ケイが帰宅するとタツキがリビングのソファーに横たわり寝入って軽い寝息を立てていた。
ああ待たせちゃったな、とケイが罪悪感を覚えながら、タツキの眠りを妨げないようにそっと静かに歩き、バスルームに向かう。
その日のケイは彼と言えばいいのか彼女と呼ぶべきなのか曖昧なマオと一緒にデートのフリをしてラブホに行っていた。もちろんその目的は、例のいつもの喫茶室で二人で話していたことを実際に目で確かめることが目的であり、それが実現したかたちとなったのは幸いだった。
ラブホで躊躇せず全裸になるのに恥じらいもせずに勢いで衣服を脱いで全裸になったケイが、どっちの呼称で呼べばいいのか曖昧なマオの衣服を脱がしにかかった。
それに対してのマオは嬉しそうにしていて、ケイのなすがままに身を委ねていた。
あと一枚。最後の一枚……。
しかし、そこでケイの手が止まった。
最後の一枚はマオの股間に食い込んでいて、何かが違った。パンティーに見えてパンティーでもなかったのだ。
「こ、これって、何?」
思わずケイがマオに聞いた。
「んっ? これね。インバイト貞操帯だよ」
にべもなく、屈託もなくマオが答え、ケイはドン引きした。
「えっ。て、貞操帯って……。お、おしっこどうしてすんの?」
素朴な疑問を口にするケイ。
「ここからだよ。そのまんまするんだ」
ほぼ全裸に近くなって、丸みを帯びた体つきをしているうえ胸も膨らみかけて女の子そのものといっていいマオが膨らみのなくなった股間を指して答えた。
そこにあったのは目立たなくて気づかなかったが、細い金属パイプがちょっとだけ出ていた。
「もうタマタマ取っちゃってるから、これなんだけどね」
マオがドン引きしたままのケイに言い、続けて
「キーここにあるから、外して」
と、首にしているチョーカーにつけていたキーを外して渡した。
それを受け取ってケイが震える手で解錠すると、中からゴツい金属の塊と中を通っているシリコンチューブが出てきた。
そのあとのその部分は陥没して凹み、縛った巾着袋の口を押し込めたがごときシワだけが見えた。
衝撃だった。衝撃すぎる。
見たところ男子そのもののケイの体をマオがいじり、バーベルピアスが貫通した乳首をいじられてひどく興奮してしまった。
そんなことを思い出しながらシャワーを浴び始めたケイの股間は元気にそそり立っていた。
自分も気づかない性癖に思いっきり刺さってしまっていることにケイが今更気づく。
不意に後ろから筋肉質の腕が伸びてきて、包み込むように抱きしめてきた。
「お帰り。遅かったじゃないか」
タツキの声がする。
さっきまで、リビングのソファーで軽い寝息を立てていたのに。
「マオちゃんに会ってきたんだろ? どうだった?」
タツキがケイの胸のピアスを捉えていじりながら聞いてきた。
「あっ。そ、そこ。く、クる。話すから離してぇ」
ケイが刺激にビクビクと体を震わせながらタツキに答えた。
「とりあえず、浴びたら俺と代わってくれ」
タツキが腕を外して言った。
なんだ、まだ浴びてもなかったのか、と思いながらさっさと浴びてケイがバスルームから出た。
しばらくしてタツキもバスルームから出てきた。
ケイがタツキにマオと会ってきたことを話すと、
「ああ。マオちゃんはそのまんまだなぁ」
と、タツキが言った。
「そのまんまって、どういうこと?」
ケイがタツキに聞き返すと
「究極のド変態、ってことだ」
その言葉がタツキから聞かれるとは思ってもなかった。
「俺がマスターの店に就職して間もなく、奴が連れてきたんだ。俺も女の子だと思ったよ」
その口ぶりからするとタツキも見てしまったらしい。
「あれから十年近いけど、変わりもしない。俺が見たときはコックケージ装着していたんだけどさ」
タツキが話す。
なんでもタツキがマオのことを話すには、精通してシコり猿になったときにママにお仕置きで貞操器具を装着され、それが変に気に入ってしまったらしかった。
「しかし、アレには参った。俺も調教されかけたし」
そう話すタツキの目は遠い。
「えっ。じゃぁ、あのピアスって」
「それだな」
タツキが沈む。
タツキのピアス。
それはナギのあのグロテスクなペニスに装着されたピアスほどではないが、タツキも亀の頭を表から裏までまっすぐにピアスが貫通している。
「結局、俺もド変態に変わりもしないってこった」
まさか、そんなことも聞けるとは思ってもないケイだった。
「そのうち、君も沼に引きずり込まれかけてるけど、更に深く引きずり込まれるぜ」
最後にタツキが忠告してくれた。
ケイが自分の股間を押さえる。高ぶりがまだ収まらないのだ。
「タツキさん。ヤる?」
ケイが前かがみになって、そっとタツキに言う。
「うん。ヤる。俺も抑えきれん」
タツキが答える。やる気満々でいたのにケイが遅く帰ってきたために寝入ってしまったのが悔しいようだ。
さっそくやり始める二人。
栄えもしない夜の営み。
ディープキスを繰り返しながら、タツキに胸のピアスをいじられて感じるケイと、その反応に発情したタツキ。
優顔とは裏腹に筋肉質の体つきをしているタツキの手術済みに加えて表から裏まで貫通したピアスが光る怒張して太いモノと兜合わせするとケイはだんだん発情してきて暑く感じた。
「挿れるぜ」
タツキが四つん這いになったケイの尻をぐいと分けて、ひくついて開きかけた菊門に怒張したピアス入りの太いモノを入れた。
「あ、い、いい。イく。ナカに一杯出してぇぇ」
尻を突かれて、先走りを半勃ちの竿から垂らしながらケイが求める。
熱いものが迸るのを感じる。
タツキが自分のモノを引き抜いたあと開きっぱなしになったケイの菊紋から男汁がどろりと流れ出し、ケイも発射した。
どちらも体力が尽きるまで一晩中やりまくり、次の朝は全く起き上がれなくなっていた。
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投稿:2024.02.17
宦官になっちゃった7
著者 石見野権左衛門 様 / アクセス 2117 / ♥ 5