃からなのかは定かではない。
しかしこの名前を口にした男は必ず彼女の元へ導かれると言う。
そして彼女の気分次第で餌となる男の行先が天国か地獄かが決まる…そして今夜も。
(今夜も大勢いるわね、愚かなちんぽ達…。)
(私の餌になる為にゾロゾロと集まってくるのね…あぁん…考えるだけでゾクゾクしちゃうわ。)
「なぁ聡史、ジャンケン女って知ってるか? 」
「なんだそりゃ?野球拳でもするのか? 」
「聞いた話だとジャンケンに勝ったらタダでやらせてくれるらしいぜ? 」
「マジ!?俺溜まってるからそのジャンケン女にお願いしちゃおうかな、ハハハッ! 」
愚かなこの一言で彼はジャンケン女の罠にかかってしまったようだ。
気晴らしになるはずだった同僚同士の飲みが一転して地獄行きになることを知る由もなかっただろう。
(さっそく釣れたわね。今夜もお仕事を始めるとしましょう。)
「お兄さん達、こんばんは。」
ジャンケン女はチャイナドレス姿で彼らの前にふと現れた。
腰まで伸びた美しい黒髪とその調和の取れたボディは自然に男を魅了する。
「おっ、イイ女だね〜!どこの店? 」
「この先のガード下なの、ところでお兄さんたちジャンケン女の話してたわね? 」
「知ってるの?もしかして君がジャンケン女かな〜? 」
「ウフフ…どうかしらね。あなたの目で確かめてみる? 」
その思わせぶりなセリフに聡史はすっかり舞い上がってしまった。
「もったいぶるなよぉ…この子の店に行こうぜ田中!どうせ暇だろ? 」
「俺は帰るよ、深夜枠で見たいテレビあるからさ。ごめんな。」
「まーたアニメかよこのオタク野郎。いいよ帰れよ、俺は楽しんでくるからな。」
「オタクじゃねーよ!じゃあな聡史。」
同僚の田中は聡史にそう言うと地下鉄の駅へと消えていった。
聡史は満更でもない環境が出来上がりますますテンションが上がった。
「じゃあ行こうか、名前なんて言うの? 」
「私は胡蝶。お兄さんのお名前は? 」
「なんか古風な名前だねぇ、でも雰囲気ぴったりだよ。あ、俺は聡史、村田聡史。 」
「そう、村田聡史さん。では私のお店に行きましょう、お楽しみはそのあ・と・で。」
「いいねぇ…今夜は俺が楽しませてやるよ。」
聡史は胡蝶の腰に手を回しグイと肩を抱き寄せまるで恋人同士のように歩き始めた。
(バカな男ね…言うほど大したイケメンでもないのにその自信はどこから来るのかしらね。)
(まぁ別にいいわ、その自信も今夜で終焉を迎えるのだから…フフフッ。)
二人はそのまま大通りを数分ほど歩くと路地へと入り昭和の雰囲気の残る一角へと到着した。
「さぁ聡史さん、いらっしゃいませ。」
「これはまたレトロなお店だね、こんな場所があったんだ。」
胡蝶に連れられて聡史が入った店の看板には「BAR Paper Stone and Scissors」と書かれている。
「ありゃ?他に客は無しかよ。他の女の子はいないのか? 」
「ここにいる女は私だけよ…そして男はあなただけ…ウフフッ。」
胡蝶はそう言うと聡史の股間を右手の人差し指で軽くなぞった。
「こりゃあ大胆だな…このままやっていいのか? 」
誘いに乗った聡史はすっかりその気になり胡蝶の胸の谷間へと手を伸ばしその形の良い乳房の感触を楽しんだ。
胡蝶は胸の谷間に滑り込ませた聡史の手を左手で掴むとゆっくりと引き離した。
「ウフッ…ダメよ、ジャンケンに勝ったらさせてあげるわ。それがルールなのよ。」
「ここまで誘っておいてなんだよ!俺を舐めてんのか? 」
聡史はせっかく盛り上がった雰囲気を壊した彼女の言葉に逆上してその手を振りほどこうとする。
しかし彼女の手は離れず逆にギリギリと聡史の腕を締め付け床へとねじ伏せた。
「イデデデデデッ…痛い!痛い!やめろ畜生っ! 」
「あらあら、私みたいな女に締め上げられちゃうなんて情けないわね…あなた本当に男なの? 」
胡蝶はそう言いながら右手を「ヒュッ」と動かした。その瞬間、聡史のズボンと下着はバラバラになり飛び散っていった。
聡史の下半身は露わになりその自慢の肉付きの良いチンポの先から鮮血が数滴ほど飛び散った。
「イテッ!…これは一体!おまえ一体何者なんだよ! 」
「フフフッ、ごめんなさいね。少し手元が狂っちゃったわ。ちゃんと男なのね…素敵なちんぽだわ。」
胡蝶の右手の人差し指と中指は鈍く輝く刃物へと変化していた。その形はまさにハサミだった。
胡蝶がそのハサミに付いた血をペロリと舐めるとそれは元通りの指へと変化した。
「私とジャンケンをしましょう。あなたが勝てばここにちんぽを挿れてもいいのよ…フフッ。」
胡蝶はそう言うと右手でチャイナドレスのスリットを開き陰毛をよけながらワレメを広げてその秘部を聡史に見せつけた。
