このジャングルに入ってから、たしかもう5日が経過した。もう歩き疲れた。水はかろうじて葉に溜まった雨水があるものの、食べれそうなものが一切ない。なんで俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだ。
「コバヤシ!まってくれよ!」
そう比較的流暢な日本語で話すのは友人のチャーリーだ。言い忘れていたが、俺は今とある国に留学をしている。それも英語を身につけるためだ。こっちに来た時は言葉もわからずかなり心細かった。そんな時に出会ったのがチャーリーだった。慎重な俺とは違って、チャーリーはお調子者でいつも楽観的だった。性格が正反対な俺らだからこそ仲良くなれたのかもしれない。聞くところによると、チャーリーは日本で幼少期を数年過ごしたらしい。だから少しイントネーションには癖はあるが日本語を母国語のように喋れるらしい。とてもお茶目で面白いチャーリー。だが、チャーリーのお調子者が発動したせいで俺たちは今ジャングルで遭難している。
あれは2週間前のことだった。ちょうど大学も夏休みに入り暇を持て余していた頃、チャーリーが急に
「コバヤシ、滝を見に行かない?」
と言ってきた。俺は、
「急にどうした?滝?」
と言うと、
「この国にはすごく綺麗な滝があるんだ。せっかくだからそれをコバヤシにも見せたい。それはジャングルの奥にあるから行くのは大変だけどその疲れが吹き飛ぶくらい綺麗なんだ。」
とチャーリーは語った。内心あまり行きたくはなかったけど、チャーリーの輝いた目を見て、俺は断りきれなかった。
そうして出発した。俺は
「ガイドをつけたほうがいいんじゃないか?」
と言ったが、チャーリーが
「だいじょぶだよ。俺知ってるから」
というからガイドはつけなかった。それが馬鹿だった。歩けど歩けど着く気配がないから俺は聞いた
「なぁ、あとどんくらいで着くんだ?」
「うーん、迷っちゃったっぽいね」
とチャーリーは言う。
「え!?チャーリー行ったことあるんじゃ」
と俺は聞いた。するとチャーリーは
「いや本で見て知ってるだけで行くのは初めてだよ」
と言った。
「そんなんだったらガイドつけたのに」
チャーリーを信用した俺がバカだった。
そうして今に至る。まだここから出れる気配がない。
チャーリー「コバヤシ、歩くの早いよ」
俺「誰のせいでこうなったと思ってるんだ!」
チャーリー「それは本当にすまないよ、、。」
俺「うぅ、ここで言い合いしてても良くないからな、街への出口を探そう。」
チャーリー「そうだね、コバヤシ!」
俺「それにしてもお腹空いたな、、。水は飲んでるが何も食べてはいないからな、、。」
チャーリー「たしかに、お腹すいたね。」
とぼとぼ歩いていると、川を見つけた。
俺「あ、あそこに川があるぞ!魚がいるかもしれない!」
チャーリー「おお!」
川のそばに近づいてみた。
チャーリー「うーん、魚いないね」
俺「マジか、、。でも川を辿っていけばなにかいるかもしれない!」
チャーリー「この辺の川は上流の方が魚がいるって聞いたことあるよ」
俺「なるほど、じゃあ上の方行ってみるか。」
俺らは上流の方に向かった。
俺「魚、いないな」
チャーリー「コバヤシ!!前見て!これが滝だよ」
俺「うん?おおー!!!すげー!!!」
目の前には滝が広がっていた。これがチャーリーが見せたかった滝か、、。迫力があって綺麗だ。
俺「きれいだな。ありがとう、チャーリー」
チャーリー「よかったよ」
俺「にしてもお腹すいたなー」
チャーリー「あ、きのこだ」
俺「きのこはやめといた方がいいんじゃないか?」
チャーリー「いや見てよあのきのこ、ちんちんみたい!」
俺「子供みたいなこと言うなよ。でもなんかわかるかもww」
チャーリー「ほら、きのこの根元にはキンタマみたいなのもついてる」
俺「面白いきのこだなww」
すると、チャーリーはきのこを咥えだした。
チャーリー「見て見てコバヤシ、フェラチオ」
俺「おいww馬鹿やめろってww」
チャーリー「待ってコバヤシ、このきのこすごい美味しい」
俺「待て待て!!食べるな!!」
チャーリー「もう食べちゃったよ」
俺「ええ、、。それやばくないか?」
チャーリー「でも危ない味じゃないよこれ」
俺「なら大丈夫、、なのか?」
チャーリー「コバヤシも食べなよ。」
俺「いや、俺はやめとく。」
滝より上流には行けそうにないので、俺たちは川を辿って下ることにした。そうして歩いて1時間ほど経った頃、
チャーリー「おなかも膨れたし、そこの川で体洗おうよ。」
俺「確かに、お風呂入れてないしなー。川の水も綺麗だし」
俺らは川で体を洗った。
俺「はぁー生き返る」
チャーリー「コバヤシ、俺あのきのこまた食べたい」
俺「そんなに美味しかったのか?でも怖いからやめとけよ」
チャーリー「あんなに美味しかったんだよ?今すぐにでも食べたいよ」
俺「じゃあ、また見つけたらな」
チャーリー「今すぐ食べたい今すぐ!!!」
俺「チャーリー?どうしたんだ?我慢しろって」
チャーリー「食べたい食べたい食べたい食べたい」
やっぱりあのきのこはやばいやつだったんじゃないか?
俺「チャーリー大丈夫か?」
チャーリー「食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい」
俺「落ち着けってチャーリー」
チャーリー「あ、、きのこ見つけた、、!!」
チャーリーはそう言った途端、俺の股間にかぶりついた。
俺「があああああああ!!何してるんだチャーリー!目を覚ませ!!チャーリー!!!!」
チャーリーは咀嚼をやめない。チンコと金玉の組織がぐちゃぐちゃに噛み砕かれていく。チャーリーが噛むごとに激痛に襲われる。きっとチャーリーは幻覚を見ているんだ。
俺「っっっはぁ、、ぐああああやめろやめろやめろおおおおお」
俺の股間からはおびただしい量の血液が流れ出る。川の水が血に染まっていく。
チャーリー「っはぁ!きのこおいしい!きのこおいしい!もっと食べたいもっと!もっともっともっと!食べたい食べたい食べたい!!きのこ!!」
俺「ぐあぁ、っはぁ、落ち着け、チャーリー」
チャーリー「まだきのこある!!見つけた!!こんな近くに!!きのこ!!きのこ!!」
チャーリーは自身のチンコと金玉を抉り取って食べてしまった。チャーリーの股間からも大量の鮮血が流れ出る。
チャーリー「わははははは!!きのこおいしいいいい!!!!」
するとチャーリーは糸が切れたように気を失ってしまった。このままでは溺れてしまうと思い、俺は必死にチャーリーを川から引きずり出した。しかし、俺の意識もそこで途絶えてしまった。
目を覚ますとそこは病院だった。なんとか俺もチャーリーも一命を取りとめた。ハンターとしてジャングルに繰り出していた地元の人が俺たちを見つけてくれたらしい。医師によると飢餓状態で免疫も下がってる中、大量に出血したため、2人とも危ない状態だったそうだ。2人とも命は無事だったものの、生殖器は見るも無惨な姿であった。
チャーリー「コバヤシ、、ごめんよ」
俺「俺も止められなくてごめん」
チャーリーとは今でも仲良くしている。
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投稿:2024.12.14
おかしなキノコ
著者 けんせい 様 / アクセス 1112 / ♥ 10