森の中の廃屋に住み着いた流れ者の母子。
母子がこの地にやってきた際、領主に一夜の宿を求めてきた。
領主は母セレンの美しさに劣情を抱き【情け】をかけようとしたが強く拒まれた上、息子スレイが泣き叫ぶ声で人が集まり恥をかかされた。
数年後セレンは病死ししたがスレイは森に留まり、
母から受け継いだ薬草の知識を活かし薬師として生計を立てているようだ。
「薬師……魔女として告発するには打って付けの職業じゃないか」
スレイが母から受け継いだのは薬草の知識だけではなく、性別こそ違えどセレンそっくりの美しい青年に成長していた。
領主のセレンへの積年の恨みと欲望。
「魔女として告発してもスレイの功績を認め庇い立てしているミクリオ司祭が邪魔だな。」
領主は考えを巡らせた。
ミクリオが恩人の結婚式の為に村を離れる機会を領主は見逃さなかった。
「スレイ!変な馬車が来るよ」
薬を調合する間、暇そうに窓から外を眺めていた患者【ピエトロの息子】がスレイに告げた。
「あれは異端審問官の馬車!?」
馬車から降りてきた人物が乱暴に扉を叩きスレイに呼び掛ける。
「スレイ!この家に住むスレイはおるな!」
スレイは寝室の隅の床板を上げるとピエトロ達に抜け道を示した。
「ピエトロさん早く!」
「スレイも一緒に!」
「オレは大丈夫だから早く逃げて!」
「居留守は分かっている!出てこなければ家に火をかけるぞ!」
「早く!」
異端審問官がこの家に訪れた以上、スレイはもう逃げられない。
たとえ家から逃げ出せたとしても執拗に追われいつかは捕らえられるだろう。
せめてピエトロたちだけは……。
父子を抜け道に押し込み床板を元に戻し敷物を敷くとスレイは扉を開けた。
「お前がスレイだな。お前には魔女の容疑がかかっている」
「オレは魔女じゃない」
「それはこれから調べれば分かる事だ」
異端審問官はスレイの家に入ると薬草を煮詰めて作った薬と鍋に目をとめた。
「この軟膏を体に塗り空を飛んだのだな」
「それは傷薬だよ」
「ふん。あくまでも誤魔化すつもりか」
薬草や鍋、薬物や書物、蝋燭やホウキや帽子、メモ書きや手紙の類い、母の形見の宝飾品まで没収されていく。
どうせ魔女の財産は全て没収されるので審問官は容赦なく家捜しを続ける。
母の思い出が残る家が土足で荒らされていくのが悲しい。
スレイはそっと目を伏せた。
「……とりあえずこんなものか。」
異端審問官に拘束されスレイが外に連れ出される。
スレイは我が家をもう一度見ようとしたがそれは叶わず馬車に押し込まれた。
スレイを乗せた馬車が森の出口付近で小さな弓を手に狩りに行くふりをしているピエトロとすれ違った。
ピエトロは危険を承知でスレイに自分達の無事を知らせてくれたのだろう。
『ピエトロさん、逃げられたんだな…良かった』
ピエトロを巻き込まずに済んだ事にスレイは安堵の溜め息をもらした。
「水……水がほしい」
あちこちから出血している女性を、スレイが抱き起こし水の入った器を口にあてる。
「慌てないで…ゆっくり少しずつ飲んで……」
看守たちはスレイを脅す為に拷問にかけられた魔女の容疑者たちの牢に投げ込んだ。
傷付いた人たちを目の当たりにして放っては置けずスレイは少しでも苦痛を和らげようと1週間の間、彼女らを介抱し続けていた。
「痛いー!痛いよお」
「ああ…う……わたしゃ魔女じゃないのに……ああ神様…くっう!…どうか」
『せめて薬や治療の道具があれば…』
スレイが彼女たちに出来ることは少ないがそれでもスレイは懸命の治療を続ける。
やがて審問官と数人の看守が牢に入ってきた。
スレイに水を飲ませてもらった女性が怯え、他の容疑者たちも緊張する。
「スレイ、魔女だと認める気になったか?」
「認めるも何もオレは魔女じゃないよ」
「ふん、口で否定するなら体に聞くぞ?」
「脅されても嘘はつけない」
「……連れていけ」
「やめて!スレイに酷いことをしないで!」
容疑者たちが叫んだが看守たちはスレイを捕らえ牢から引きずり出した。
