山歩きが趣味の俺は、最近知った地元の山を再び訪れていた。
有名な登山スポットではないので人気はなく、小一時間ほどで頂きにたどり着くようなひっそりとした山だが一人の時間を過ごすには丁度よい山だ。
しかし今日はいつもとは様子が違っていた、山の頂近くにある古ぼけた祠に一人の女が佇んでいる。
「ケガでもしたのか?」
俺はそう思い祠に近づくと、その女もこちらに気付き手招きをし始めた。
女は長髪で巫女のような衣装を着ており、この祠で地元の祭事でもあったのだろうと思った。
「大丈夫ですか?」
そう問いかけるも返事はなく、女はただ右腕を上げ手首を前後に振り続ける。
言いようのない不思議な雰囲気に少しゾクッとしたが、幽霊話など信じない俺は小さめの鳥居をくぐり女の傍に立った……その時だった。
「こうして来るでないと忠告しておったのに……愚かな男じゃ」
「えっ!?」
女は手招きしていたのではなく、手首を返しシッシッと人払いをしていたのだと言う。
「こんな所で女性が座り込んでいたら、誰だって心配して近づきますよ」
「私を心配してくれるのか? それはありがたいの」
女は俺を見つめながら笑みを浮かべる……俺はその瞳に吸い込まれそうになり、恐怖を覚えた。
「(まさか……人間じゃない?)」
俺はその時、これまで幽霊やオカルト話の類を信じなかった事を後悔した。一気に心臓の鼓動が高まる。
俺は無言のまま後すざリして、速足で鳥居をくぐりこの場を去ろうとした。
「!?」
しかし、そこには見えない壁のようなものがあり鳥居から出られない、違う場所から出ようとしても同じだった。
「無駄じゃ、もうここから出られはせん」
「そんな……俺が何をしたと言うんだ!」
「こんな所に若い男が一人で来るのが悪いのじゃ……」
女は石段から立ち上がると艶めかしい表情で俺に抱き着き、耳元でそう囁きこう続けた。
「……供物を置いていけ」
「く、供物って?」
「お主の大事なものを置いていけ……クククク」
女はゆっくりと俺の股間へと手を伸ばし、そのか細い指でギュウとチンポを握りしめる。
「ヒッ!!」
俺は小さく悲鳴を上げその手を振り払おうとするが力が入らず、その場にへたり込んだ。
「良いのお……久々の男根じゃ」
女は俺の上に馬乗りになり、その衣装をはだけさせ白く美しい乳房を露わにした。
「クククク、女神の乳房を眺められて幸せであろう?」
女は自身の事を女神と言うが俺には邪神や魔物としか思えなかった……しかし、その肉体的な魅力には逆らえず俺のチンポはズボンの中で大きく立ち上がってしまった。
女は表情を曇らせながら慣れない手つきで必死にズボンを脱がし、俺のチンポを露わにしようとしている。
「ええい! このような窮屈な着物を着ておったら男根が可哀想じゃ!」
半ば引き剥がすように俺のズボンを脱がせると、その表情は欲情した女のものへと一変した。
「良い男根じゃ、嬉しいのぉ」
女は目の前にそそり立つ俺のチンポにゆっくりと舌を這わせ、俺の表情を伺う。
俺はその快感に思わず声を漏らし、軽く仰け反った。
「んっ……!」
「お主は女を知らぬようじゃな……これは最高の供物じゃ、ククク」
女は立ち上がり衣装を全て脱ぎ捨てると、そのまま祠の前の石畳に横たわった。
「さあ、着物を脱ぎ私を抱くが良い」
次の瞬間、俺は体が自由になった。
しかし、そのまま逃げだそうとすると再び脱力感に襲われ動けなくなった。
「ククク、無駄なことをするでない……お主は私を抱く事しか出来ぬ」
俺は逃げることを諦めるしかなかった……着ている服を脱ぎ捨て、そそり立ったチンポを捧げる為に女のもとへと近づく。
「そうじゃ……ゆっくりと……丁寧に扱うのじゃ」
俺は自然と女に体を重ね、まるでプログラムされたロボットのようにゆっくりとその柔らかい体を抱きしめキスをした。
「ん……あぁ! 良いぞ! 久しぶりの男じゃ……あぁ……たまらぬ……」
激しいキスの後に自然と乳房に手を伸ばし、柔らかい肉とその先端を愛撫すると女の肉体は悩ましく仰け反り、その腕で俺を強く抱きしめる。
「あぁっ! よ、良いぞ……さぁ、お主の男根を捧げるがよい……お願いじゃ……さぁ早う!」
俺はそのままゆっくりと、硬く立ち上がったチンポをそこへと挿し入れた……その瞬間、今まで味わったことのないような快感に襲われた。
「ん……あぁっ!」
「あぁ……ん」
俺と女は同時に悩ましい吐息を漏らした。
(ドクッ ドクンドクン……)
ほんの数秒も経たないうちに俺は射精した。
