あの試食から1年、みなみさんからのお誘いで僕と綾さんはバーに行くことになった。
会社帰りロビーで待ち合わせをして3人行くことになった。
「いらっしゃい」
と店主が私たちを迎えるとカウンターに一人の女の子が座っていた。
女の子は振り向きみなみさん見て話しかけた。
「あっお姉さん。お久しぶりです。」
「あら、あの時の~」
「あれから1年経ちますね。あの時は分けて頂いてありがとうございます。」
「いえいえ、どうだった?お味のほうは美味しかった?」
とみなみさんとその子で会話をしている。
「それが、串焼きにしたんですけどすごく硬くてちょっと残しちゃいました。」
「あらら~、貴重なお肉なのに。」
とみなみさんが言う。
「こっちは美味しかったけどね。私は特に先っぽが美味しった。
ね~綾ちゃん美味しかったよね?」
「たくやくんのチンコの話ですか?あ~味付けでごまかした感ありますけど、
良かったですよ。あっ部長この子に分けてあげたんですね。」
この子が分けてあげたという女子大生か・・・・。
「え~良いですね。え~私のほうはなんでだろ」
すると店主が
「ペニスは硬いから、長い間下茹でするのが大事なの。たくやくんのモノみなみちゃんたちに出す前は6時間も塩ゆでしたんですよ。」
「え~そうなんですか。私失敗しちゃいました!」
と女子大生がやっちゃった的な顔をしている。
そしてみなみさんは僕を指さして
「ちなみにこの男性が提供者ね。」
「え~。じゃああなたおちんちん無いんですか?おしっことか大変そうですね。」
「あ~はい。」
と僕は答えるしかなかった。
というかこの子ブスではないけど、あんまり可愛くないし。
この子のせいで綾さんには短小チンコと言われるし、しかも僕の貴重な部分を残すだなんて・・・。
いっその事、みなみさんと綾さんに全部食べられたかったなんて考えてしまった。
「じゃあトイレとかはどうしてるんですか?」
すると綾さんは
「女子トイレで座ってしてますよ」
と答えた。
「え~。ちょっと不便ですね。てかそれOKなんですね。お姉さん、また機会があったらよい味付けで食べてみたいのでその時は声かけてください。じゃあまた」
と女子大生は帰っていった。
僕の大事な部分を食べたのに、お礼もなくバカにした感じでちょっとムカつくと思ってしまった。
そして綾さんはクスクス笑いながら
「若いね。あの子。てかたくやクン短小チンコじゃなかったんだね。」
「ちょっと綾さん」
と僕は言い、短小じゃなかったと証明出来て良かったなという気はしていた。
そして、話は私たちの近況に移るのだった。
「ところで、綾ちゃんすごいじゃない。東口店の売上ここ1年で2倍じゃないの」
「ありがとうございます。女子の中にたくやくんがいるといいんです。サオタマなしで安心。いじめ甲斐がある」
「そんな~。」
と僕は言う。僕の置かれているつらさも理解してほしいものだ。
「私もたくやくんが売上に大きく貢献してると思うの。最初はちんちん提供の条件で仕事を提供しただけだったんだけど。やっぱり女性の集団に安全な男が一人いるだけで纏まるんだなって思ったの。
それで売上が悪い本店に綾ちゃんには店長として行ってほしいの。もちろんたくやくんも連れて」
本店は店舗の規模も3倍くらいになるし、これは綾さんにとって大きな昇進だと僕は思った。
「え~私でいいんですか?本店の店長だなんて」
「ええもちろん、経営陣もあなたの事評価しているから。私も東口店の件が評価されて最年少役員の話も出てるし」
「え~そうなんですか?部長おめでとうございます。」
「なんかたくやクンと会ってから私、運気が最高。おちんちん試食できたおかげで私満足していまの彼氏のおちんちんは切らずに大事にしようって思って。良いエッチもできてるんだ」
「え~それは良いですね。」
「それで話は戻るんだけど、綾ちゃん。来月から本店行ってくれるかな?」
「もちろん行きたいのですが、東口店にはまだたくやくんは必要なので新しいチンタマなしくん用意してもらえませんか?」
と綾さんは残酷なことを平気で言う。
「そうよね。確かに売上アップには必要よね。本社から一人チョン切ってから派遣するね」
「ありがとうございます。お願いついでですが、営業課の若い男の子が良いんですが」
「え~それはダメよ。みんなバリバリ仕事ができるしもったいないわ。」
「若手イケメンだったら本店メンバーのモチベーション上がると思ったんですが・・・」
と綾さんは残念そうにしていた。
