と彼女は言い、予定があるから今日は帰ると言い、去っていった。帰り道に、僕はすごく考えたのだ・・・・。
昔彩夏は僕のことを振った。男として僕は彼女からNOと言われたけども、男じゃない存在でなら彼女と一緒にいることができるのだろうか。考えてといわれて僕は少し考え始めたのだった。
ペニスと睾丸さえ無くなれば、一生、彩夏と一緒にいられるのだろうか。
僕はすごく悩み始めたのだった。ただ本当に取ってしまうと大好きなオナニーもできなくなってしまう。
第一どうやって取るというのだ。
学校でも、彩夏に会うと、彼女の宦官になるプレッシャーをかけられるような気がして、
なんとなく彼女を避けるようになってしまっていた。
僕も文系のクラスで勉強をして、某国立大学の経済学科に入学が決まった。
そして彩夏はお嬢様系の私立の国際系の女子大学に入学が決まった。
高校卒業を間近にしたある日のことだった。学校の廊下で、彩夏とすれ違った。彩夏に話しかけられた。
「一樹そーいえば、大学合格おめでとう。国公立受かったってすごいね」
「彩夏さんもおめでとう。」
「そーいえば、一樹のキャンパスとうちのとこたぶん近いんじゃない?」
地名を出すと身バレしてしまうので、そこは伏せさせて頂きますが、
キャンパスが近いということがわかったのだ。入学する大学は違えど、彼女とは本当に腐れ縁なのだろうか
「やっぱり!一樹もう住むとこ決まったの?」
「いや、まだだけど」
「そーなんだ、よかったら一緒に住まない?いい物件みつけたんだ~。結構広いよ」
彼女といたら、本当に宦官にされてしまうのでは無いかという恐怖はあったのだが、
憧れのマドンナの誘いを断る勇気は僕には無かった。僕は二つ返事で
「うん。」
と言ってしまったのだった。
そして高校を無事卒業すると彼女との共同生活が始まったのだ。
マンションは2~3人程度住めるような間取りになっていた。
立地と間取りから考えるに月12~15万程度するだろう。これが折半となると僕の家計的になかなか厳しいものになってくる。だがそんな心配は杞憂だった。
「あの~彩夏さん家賃って・・・?」
と僕は聞くとあっさりと
「家賃はパパが払うから、一樹は払わなくていいよ。あたしから誘ったんだし」
「マジか・・・。ありがと」
貧乏学生の僕にとって、これほどありがたいことは無かった。
住み始めて2~3ヶ月経過したが、家賃を払わなくてもよい分僕の生活はだいぶ豊かなものになっていた。
さすが、高校で留学して、私立の大学に行くだけある。お嬢様だな本当に。
「今日、ご飯どうする?」
「ごみ捨てしとくよ」
などなど体の関係は無かったけど、同棲しているカップルのように思えた。
彼女との生活は楽しく、僕にとって幸せな時間だった。
一緒に住み始めて、半年たったある日のことだった。
夕食を家で二人で食べている時にテレビでオカマタレントが性転換をしたというニュースが流れた時、彼女の口から恐怖の言葉が発せられたのだ。僕の股間を服の上から触りながら
「一樹のはいつ取っちゃおっかな」
と彩夏はさりげなく僕に言ったのだ
「彩夏さん・・・・」
僕は言葉を失ったのだ。
「一緒に住んでくれてるってことは、あたしの宦官になってくれるって事だと思ってたけど。違うの?」
彩夏は僕に尋ねる。僕は確かにそのような性癖はあったが、
本当に切られてしまっては、オナニーもセックスもできなくなる。それは困るのだ。
そして何より恥ずかしながら、僕はまだ童貞だ。
たぶん、彩夏は僕が本当に去勢を望んでいると思っている。それは大変なことだ。
それを説明しなければ
「彩夏さん。僕は一緒に住んでみてやっぱり、もっと好きになりました。男として僕を見てくれませんか?彩夏さんの彼氏になれませんか?男の部分がなくなったら僕は・・・・」
と僕は精一杯の告白をした。それに対して彩夏は激怒した。