(ドクッドクッドクッ……)
「アッ! アッ! ンッ! な、なんだ……アッ! なんだこれは」
射精が止まらない。
「あぁ! 熱い! 良いぞ、もっと……もっとじゃ!」
女は狂喜した表情でそこを締め付け、俺の精液を貪り続ける。
俺のチンポは萎えることなく、延々と射精し続ける。
最高の快感はやがて最悪な苦痛に変わり、俺は悶絶して悲鳴を上げた。
「あぁあああああああああっ! 苦しい! やめて! やめてくれ!」
「駄目じゃ! まだじゃ! もっとじゃ! ククククク」
俺は必死にチンポを抜き取ろうとするが体に力が入らないだけではなく、まるでチンポと女のそこが溶け合ってくっついたかのように離れようとしなかった。
「もう私を抱きしめてくれぬのか? 男根は私の為に頑張っておるというのに、お主はだらしない男じゃ……」
「た、頼む! このままじゃ死んでしまう! 助けて! 助けて下さい!」
俺は半狂乱になりながら女に助けを懇願した。
「そんなに私を抱くのが嫌か? つまらん男じゃ……もうよい」
精液を貪り続けられる男の恐怖と苦痛など知らぬ存ぜぬといった表情で女は俺を見つめながら、脱ぎ捨てた着物から何かを取り出した。
「そ! それは何だ!」
「なんじゃ、お主は太刀も知らぬのか?」
女はそう言うと装飾の鮮やかな小太刀を鞘から抜き取り、眩い光で輝く刃を露わにした。
「そ! それで何をするんだ!」
「これでお主の男根を切り落として命を助けてやろうと言っておるのじゃ……ククク」
女は俺のチンポを切り落とすと言う。
「そんな! 嫌だ! チンポを切られたくない!」
「お主の命が果てるまで私の女陰から男根を抜くことは出来ぬ、切り落とされたくなければ死ぬまで私を抱き続けるが良い、供物としてそうするべきじゃ」
女は俺自身が供物だと言う。
そう会話している最中も俺のチンポは休まず射精し続け、その都度キンタマが激痛に襲われる……頭の中は真っ白になり、もう何が何だかわからなくなった。
「はぁ……はぁ……うっ……ぐっ……嫌だ……死にたくない」
「間抜けな面をしおって命乞いか……なぜ私を抱きしめてくれぬ、つまらぬ男じゃ」
女は冷たい表情でそう言うと、小太刀を手にしてその刃をチンポの付け根へとあてがった。
「はぁはぁ……待って、待ってくれ!」
俺の言葉は女の耳には届かず、その刃先が二人の隙間で大きく動いた
(ザクッ)
俺の体は女からスッと離れ自由になった。
女のそこには繋がったまま切り落とされたチンポの断面が覗き、俺のものだったキンタマがダラリとぶら下がっている。
次の瞬間、男としての全てが失われた股間に電撃が奔ったような激痛が襲いかかった。
「クッ! がぁあああああああっ! 痛いっ! 痛いっ!! 痛いっ!!」
「何を慄いておる、男根を切り落とされたのじゃから痛いのは当たり前じゃ……この供物で我慢してやるからとっとと帰るがよい」
俺は取るものも取らずに地べたを転がりながら逃げるように祠を後にした。
無我夢中で痛む股間を庇いながら山道を下り、民家に助けを求めた。
そして俺は病院へと搬送された……。
不思議なことに切断面は石化しており俺の男としての機能は回復させようがなく、体内に残された部分を全て摘出する事を勧められたが、俺の心の中の男としての自我がそれを拒んだ。
今後も男として生活する為に男性ホルモンを摂取せざるを得ず、それが更に俺を苦しめた。
目を閉じると自然とあの女と体を重ねた時の事が思い出され、体の奥から石化したチンポの断面にかけてうずうずと疼く……必死にそこを弄るが何も感じない。
「ああああああああああああっ! ああああああああああああっ!」
その度に俺は発狂したかのように大声を出しながら部屋中を転げまわり悶絶するしかなかった。
成す術のない俺は身辺を整理してあの山へと向かった……。
祠にはあの女が裸のまま立っており、切り落とされた俺のチンポとキンタマが繋がったままのそこを見せつけながら手招きをしている。
「ククク……待っておったぞ」
俺は鳥居をくぐり、そのまま女と体を重ね力強く抱きしめ合った。
服を脱ぎそこを重ねると失われていた快感が蘇り、出せない苦しみから解放された。
そして出し続ける苦しみに包まれながら、俺は供物として命を全うした……。
終
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投稿:2017.10.11更新:2017.10.11
供物
著者 いち 様 / アクセス 10353 / ♥ 7