俺は大阪でデリヘルドライバーをしている22歳。
3ヶ月前にSNSで見つけた時給3千円という求人広告を見て応募した。裏バイトでなかいか?と疑いつつ面接を受けたが、ごく普通のデリヘルドライバーとしての求人であったため、ここで働くことに決めた。
仕事はシフト制で午後から深夜まで毎日8~10時間は稼働するので、ひと晩で25,000円以上も稼げている。ここで働くうえでの懸念点は勤務中に貞操帯を装着する必要があることだ。
面接でも説明されたが、商品(女性キャスト、通称:嬢)を最優先に守るというオーナーの意志で導入された制度で、貞操帯を導入してからドライバーと嬢のトラブルが減り、嬢の離職率が大幅に減ったそうだ。
貞操帯には電極が取り付けられており、嬢やオーナーが持っている装着(連絡用スマートフォンのアプリ)から電気ショックを与えることができる。ドライバーが商品に手を出そうとしたり、オーナーに逆らおうとすれば、電気ショックが与えられる。
さらに、店の規則で、男性スタッフやドライバーが嬢を引き抜こうとした場合には「玉抜きの罰が」あり、未遂でも一玉、悪質な場合には初回でも二玉が抜かれてしまう。規則にはドライバーが勤務時間中に貞操帯を外して嬢と関係を持った場合には 「去勢する」と記されており、面接時には店の規則に従うという誓約書に署名させられている。
俺は面接時に躊躇いがあったが、嬢と関係を持つことはないだろうと考えて署名に応じた。
半年ほど経過した頃、店ではアルバイトにも年末の賞与を支給するという話がでた。勤務時間に応じて支給されるため、ほぼフル出勤している俺は40万円いただけるようだ。
オーナーはドライバーたちに対して、賞与の半分を賭けてゲームに参加しないか?と誘った。ゲームは今日から1ヶ月間 (12/10-1/10まで) 貞操帯を装着し続けることができたら、賭金の5倍を賞金とするという内容であった。俺の場合は20万円が賭金のため、1ヶ月耐えることができたら100万円だ。オーナーは忍耐力や理性を試す良い機会じゃないか?とドライバー達を勧誘した。
30名ほどいるドライバーのうち、俺を含めて20名がゲームに参加した。
初の脱落者は3日後の12/14で、その後数人の脱落者がでたが、12/23の時点で16人が残っていた。
俺はクリスマスイブも出勤した。本当はアルバイトなどせず、相席屋で飲んで女の子を持ち帰りたいが、仮に成功しても貞操帯を嵌めているため俺にはアフターができない。この日は時給が1.5倍になるボーナスデーでもあるため、俺は働くしかない。
午後から夕方までいつも通りに働いた。休憩中に夕食を済ませると、21時からの予約で嬢を送迎してほしいと連絡が入った。俺は急いで車を店へと走らせた。20時半、俺と同い年の嬢リサを乗せて客が待つホテルへと向かった。
信号待ちで停車すると後部座席に座るリサから、「少しだけどう?」と誘われた。俺は貞操帯もしているため無理だよと断ったが、リサは「貞操帯なら女の子が持っているデバイスで外せるよ。店に戻る前に付ければバレないよ」と甘い言葉で誘ってきた。俺が悩んでいると、リサは助手席に移動して、「いい?」と聞いてきた。
俺が「うん」と応えると貞操帯が外れた。久々に解放された竿は若干臭うが、リサは口で優しく受け止めてくれた。俺は数分で発射してしまった。
リサを無事にホテルへ送り届けた。その日は近隣での迎えがなかったため、俺はホテルの駐車場で待機した。60分コースの接客を終えたリサが帰ってきた。リサは車に乗るなり「貞操帯を付けなくちゃ!」と俺に話しかけてきた。
店に戻るや、俺はオーナーと先輩ドライバーに捕まった。「お前、やったな?」
俺の頭は真っ白になった。逃げようとしたが、貞操帯に電気ショックを流されて、俺は床に崩れ落ちた。
俺は店の倉庫に連れて行かれた。そこにはSMで使われるような椅子が3脚と数台のスマホが置かれていた。うち2脚には20代前半のドライバーが裸で拘束されていた。
オーナーは俺にも裸になって懲罰椅子に座るように命令した。俺は逃げたかったが、電気ショックの痛みを恐れて命令に従った。
