■1
「ねぇ、あなたにお願いがあるんだけど…」
次の行商先に向かう道中で僕は二人の可愛らしいエルフ女性冒険者に声をかけられた。
彼女達に案内されるまま鬱蒼とした森の中に入ると、そこには小さく古びた地下遺跡の入り口があった。
その石門の戸は固く閉ざされており、その傍らに立つ石柱には奇妙な穴が開いていた。
その穴の周りに施された装飾は…そう、女性器を模しているのが分かった。
「これって、もしかして…」
そう言いかけるとエルフの一人が赤面しながら口を開いた。
「そうなのよ、私達その…ついてないでしょ? だから困ってたのよのね…ということでお願いしてもいいかしら?」
「えっと…それってもしかして僕のチンポをそこに入れろという…」
突然、しかも突拍子もないお願いをされて困惑しているともう一人のエルフがそっと後ろから僕の股間へと手を伸ばしてきた。
「後でイイことしてあげるからさ…だからオ・ネ・ガ・イ」
「イ、イイことって?」
その指先で敏感な部分を揉まれながら僕は情けない表情でわかりきった質問をする。
「その子、エッチなこと大好きだからきっとイイ夢見られるわよ…あ、私はダメだからね! 代わりに中の宝を少し分けてあげる」
「ミアはイイ人いるから仕方ないね~」
「いらないこと言わなくていいから!」
特に急ぐ用もなく、何よりも可愛らしく魅力的なエルフとイイことをしたかった僕にその提案を断る理由はなかった。
「…わかった」
「じゃあさっそく」
後ろに立つエルフはそのまま僕の履き物を強引に下ろすと躊躇なくチンポを握り締め、ギュウギュウと絞るようにしごき始めた。
「ち、ちょっとリアン! いきなりそんなもの見せないでよ!」
もう一人のエルフは慌てて顔を背けながらも赤面した表情でチラチラとこちらを覗き見ていた。
この背徳的な状況に僕のチンポは一瞬でカチカチに立ち上がってしまった。
「チンチン大きくて良かった! あの穴より小さかったらどうしようかと思ってたんだよね」
そう呟きながら尚もチンポをしごき続けるその指先に熱いものが込み上げそうになる。
その兆候を察したのかその指先は急に動きを止めた。
「あ! まだ出しちゃダメだよ! 続きは後で!」
「わ、わかった…」
生殺しのような状況に苦しい気持ちになりながら約束通りあの穴へと反り立ったチンポを近づける。
「これって…大丈夫なのかな?」
僕は得体のしれない穴に大事な部分を飲み込ませる事に不安を感じ腰を止めた、すると…。
「私とイイことしたくないの?」
エルフは耳元でそう囁くとあむ…と耳たぶを甘噛みしてさらに囁く。
「あなたとイイことしたいなぁ」
僕の弱い心はその魅惑的な煽りに打ち負かされた。
「うわぁ…なんかいやらしいね、この穴」
リアンはそう言いながら僕のチンポをそのまま穴に挿し込もうとする。
「ちょ! ちょっと待って! 心の準備が…」
(ムニュ)
「うわっ! これ柔らかいぞ!」
「ほんとだ!」
石でできているはずのその穴は人肌のように柔らかく、そしてそこに温もりがあるのを感じた。
この不思議な石柱にポカンと開いた穴に恐怖を感じる…しかしとても気持ちの良いその感触が僕のチンポを奥へと誘い込む。
(ギュウ…)
しかし僕のチンポが大きいせいなのか、なかなか奥に入れることは出来なかった。
「なかなか入らないね、じゃあ…」
リアンはその穴に顔を近づけ、そのまま舌を這わせていやらしく舐め回し始めた。
「リアンってば…そんな得体のしれない石を舐めて大丈夫なの?」
ミアは顔を赤らめながら心配そうにその様子を見守っている。
やがて穴の表面がヒクヒクと動きはじめ、ヌルリと温かい液体が流れ出るのが見えた。