「何言ってんの?昔々にアンタからの告白はお断りしたと思うけど。一樹のこと全然タイプじゃないし、セックスとかマジ無理だし。抱かれたくないし。ずっとアンタと住んでいたら、男も寄り付かなくなるしさ。ホント・・・。一樹の性癖聞いて、あなただったら宦官になってくれると思ったけど、なる気がないなら、出て行ってよ」
彼女は全然僕のことを男性として見ていないことが改めてわかったのだ。
僕の取る選択は2択だ、このまま彼女と離れるか、去勢するか・・・。二つに一つだ。
「彩夏さん・・・。何でそんなに宦官、宦官って」
「中学の授業で宦官について聞いたとき、あたしすごく興味を持ったわ。昔の中国にお姫様として生まれて、彼らの人生を見て見たい。女になりたいとかじゃなくて、男の部分を失った男がおしっこをしたり、性欲を発散できなくて悶々とするのかっていうのも面白そうだし。あとね、ウチねパパが海外出張に行っていて、あんまり家にいなくて。力作業で男手が必要な時は男性を雇ってたんだけど、そいつ妹にセクハラまがいな事をしたし・・・。男の部分が無い男って、家に1人いたら、すごく便利だと思わない?うちあと1人養っていくだけのお金あったけどなぁ」
確信したけど、やっぱり冗談で言っているわけではない。僕は決断しなければならない。
「やっぱダメだよね。無理な事ばっか言ってごめん。」
と彼女はしょんぼりしてしまったのだ。
その言葉に僕は安心した。だがそれもつかの間
「やっぱ無理だよね。わかった。来月までには新しいアパート見つけてね」
そういって彼女は落ち込んだ様子で、ベットに行き眠りについたのだ。
同棲したカップルが別れるかのように、冷え切った関係になったしまった。
家でも会話は自然と少なくなった。
このままだと僕はこの家から出て行かなければならないのだ。
彩夏と離れたくない。本当に去勢されるのは・・・・。
とそんなことで頭を抱える日々をすごした。
悩みながらも、僕は彩夏の宦官になる覚悟を決めつつあった
(あ~。オナニーもセックスも将来できなくなるのかなぁ)
一日一日のオナニーが限りあるものだと思いながら更けていたのだった。
貧乏学生だった僕も、家賃を払わなくても良い分少し蓄えがあった。
残り少ない男性生活になりそうだ。風俗にでも行ってみるか。
男19歳始めてソープランドに行ってみたのだ。3万円使ったけど
かわいい子とエッチが出来てすごく良い気分になった。
セックスってこんなにすばらしいものなんだ。無理だと思うけど、いつか彩夏としてみたいとそう思ってしまった。
ますます、取る決めていたけど、男性器に対して未練ばかり、残ってしまうのだった。
そして家に帰ると彩夏に次のアパートのことを聞かれるのだった。
「そー言えば、新しい物件決まった?落ち着いたら、こっちにも女の子のシェアメイト入れようかと思ってて。ここ家賃高いしさ」
と彼女は僕を追い出す気満々だ。でも僕はどうしても出て行きたくない。答えは一つだった。
「彩夏さん、僕ここに残りたいです。」
「ということは、宦官なってくれるの?」
「うん。そしたらずっと綾香さんと一緒にいれますか?」
「もちろん、結婚しても何があっても見捨てたりはしないわ。うれしい~~~」
そんなやり取りがあったが、何事も無いように思うままに日々は過ぎていった。
一緒に住みはじめて1年たった春休み前のことだった。
「そーいえば一樹って春休みなんか予定ある?」
「ないけど、どうして?」
「よかった。じゃああたしの為に空けといてくれないかな?」
「もちろん」
なんの疑問も持たずに返事をしたのだが、
春休み初日の朝にトンでもないものを見せられた。
「一樹おはよう。これ見て」
それはメス、消毒液、注射針などの医療セットがテーブルに置かれていた。
「もしかして今日・・・」
僕はついにこの日が来たかと思った。僕の男としての人生は今日終わってしまうのだろうか。
昨日、風俗でも行っておけばよかったとひそかに後悔した。
「今日、あなたの大事なところ取っちゃう事にしたの。いいよね?」
いまさらダメとは言えないのだが、ダメ元で最後のお願いをすることにした。
「あの~。切り取ったものはどうなるんですか?」