様々な拷問道具をスレイに見せ使い方を説明したうえで審問官は再び自白を促すがスレイは首を横に振った。
「まずはこれで体に聞いてみるか…」
スレイの指が万力のようなもので締めあげられていく。
「うあっ!あああっ!…はっ…くうっ!」
「魔女だと認めるな?」
「オレは魔女じゃない!うわああ!」
脂汗を浮かべているスレイの骨が軋み指が潰れそうになった時、何故か拷問官は締め付けを弱めた。
そう、拷問官はスレイの外見を損ねるなと命令されているのだ。
「はあ……はあ…うぅ…オレは魔女じゃない。……」
「まだ認めないか?調べれば魔女だと分かるのだぞ」
「いいよ……う……。好きなように調べてもらってかまわない……」
きちんと調べてもらえれば魔女ではない事を分かってくれるとスレイはいまだに信じているのだ。
「ほう。では好きなように調べさせてもらおう。魔女は体のどこかに悪魔から貰った護符を隠してるというからな」
審問官がスレイの髪の中、瞼の裏、耳、鼻、臍を調べていく。
「ないようだな……しかし一番隠しやすい部分は私には調べられん」
スレイは小さな台にうつ伏せに乗せられ、手も足も大きく開いた状態で固定された。
「ううっ!」
腹だけが乗っている状態で台の足に手足を固定されている為にぼろ布で何とか隠れている尻は自ら見せ付けているかのように突きだされてしまっている。
火を吹きそうな赤い顔のスレイの前に審問官の服を着た領主が姿を表した。
「!?……どうして?」
「スレイ、これから念入りにお前の体を調べてやる」
腰に巻き付けているぼろ布に領主の手が伸びる。
「嫌だ!あああっ!」
スレイは抵抗出来ず唯一体を隠してくれているぼろ布が取られてしまった。
「嫌がるという事はやはり何か隠してるという事だな」
領主は尻肉を開きスレイ本人でさえも直には触れた事もない肛門を晒した。
『スレイを自ら犯す事で同性愛者だとバレるのは仕方ない。
まあ初物を味わえるのだからな』
領主は持ってきた蜂蜜を指にたっぷりと絡めると複数の視線に焼かれ怯えているようにも見える淡い色の小さなそこになすりつけた。
「!?なんでお尻の穴に?」
性的な知識が乏しいスレイは何故汚い場所に領主が触れているのか分からず困惑している。
意味は分からないものの頭がおかしくなりそうな嫌悪と不快感を強く抱いた。
再び蜂蜜をたっぷりと指に絡め、ゆっくりと肛門に押し込んでいく。
「痛い!……くっ…………っ……」
領主の太い指がスレイの体内を侵し媚肉に蜂蜜を塗り付けては少しずつ少しずつ広げていく、その動作は腸が破裂しそうな圧迫感を与えスレイを苦しめる。
スレイの手足を固定している鎖が鳴り、スレイは何とか領主から逃れようと無駄な努力をしている。
領主の指が引き出されるとスレイは息をつき、緊張していた体から力が抜けた。
しかし安堵も束の間再び蜂蜜を絡めた指が肛門に押し込められ、その作業は何度も続けられ、指も2本に増やされた。
「……苦しっ…………あぐっ!……なんで…そんなところに何も隠してなんてな…………あああっ!」
領主はスレイ自身を掴むと左手で乱暴に扱きながら右手で蕾を解す作業を続ける。
不快で仕方ないのに性的な刺激に貪欲な年頃の体は暴走し、領主の手でスレイはあっけなく達してしまった。
「うああああああっ!……はあ……はあ…………もう…触るなあ!オレは魔女じゃない!……うぐっ!」
体内で2本の指が曲げられ蜂蜜まみれの腸壁を引っ掻くようにしながら無理矢理引き抜かれた。
緩く口を閉じ濡れそぼりながら蜂蜜を滴らせる肛門はまるで発情した女性のようだ。
初めて他人の手で達した青年は目に涙を浮かべ上気した顔に悔しさを滲ませている。
発情した体と悔しげな表情が男達の心を一層掻き立てる。
領主は自分のモノを何度かしごきながら告げる。
「スレイ……いや、セレン、入れるよ」
「!?母さん?まさか母さんにも変な事を!?あっ!」
蕾に熱く固い何かが押し付けられスレイは狼狽した。
『嘘だろ!?』
「嫌だ放せ!こんなの間違っ!ぎゃあああああ!」
堅いが温かい肉の刃がスレイの肛門に押し込まれた。