「本物のアレみたいねこれ、いやらしい…チンチン入れてみて」
「わかった」
(ズプッ)
リアンに返事をすると同時に僕のチンポは吸い込まれるようにその穴に飲み込まれた。
「こ、これって…ヤバイ…すごく気持ちいい」
「そうなの? 本物の女の子のアレと同じ感じ?」
「多分…本物はしたことないからわからないけど」
「あ~…したことないんだ、変なこと聞いてごめんね」
リアンが笑いを堪えながらそう答える。
僕は言い様のない屈辱感を感じながらも、目の前の石柱に開いた穴の中の気持ちよさに心を奪われていた。
(ザ…ザ…ザザザ…)
「リアン見て! 門が開いたわよ!」
二人の想定通りこの穴にチンポを挿し込んだからなのか、閉ざされていた石門がゆっくりと開き始めた。
ミアは嬉しそうな笑みを浮かべながら鞘から抜いた短剣を片手に構えると、早速遺跡の奥へと乗り込もうとしていた。
「ミアちょっと待ってよ! じゃあまた後で…そうだ、あなたの名前教えてよ」
「僕はアギル」
「じゃあアギル、また後でね!」
ミアを追ってリアンも仄暗い門の中へと駆け込んで行った。
未知の遺跡に潜り込むにしては少し軽率なのではないかと心配になったが、冒険者ではない僕には判断がつかなかった。
急に一人きりになった僕は心細くなり、その穴から一旦チンポを抜き取ろうと思い腰を引いた…が。
「あれ? あれ? 抜けない!」
僕のチンポはしっかりと穴に咥え込まれていて抜き取ることが出来なかった。
「どうしよう…これってまずいんじゃないか?」
予想外…とも言いきれない困った状況に僕は激しく後悔した。
ただ、石柱の周囲に遺骸や血の跡もないので問題なく外す事は出来るはず。
二人が戻ってくれば何とかなる、僕はそう自分の心に言い聞かせてこのまま待つことにした。
■2
エルフ達が意気揚々と仄暗い地下遺跡へと潜ってからどれぐらい時間が経っただろう…日は天上を過ぎ、すでに傾き始めていた。
この辺りは湖に挟まれた狭い一帯なので、それほど大きな地下遺跡ではないはずなのだが…。
さっさと出してチンポが小さくなれば抜き取れそうなのだが、穴の中のヌルヌルとした感触に快感は感じているのになぜか出すことは出来なかった…何らかの魔力が働いているのかもしれない。
誰かに助けを求めたい気持ちはあったものの、石柱にポカンと空いた穴にチンポを差し込んでいるという間抜けな姿を晒したくない気持ちが勝り大声を上げることはできなかった。
更に日が傾いた頃、仄暗い石門の奥からゆっくりと人の姿が近づいてくるのが分かった。
「やっと戻ってきたか?」
しかし、何かおかしい…明らかに足音が違う。
「獣!」
いや、しかし微かに見えるその輪郭は間違いなく人の姿をしている…やはり何か変だ。
そしてその姿が夕日の光に照らし出された時、僕は全身の毛が逆立つ恐怖を感じた。
「ごきげんよう」
「あっ…あっ…」
僕の目の前で静かに挨拶をしてきたのは、美しく整った顔立ちの魔獣スフィンクスだった。
その背中には白く美しい羽根が覗いており、上半身だけを見れば上品な着衣を纏った気品のある天使のように見える。
しかし、その下半身は輝くような黄金色の毛並みに覆われた獅子の胴体になっており力強い四本の獣の脚が悠々と大地を捉えている。
この小さな遺跡には不釣り合いの上位の魔獣の登場に僕は声を出すことすらできない…絶体絶命だ。
「私はご主人様の命でこちらの門番をしているサマルと申します、あなたは?」
「ぼ、ぼぼぼ僕の名はアギルです…どどどどうかご無礼をお許しください!」
