薄暗くシミの付いたコンクリートの壁。
鉄格子の入った窓と鉄の扉に閉ざされたその部屋には冷たく重い空気が立ち込めていた。
衣服は全て脱がされ手足は鉄製のイスに固定され完全に身動きが取れない。
中央アジアで一人旅をしていた俺は唐突に身柄を拘束されここに連れてこられたのだ。
「俺は何もしていない! 何かの間違いだ!」
必死に知っている何か国かの言語で無実を叫ぶが目の前に居る制服姿の女性は無言で何かの準備をしていた。
カーキ色のタイトスカートが良く似合う長い黒髪のアジア系の女性でとても美しい顔立ちだ。
部屋に入って来た時から完全に無表情で時々俺の目を見るだけだった。
「それで何をするんだ!」
大きめの鞄から机の上に取り出した器具は一目で医療用具だとわかった。
そして銀色の器から細いゴムチューブを手にした彼女は俺の目の前でしゃがみこんだ。無表情のまま俺の股間を凝視している。
「!?」
彼女は徐に右手を伸ばし俺のチンポを握りゆっくりとしごき始めた。
その手の動きは付け根から亀頭へと血液を送り込んでいるように感じた。
「一体何なんだ…」
拘束された状況でさすがにエロティックな気分になれないが俺のチンポは少しずつ勃起し始めた。
すると彼女は手にしていたゴムチューブでその付け根を容赦なく縛り上げる。
「痛っ! やめろっ!」
彼女は俺がいくら喚いても無表情のまま作業を続ける。
俺のチンポはゴムチューブで縛り上げられ細くなった部分を支点にピクンピクンと脈動する。
その脈動の度にチンポ全体にズキン、ズキンと鈍い痛みが走る。
亀頭が破裂しそうになったチンポを彼女はさらにしごき続け皮膚に血管が浮き出るほど硬く勃起したところでその手を止め机へと戻った。
そして彼女が次に手にした器具を見て俺は戦慄した。
「やっ、やめろっ! やめてくれ!」
彼女の持った切れ味の良さそうなメスが薄暗い照明を鈍く反射させた。
そして先ほどと同じように俺の目の前にしゃがみこむ。
指先でコリコリと俺のチンポの状態を確認すると薄ら笑みを浮かべて俺の表情を伺う。
彼女が次に何をするかは簡単に予想が付いた。
「やっ…やめっ…!」
彼女は左手をチンポを握ると軽く引っ張りながら止血の為に縛ったゴムチューブのすぐ上へと右手のメスを近づける。
俺は全身の筋肉が鉄の様に硬直し、まともに呼吸が出来ない状態へと陥った。
「ヒッ…ダ、ダメだダメだ、やめろっやめてくれっ!」
(サクッ)
「グッ……ウワアアアアアアアアアアアアッ! 痛い痛い痛い痛いっ!」
その鋭いメスは数回のスライドでいとも簡単に俺のチンポを切り離した。
その瞬間、はち切れんばれんばかりに勃起していたチンポからパシャっと床に血液がこぼれ落ち彼女のスカートにも数滴飛び散った。
俺は手足を固定されたままうずくまることも出来ず熱く込み上げる激痛に悲鳴を上げる。
そこに視線を落とすと楕円形の真っ赤な断面が覗きポタポタっとわずかに出血していた。
「グウッ…畜生っ畜生っ畜生っ俺のチンポが…チンポがっ」
その絶望的な状況に全身の筋肉が硬直して仰け反り、怒号を上げながら激痛を堪える。
彼女は何事もなかったようにスッと立ち上がり再び無表情で俺を見つめる。その左手には俺の物だったチンポがしっかりと握られていた。
そして机に戻ると切り取った俺のチンポを銀色の皿にそっと乗せ断面を覗きこみ状態を確認していた。
「ハッ…ハッ…ハッ…痛っ、ハッ…ハァ…ハァ…」
俺は男として一番大切な部分を切断されたショックと激痛によって興奮状態が続いた。
数分の後に少し呼吸が戻ったところで彼女が初めて口を開いた。
「全てを話せば元通り縫合してあげるわ。あなたの所属組織は何処?」
「なっ! 話せるじゃないかっ!」
「ええ、話せるわ」
「じゃあなんで無視した! いや、なんで俺のチンポを切ったんだ畜生!」
「チンポ? チンポとはペニスのことかしら? これが私の拷問のやり方なの」
「拷問だと? ふざけるなっ!」
「ええ拷問よ。早く質問に答えないとペニスが死んでしまうわよ?」
彼女はそう言いながら皿の中の俺のチンポを指先で撫でる。
切るぞと脅すならまだしも、いきなり切り落とすなんて拷問は理解不能だった。否、問題はそこではない。少し冷静になったところでまた激痛が襲う。
「痛っ…グッ」
「まだ痛いの? 脳内麻薬でそろそろ楽になるはずよ?」
「ふざけるな…俺は何処の組織でもないっ早く縫合してくれ!」
「あきれた忠誠心ね…あなた、ペニスが無くなってもいいの?」
「だから早く返してくれ、頼むっ…痛っ」
「もう一度聞くわよ? どこの組織で潜入の目的は何?」
俺の意見は完全に無視され延々と同じ質問が続く。
俺はひたすら間違いだと訴え許しを懇願するしかなかった。
