「おはようアリシア!」
僕は今日も隣の牧場の娘、アリシアに元気よく声をかける。
アリシアは褐色のエルフ族の女の子で、僕よりいくつか年上のお姉さんだ。
彼女とは物心ついたころから一緒に遊ぶことが多く、僕にとってかけがいのない存在だった。
「おはよう、アベルは今日も元気がいいわね」
「うん、こうやって毎日アリシアと会えるのが嬉しいんだ!」
「そう……ありがとう」
僕は父から人間とエルフ族が共存し始めて百年ぐらい経つと聞いた。
それ以前は数百年に亘って種族間戦争で互いに血を流し合っていたそうだ。
色々な習慣や文化の違いなどで、今でもエルフ族を毛嫌いする人たちもいるらしい。
しかし、アリシアに恋心を抱いていた僕にはそんな事はどうでもよく、一切聞く耳を持たなかった……。
「あれ? 今日は牧場へ行かないの?」
「うん、今日は別の用事があるから……」
「そうなんだ……そう言えば、いつもと服装が違うね」
「ちょっとね、行かないといけない所があるの」
「でも、谷は魔物が出るから危ないよ?」
「大丈夫よ、アベルは私がエルフだってこと忘れてない? じゃあね!」
アリシアはそう言い残すと、森の奥にある谷へと続く道に入って行った。
エルフ族には多少の魔力があるとは聞いていたけれど、やはりアリシアの事が心配だった。
それでも僕は一人寂しく牧場へと向かい、日課である仕事を片付けるしかなかった……。
やがて日も傾き夕刻を迎えた頃、僕はどうしてもアリシアに会いたくなって家路の途中にある彼女の家に立ち寄り、声を掛けた。
「こんにちは!」
「やぁ、アベルか。どうしたんだい?」
大きな木戸の向こうから現れたのは大きな風体をしたアリシアの父親だった。
「アリシア……さんは帰っていますか?」
「ああ……アリシアはちょっと用事があってしばらく帰ってこられないんだ。ごめんよ」
「そうですか……わかりました」
アリシアの父は少し動揺しているのがわかったけど、僕はそのまま引き下がるしかなかった。
朝見かけたときのアリシアは、確かにいつもとは違う民族衣装のようなものを着ていたが、長旅をするような装備は持っていなかった。
アリシアは一体どこに行ったのだろう?
もしかすると、このまま一生会えないのではないかと思い、僕は動揺した。
家に帰ってからもアリシアの事が気になって、僕は居ても立っても居られず旅の装備を揃えてコッソリと家を抜け出した。
「どうしようかな……」
日が落ちてから森に入るのはとても危険だという事はわかっていた。
それでも、やはりアリシアに会いたい心は抑えられず、ランプの灯りと倉庫から持ち出したサーベルを頼りに、僕はあの谷へと続く道へと入った。
谷へと続く道は、満月のおかげかランプが無くても歩けるほどの月明かりに照らされ、かすかに見える谷まで見渡せていた。
古くからこの辺りはエルフ族の聖地で、昼間でも人間はおろかエルフ族ですらあまり近づかない場所だと聞いた事がある。
幸い、月明かりのおかげか魔物も獣も現れることはなく、僕は森の奥にある谷へとたどり着いた。
しかし谷に架かる橋はなく、また谷に沿って進める道もない。
「そっか、この道はここで行き止まりなんだ」
アリシアは一体どこに行ったのだろうか?