僕は必死に許しを乞うことしか出来なかった、しかしそれが通じる相手ではないだろう…あとは祈るしかない。
「そう、アギルと言うのですね。ご主人様があなたに大変感謝をしております」
「えっ? 感謝?」
この遺跡の主が…恐らくかなり高位の魔獣であろう存在が僕に感謝をしているという。
「はい、あなたのお連れになった二匹の若いエルフの娘が大変美味であったとお喜びになられております」
「た…食べた! あの二人を!」
僕の心拍は一気に高鳴り、不安と絶望と言いようのない怒りで嫌な汗が全身から噴き出すのが分かった。
「はい、まだ五十に満たない若いエルフの娘は希少で大変美味であったとお礼の言葉を申されております」
スフィンクスは淡泊な笑みを浮かべながら恐ろしいことを僕に聞かせる。
まだ出会ったばかりだったとは言え、言葉を交わした二人がもうこの世界に存在しない事に実感がわかなかった。
あれだけ希望に溢れた表情をしていた二人の魅力的なエルフの子達が魔獣に喰われてしまった…あっけなく命を失ってしまったのだ。
僕は全身を震わせながらどうしていいのか、どう言葉を返せばいいのかわからなくなってしまった。
スフィンクスはスタスタと僕の傍に寄り添いこう語りかけた。
「お仲間を失った悲しみにお悔やみ申し上げます、アギル」
それが魔獣の表面上の取り繕いだとわかっていても、僕は少し安堵した。
「僕もあなたのご主人様に食べられるのですか?」
僕が思い切った質問をするとスフィンクスはこう答えた。
「残念ですが…私どものご主人様は男は食べないのです」
食べられなくて済むかも知れない、僕は少しだけ希望を得ることが出来た気がした。
スフィンクスは僕の右隣でヒョイと後ろ足で立ち上がり耳元でこう呟いた。
「ここだけの話ですが…私達もご主人様の偏食には困っているのですよ、一度だけ小さくて可愛らしいエルフの男の子は食べてくれたのですが…」
ニコニコと笑みを浮かべるスフィンクスに恐ろしい内輪話を聞かされ、僕はどう答えてよいのかわからなかった。
スフィンクスは僕をジロジロと見つめると顔の匂いをクンクンと嗅ぎ、少しざらついた舌を伸ばしてペロリと頬を舐めとるとこう言った。
「私は好きですよ…人間の男」
「ひっ!」
僕は思わず仰け反り、スフィンクスから距離を取ろうと必死に顔を背けた。
「ご主人様は寛大なお方です、あなたの命は助けてあげなさいと命を受けておりますので」
「た、食べないでくれるんですか?」
スフィンクスは少し残念そうな表情をしてこう答えた。
「私としてはあなたの全てを食べ尽くして差し上げたいのですが、ご主人様の命は絶対ですのでとても残念です」
助かるという保証は得られたものの、目の前の美しい魔獣が僕を食べ尽くしたいという本心を語る恐怖に体温が下がる。
「ただ…あなたが私にしている事への対価は払っていただきますよ、よろしいですね?」
「僕があなた…いえ、サマル様に?」
僕がそう聞き返すとスフィンクスは表情を曇らせて僕の顔を覗き込む。
「わかりませんか? アギルは失礼な男ですね」
(ギュウ…ギュウ…)
突然、石柱の穴の中に収まっているチンポが締め付けられた。
「あっ!」
僕の傍から離れ、クルリと向きを変えたスフィンクスの美しい毛並をしたお尻の辺りが同じリズムで小刻みに動いているのが分かった。
「あなたが私の恥ずかしい大切な部分に対して何をしているのかわかりましたか?」
「そんな、まさか…この穴が…サマル様の!」
石なのに柔らかい肉感の不思議な穴…魔法でスフィンクスのそこに繋がっていたようだ。
スフィンクスは石柱の後ろに回り込み、そのまま後ろ足で立ち上がると僕の真正面に立った。