「綾ちゃん・・・・。イケメン君の大事なところ食べてみたいんでしょ?」
「バレちゃいました。部長が先っぽ美味しいって言ってたからせっかくだからイケメン君の食べてみたいななんて思っちゃいました。」
照れながら綾さんは話していた。
「実際のところ、40代くらいの仕事はできないがクビにしづらい男性社員を去勢手術させてから行かせると思うからよろしく。」
「残念ですが、わかりました。」
と綾さんはしぶしぶ納得するのだった。
そしてカウンター越しに店主がみなみさんに話しかける
「もしよかったら、その不要になったモノうちで買い取らせてもらえませんか?」
「そんな40年以上年季が入ってるもの、買い取ってくれるんですか?」
とみなみさんは驚いていた。
「ええもちろんですよ手術代もこっちで負担しますし。実は1年前の試食の事いろんなお客さんに話したら、老若男女問わず食べてみたいっていう声があったんです。もちろん提供者の方の顔やモノのサイズによって査定は変わりますけど。」
「え~手術代もいいんですか?じゃあ今度顔写真とチン写メ持ってきますね。」
「ぜひお願いします。」
「え~部長!先っぽは私にくださいよ」
「あら綾ちゃん、おっさんので良いの?」
「私も先っぽ食べてみたいです。」
「じゃあママ、亀頭部分以外提供しますね。」
「てか、部長は食べなくてよいんですか?」
と綾さんは聞く
「あたしはいいのよ。たくやくんの食べてみて満足したから。高級肉と比べてもそんなに特別美味しいわけじゃないし、一回食べれば満足よ」
そして僕らは、豚の睾丸の丸焼きを食べて帰った。
そしてそれから1カ月後に本店の仕事が忙しいとの事で応援に行った。
「綾さん応援に来ました。」
と僕は綾さんに声をかけた。
「あら、たくやくん久しぶり。あっそうだアレが新しいチンタマなしくんだよ」
と段ボールの荷下ろしをしていた40代の男性を指さした。
「20年以上この会社にいるのにホントに使えないわ」
「そうでしたか・・・」
「部長もエグいことするわ。実は3人のおっさんが候補になってたんだけど2人は身の危険を感じて自主退職したらしいの。」
「なんかすごいですね。」
「部長が究極のコストカットとか言って喜んでたわ。そして残った彼は2週間前に去勢手術させられたんだけど、思いのほかブサイクの粗チンで買い取り金額よりも手術代のほうが高かったらしいの。焦った店主はお金持ってそうなおばあちゃんとか、サラリーマンとかに振舞って何とかトントンまでもっていったらしいけど」
「う~。なんか悲しいですね。」
「若い女の子達でも食べてみたいって子いたらしいけど、お金出せないなら売れないって断ったらしいね。小さいから分けれる部分も少ないからね。まぁ先っぽだけは私が照り焼きにしてもらって、焼石でジュージューしながら頂きました。年季は入ってたけど柔らかいお肉だったわ。」
「そこは綾さんに食べてもらえてよかったですね。」
「そうかな」
と言って綾さんは少し照れていた。
「でもたくやくんはラッキーだったかもね。美人部長で童貞卒業できたし、お金も結構もらったんでしょ?しかも若くて綺麗な女性達に食べてもらえてさ。あの女子大生の子はともかくとして部長みたいなスタイルのいい人なかなかいないよ?」
チンコ切ってしまったことがラッキーだったかはわからない。
実際、トイレはすごく不便だし、性欲発散にもかなり困っている。何よりホルモンバランスが崩れて精神的にもかなり不安定になることも多い。でもあそこで段ボールを荷下ろししている元男性よりかはましだったのは確かだ。そう思って不便な日々を自分自身慰めて生きていくしかないと思った。そして追い打ちをかけるように綾さんからは
「でもそろそろ事の重大さに気づいて後悔してるでしょ?」
「はっはい。」
「チンもタマもないって男として致命的だよね。てか男じゃないよねもう。私だったらそんな彼氏がそんなんだったら絶対別れるわ」
「綾さん」
と店舗から呼ばれる声がする。
「じゃあまたね。元祖チンタマなしくん」
と綾さんはお店のほうに走っていくのだった。
あ~男性器がない僕らの人生はどうなってしまうのだろうか。
これから彼女はできるのか?などなどいろんな思いを抱えて生きることになるだろうな。
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投稿:2019.06.30更新:2019.06.30
女セレブの試食(エピローグ)
著者 あさくら 様 / アクセス 46101 / ♥ 24