皆さん、病院の医師から突然あいまいな理由で去勢を薦められたらご用心!
裏にはこんな事情があるかもしれません。
君は「イグ・ノーベル賞」を知ってるかい。
そう、世界を笑わせるユニークな発明に贈られるあの賞だ。
いままでも「粘菌に作らせた鉄道地図」とか「キスによる健康法」とかあったわな。
実は今、俺はその「医学賞」を狙ってユニークな研究をしてる。
それはずばり「去勢の効用」だ!。
そのためには実験台の男性が必要で、10代から50代までの5段階に3人づつ。
そう、合計15人だ。
そして3人のうち1人は両睾丸摘出。1人は陰茎切断、あとの1人だ全性器切除をする。
なんでこんなことをするかって?。
昔、中国に「宦官」っていうのがいたろ。
そう、罪を犯して性器を切断される刑を受けたり、自分で就職と出世を願って、自ら去勢した男性だ。
でも、罪を犯して去勢される宮刑の執行は、廃止と復活を繰り返したものの、ほぼ明朝までで終わり、明朝の途中からは宦官と言えば、就職のために自分の意思で宦官になる自宮をするのが普通になってきた。
清朝に入ると、宦官になるのは幼少時代に去勢するのが普通になっていた。
この写真を見て欲しい。
まだ幼さが残る清朝末期の少年宦官が、ズボンを下げて服の裾を開けて、何もない股間を晒している。
これで、清朝の宦官は幼少期の去勢が多かったことが分かる。
ただし、成人してから自宮する男性もいないわけではなかったようだ。
さて実はその宦官はその時代の一般人よりかなり長命だった記録があるんだ。
そのため老宦官の隠居所の寺まで造られた。
いわば宦官専用老人ホームというわけだ。
でも、中国の宦官は性器を全部切り落とされてたんだ。
たから果たして長寿の原因が睾丸摘出なのか陰茎切断なのかはっきりしない。
昔のヨーロッパの聖歌隊員は去勢されていたのを知っているかい。
彼らはカストラートと呼ばれて睾丸だけを抜かれていた。
でも、彼らが平均して長寿だったかどうかは不明だ。
そこで壮大な実験を始めるわけだ。
えっ?、その実験台の男性はどこから集めるかだって?。
心配ご無用!。
平均寿命が一般男性より20年以上伸びるんだぜ。
募集すればすぐに集まるさ。
宦官は10代でなるのが多かったけど中には50代でなる者もいた。
50代で寿命が20年伸びるなら結構な話じゃないか。
うちの病院の患者に話せば飛びついて来るさ。
なになに?。10代の実験台が死ぬ頃にはお前はどうしているかって?。
あっ!そこまでは考えなかった!。
こっちの寿命が先に尽きたら「イグ・ノーベル賞」どころじゃないや。
まず、自分が実験台第1号にならないと・・・・
そんなの本物の「ノーベル賞」が来てもお断りしたい・・・・トホホ。
脱毛がなくなるとか、肌が綺麗になるとか、確実な不妊手術だとか、様々な理由で魔の手は伸びようとしています。
くわばらくわばら……
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※注
Charonの読みは「カロン」です。
冥王星最大の衛星(冥王星の二重惑星)です。
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投稿:2015.09.22更新:2022.05.17
宦官とカストラートの研究実験
挿絵あり 著者 Charon 様 / アクセス 22489 / ♥ 131