ブルマの復讐
「序」
ブルマになってもある理由でブルマとは認めてもらえなくなってしまった2人。
「後悔」は彼らのためにある言葉かもしれません。
第1章 「はじまり」
オレ(リョウスケ)には幼馴染のカオル(男)という同級生がいた。幼いときから遊ぶ時はいつもカオルと一緒だった。
そんなカオルとの友情に暗雲が走ったのは幼稚園のころだった。カオルに将来何になりたいかと聞いてみると、
「ボク、リョウスケ君のお嫁さんになる。」
という答えが返ってきた。
「オレもカオルも男だから、お前はオレのお嫁さんにはなれないぞ。」
そう言って聞かせてもいつも返ってくる返事は一緒だった。
小学生になって、そんな幼い日の思い出も忘れかけていたとき、5年生になって、カオルと一緒のクラスになった。当然クラスが一緒なら一緒に過ごす時間も増える。そして幼い時の記憶を呼び起こさせる出来事が起きた。
・・・。気が付けばいつもカオルはオレのそばにいる。
グループ分けも、席替えも、どんな時でも近くにいる・・・。はっきりいってカオルにべったりとくっつかれているような気分だ。
少し怖くなったオレは思い切ってカオルに問いただしてみた。
「なあ、カオル。お前いつもオレのそばにいないか。」
「うん。だってボクリョウスケ君のこと好きだモン。」
「好きって、オレたち男同士だぞ。」
「ボクは幼稚園の時言ったよ。将来はリョウスケ君のお嫁さんになるって・・・。」
「あのなあ・・・。」
「どうしてもだめなの。ボクが男の子だから?」
「・・・。」
「どうしてもだめ?」
「・・・・。そうだ。カオルが女の子だったらアリかもしれないけど・・・。」
あまりにも一直線すぎるカオルにオレは距離を置くことにした。しかし、そんなオレの気持ちをカオルは知ってか知らずか、遠くからオレのことを見つめていることが多くなった。
そんな状態で5年生はおわっていった。
第2章「衝撃」
春休みがあけてオレたちは6年生になった。始業式の日、新しいクラスが発表された。名簿を見てオレに衝撃が走った。・・・というより、恐怖のどん底に突き落とされた。
第一に、今年もカオルと一緒のクラスだ。
第二に、カオルの名前が女子の列に記載されていること。
第三に、その理由が・・・。
恐怖で背筋が凍った瞬間、突然オレの右腕に抱きつかれた。
「リョウちゃん。久しぶり。」
(ちゃん・・・!?)
驚いて、声のしたほうを見たら恐怖はついに現実になった。抱きついてきたのはカオルだった。ツインテールの髪型にスカート姿。今まで見慣れた姿とは全然違うが、完全にカオルだ。
「どう、驚いた。ボク女の子になっちゃった。」
「お、女の子って・・・。」
「春休みに志願でブルマになったんだ。」
「なんで、・・・突然・・・。」
「今まで、男の子同士だったからリョウちゃんも踏ん切りが付かなかったんだよね。」
「・・・。」
「でも、もうボク女の子だから。もう何も心配することないよ。これで私はリュウちゃんのもの。リョウちゃんのオチンチンもタマタマもカオルのもの。」
あまりに身勝手なカオルの態度にオレはムカついた。
「オレ、カオルのこと友達と思ったことはあるけど、『好き。』って思ったことはないぞ。いくら女の子になったからといって、チンチンもキンタマもなくてもオレにとってカオルは男だからな。馬鹿じゃねえの。」
オレはカオルを思いっきり突き飛ばした。
「かわいそう。カオルちゃんふられた。」
クラスの女子の声があちらこちらから聞こえてきた。泣き出したカオルを無視してオレはその場から立ち去った。
カオルがオレのことを恋愛感情で見ていたことは知っている。でも、オレはカオルに今まで一度たりとも女になってくれと言ったことはない。いくらカオルが俺のことを好きだからといって、自分で勝手に女になって彼女宣言されても迷惑な話だ。
その日からオレとカオルは口を利くことはなくなった。はじめはオレのことを白い目で見たやつらも、しばらくたてばなんとやら。オレはオレで、カオルは女子として、普通にクラスに溶け込んでいった。カオルを振った日から、カオルはオレに付きまとうことはなくなった。オレはカオルに振り回されなくなって正直ホッとした。
第3章 「ブルマ検査、ブルマの復讐」
1学期も夏休み前となり、男子にとっては恐怖のブルマ検査の季節がやってきた。
しかし、オレのチンチンもキンタマもブルマ検査のしおりに書かれていた合格基準を満たしていたため、不安がるクラスメートを尻目に余裕で構えていた。
だが、そんな余裕が地獄に変わろうとはオレは知る由もなかった。
当日、ブルマ検査は保健室で行われることになり、オレたち男は自分のクラスのブルマ検査が始まるまで教室で待つことになった。
待って入る間、ブルマ検査の問診表を書き提出した。
一方、カオルは何を思ったのかブルマ検査の手伝いを保健の先生に志願していた。手伝いといっても、問診票をまとめたり、運悪くブルマを宣告されたヤツにブルマの先輩として寄り添う・・・らしい。
とにかく、カオルにブルマ検査そのものをされたり、オレのチンチンを見られたりするわけではないので特に気には留めなかった。
何より、合格は確実なのでさっさとやってさっさと帰りたかった。
「6組、保健室に移動してください。」
(きた。)
保健室前の廊下に着くと、アシスタントの看護婦さんが先ほどの問診表を見ていた。そのときだった。
「出席番号3番のリョウスケ君。手を挙げてください。」
(!?)