そう疑問に思いながら谷を覗き込むと、一段下にある棚地に魔法陣の描かれた大きな岩が見えた。
「何だあれは? アリシアはあそこに居るのかな?」
そうこう考えていると、僕は突然バランスを崩してそのまま大きな岩へと向かって落ちてしまった。
「うわぁあああああっ!」
ぶつかる!? そう思った瞬間僕の体は岩に描かれた魔法陣をすり抜けた。
(ドン)
「キャッ!?」
「うぐっ!!」
藁のような物が敷かれた床に酷く体をぶつけ、僕は悶絶した。
しかし、その瞬間に聞きなれた女の子の声で悲鳴が上がったのを聞き逃さなかった。
「ア、アリシア? イテテテテッ……」
「アベル? どうして来ちゃったのよ!」
「だって、アリシアがしばらく帰らないって聞いたから心配したんだよ!」
僕はアリシアと会えて嬉しくなり、笑顔でそう答えた。
「信じられない……ああ、もうお終いだわ! アベルのバカバカバカバカッ!」
アリシアは半ば本気で怒り、その赤色の瞳に涙を浮かべながら僕の事を殴り続けた。
そして一しきり殴り続けると、今度はペタンと床に座り込みグスグスと泣き始めた。
「アリシア……ごめん」
僕は何が何か分からないまま、とりあえずアリシアに謝るしかなかった。
するとアリシアは恐ろしい表情で僕のことを睨みつけ、こう叫んだ。
「もう元の世界に戻れないんだから! アベルのせいよ!!」
「えっ? 戻れないってどういうこと?」
そう言われて回りを見回すと、どこにも出入り口は見当たらない。
どちらを見回しても、すぐ目の前にぼんやりと光る不思議な壁があるだけだ。
「この魔法陣は一人しか入ってはいけないのよ……人間は跳ね返すはずなのに、どうしてすり抜けちゃったのかしら、あーもう!!」
「谷の上から落っこちたから、勢いですり抜けたのかな?」
アリシアはこの魔法陣の中に作った異界で、エルフ族として成人するための修行をしていたと言う。
そこに僕が入り込んだことで魔法陣が狂ってしまい、元の世界との繋がりが切れてしまったらしい。
「でも、このまま戻らなければきっと誰かが助けに来てくれるよ!」
「まだわからないの? もうここはあの谷とは繋がっていないの! 世界中のどことも繋がっていないの!」
「で、でもエルフ族って魔力が使えるから……きっと」
アリシアは少し呆れた表情で僕を見つめながら口を開いた。
「エルフは魔物じゃないのよ? どこでも好きなように異界に出入りするほどの魔力はないの。もうお終いよ、私もアベルも……」
「お終い……」
「お終いよ、私もアベルもここで死んじゃうのよ……」
「ここで……死んじゃう……」
アリシアの真剣な表情に、僕もようやくこの大変な状況を理解し始めた。
「アリシア、ごめん……」
「……絶対許さないから」
二人の間に長い沈黙の時間が流れ続けた……。
「お腹すいた」
長い沈黙を破り、アリシアがそう呟いたので僕は鞄からパンを取り出した。
「パンがあるけど、食べる?」
「……食べる」
アリシアは僕の手からパンを受け取り、ふて腐れた表情でムシャムシャとそれを頬張り、それを平らげた。
「他に食べ物はないの?」
「それしか無いよ……ごめん」
アリシアは不服そうな表情で僕を見つめると、こう呟いた。
「アベルのオチンチン、食べさせてよ」
「……えっ!?」
「オチンチン付いてるでしょ? 私に食べさせてよ、それ」
「そっ! そんなの嫌だよ!」
「どうして? どうせ死んじゃうのよ? 死んじゃうのにオチンチンなんかあっても仕方ないじゃない」
最初は冗談かと思っていたけれど、アリシアは本気で僕のオチンチンを食べようとしている、そう感じた。
「アベル……昔、一緒に裸になって川で遊んだ時の事を覚えてる?」
「え? ああ、うん! 覚えてるよ……あっ!?」
覚えている……あの時、僕の中で忘れられない出来事があった事を。
