令和20年 日本は少子高齢化によって衰退の一途を辿っていた。
日本は多額の国債により財政破綻。
国内経済は疲弊しきっており、一部の金持ちを除けば今日の食事に事欠く人々で溢れた。
女性は売春しても1000円にもならず男性は重労働を半日頑張って500円程度の所得しか無かった。
政府は新たなる外貨獲得手段を模索し、ついに決断をした。
「人身並びに臓器の売買に関する法律」
政府は臓器を海外の富豪に高額で売り、外貨獲得の手段としようと目論んだのだ。
最初のうちは腎臓が10億円、心臓に至っては50億で売れたりして財政は潤って見えた。
しかし競争というのは社会の常で子供を売りたい。臓器を売ってお金に変えたい。という者が後を絶たず、価格はどんどん暴落していった。
特に命に影響の出ない臓器の価格はどんどんと暴落していき腎臓は50万円。ペニスに至っては30万円程度で取引されるようになった。
最初は建前上、病気の人を救済する目的のみ取引は合法であったが、どんどんと形骸化していき、臓器売買はお小遣い稼ぎ程度におこなわれるようになった。
特に片方だけなら無くなっても困らないし特に利用価値も無い睾丸の価格は下がっていった。
1万円程度で購入でき普通の人でも買える価格であったため、人々は娯楽として睾丸を買うようになった。
睾丸を机におき木槌で一気に潰す金玉潰し。これはなかなかストレス発散になる。
睾丸を4つほど串に刺して焼き鳥風にして食べる。1串4万円の超高級串焼き。
コレクションするのもセレブ女子の間でブームになった。
この国はどうなってしまうんだろう。そんなことを考えながら私は4万円の串焼きを頬張った。
男性の体から2つしか取れない希少部位。それを4つも食べているんだと思うと勝ち組になれてよかったと改めて思うのであった。
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投稿:2019.05.20更新:2019.05.20
日本の行く末
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