「ようこそ。ここがオレの寝室だ」
ナギが自分の自宅を時間どおりに訪れてきたケイを自分の寝室に案内する。
ナギの寝室はタツキと同様にシンプルにまとめられ、暖かみのある色調の明かりが柔らかく灯り、空調の音が微かにしていた。
「すごく質素ですね」
ありのままにケイがナギに感想を述べると、
「雑多なもん置くと、あとが面倒だからな」
とナギが答えた。
「じゃぁ、脱いでみようか」
変にナギが乗り気になっている。
ケイがドキドキしながら、着ていた衣服を脱ぐ間にも、ナギはさっさと衣服を脱いで黒のビキニパンツ一つになっていた。
ぼんやりと灯った暖かみのある色調の明かりのせいか、ナギの体は筋肉隆々としていて、なおかつ左腕に装着されている義手が変にメカメカしく見え、おまけにニップルピアスがきらりと光り、妙にエロチックだった。
ケイがナギの肉体美に見とれながら、どうにか衣服を脱ぎ、黒のティーバック一枚の姿になると、なんだか急に恥ずかしいような耐え難い妙な昂ぶりに襲われた。
「細い体だなぁ。それにパンツ、エロい」
ナギが衣服を脱いだばかりのケイの華奢な体に視線を這わせて言う。
「ナギさんだって、すごくエロい」
ケイがナギに返す。
ケイがナギの体によくよく視線を這わせると、手術やほかの傷跡が無数にうっすらと見えて、変な昂ぶりは抑えきれない衝動に変わっていくのを感じる。
ナギがケイを包み込むように抱くと、ケイもナギの尻を触った。
そのとき、ケイは部屋の外からこちらを誰かが覗いている気配をそこはかとなく感じたが、全く気付かないふりをして、ナギの抱擁に体を委ねた。
「そろそろ、御開帳といきますか」
ナギがいたずらっぽく言う。
「う、うん」
ケイがうなずくと、ナギが勢いよくケイが穿いている黒のティーバックをずり下ろした。ケイも負けずとナギの黒ビキニを勢いよくずり下ろして返した。
「ちゃんと手術しているんだ。君のちんぽ」
ナギが飛び出たケイの手術済みの肉棒をつつく。
「ナギさん。ここにもピアスあるんだ。エロい」
ケイが苦笑する。
ナギの股間は、きれいに剃り上げ、いや永久脱毛を施しているらしくツルツルで、手術済みの太い肉棒の亀頭を横にピアスが貫いていた。
「タマなくしたって言ってたけど、あるじゃん」
ナギが言う。
「これ、ニセモノ入れられたから」
ケイがありのままに答える。
「オレのタマは損傷が激しかったらしく、袋ごと取られたよ」
ナギが言う。
ケイはナギに言われてそこで初めて気づいた。
よく見ると、ピアス入りの肉棒の下にあるはずの玉袋がなく、代わりに切除して縫合された手術跡がうっすらと見えた。
「本当だったんだ」
ケイが納得した。
「それにね。もう勃たなくなったよ。精子も何も出なくなったけど、やっぱり性処理してしまうなぁ」
ナギが頭をかく。
「せ、性処理って……。ボク、最後の射精をしてからご無沙汰になったけど。どうやってやるんです?」
ケイがふとした疑問をナギにぶつけた。
ナギはケイの疑問にこたえるべく、ベッドの下にあるボックスを引っ張り出して開け、何かを探して取り出した。
「これさ」
ナギが黒のレザーバッグをケイに見せた。
「なんです。それ」
ケイが不思議そうにナギに聞くと
「尿道オナニーする器具」
と、ナギが答えた。
バッグを開けると、先に長細い球体のついた細いステンレス棒があった。
「それとね。勃ちにくくなってるから。これも使うよ」
と、例のボックスからナギがガラスの円筒に手もみポンプのついた器具を出してケイに見せた。
それらでどうするんだろう、とケイは思った。
「裸になったことだしせっかくだからシャワー浴びて、試してみる?」
ナギが誘う。
ケイは断ろうと思ったが、それではナギに悪いと思い、承諾して一緒にバスルームに向かおうと寝室のドアを開けると、そこに切なげな表情をして自家発電している少年がいた。
「い、いたのか。サスケ」
ナギがぎょっとして言い、サスケと呼ばれた少年も、見られてしまった、という表情をした。
「誰?」
ケイがナギに聞くと、ナギは
「オレと同居している子だよ」
と答えた。
サスケは精悍な顔つきをしていて、片目がなく、片足は義足だった。
体つきもナギと同様に筋肉が発達していて、六尺褌を締め、横から出されていた肉棒は皮を被っていて、容姿とのギャップが大きく珍妙に見える。
「サスケ。お前もバスルームに来い」
ナギが、しょうがない、といった顔をして覗き見をしつつ自家発電をしていたサスケに言った。
ケイは、ドアの向こうからこちらを覗き見ている気配は、この子だったのか、と思った。
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投稿:2019.07.24
宦官になっちゃった(その3)
著者 石見野権左衛門 様 / アクセス 3049 / ♥ 4