その柔らかそうな頬を少し紅潮させ、鋭い眼光で僕を見つめながら語りかける。
「そう…私の女として一番大切な部分を人間の分際で…そのいやらしい肉の棒で犯してしまったのですよ、アギル」
「そ、そんな…」
森の繁みに立つ石柱に丸見えの状態で自分の大切な部分を晒している方がどうかしている、不条理だと感じたがとてもそんな事は言えなかった。
「すみま…」
そこまで言いかけた時、スフィンクスは恐ろしい形相で僕の口を右手で塞いだ。
「謝るなんて失礼なことをしたら、その首を噛み切りますよ…謝らないでください」
「はい…」
スフィンクスの前足が大きく動き、ガシリと石柱ごと僕の腰を抱き込む…物凄い力だ。
その獣のような荒々しさとは異なり、上半身のスフィンクスは僕を両腕で優しく抱きしめる。
「どうですか? こうすれば同じ人間の女と抱き合っている様で素敵でしょう?」
「は…はい」
こうして抱きしめられていると石柱に空いた穴が人間のそれと同じ位置になっているのがわかった、この石柱は計算されて建てられていたのだと知った。
「何をしているのですか? 早く私を満足させなさい…失礼ですよ?」
「はい! ただ、その…どうしていいのか」
スフィンクスは少し驚いた表情で口を開く。
「どう見ても成熟した男なのにですか? 驚きです…まさか初めてとは」
スフィンクスが真剣に驚く姿が僕の男心に刺さる。
「深く考えることはありません、今から感じるままに行動しなさい…アギル」
そう言うとスフィンクスはその力強い前足とか細い両腕で更に強く僕を抱きしめ唇を近づけてきた…僕も自然と首を傾け、彼女と唇を重ねた。
(チュ…)
初めて交わす優しいキスに感動を覚える暇もなく、僕の唇は彼女の口で半ば強引にこじ開けられる。
「(!?)」
吐息と唾液の音が混ざり合う激しいキスに僕の頭の中は真っ白になり、全身の感覚が失われたような錯覚を覚える。
強引に押し入ってくる彼女の薄く少しザラザラした長い舌に僕の舌が絡み取られる、僕も同じようにその舌を絡み取る。
「んはぁ…いい感じですよアギル」
その眼光は和らぎ、先ほどまでのすました表情ではなく発情した女の表情を見せる魔獣に僕は興奮してしまった。
彼女の背中をしっかりと抱きしめると、彼女は小さく吐息を漏らしながら恍惚とした表情を浮かべた。
「はぁ…アギル…アギル…しっかりと抱いて…ください…あぁ」
再び唇を重ね舌を絡めあうと、僕は自然と腰を前後に動かし始めた。
先ほどまでガッチリと咥え込まれビクともしなかったチンポが一転、穴の中を前後に激しく動いてその内側を擦り取っている。
「んっ…んっ…そう…んっ…もっと…んっ」
彼女は吐息を漏らしながら黄金色の毛並が整った獣の下半身を大きく上下左右にくねらせているのが見えた、穴の中もリズミカルにギュムギュムと収縮している。
傍目に見れば魔獣に操られた男の哀れな姿にしか見えないだろう…しかし、僕には魔獣と交わっているという嫌な感覚はなかった。
「んっ…はぁ…こちらも…」
彼女は僕の前に胸を突き出し、そこを触るように催促をする。
僕は彼女の上質な生地で作られた上着の裾から両手を差し入れ、その程よい大きさの二つの乳房を手のひらでそっと包み先端を優しく撫でてあげた。
「あっ!…んっ」
それが余ほど気持ち良かったのか、彼女は声にならない声を上げて上半身を仰け反らせている。
再び唇を重ねる余裕もなく、彼女は大きく空を仰ぎ見るとこれまで聞いたことのない不思議な甲高い鳴き声を上げ始めた。
「アァァァァァァァァァ…」
穴の内側が恐ろしい力で僕のチンポをギュウギュウと締め込んでくるが恐怖は感じなかった。