言われるがまま挙手をすると、
「この封筒を持って多目的教室に行ってください。」
(??)
「さあ、早く行ってください。ほかの皆さんはしばらくここで待っていてください。」
意味も解らず、多目的教室に向かった。(というより、それしか方法がなかった。)
多目的教室に着くと、施術着に身を包んだ女医さんや看護婦さんが待っていた。
「あなたがリョウスケ君ね。早速始めましょう。」
「どういうことですか?」
「あなた、当日ブルマ志願したでしょ。」
(!?)
「だから、当日のブルマ志願者はこの多目的教室で施術を行うの。」
(!!)
「じゃあ、早速ベッドに横になって。」
「ちょっと待ってください。オレ、ブルマ志願なんてしていません。」
「そんなはずはないわ。問診表には志願者に○がつけてあります。」
「オレは普通に問診表を書きました。」
「じゃあこれは何なの。」
問診表を見せられて背筋が凍った。
オレが鉛筆で書いたところは全部きれいに消されて、最初の「志願する」に丸がボールペンでつけられていた。
「オレは書いていない。誰かが書き直したんだ。・・・そうだ、カオルだ、カオルが書き直したんだ。」
「往生際が悪いうえに、ブルマ検査逃れね。それに他人に責任を押し付けて、一番男として卑怯なことよ。」
逃げようとしたけどすぐに取り押さえられてベッドに寝かされてしまった。」
「お願いだ。オチンチンを切らないでくれ。」
オレはベッドに寝かされてからも必死で抵抗した。
「今になって逃げ出すなんて男らしくありませんよ。」
「違う、違うんだ。志願なんかしていない。」
「その子の口にハンカチをねじ込んでおいて。」
ハンカチをねじ込まれて声が出せない。暴れたため、手足をベッドに拘束されてしまった。
「施術開始まで少し反省していなさい。」
そう言うと、女医さんも看護婦さんも教室から出て行ってしまった。
あまりにも突然のことで呆然としていると、突然教室の窓が開いた。カオルだった。
「リョウちゃんのオチンチンもタマタマもボクのモノだって言ったはずだよ。ボクのモノにならないのなら、誰のものにもならなくしてあげる。ボクはリョウちゃんのために女の子になったんだ。ボクの彼氏にならないのなら、今度はリョウちゃんがボクのために女の子になるべきだ。オチンチンもタマタマもなくなってしまえば一生、リョウちゃんとボクはカップルになれない。リョウちゃんだって女の子になってしまえば一生女の子とカップルにはなれない。」
やっぱり犯人はカオルだった。つめたくオレに言い放つと、カオルはどこかに行ってしまった。
しばらくすると、女医と看護婦さんが戻ってきた。
「少しは頭が冷えた。ブルマ志願者は尊敬されるんだからあなたももう覚悟を決めなさい。さっきのことはなかったことにしてあげるから。」
ハンカチがねじ込まれているので何もいえない。動けないままオチンチンをつままれる感覚の後に、チクリと注射の痛みが走った後、下半身の感覚は消えてしまった。オレは大粒の涙を流しながら、ただただ耐えるしかなかった。
第4章 「その後」
結局、オレは志願者としてブルマにさせられてしまった。但し、オレの怒りは収まらない。当然だ。
夏休み明け、オレはカオルと取っ組み合いのけんかになった。すぐにオレたち2人とも先生に取り押さえられたが、この後、この出来事は急展開を迎えた。
ブルマ検査当日、カオルが保健準備室にコソコソと紙を持っていったこと。中で何かを書き換えていたことを見たやつがいて、カオルは先生方に問い詰められることになった。
結局、カオルはオレの問診表を書き換えたこと、またそのために手伝いをしたことを白状した。その結果、カオルのブルマ認定は1年間取り消し。志願者としての立場も取り消し。ペナルティ終了後も一般ブルマという扱いとされた。カオルの当初の思惑は崩れ去り、何のためにブルマになったかということさえ無意味になってしまった。
カオルのせいでブルマにさせられたオレはというと、ほぼストーカーとはいえ、ブルマのカオルを暴力で追い払っていたこと、またカオルを精神的に追い詰めたとされ、ブルマを1年間保留。但しブルマ志願者(実際は志願していないが)ということの取り扱いについては、オレはカオルより罪が軽いとされ、認定は取り消されなかった。しかし、失ってしまった「男」にはもう戻ることはできない・・・。
2人とも男を捨てたということで情状酌量されこれ以上にペナルティはなかった。この学校の来年のブルマ検査終了(つまりオレたちにとっては中学1年生の夏休み前)の時点で自動的にペナルティは解除、2人はブルマ合格になる。
しかし、ペナルティによって2人とも1年間はオチンチンもキンタマもない女の体を持った男子として過ごす羽目になってしまった。
終章 「結果」
結局、オレたちはブルマになってもブルマとしては認めてもらえなかったために、ブルマ落第者として、1月になって、現5年生の「6年生ブルマ対策講座」に強制的に「男の子」として参加させられることになってしまった。
しかし、ブルマとなったオレたちにとって「6年生ブルマ対策講座」は拷問そのもので、射精訓練ではオチンチンをしごかなければならない。
当然オチンチンはもう付いていないので、男だったときの感覚を思い起こさせて、エアチンチンでやるしかない。これが、もう男ではない男のオレ(達)にとって屈辱であり、この醜態をある意味見せしめの形で下級生と一緒になってやらされるのが苦痛でしかない。
とにかく、はやく保留の1年が経ち、晴れてブルマになれる日が一日も早く来ることを願ってやまない・・・。
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投稿:2015.03.30更新:2015.03.30
ブルマの復讐
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