前作(アメリカン去勢デバイス-続編)はこちら
ここは、中部山岳地帯の中の小さな盆地の町。町は林業と小さな鉱山とわずかばかりの観光が主産業。
一番近い市へは峠を越えて車で1時間半。鉄道の駅へは細い谷間の国道をバスで1時間。ここははっきり言って陸の孤島であった。
町内には高校もなく、地元の中学校卒業生が進学するには下宿するしかなかった。
10年前に多額の財政負担の結果、町立高校が開校、ようやく地元の高校進学率も都会並になったと、町民は胸をなでおろしていた。
その町立高校が、最近荒れはじめた。それも男子生徒に集中して問題が起こりはじめた。
都会の底辺校ならともかく、町で唯一の高校だから町民の注目も集まるわけで、町の教育委員会は頭をかかえ、高校側も対策をとり始めた。
最初、問題化したのは喫煙だった。休み時間の男子便所の大便用の個室は、無法地帯の喫煙ルームとなっていた。
高校当局はまず、便所の入り口のドアを撤去して全体を廊下から見通せるようにしたが、個室に入って、内側から錠を掛けられては、手も足もでなかった。
そこで、まず個室の錠の廃止を行ったが効果がなく、個室の扉の上半分にガラス窓をつけてみたが、廊下から個室の中は、角度の関係で見通せないので、結局教師のチェックは行き届かなかった。また予想されたことではあったが、非行グループによるガラスの破損行為が続出し始めた。
そこでついに、高校当局は個室の全廃を打ち出した。
春休みに工事が行われ、男子便所の大便用個室の扉と仕切りが全て撤去された。
1年と2年の校舎の和式便器は、奥の壁に向かってしゃがむようになっていたが、そのままだとお尻が丸見えなので、手前に向かってしゃがむように改造された。3年の校舎は横向きだったのでそのままで、後ろにしゃがむと前の生徒のお尻が見える格好だ。
こうした処置で、生徒の喫煙対策は、少なくとも校内では効果を上げるようになったが、2~3ヶ月すると、男子生徒による女子生徒への性的嫌がらせ事件が続出するようになった。加えて、強姦事件も3件発生。それも高校の校内や農場で起こったので、町民の学校当局への非難の声は、最高潮に達した。
一難去ってまた一難の事態に、高校当局が原因を調査したところ、以前は高校の便所が男子生徒のオナニーの場所となっていたのが、今回の改造で出来なくなって、欲求不満が溜まったのが一因と判明した。保守的な土地柄と大家族制度で、自宅でオナニーする場所がない生徒が意外に多かったのである。
そうこうしているうちに、またしても強姦事件が2件事件発生。しかも1件の被害者は女性教師ときては、もう放置して置けなくなった。
高校は、PTA役員と男子生徒の親全員を体育館に集めた。そしてそこでの結論を持って、教頭が「アメリカン去勢デバイス」の営業担当の私のところに、今日相談にやってきたのである。
教頭は切り出した。
「学校としましても、ほとほと弱りまして、思い切った策を出しました。それは、レイプした犯人の生徒は、学校の手で去勢することにしてはどうかというものです。まあ、そのまま通るとは思っていませんでしたが、意外にもPTAが全員賛成なのです。それどころか、去勢というのは両方の睾丸を抜くことだと説明しましたら、レイプするような生徒は陰茎も切断すべきだというんです。」
「へえ、積極的ですねえ。」と、私。
「で、学校としましては、生徒の睾丸を抜くぐらいなら、保健の先生でも十分できますが、陰茎切断となると、校医の先生は内科だし、ちょっと難しいと答えました。そうしましたら、男子生徒の親の1人が、『アメリカン去勢デバイスなら素人でも簡単だ。』と言い出したわけです。」
「ほう、それは光栄です。」
「それで、一度どんなものか見てみようということになりまして、遠くて申しわけないのですが、わが町まで実演にお越し願えないかと。」
「実演といいますと、誰かモデルがいりますが。」
「これまで起きたレイプ事件の犯人の生徒が15人います。まあ見張り役に過ぎなかった子もいますが、彼らの親には全員了解を取り付けてあります。被害者の女子生徒の親も、犯人を去勢するなら告訴は見送るということで、話ができています。」