次の瞬間、僕はその中に長時間溜め込んだ精液を全て吐き出すことが出来た。
「あっ! んっ!」
(ドッ…ドクッドクッドクッ…ドクドクドクッ…)
「あぁ…」
「ふぅ…」
僕と彼女は息を整えながら項垂れるようお互いの肩に首を乗せると、軽く抱きしめあった。
快楽の余韻に浸りながら彼女の肩越しに見える獣の下半身を見て、僕は魔獣スフィンクスで女を知ってしまったんだと認識して畏怖を感じた。
■3
最後にキスを交わした後、彼女は僕を開放して石柱から離れ上着の裾から取り出したブラシで毛並を整えて始めた。
僕のチンポも穴から抜き取ることが出来た…あの間抜けな状態からようやく解放されたのだとわかった。
「アギル、これで拭き取ってくださいますか?」
彼女は僕に装飾の施された上質なハンカチーフを手渡し、そして僕の目の前に獣の下半身を近づけてきた。
「えっ! い、いいのですか?」
「ええ、アギルの汚らわしい子種が溢れ出てしまっているでしょう? それで綺麗に拭き取りなさい」
人間のそれではないけれど…初めて間近に女性器を見せつけられた僕は動揺してしまった。
「はい…」
僕は静かに丁寧にそこから溢れ出る自分の子種をハンカチーフで拭い取った。
僕の指先がそこに触れるたびに彼女はピクッと反応を示しながら、後ろ目で笑みを浮かべている。
「もういいですよ」
一通り拭き取ると彼女はサッと向きを変え下半身を僕から遠ざけると小さく呪文を唱えた。
それと同時にすっかり汚れてベタベタになってしまったハンカチーフは一瞬で消え去った。
このぐらいの魔法は上位の魔獣である彼女にとって容易い事なのであろう。
「どうして逃げ出さなかったのですか?」
彼女がそう言ってから僕は初めて気づかされた、チンポが抜けた瞬間になぜ逃げ出さなかったのだろうと。
「それは…サマル様に失礼だと思ったので」
「そう、愚かしいけどそういうの好きですよ…アギル」
優しい表情でそう言ってくれた彼女は僕の前でしゃがみ込み、精液でドロドロになったままのチンポの匂いをクンクンと嗅ぎ取り始めた。
そしてその長い舌先でチンポを巻き取るように舐め回している…ザラザラとした舌先の感触がそこに程よい刺激を与える。
「アギルのいやらしい肉棒…人間はこれをチンポと呼ぶのでしたね、あなたのいやらしいチンポは私が綺麗にしてあげますね」
「あっ! そんな…汚いですよ…あっ」
すっかり萎えていた僕のチンポは一瞬で大きく起ち上がり、はち切れそうになりながら上を向いた。
「アギルのチンポはとても素敵ですね…こんなに硬く膨らんで骨がないのに上を向いてビクンビクンと脈打っている。だから私は人間の男が大好きなのですよ、あ~…む」
彼女はそう言いながら僕のチンポの先端に吸い付くように咥えた。
口の中で先っぽを転がすように舐め回している、我慢できない快感がチンポの奥から伝わってきて今にも吐き出しそうになる。
その兆候を感じ取った彼女は一旦そこから口を離すとこう言ってくれた。
「いいですよ、沢山吐き出しなさい…アギル」
「はい…サマル…様」
僕は呆然としながら立ち尽くし、彼女の成すがままにチンポを弄ばれ続けた。
彼女は吐息を漏らしながら何度もクンクン、クンクンとチンポの匂いを嗅ぎ取り、舌先でペロペロとチンポの付け根から先端まで舐めつくしてくる。
それは例えようのない初めて味わう快感だった…出してしまうのが勿体なく感じて何度もそれを我慢し続けていた。
「さぁ、もう我慢せず出しなさい…アギル」
彼女は再びチンポを半分ほど咥え込みゆっくりと出し入れして僕が吐き出すことを誘った。