二人で裸で遊んでいると、急にアリシアが僕のオチンチンを指差して「おいしそう」と言い、そのままその口に頬張った事を。
あの時、僕は生まれて初めて性的な興奮を感じて、固くなったオチンチンから何かが出るような快感を覚えた事を……。
「まさか!? あの時、本当に僕のオチンチンを食べるつもりだったの!?」
「そうよ、急にオチンチンが固くなったから驚いて口を離しただけよ」
「そんな……」
「ずっと食べたいのを我慢してたんだから……なのに、バカみたいに親しくしてくるんだから」
僕は、ずっと恋心を抱いていたアリシアが、僕の大切なオチンチンを噛み切って食べようと思っていたという事実を信じたくなかった。
「アベルはエルフの習性とか何も聞いてないの? 本当は人間の肉を食べたいのよ?」
「そんなの聞いてないし、聞きたくないよ! 僕は……僕はエルフのアリシアが好きなんだから!」
「な、何を言ってるのよバカ! エルフと人間は結婚出来ないんだからね!」
「えっ? そうなの?」
「結婚して交尾をしても子供は出来ないのよ? 何も知らないのねアベルは……呆れるわ」
「そ、そんな……」
僕はアリシアのことが好きな一心で、エルフの習性の事を語る両親の言葉に耳を傾けなかった事を少し後悔した。
「もしかして、アベルは私と交尾したいって思っているの?」
「こ、交尾って……僕はただ、アリシアと愛し合いたいだけだよ」
「愛し合うのを交尾って言うのよ、そういう言い方をするから人間って偽善的で嫌い」
「……ごめん」
再び、二人の間に沈黙の時間が流れた……。
一時ほどして、アリシアが口を開いた。
「いいよ、アベルと交尾してあげる」
「え? ええっ!?」
アリシアは僕と交尾してもいいと言い出し、僕は驚いた。
「どうせ死んじゃうんだから、いいよ……アベルのこと嫌いじゃないし、人間にしてはカワイイから」
「で、でも……僕のせいでこんな事になったのに」
「そうよ、それは許さないって言ったでしょ」
「じゃあ、どうして?」
アリシアはニヤッと小さな牙を見せて笑みを浮かべながらこう答えた。
「アベルのオチンチンを食べさせてくれたら許してあげる」
「そ……んな」
「何度も言うけど、死んじゃうのにオチンチンがあっても仕方ないでしょ? どうせ子孫残せないんだから」
「でも……」
「オスだから私と交尾したいんでしょ? オチンチン使わないまま死んじゃうよりいいと思うけど?」
「そんなに僕のオチンチンを食べたいの?」
「うん、食べたい! アベルの顔を見るたびに食べたいって思ってたんだから……アベルも私と交尾したいんでしょ?」
「うん……したい」
「じゃあいいじゃない。死んじゃう前に夢が一つ叶ったわ」
ここに来て初めてアリシアの笑顔を見れて、僕は嬉しかったけれど……。
どうせ死んでしまうのだからオチンチンなんか無くなっても構わない、と簡単には割り切れなかった。
色々と悩み考える僕の傍で、アリシアは恥ずかしがる素振りもなく、淡々とその衣装を脱ぎ始めた。
「ア、アリシア……」
僕は目のやり場に困り、思わず後ろを向いてしまった。
「何をしているの? アベルも早く脱ぎなさいよ」
「だって……」
「人間は服を着たまま交尾するの?」
「違うよ、でも恥ずかしいよ……」
「交尾をするって決めたんだから恥ずかしくないでしょ? 交尾をしない相手なら恥ずかしいけど……」
エルフだからなのかはわからないが、アリシアの感覚と僕の感覚が大きくずれているのが良くわかった。
「ほら! 早く脱ぎなさい!」
「うわっ!」
アリシアは素っ裸になると、恥ずかしがる僕に痺れを切らして無理やり服を脱がし始めた。
僕は剥ぎ取られるように着ていた服を脱ぎ、何年かぶりにアリシアと裸で向かい合った。
僕はアリシアの褐色の引き締まった肉体と形の整った乳房、そして隠そうともしない大事な部分へと視線を泳がせ、その顔を真っ赤にした。