聡史は情けなくねじ伏せられたまま胡蝶の秘部の妖気に呑まれてしまった。
チンポは自然に起ち上がりその亀頭が腹筋を押さえつける。長さは20センチほどだろうか。
「あなた凄いわね…人間にしては立派なちんぽ…それにしても随分多くのオンナを吸い取ったようね、凄く美味しそうだわ。」
胡蝶は聡史のチンポを眺めながら軽く舌なめずりをした。
「かっ…体が動けない、畜生っ! 」
聡史は必至に逃げ出そうとするが胡蝶の腕はビクともしない。妖力で空いてる手足も動かせない。
「さあ始めましょう…ジャンケン…。」
「う、腕が勝手に…俺はしたくないのにっ! 」
聡史の右腕は胡蝶の言葉に合わせて勝手にジャンケンをしようとしている。
「ズルはしないから安心しなさい。さあ、早く手を選びなさい。」
「ううっ…クソッ。」
聡史は観念してジャンケンの手を選ぶ…とは言え考える余裕など全く無い。
「…ポン。」
胡蝶はグー、聡史はチョキ。胡蝶の勝ちだ。
「一回目は私の勝ちね。」
グーを出した胡蝶の右手はやがてゴツゴツと変化を始め、やがて岩の塊になった。
「そ、そ、それで俺に何をするつもりだっ!? 」
「そんなに怖がらなくても大丈夫よ。痛いだけだから…フフフッ。」
胡蝶はその岩の塊と化した右腕を振り上げるとそのまま聡史の股間へと振り下ろした。
「わわわ!バ、バカッ!やめろっ!! 」
(グシュッ)
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!! 」
聡史の二つのキンタマはその岩の塊と床との数ミリもないすき間に消えてしまった。
胡蝶の妖力で身動きできない聡史は白目を剥きその場でビクンビクンと小刻みに震えている。
「あぁん…見て…あなたのキンタマ。なくなっちゃったわよ? 」
胡蝶は男の源であるキンタマを叩き潰した快感に恍惚とした表情を浮かべ軽く興奮している。
右手は元に戻りその残骸を確かめるように指先で袋をグニュグニュと握りしめている。
「あら?刺激が足りなのかったかしら?小さくしたらダメよ! 」
胡蝶は激痛のせいで萎え始めたチンポを見てムッとした表情を浮かべる。
右手で残骸の詰まった袋を握り締めたままチンポを舌でひと舐めする。まるで蛇のように二つに割れた舌がチンポを絡め取るようにまとわりつく。
「どう?気持ちいいでしょう? 」
「う…グッ…はうっ!はうっ!…うううっ…ううっ! 」
聡史は激痛と快感の両方に襲われ声にならないような変なうめき声をあげる。
やがてチンポは硬さを取り戻し腹筋に食い込む。
妖女も認める立派なチンポだがその下にキンタマが無いのはとてもシュールな光景だった。
「ウフフッ…立派なちんぽだけどキンタマが無いと変ね。クスクスクスッ! 」
「ううっ…うっ…うっ…ぐすっ…ぐすっ…。」
聡史は激痛と失った物の大きさに絶望して涙を流しながら嗚咽している。
「あらあら、キンタマが無くなったぐらいで男の子が泣いちゃダメよ?よしよし…フフフッ。 」
胡蝶の手で子供のように頭を撫でられた聡史はさらに嗚咽した。
「ほらしっかりしなさい!じゃあ続きをするわよ、ジャンケン…。」
人生最悪の事態を迎えている聡史に容赦なくジャンケンが進められる。
「…ポン。」
胡蝶はパー、聡史はグー。胡蝶が勝利した。
「あらあら残念ね。せっかく立派なちんぽを入れてもらえると思ったのに…本当に残念だわ、フフフッ。」
「うううっ…ゆ、ゆるし…て…ください…ぐすっ、ぐすっ…。」
「許して?これは勝負なのよ?意味がわからないわ。」
また胡蝶の右手が変化を始める。
「ねぇ…パーは何になると思う? 」
意地悪そうな表情で胡蝶が聡史に訪ねる。しかし聡史にはもう答える気力も無かった。
「英語でジャンケンのパーはPaperといって紙なのよ。安心したかしら? 」
胡蝶は優しい表情で微笑みかける。聡史はキンタマを失ったのだからこれ以上の追い討ちはないのかもしれないと期待した。
「でもね、ルールを決めるのは私なの…フフフッ。」
胡蝶の右手の5本の指全てが鈍い光を放ち始めた。そしてあのハサミの刃へと変化した。
「(!?)」
聡史は必死に逃げようと体をくねらせるが小刻みにしか動けない。胡蝶の右手が股間へと近づいてくる。
胡蝶はその五本の刃をちんぽの真横に置きながら一方の左手で上下にしごき始めた。
「長いちんぽね…形も良いわ。これまで大勢の女を抱いてきたんでしょう?」
そう言いながら胡蝶はそのチンポの先端を口に含んだ。口の中では二股の舌が執拗に愛撫を続けた。
「んっ…ああっ!あっ!…気持イイッ!あっ!痛いっ!痛いっ! 」
その快感にビクッビクッとチンポが反応するたびに筋肉がキンタマの残骸を持ち上げ激痛が走る。
聡史はその感覚に発狂しそうになり長い時間をかけてやがて絶頂を迎えた。