僕は夢見心地のまま彼女の口の中に吐き出してしまった。
「あぁっ…出ます…サマル様」
(ドクドクドク…ドクッドクッ…)
彼女の喉の動きがそれを全てゴクンゴクンと飲み込んでいるのが分かった次の瞬間。
(パツッ)
何かが弾けるような小気味良い振動が下半身に響いた。
「アァァァァァァァ」
彼女は大きく空を仰ぎ見て鳴き声を上げる…その大きく開かれた口には獣の鋭い牙が並んでおり、長い舌先に絡めとられている何かが見えた。
それは…その肉は僕のチンポだとすぐにわかった。
「あ…」
僕が何かを言う間もなく彼女の口は再び閉じられ咀嚼音に交じって肉の弾ける音が何度も響き渡る。
(グチッグチッ…パチュ…グチュ…)
「あ…あ…僕の…チンポが…」
それでもまだ半分以上残っている、今すぐにここから逃げ出したい…しかし、彼女の魔法なのか体を動かす事は出来なかった…ただ、激痛を感じない事だけが救いだった。
そんな僕の絶望など興味がない様に彼女は口の中に残る細かな肉片を咀嚼しながら僕に感想を述べる。
「美味しい…美味しいですよアギルのいやらしいチンポ…今日の今日まで女を知らなかったアギルのチンポのお肉…あぁ最高ですわ」
そう言うと彼女はピュ、ピュと血が噴き出しているチンポの残りに齧り付いた。
「あぁ…そんな」
彼女はギュウギュウとチンポの残骸を付け根まで吸い込んでいる、そしてその鋭い牙の先が突き立てられるのがわかった。
(グチッ)
次に彼女が顔を上げた時、そこにはもう肉の棒は残されていなかった…楕円形の傷口からピュ、ピュと血が噴き出している。
「あぁ…僕のチンポ…全部…なくなった…そんな」
僕は男として生きる為の唯一無二の器官を失ってしまった…もう何も希望はない、ただただ項垂れるしかなかった。
(グチッグチッ…グチッ…)
夕日がわずかに届く静かな森の中に食べることに夢中になっている彼女の咀嚼音だけが鳴り響く。
僕のチンポの肉を一通り食べ終わったのか、彼女はふと首を持ち上げてこちらを向く。
「大変美味しかったですよ、アギルのチンポは稀に見る素晴らしい肉棒でした」
「…」
僕は何も答えることは出来なかった、魔獣にとって人間のチンポなどただの肉に過ぎないのだ…先ほどまで彼女に恋心を抱いていた自分の愚かさを心底呪った。
「男として大切なものを失って悲しいですか?」
彼女は再び僕の傍に寄り添い表面上の取り繕いの言葉を並べる、ふとその手が僕の股間に延ばされる。
「あなたにはまだタマが残っていますから、繁殖できる可能性はあるので元気を出してください…もっとも、交尾が出来なくなった男に興味を持つ物好きな女がいればの話ですが」
タマは食べない…それが幸運なのか不幸なのか、僕には判断がつかなかった。
彼女は徐に姿勢を低くすると、クンクンとタマの匂いを嗅ぎ取り舌先でペロペロとそこを舐めとり始めた。
「ひっ!」
思わず情けない悲鳴を上げた僕を彼女が嘲笑するような表情で見上げながらそこをペロペロと舐め続ける。
「ふぅ…大きさも弾力も素敵ですね、コロコロして大変美味しそうで本当に残念ですが、ご主人様の命ですのでタマは見逃して差し上げます」
「ご主人様の命?」
「はい、エルフの肉のお礼として命は取らずにチンポかタマのどちらかを残してやれとの命を承ったのです…ここに来るまであなたのチンポとタマのどちらを食べるか悩みに悩んだのですよ」
なんて残酷な礼なのだろうか…僕はその不条理さに静かな怒りを覚えた。
次の瞬間、彼女は僕に飛び掛かりその強靭な獣の力で地面に押さえ付けた。