俺が拘束されると、2時間前の車内の様子が画面に写しだされた。どうやらドラレコの映像のようだ。オーナーは「認めるな?」と俺に問いかけた。「お前達は店の商品に手を出した。本来であれば去勢だが、初回は竿の半分だけで許してやる!」… 俺は意味が分からなかった。
さらにオーナーは、「賭けてもよいぞ?俺にじゃんけんで勝てば、竿の半分ではなく、玉にひとつにしてやる。その代わり負けたら、竿全部だ!」「順番は勝負するかしないか決めたやつからだ!」
俺はどうせ竿が半分取られるなら、全部取られても変わらないと考えて、俺は即座に勝負する!と応えた。オーナーから、お前は見込みあるな〜と誉められたが嬉しくない。
俺はオーナーとのじゃんけんに勝利した。その瞬間、ひとつの玉が奪われることが決まったわけだ。他の2人を残して、その場で施術された。俺は左の玉を選んだ。施術は数分で終わったが、その様子は全てスマホで撮影されていて、とても不快だった。
俺の施術を真横で見た2人は震えている。オーナーは、5分以内に決めなければ全部取るぞ!と脅す。ひとりが、勝負しない!と応えた。その瞬間、竿の半分が奪われることが決まった。そいつの竿の根元と鬼頭周辺に麻酔がそれぞれ2本ずつ注射された。
俺の施術よりもだいぶ時間がかかり、竿から鬼頭部分だけが綺麗に切り取られた。竿全体の半分ではなく1/3程度だが、かなり惨めだ。もちろんだが、そいつの施術も撮影されていた。
オーナーは残るひとりに「どうする?」と尋ねたが、やつは応える気配がない。「さあ、1分待ってやる」やつは震えている。「5.4.3…」カウントダウンがはじまり、やつは勝負と小声で応えた。
オーナーとのじゃんけんで、やつはグーを出して負けた。
俺は、その日でアルバイトを辞めた。やつら2人は今でも働いているようだ。竿がないやつらは貞操帯を付ける必要もなく、店では重宝されていると聞く。
(後日談)
店をやめた俺は時給800円の飲食店で働いた。数年が経過した頃、店長に昇進した俺の店にリサが客としてやって来た。俺は話したくなかったが、リサから俺に話しかけてきた。「たっくんだよね?あの時はごめんね。実は私も店をクビになったの。よかったら仕事終わりに飲まない?」といわれ、俺は迷ったが、あの店はどうなったのか?なんでこいつもクビになったのか?あの賭けはヤラセだったのか?と気になってしまい「ええよ」と返事をした。
時間になるとリサが車で俺を迎えにきた。「あの時はたっくんが運転手、私が助手席だったから逆になったね…」と会話をしながら、少し遠くのファミレスへ向かった。俺はリサに気になっていることを質問した。俺が玉を失うことになった賭けについて尋ねた。
あの賭けは嬢にとっても一大イベントのようで、1年以上在籍して年末年始に勤務してくれる嬢だけに参加資格があるらしい。ドライバーの容姿や年齢などを考慮して誘惑に成功した際のオッズ (成功報酬) が異なるようだ。ねらい目はドライバー1年目の若者らしい。参加ドライバー16名に対して、参加資格のある嬢は50名以上在籍しているため、嬢の希望が被った場合には売上が高い嬢から順にドライバーをハメる決まりだ。俺は1年目のドライバーかつ容姿がそこそこ良いためオッズが高く設定されていたようで、イベント初日にリサにハメられた。嬢が成功した際は1年間の売上×オッズで計算され、リサの当時の売上は2500万円で俺のオッズは0.18で計算されて、450万円の賞金を貰ったそうだ。俺は情けなくて震えた。
すると、リサは、たっくんはマシな方よ。玉ひとつで済んでいるんだからと話をつづけた。貞操帯を外したときに、もし私を襲っていたら完全去勢になっていたんだから。聞けば毎年数人は嬢に唆されて、本番に及んでしまうドライバーがいるらしい。俺はリサに救われたのだろうか。
俺は、男性用の立ち小便器がなく、男性スタッフの更衣室も全て個室だった、あの店の現在について尋ねた。
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投稿:2023.12.16更新:2024.10.05
時給3000円のデリヘルドライバー
著者 センチュリーミニオン 様 / アクセス 3490 / ♥ 7