というわけで、夏休みが始まった7月下旬、私は盆地の町立高校に向かって旅立った。
今回は大掛かりな商談になりそうなので、青山くんもつれていくことにした。以前助手を勤めてくれていて、私が実演でその一物を去勢したあの青山くんである。
学校に着いてから、会場の体育館に案内されて驚いた。アリーナの中央には、組み立て式ベッドが15台置かれ、そこに下半身を裸に剥かれた15人の男子生徒が仰向けに、手足を大きく大の字に開いた格好で寝かされている。両手両足はベッドの脚に縛り付けられている。口枷も嵌められて声が出せないようだ。
周囲はPTAの見学者が約200人、周りをぐるりと取り囲んでいる。いやあ、何もかも準備万端だ。
教頭が、私と青山くんを紹介する。私が、最初に挨拶する。
「PTAの皆様。本日は当社当社が自信を持ってお薦めする男性去勢器具、『アメリカン去勢デバイス』の実演にお越しいただきまして、ありがとうございます。まずこちらをご覧下さい。」
巨大なペンチに似たアメリカン去勢デバイスを取り出す。
先はリングになっていて、その握り手側はギザギザが付いている。握り手に、いろいろなレバーやボタンが付いていて、端からは電気コードが伸びている。
私は、いつものように説明を始める。
「どうでしょうか、実に簡単です。陰茎と陰嚢を別々に切り離すこともできますが、ここのリングに両方を一緒に入れてしまえばいっぺんで済みます。今日はそのやり方を実演します。教頭先生、どちらから始めましょうか。」
私は教頭が指示した生徒に近づく。顔も体格も中学生にしか見えない。性器も小さく毛もまばらで、本当にレイプ犯人なのかと思う。見張り役だったのかもしれない。上半身は制服なので名札が読める。「1年A組、井上健太」と書いてある。どうやら1年生からクラス順に去勢していくことになるらしい。
口枷で声は出せないが、目に涙を浮かべている生徒もいる。
でも、アメリカン去勢デバイスは容赦ない。生徒の尿道に金属カテーテルを青山くんが差し込み、私が握り手を持ってリングが性器の根元をガチッと咥えると、青ボタンで麻酔注射、レバーを引いて根元を緊縛、赤ボタンでレーザーメス性器切断、高周波止血縫合とあっという間である。
続けてもう1台のデバイスで、隣りのベッドの「1年A組、高木四郎」くんを去勢。そうするとさっきの井上健太くんのデバイスでの止血縫合処置が終わるので、そのデバイスを使って、「1年B組、木下忠志」くんを去勢する。
こんな調子でとんとん拍子に5人の1年生の去勢処置が終わった。今度は、先生方に体験していただく。教頭、教務主任、50歳近い保健担当の女性教師、そしてレイプの被害にあった20代の女性教師の4人が、私と青山くんのアドバイスを受けながら、2年生4人の生徒を無事去勢した。
次は6人の3年生だ。これはPTAの代表にお願いするとのこと。PTA役員が3人、レイプ被害にあった女子生徒の母親が3人出てくる。PTA会長は「3年C組、早瀬逸雄」という生徒を選んだ。そういえば会長の名も早瀬だ。この町に多い姓なのかと思ったけど、次の順番を待つ母親が小声で、「会長の息子さんなんですよ。」と教えてくれた。実の息子を去勢するなら自分の手でと志願したらしい。
15人の生徒の去勢処置は、無事完了した。
切り離された15個の性器は、とりあえずガラス瓶の保存液に入れられ、並べられた。
私は、青山くんを前に連れてきて言った。
「皆様、本日はありがとうございました。簡単で痛みもない『アメリカン去勢デバイス』のご感想はいかがでしたか。最後に、傷が治った痕がいかにきれいか見ていただきましょう。」
打ち合わせ通り、青山くんがさっとズボンとパンツを下ろす。彼の無毛の下腹部には突起物は全くなく、失われた一物があったと思われるあたりは、尿道の小穴があって、その周りが環状に若干変色しているだけ。
会場から、ため息が漏れた。