「わぁ、アベルのオチンチン大きくなったね! 凄くおいしそう!」
「そんな……」
アリシアは交尾よりも、僕のオチンチンを食べることの方が大事なようだ。僕の表情は曇った。
「そんな顔しなくてもいいじゃない、私も本当はアベルと交尾してみたいなって思ってたんだよ?」
「本当に?」
「本当よ……」
アリシアは僕に近づくとそのまま抱きしめて、唇を重ねあった。僕もそのままギュッとアリシアの背中を抱きしめた。
僕よりアリシアの方が少し背が高く、その少し筋肉質な太ももで僕のオチンチンを挟み込み、刺激する。
「オチンチン固くならないね、固くしないと交尾出来ないよ?」
「ご、ごめん、緊張しちゃって」
「もう、仕方ないんだから……」
アリシアはそっとしゃがみ込むと、川で遊んだあの時と同じように僕のオチンチンをそのまま口に頬張った。
「待って! 食べないでっ!」
そのままオチンチンを噛み切られると思った僕は大声を出してしまった。
「アベルのバカ……まだ食べないから安心して」
(クチュ)
「あっ、アリシア……オチンチンが、凄く気持ちいい……」
アリシアの舌先にその先端を弄られ、僕のオチンチンは一瞬で大きく起ち上がった。
その瞬間、あの時と同じようにアリシアは驚いた表情でオチンチンから口を離した。
「何これ……こんなに固くて大きくなるの?」
「あの頃とは全然違うよ……」
「これじゃ噛み切れないじゃない……困ったなぁ」
「そんな、大きいまま食べなくても……」
「だって、大きい方が食べ応えあるじゃない?」
やっぱり、アリシアは僕との交尾よりも、オチンチンを食べる事の方が大事なようだ。
アリシアは大きく起ち上がった僕のオチンチンを、舌で味を確かめるようにペロペロと舐め続けている。
そして次第にうっとりとした表情になり、腰をうずうずと動かし始めた。
「アベル……なんか変な気分になってきっちゃった……早く交尾して」
「う、うん」
「もう、早くしてよ……」
僕は初めての交尾にどうして良いか分からず躊躇していると、痺れを切らしたアリシアが僕を押し倒した。
「もぉ、オスなんだからしっかりしてよ……これじゃ私がオスみたいじゃない、こんなのヤダ!」
「ご、ごめん……でも、あっ!」
アリシアはその言葉とは裏腹に、僕の上に馬乗りになり、固く起ち上がったオチンチンに大事な所をグイグイと押しつける。
その瞬間、その綺麗な割れ目から透明の液体があふれ出るのが見えた。
「あぁん……あっ、交尾って気持ちイイ! 気持ちイイね! アベル!」
「うん、うわっ、気持ちよすぎる! アリシア! ゆっくりして! 出ちゃうよ!」
「ダメッ! 今出したらすぐ噛み切るから! ホントに噛み切ってやるんだから!」
アリシアは赤い瞳を薄く光らせて、それが本気だと僕に伝える。
僕は必死にその迸る快感に耐えながら、その手を取られ、両方の乳房へと導かれた。
その柔らかい乳房の感触に感動する暇もなく、優しく、素早くそこを愛撫するよう急かされた。
そして腰の動きはどんどん動きは激しくなり、僕も精いっぱい腰を動かし、アリシアの気持ちに応える。
と、次の瞬間。僕のオチンチンはズブリとアリシアのその割れ目の中へと入り込んでしまった。
「んんっ!?」
「あぁっ!!」
その瞬間、アリシアは声にならない声を上げて上半身を大きく仰け反る。
僕もアリシアのその熱い胎内に包まれた感触に、大きく吐息を漏らした。
そして一気に締めあげられ、我慢できずにドクドクと白濁液をアリシアの胎内に吐き出してしまった。
「んっ! んっ!……」
アリシアは吐息を吐きながら、僕の体の上に崩れ落ち、乱れた呼吸を繰り返した。
僕のオチンチンはまだ大きく起ち上がったまま、アリシアと繋がっていた。
「熱い……」
下半身に伝わり落ちる熱いものを感じ、そこに視線を移すと僕の吐き出した精液と共に真っ赤な鮮血が溢れ、流れ落ちていた……。