「あなた凄いわね、その忠誠心は褒めてあげるわ。でも私も任務だから容赦は出来ないの」
彼女はそう言うとまた先ほどのメスを手に取る。俺はまた何かをされると思い体が硬直した。
「あなた知ってる? ペニスは5cmあればセックス出来るのよ?」
「えっ?」
(サクッ)
彼女はそう言いながら皿の中の俺のチンポの付け根から指の幅ほどの所で輪切りにした。
「バカっ何するんだっ! ふざけるなっふざけるなっ…畜生!」
「何を嘆いているの? 女の私から見てもまだ十分楽しめる長さよ?…フフッ」
質問の間ずっと無表情だった彼女が再び笑みを浮かべた。
このキチガイ染みた俺への拷問を楽しんでいるようだ。
「フフッ、これがあなたのペニスの中身よ」
「やっ、やめろっ」
彼女は輪切りにした俺のチンポを指先でつまみ目の前で見せつけた。
俺のチンポの尿道や海綿体…とても正視できる物では無かった。
俺は必死に目を閉じてその現実から逃避した。
「さあ教えて…でないと男じゃなくなるわよ?」
チンポの輪切りを机の上に無造作に投げると再びメスを取り俺のチンポへと当てる。
「だからっ…だから俺は何も知らないんだ、信じてくれよ…ウウッウウウ…」
どうしようもない絶望感から俺は子供のように涙を流した。
「今度は泣き落とし? 私をバカにしてるの?」
(サクッ)
彼女は容赦なく俺のチンポをさらに輪切りにした。
俺はもう言葉もなく怒号を上げ泣くしかなかった。
「ウワアアアアアッ!」
「あなたみたいな男は初めてだわ、負けられないわね」
彼女は再びメスを取ると泣きじゃくる俺へと近づきまたしゃがみこむ。
その左手で右側のタマをそっと持ち上げメスを袋の付け根へと近づけた。その状況にまた戦慄が走る。
「ウッウッ! バッ…バカやめろっ!」
「ボールは一つあれば機能するから、拷問としてはサービスね」
「ウッウッ…や、やめてくれっ!」
(シュッ)
「痛いっ!痛い痛い痛いっ」
彼女は軽快に袋を縦に切り裂くとそこから俺の右のタマを指先でつまみ出した。その瞬間タマを蹴り上げられるような激痛が全身を駆け抜けた。
「グフッ…ウッ」
「見て、これがあなたのボールよ。白くて綺麗でしょう?」
彼女はまるでおもちゃのように俺のタマをグリグリと指先で弄ぶ。
俺はタマを何度も蹴られたような激痛に襲われ体がビクッビクッと痙攣する。
彼女はタマに繋がった管へとメスを近づける。しかし俺は頭は真っ白になり呼吸もまともにできず言葉すら出せない。
(ブツリ…)
「ほら、取れたわ」
「ウググッ………」
その瞬間、今まで味わったことがない衝撃的な激痛が脳天へと走り俺は意識を失った。
(バシッ、バシッ、バシッ)
「ほら、起きなさい!」
何度も頬を叩かれる感覚と怒鳴り声で俺は意識を取り戻した。
「1時間も寝てたわよ? 少しペニスが痛んだじゃない…あなたのせいよ?」
「あ…」
「さあ答えて、それとも組織の為に男としての人生を捨てるの? 」
「う…う…」
「答えないなら次はここを切るわよ?」
少し怒りの表情を浮かべながら今度はチンポの真中にメスを当て俺を脅す。
長時間の拘束、机の上に雑然と置かれた2枚のチンポの輪切りとタマ…俺の精神はもう限界に近づいていた。
もうろうとする俺の意識を呼び覚ますように突然壁の電話機のベルが激しく鳴り響いた。
彼女は軽くため息をつくとメスを置き電話の受話器を取り現地の言語で会話を始めた。
そして会話が終わると再び机へと戻りゆっくり口を開いた。
「申し訳ないことをしたようね」
「…う…ううっ?」
「情報があった組織の潜入者が今捕まったわ…あなたは違ったのね」
「…ふざ、ふざけ、ふざけるなっ!」
「ごめんなさい…としか言えないわ」
「はっ、早く俺のチ、チンポを返してくれ!」
俺はとにかく誤解が解けた事に安堵した。そして一刻も早くチンポを元通りにするよう迫った。
「ごめんなさい…」
「それはわかったから、早く俺のチンポをっ!」
「…この国にそんな医療技術があると思ってるの?」
「なっ!?…まさか!?」
「そうよ…プロとしても悪いと思ってるわ。許して…」
「ふっふっ…ふざけるなぁっ!」
俺は燃え上がる怒りを感じ全身が震えた。この辺境の地で俺はもう男として生きていけない体にされてしまったのだ。
「男として生きていけないなんて酷過ぎるわね、だから楽にしてあげるわ」
彼女は腰のホルスターからオートマチック銃を取り出すと銃口を俺に向け引き金に指を添えた。
「ごめんなさい」
その瞬間、彼女は俺のチンポを切り取った時と同じ笑みを浮かべていた。
(END)
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投稿:2012.11.08更新:2012.11.09
拷問
著者 いち 様 / アクセス 33031 / ♥ 8