「彼はわずか1ヶ月前にこのデバイスで去勢処置を受けました。きれいな傷口をよくご覧ください。予後の心配は全くいりません。なお、彼は分かりやすいように永久脱毛していますが、この簡単永久脱毛装置も、当社取り扱いの製品です。」
更に私は、鞄からあるものを取り出す。一見するとプラスチック製のディオルド。
「これをご覧下さい。これはプラスチティーションと言って、切断したモノを保存、冷凍してから水分を透明樹脂と置き換えたものです。本物ですが、永久保存可能でこうやって直に触れて持ち運びできます。切断した性器を中に入れておくと、自動的にプラスチティーションしてくれるタンクも取り扱っています。ホルマリン保存や冷凍保存に較べて、手間も経費もかかりません。同時購入されると、オプションで割引があります。」
そう言いながら、プラスチティーション化された性器を4つ並べる。これらは、実演で切断したアシスタントのものだ。
青山くんがパンツとズボンをあげる。
「これで、今日の実演を終ります、ありがとうございました。」
こういうわけで朗報を期待しつつ、私たちは盆地の町を後にした。
PTAの総会では、全会一致でアメリカン去勢デバイスの導入を決定。しかも、使用はセクハラや強姦事件の犯人に限らず、非行があった生徒、校則を何度も破った生徒などは、担任教師の判断で去勢してもいいということになった。
強姦事件の加害者側の生徒は、実行犯でなくても全員完全去勢。セクハラ事件は実行者のみ完全去勢で見張り役や情報提供者は、睾丸と陰嚢だけ切除。
性的犯罪以外でも、触法行為で警察に補導された場合は、復学後に完全去勢。暴力行為や校内での喫煙も1回で完全去勢。校則を何度も破った生徒は5回で睾丸・陰嚢切除。7回で陰茎切断と決った。
プラスチティーションの装置も一緒に購入された。切断した性器はプラスチティーション化され、他の生徒への警告のために、名前のプレートとともに職員室前の廊下の壁に、壁飾りのように飾られることになった。もちろん第1号が、あの15人の性器だ。
ただ、永久脱毛装置については、完全去勢された生徒は、小用でもしゃがんで大便器を使用することになるのに、大便所が扉も仕切りもない状態のため、前陰部が便所の通路から丸見えになって気の毒という理由で、採用されなかった。
半年後に教頭から手紙が着いた。2学期になってからのセクハラ事件は1回だけで、強姦はゼロと、効果絶大だったとのこと。ただし、万引で3人、バイク無免許事故で2人、喫煙で5人の生徒が完全去勢され、授業からの無断エスケープなどが5回に達したなどの生徒が4人が睾丸・陰嚢を切除された。
その結果、例の壁には今、26個の完全な性器と4個の睾丸が入った陰嚢が飾られているとあった。
続いて手紙には、ちょっと驚いた報告があった。
先のバイク無免許事故の2人はボート部の部員で、物損事故だったので本人たちに怪我はなかったが、彼らは当然、直ちに完全去勢された。
ボート部は全員で5人しかいなかったが、事件後に、残り3人との息が合わなくて、得意の「フォア」の成績が伸びなくなった。そこで、残り3人の生徒が、自主的に自分たちも完全去勢処置を受けたいと申し出たのだそうだ。
顧問の教師は悩んだが、犯罪の予防的処置という名目でで、この希望がかなえられることになり、残り3人も保健室で、養護担当の女性教諭の手で、アメリカン去勢デバイスが使用された。
こうして全員去勢者で参加したチームは、見事県大会優勝したそうだ。
なお、この3人の切断されてプラスチティーション化された性器は、他の生徒と違って壁で晒しものにされることなく、ボート部の部室に優勝トロフィと並んで飾られているとのことであった。
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投稿:2006.05.27更新:2021.10.20
アメリカン去勢デバイス◆PART2~盆地の町の高等学校◆改訂版
著者 名誉教授 様 / アクセス 19246 / ♥ 33