僕はアリシアから初めての交尾を奪ってしまった事をあらためて感じた。
「アリシア……ごめん」
「……なぜ謝るの? 人間のオスって失礼ね」
「……ごめん」
「絶対に許さないから……」
「僕のオチンチンを……噛み切る?」
「……後でね」
(チュ……ゥ)
アリシアは再び唇を重ね、長く、深いキスを交わした。そして、休むもなくそのまま腰を動かし始めた。
出口のない静寂な異界に、僕とアリシアの吐息と、喘ぎ声と、そして愛液の音だけが延々と響き続けた……。
一度も離れず繋がったまま、それは数日間ほど続いたように感じた。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……アリシア……もう、出ないよぉ」
「ハァ、ハァ、ハァ……しっかり、しっかりしなさいよ……オスでしょ?」
かろうじて起ち上がるオチンチンをなんとか呼び覚まそうと、アリシアは必死でそこを締め付ける……が、僕はもう限界だった。
「ハァ、ハァ、ハァ……オ、オチンチン噛み切るわよ? いいの? 噛み切ったらもう私と交尾出来なくなっちゃうのよ?」
「嫌だ……アリシアとずっと交尾していたい!」
「だったらもっと頑張って!」
(チュ……)
激励のキスをしてくれるアリシア、しかし、僕のオチンチンはもうそれ以上固くなることはなかった。
アリシアも諦めて、ゆっくりと割れ目から僕のオチンチンを抜き取った……。
「いいわ、エルフの私を相手に良く頑張ったわね……良く分からないけど、人間にしては凄いと思うわ」
「……ありがとう」
「ううん。私も気持ち良かったし、楽しかったわ……幸せってこういう感じなのね」
アリシアは微笑んでそう言ってくれた。
「僕も幸せだったよ……ハァ、ハァ」
長い長い交尾を終えて、息を整えようとしても、なぜか息が苦しい事に気付いた……。
そうだ、洞窟の奥で閉じ込められると息が苦しくなり、やがて死んでしまうと聞いた事があるのを思い出した。
「ほら、苦しいでしょう? 私の言ってた意味が分かった? 今度は、私の夢を叶える番よ」
「……わかった」
アリシアは僕に優しくキスをすると、そのままオチンチンへと視線を落とし、ゆっくりと握りしめながらこう呟いた。
「交尾なんかするんじゃなかった……」
「どうして?」
「だって……アベルのオチンチンが愛しくなっちゃうじゃない」
「だったら、噛み切らなければ……」
そう言うと、アリシアは僕を見つめて再びその赤い瞳を薄く光らせ、ニヤリと笑みを浮かべながらこう答えた。
「ダメよ、アベルのオチンチンを噛み切って食べるのが私の夢だったんだから」
「そんな……」
「大丈夫よ、オチンチンが無くなっても、私がずっと一緒に居てあげるから……」
「……うん、ずっと一緒だね……僕のオチンチンを食べてもいいよ」
「フフフッ、じゃあ遠慮なく食べちゃうからね」
アリシアは半分起ち上がったままの僕のオチンチンを口に含み、ゆっくりとその喉の奥に呑み込み始めた。
「ああ……気持ちいいよ、気持ちいいよアリシア」
(クチュ、クチュ……)
アリシアはゆっくりと僕のオチンチンを何度も吸い上げ、少しでも大きくして呑み込もうとしているのがわかった。
僕はそのむず痒い快感にビクッ、ビクッと腰を痙攣させながら、軽く仰け反った。
「あっ、あっ……出るよ、アリシア……出る!」
(ドクン、ドクッ、ドクッ……)
もう出ないと思っていた白濁液が僕の体内から押し出され、オチンチンを通じてアリシアの喉へと流れ出るのが分かった。
その瞬間、僕を見つめるアリシアの瞳が潤み、僕はゆっくりと目を閉じて噛み切られる覚悟をした……。
(ググッ! ブツ……リ)
アリシアの顎はまるで獣のような信じられない強さで閉じられ、その鋭い歯先によって、一瞬で僕のオチンチンを噛み切ってしまった。