「お怒りですか? でも本来なら出会った瞬間にこのように押さえ付けて噛み殺して食べ尽くしてしまっても良かったのですから、むしろあなたは私に感謝するべきだと思いますが?」
彼女は僕の耳元でそう呟くと首筋の匂いをクンクンと嗅ぎペロペロと舐め続ける。
「わ、わかりました…ありがとうございます…サマル様…」
「はい、こちらこそ人間と交尾をした後で肉を食べ尽くさないというのは初めてのことですから、とても貴重な体験をさせて頂きましたわ」
彼女は僕の上から降りて優しい表情で淡々とそう語った。
「もうあなたと会うことはないでしょう…さようなら、ごきげんよう」
彼女は笑顔で軽く会釈をした後、クルリと向きを変えるとそのままスタスタと仄暗い地下遺跡へと帰っていった。
彼女の姿が仄暗い闇に溶け込むと同時に石門は固く閉ざされてしまった…僕はただ黙って見送ることしかできなかった。
(ズキッ)
「痛ッ!」
彼女の魔法が届かなくなってしまったせいなのか、突如として股間から背中を突き抜けるような激痛に襲われた僕は地面に転がり喚き続けた。
チンポを食い千切られた傷口からピューッ、ピューッと流れ出る血の量も増えている…僕は必死に森から這い出して助けを呼び続けた。
そして偶然通りかかった馬車が止まるのを見た後に、僕はそのまま気を失った……。
■4
あれから幾月か経ち、町の医者の手当てを受けた傷も癒えた頃に僕は自分の住む村へと戻った。
あの出来事は僕の心を大きく傷つけ、喰い殺されてしまった二人のエルフが夢枕に立つこともあった。
魔獣にチンポを食い千切られた事など誰にも言えず、ひたすら隠し続けていたが湧き上がる衝動は抑えることが出来なかった…。
座って小便をすることには慣れてきたものの、彼女と交わったあの快楽を忘れることが出来ず思い出す度に傷口が硬くパンパンに張り詰める。
もう女に挿し込めるチンポなど無いというのに体の中の残骸がそれを求めて硬くなり、そしてビクンビクンと脈打ち僕を苦しめ続けた…。
何度か娼婦の館へと足を運んだものの、チンポが無くなってタマだけがぶら下がる姿を見せる度に噴き出して大笑いされるのが辛かった。
娼婦のテクニックで何とか吐き出すことは出来ても、あの時味わった快楽には敵わない…チンポがない僕はもう二度とあの幸福感と快楽を味わえないのだ。
そして出先の酒場で知り合った女に事を打ち明け一緒に住むことになった、あの快楽は味わえないけれど何度か体を重ねるうちに僕は幸せな気分になれた。
しかし、彼女は今日「体を重ねてもひとつになれないのはやっぱり辛いから…」と手紙を残して去ってしまった。
「もう…嫌だ」
宦官奴隷の様にはなりたくないけれど、あまりの辛さにタマを切り落としてしまおうと思い僕はそこに短刀の刃先を近づけた。
しかし、袋の付け根に刃をあてがった瞬間にパキリと刃先が折れてしまった。
得物を変えて何度試しても結果は同じだった…。
「残酷すぎる」
おそらくはサマル様の魔法のせいなのだろう…あの遺跡から遠く離れているのに、この残酷な魔法だけは効果が続いているようだ。
そして、僕は再びあの地下遺跡の石門を訪れている。
あの石柱にぽかりと空いた穴を…サマル様の大切な恥ずかしい部分を必死に舐め続けている。
そこは僕の舌の動きに合わせて間違いなくピクピクと反応はしている…しかし、どうしても石門は開かなかった。
END
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投稿:2020.01.16更新:2020.01.25
地下遺跡とスフィンクス
挿絵あり 著者 羅切庵 様 / アクセス 14642 / ♥ 4