蜂蜜にまみれたそこは物量に堪えきれず裂け血を滴らせ始めた。
傷みと衝撃にスレイの口がはくはくと動き、若葉色の瞳が大きく見開かれた。
固定されている手首と足首が激しく擦れ血が滲んだ。
「うむっ?」
「ううっ…………くっ……」
これ以上は許すまいとスレイは傷ついた肛門に力を込め抵抗する。
力を込めた事で体内の異物の存在感が増し、蕾が更に裂け苦痛が増したが領主自身を一番太い部分で何とか止められた。
「やはり何か隠してるな」
領主は笑うと先程痛め付けられた指を力いっぱい握りしめた。
「うあああっ!…うう………くう」
一瞬力が弛んだあと強く領主自身が締め付けられた。
スレイは再び抵抗しようとしたが、一瞬のうちに一番太い部分を通されてしまっているうえ、力をいれようとする度に拷問官に強く指を握られ思うように抵抗出来ない。
「セレン良いぞ」
「ううう……嫌だ…………あぅ……」
蜂蜜と血液と領主の先走りが立てるグチュグチュという音に耳まで犯されるようだ。
突かれると口から領主のモノが飛び出すような感覚を、引かれると腸が引きずり出されるような苦痛がスレイを襲う。
大きく開かれ無理矢理開花させられた肛門は血の涙を流し続け、腸は張り裂けんばかりだ。
領主の汗が背に滴るのも気持ち悪い。
「はあ、もう少しだよセレン。もう少しで。……それっ!」
「あぐ……あっ!?いやだああっ!」
領主は自身を一気に押し進めスレイの体内に全てを収めると、歯を食い縛り堪えていたスレイの体が弛緩した。
「水をかけて起こせ!締まりが悪くなる!」
拷問官は気絶したスレイに冷水を浴びせかけ正気付かせる。
「っ!……嫌だ…ぅぁ……もうやめ……」
「嫌なら魔女だと認めろ!」
「う…オレは魔女じゃない……」
「まだ言うか…ふっ…くっ……イクぞ!そりゃ孕め!」
「っ!?嫌だあああああああ!」
激しく媚肉を擦られ、揺さぶられ体内で領主が膨らみ弾け、領主の汚い体液が体内に放たれた瞬間スレイは自分の身が汚された事を強く自覚した。
「うむ。尻には何も隠してないと認めてやるが処女だから魔女ではないという言い訳はもう出来ないな」
何故かミクリオの顔が脳裏に浮かびそのまま消えていき、スレイの何も映してない翠の瞳から涙が溢れては落ちた。
『ミクリオ……』
「次は口を調べる」
涙を流し続けるスレイの口に強引に領主自身が押し込まれた。
嫌な臭いのするそれに喉を突かれスレイは苦悶し、苦しみから逃れようともがく手首足首の擦り傷から血が滴った。
「歯を立てたら今すぐ男じゃなくしてやるからな」
拷問官が男性器を責めるペンチを持ちスレイ自身をやや強く挟み痛みを与えた。
「んん!?むんんん!!」
出血を確認すると力を緩めたが領主の命令で即座に切断出来るようにスレイ自身を挟んだまま保持する。
「んう!……むぐっ…………んん……!」
スレイの髪を鷲掴みにした領主が彼の頭を無理矢理動かす。
スレイの地獄は領主が満足するまで続いた。
「っ!げほ!げほ!げほっ!……はあ…はあ…」
「ふん、体には何も隠してなかったのは認めてやる。だからと言って魔女の疑いが晴れたわけではないが明日の拷問は無しだ。体を休めてせいぜい次の拷問に備えるんだな」
審問官が恩着せがましく言ったが元々拷問は数日開けて行われる決まりだ。
それは優しさではなく次の拷問への恐怖を高め自白を促す目的で決められているのだ。
スレイは手当てを受けることもなく、暗く不潔な独房に投げ込まれた。
領主の命令で食事は与えられず、僅かな水だけが与えられたが、傷付いた手ではうまく器を持てず溢してしまい一滴も飲むことが出来なかった。
痛みのあまり眠ることさえ出来ず、冷たい床に身を横たえ少しでも体を安めようと無駄な努力を続けるうちに夜が明けた。
【続く】
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投稿:2022.01.05
誰が為に鉄槌は下されるのか
著者 雛衣 様 / アクセス 7107 / ♥ 38