そう聞くと、薬品の入ったビンを見せられた。
「これ、ホルマリン。大学の医学部からこっそり持ってきたんだ。ここに入れるんだ」
と嬉しそうに彼女は言う
「切り取ったもの、彩夏さんに食べてもらうわけには・・・」
と恥ずかしながら僕は惨めにおねだりをした。
「食べる?あたしが?マジ無理。ちょっと気持ち悪くなったわ。あ~そういえば、ちんちん食べられたいんだっけ?」
「はい。なんとかお願いします。このままではチンポもキンタマも浮かばれません」
僕は必死だった。どうせ取られてしまうならと
「マジありえないわ。ねぇ昔の中国で竿も玉も無い取った男が、宦官になれない時ってどんな時だと思う?」
「どーいうことですか?」
と僕は彩夏が言っている意味がわからなかった。
「それはね、切り取った竿と玉を無くした時よ。彼らは切り取ったモノを宝と呼んで大切に保管していたの。宝をなくした人は後宮から追われることもあったそうよ。そして、自分が死ぬときは一緒に埋葬されたそうよ。そうじゃなかったらメスの騾馬として生まれ変わるらしいの。あなたそんな大事なモノあたしが食べちゃっていいわけ?」
性癖のこともあるが、彩夏と一緒に居たい理由で僕は去勢するのだ。食べられてしまいたい願望はあるが、ここはおとなしくホルマリン漬けになった方がよさそうだ。
「彩夏さんわかりました。」
「わかればいいのよ。そうでなくても、そんな汚らわしいもの食べるなんてありえないから」
最後にセックスもしたいと言いたかったが、この流れでそれをお願いすることは怒りを買いそうだから僕はおとなしく手術をうけることにした。そして彩夏は部屋にビニールシートを敷きながら着々と準備を進めるのだった。
僕は床の上にうつぶせになるように言われて、パンツを脱がされた。
これから去勢されてしまうというのに僕のペニスはギンギンに勃起していたのだった。
「こんなにまじまじと見るの初めて。これから大事なとこ無くなっちゃうのに、こんなにビンビンなんだね。うれしいのかな?」
と軽く僕のペニスを触った。一緒に住んで1年になるが、直に触られるのは初めてだった。
「あまり痛くするとかわいそうだから」
といって彼女は注射針をお尻に刺した。1~2分後に僕は麻酔の効果で眠った。
目が覚めると僕はベットの上に居たのだ。そして失われているであろう股間に手を当てた。
そこには何事も無かったかのようにペニスがまだ存在していた。そして感覚もまだある。
夢を見ているのだろうか、去勢されたはずなのに。
僕が目が覚めたことに気づいて彩夏は来る。
「僕の手術は・・・・?」
「終わったよ。コレ見て」
と僕の目の前にホルマリン入りのビンを持ってきた。中には白いタマが二つ。
そうか、僕の金玉は摘出されてしまったのか。
「タマちゃんと取ったよ。」
と彩夏は僕に言う。これで僕は一生子供が作れない体になってしまった。
とってしまう前に精子バンクにでも行っておけばよかっただろうか。
いや、こんな僕の子供を産んでくれる女性など居ないと思う。
それより、ペニス切除はこのまま免除されるのだろうか。
そうであって欲しい。タマはなくなってしまったが、ペニスがあれば、
男子トイレでおしっこはできるし、オナニー、セックスはできるだろう。
「あっ言い忘れてた。チンチンのほうは今回切るのやめた。」
「よかった~」
「タマ抜きだけだったら、素人でも出来るらしいんだけど、チンチン切るとなると、ちゃんとおしっこ出るようにしなきゃいけないらしくて、失敗しちゃうと死んじゃうこともあるらしいから、今度ちゃんとしたところで取ってもらうことにしたから」
と彼女は僕に伝えた。免除じゃなくて後回しか・・・。
でも、未練はまだあったから良かった。と少し安心したのだった。
続く
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投稿:2016.10.16更新:2016.10.28
あたしの宦官になってよ 2
著者 あさくら 様 / アクセス 11096 / ♥ 6