「博士、僕に用事って何ですか?」
「男性器には神様の設計ミスがあると思うの」
「えっ! 男性器? 設計ミス? 何ですかいきなり」
「生物として重要な器官なのに体外に露見してぶらぶらしているのはどうかと思うの」
「はあ……そう言われても」
「私はその設計ミスを修正してみたいの……協力してくれる?」
「えっ? それって僕の男性器を修正するって事ですか?」
「そうよ、そして助手のあなたに選択肢はないの」
(プスッ)
「そんなひどいっ!……zzz」
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「バイタル正常……男性器にメスを入れるのは興奮……じゃなかった、緊張するわね」
「これが……男性のタマ……精巣は鼠径部に埋め込んでタマ袋……陰嚢に人工血管で作った冷却器を巡らせる……よし! これでいいわ」
「次は陰茎……おちんちん……これが厄介なのよね」
「そもそも主役たる女性器に対して大きすぎたり、小さすぎたり……あっという間に射精したり……ホント設計ミスだわ」
「でもこれで大丈夫……これが上手く行けば世界中の女性が幸せになれるわ……」
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「……はっ!」
「気が付いた? 私があなたの男性器を修正してあげたわよ」
「なっ! 僕のチンポがないっ! キンタマもない! なんだこのヒダヒダは!」
「安心して、タマは蹴られても潰れないように鼠径部に埋め込んだわ、そのヒダヒダはタマを冷やす冷却フィンなの……可愛いでしょう?」
「そんな……チンポは!」
「おちんちんは時代遅れだから切除したわ、精巣さえあれば生殖可能だもの」
「そっ! そんなっ! ひどいっ!」
「……って言うのは冗談よ」
「下腹部に力を入れて見て……おちんちん生えろ~って感じで」
「生えろって……うーん」
(にょきっ)
「ホントに生えたっ!?」
「凄いでしょ! 陰茎海綿体を自在に前後に動かせるように改良したの、0センチから20センチまで自由自在よ」
「す、凄いけど……これ、勃起したままなんですけど」
「何か不都合でも?」
「不都合も何もこのままじゃ排尿出来ませんが」
「排尿は0センチにすれば出来るでしょう?」
「つまり座ってしろと?」
「そうよ、それが不都合と言うなら女性蔑視よ」
「そんな……無茶苦茶だ!」
「酸素と栄養を交換できる特殊ゲルでパンパンに満たされて男らしくそそり立つ陰茎に何の文句があるの?」
「……元に」
「戻せないわ」
「そんなぁ……」
「わからないわ……勃起してせいぜい15センチだったオリジナルよりそのバイオニックスマートペニスの方が喜ぶと思ったのに」
「バイオニック……スマートペニス?」
「ええ、表皮に埋め込んだセンサーで女性器の動きを検知してパートナーが絶頂を迎えるまで絶対に射精しないの……我ながら最高傑作だわ!」
「……あの」
「何よ」
「オナニーの場合は?」
「……そういえば、あなた彼女いなかったわね」
「はい……オナニーの場合は?」
「…………」
「設計ミスの欠陥品じゃないか……」
「何よ! おちんちんはオナニーする為じゃなくて女性器に挿入する為に付いてるのよ!」
「じゃあ責任取ってください」
「責任って……何よ」
「あなたの女性器で」
「イヤよ!」
「……悪魔だ」
「私には大切な彼がいるの」
「ええっ! だったら彼のチンポで実験すれば良かったのに!」
「たとえ設計ミスの欠陥品なおちんちんでも、そこに愛があれば補完出来るのよ」
「ひどいっ!」
(おわり)
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投稿:2019.02.26更新:2019.02.26
博士と助手(ショートコント・去勢未満)
著者 いち 様 / アクセス 4961 / ♥ 4