「あっ、あっ……あっ!?」
アリシアの口が僕の体から離れる。そこにあったはずの僕のオチンチンは無くなってしまった。
ズキンズキンと熱く脈打つそこには赤く、千切れた僕のオチンチンの肉片が覗き、そこから沸々と真っ赤な鮮血がタマの表面を伝い、床に流れ落ちている。
先ほどの夢のようなアリシアとの交尾の記憶が僕の頭を駆け巡った……そして、それはもう二度と味わうことが出来ないのだと、自分に知らしめた。
「あぁん……おいしい! おいしい! おいしいの! アベルのオチンチン……凄くおいしいの!」
アリシアはその妖しく光る赤い瞳から嬉し涙を流しながら、僕から噛み切ったオチンチンを口いっぱいに頬張り、必死にグチュ、グチュと咀嚼していた。
ハグ、アグ、グチュ、グチュと僕のオチンチンがアリシアの口の中で肉に変わっていくその音の残酷さに、彼女がエルフであることを心から恨んだ……。
一しきり咀嚼し、僕のオチンチンを味わった後、アリシアは再び僕のそこへと顔を近づけ、こう呟いた……。
「アベルのタマタマも、食べていい?」
「ハァ、ハァ……もう、好きにしてよ……でも、なるべく痛くしないで……」
「うん、わかったわ……」
アリシアは僕が持ってきたサーベルを手にすると僕の両方のタマを握りしめ、軽く引っ張りながらその付け根へと刃先をあてがった。
「アベル、ごめんね」
(ザクッ)
「ンッ! アアーッ!」
その瞬間、まるでタマを蹴られたような激痛が走り、僕は目を白黒させ悶絶した。
「アベル!? 大丈夫?」
アリシアは僕のことを心配しながらもエルフの本能からか、その手のひらに乗った袋から一個ずつタマを取り出し、恍惚とした表情で口の中へと運んだ。
(パシュッ)
「あぁん、アベルのタマタマおいしい……凄くおいしい!」
僕は再び聞こえたその残酷な音で激痛で薄れる意識から呼び戻された。
ついさっきまで、オスとして激しい交尾の力の源になっていた僕のタマは、一瞬であっけなくその中身を飛び散らせ、アリシアの口の中に消えた。
そして二個目のタマを噛みつぶされた時、オチンチンを噛み切られた時とはまた違う、本当に男として終わってしまった絶望感が僕の心を襲った。
アリシアは僕のタマと、手のひらに残ったその残骸を綺麗に平らげると、息も絶え絶えでグッタリとしている僕をそっと抱きしめてくれた。
「ごめんねアベル……アベルのオチンチンとタマタマ、凄くおいしかったよ……幸せ」
「ハァ、ハァ……僕との交尾と、どっちが幸せだったの?」
「どっちも幸せだったよ……ハァ、ハァ」
「そんなの酷いよ、エルフのメスって失礼だよ……ハァ、ハァ」
僕とアリシアは息が苦しくなり、もう大きく動けなかった。僕たちは必死で手を繋いで、そのまま床に横たわる。
「……アベル」
「……どうしたの?」
「最後に……交尾して」
「もう……オチンチンが無いから、出来ないよ……」
「そんなの、イヤ……イヤ……交尾……して」
僕はアリシアのワガママに応えるために最後の力を振り絞り、アリシアをギュウと抱きしめた。
そして、何もなくなってしまったそこを、アリシアの割れ目にギュウと押しつけた……アリシアもそこを押し付けてくる。
「アベル……次は……次に……生まれ変わるときは……エルフになって……お願い」
「……アリシアが……人間に……なって……よ」
「わかっ……た……わ」
僕はアリシアとゆっくりと唇を重ね、最後の力を振り絞ってギュウと抱きしめながら、ずっと一緒にいられるよう願い深い眠りに就いた……。
(終わり)
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投稿:2015.04.16更新:2016.11.20
アベルとアリシア
挿絵あり 著者 いち 様 / アクセス 14132 / ♥ 6