(ドクンッドクンッドクンッ…)
「あぁん…美味しいわ。これだけで10年は美貌を保てそうだわ。」
「うっ…うっ…うっ…。」
聡史は今まで経験したことがない痛みと快感にちんぽを起てたまま痙攣している。
「ねえ?もうエッチも飽きちゃったでしょう?ちんぽにさよならしましょうね…クスクスッ。」
「ま…うっ…待っ…て…チ…ンポ…切らないでっ…うっ! 」
「すごい執着ね。もうキンタマが無いから結婚も出来ないのよ?だからちんぽはいらないわ…さようなら。」
胡蝶はそう言うと聡史のチンポ目掛けて「ヒュッ」と右手の五本の刃を振り下ろした。
(サクッ)
「ギャアアアアアアアアアッ! 」
「あぁあん!快感っ!イきそうだわ…あん! 」
聡史のチンポは五本の刃にスライスされ床に散らばった。
胡蝶は吐息を漏らしながらドレスのスリットから聡史の血がついた右手の指をしのばせ秘所をまさぐっている。
聡史はチンポを薄切りに切断された激痛と男としての全てを失ったことに絶望してそのまま気絶してしまった。
「うっ…こ、ここは? 」
次に聡史が気がつくとそこは終電の終わった駅構内だった。
「う…そうだ!!チンポ!!…チン…ポ…ウワァアアアアアアアアン、ウワアアアアアアアアッ! 」
胡蝶とのことを思い出し股間を確認するとそこには赤く丸い断面があるだけだった。
聡史は男でなくなったことを実感してそのまま延々と声が枯れるまで子どものように大声で泣き喚いた。
聡史のバッグの中にマジックで「ちんぽ代」と書かれた1万円の現金が入っていたのは妖女なりの心遣いだったのだろう。
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新宿歌舞伎町の少し空間のずれた一角にある「BAR Paper Stone and Scissors」。
今夜も魑魅魍魎、異形の者達がつかのまのひと時をすごしにやって来る。
「あら、いらっしゃいませ。お久しぶりね。」
「胡蝶さんも相変わらず美しいねぇ、とりあえず水割りとおつまみもらおうかな。」
「ウフフッ、今日はいいものがあるのよ。」
胡蝶はそう言うとカウンターの奥の冷蔵庫から皿を取り出す。
「おっ!人間のチンポの刺身か!うまそうだな。」
「でしょう?食べ切れなかったからおすそわけ。ちんぽが元気になるわよ?ウフフッ。」
「元気になってもなぁ…胡蝶さんが相手してくれるの? 」
「もう!ヤダァ…ウフフッ。そうそう、キンタマのスープも出しましょうね。」
聡史のチンポとキンタマは異形の者達の血肉となり生き続けるようだ。
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自宅のアパートで深夜アニメを見終わり床に就く田中。
布団の中で悶々としながら股間を弄っている。
「ううん…やっぱ難しいな…畜生。」
その股間にはチンポが無くキンタマだけがぶらさがっている。田中はその断面を必死に弄り快感を得ようとしている。
(♪♪♪)
突如として鳴り出した携帯に我に返った田中はいそいそと電話を取る。
「もしもし? 」
「ウフフッ…エッチなことしてたでしょう?断面はもっと優しく弄らないとダメよ。 」
電話の相手は胡蝶だった。田中は最初から胡蝶とグルで聡史を罠にはめたのだ。
「こ、胡蝶さん! 」
「今日はご苦労様。なかなかいいちんぽだったわ、ありがとう。」
「…あいつのチンポも切ったんですか? 」
「ええ、キンタマもよ。立派だったから負けてエッチするのも良かったけれど…残念ね、フフッ。」
「…。」
田中は罪悪感にかられ無言になる。
「また次もお願いね、今度はイケメン系よりも可愛くてちんぽが大きい男の子がいいわね。」
「そ、そんな…まだ続けるなんて。」
「あら?グーの貸しを忘れちゃったのかしら?じゃあ今からあなたのキンタマをグーしに行くわね。」
「まっ!待って!ごめんなさい!また連れて行きます、約束します。」
「フフフッ、もしイイ男を連れて来てくれたら私の舌であなたの断面を舐めてあげてもいいわよ?じゃあね、おやすみなさい。」
(プツッ…ツーッ、ツーッ、ツーッ)
田中は他の男を誘うことでジャンケン女にグーでキンタマを潰されることを貸しにしてもらっているようだ。
「聡史…ごめん。」
田中はそう呟くしかなかった。
次の餌になる男は誰なのだろうか?
(終わり)
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投稿:2012.03.04更新:2012.03.07
歌舞伎町のジャンケン女
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