※勝手に作った続編です。
みずき先生が男の子の陰茎をとってしまった日から1週間後、その男の子が受診しに来た。
「あの、ここに有名な先生がいるって聞いてきたんですけど」
「はい、どのような症状でしょうか」
平静を保ちつつ対応するが、内心はドキドキだ。ひょっとするとみずき先生の処置だということがバレたのかも、とひやひやしてしまう。
「ちょっと看護師さんには言いにくいんですけど」
「そうですか。では直接先生にお話してください。後で呼びますから、まずは保険証をお預かります」
保険証を見ると、「玉野 忍」という名前らしい。窓口からさがって、先生を呼びに行く。
「先生、なんと、あの子が訪ねてきました」
「あの子って??」
「ほら、1週間前におちんちんとってしまった男の子」
「ああ、大学生ね」
「ひょっとすると、先生の処置であることに気がついたんじゃないでしょうか」
私が心配していることをみずき先生に言ってみると、先生はあっけなく否定する。
「あっこちゃん。大丈夫よ。もし、バレたのなら、親と一緒に来るとか、警察が来るとかするわよ。本人だけということは、恥ずかしすぎて、誰にも話してないはずよ」
「じゃあ、忍くんを呼びますね」
「あの子、『しのぶ』って言うの?男女どちらでもいけそうな名前ね」
先生が意味深なことを言います。
「先生!れっきとした男の子ですよ!!」
「そうかな。おちんちんないのに」
「……。とりあえず呼んできますね」
窓口に戻って男の子を呼ぶ。
「玉野さん。診察室にお入りください」
男の子を診察室に通すと、ちょっと顔が引きつった様子だ。まさか女医だとは思っていなかったのだろう。
みずき先生がそれを察知したようで、やさしく声をかける。
「玉野くんと言うのね。女の先生だからって恥ずかしがることないのよ」
「はい。でもちょっと……」
「あっこちゃん。席を外してちょうだい」
先生に言われて事務室に引き上げた。先生は診察を続ける。
「先生は若く見えるけど、十分に経験を積んでるから、どんな症状でも大丈夫よ。恥ずかしそうにしているけど、下半身の相談ですか」
「はい。実はそうなんです」
「なるほどね。看護師さんがいると言いにくいでしょうね」
「実は、1週間ほど前、突然おちんちんがなくなってしまったんです」
「え!おちんちんがなくなった?」
すでに分かっているはずなのに、本当にびっくりしたかのように返事するのは、さすがみずき先生である。
「大学のサークルで飲み会があったんですけど、そこで飲みすぎて意識がなくなったんです。目が覚めてみると、股間の感覚が少し変で、トイレに行ってみると、あるべきものがなかったんです」
「それは大変ね。おしっこはちゃんと出るの?」
「はい、タマの後ろから出てきました。これってどういうことなんでしょう?」
「実際に患部を見てみるわ。横になってみて」
ズボンとパンツを脱いでもらい、ベッドで横になってもらう。
すらっとした白い指で触診を行うみずき先生。
「うーん。きれいになくなっているわね。尿道も陰嚢の後ろについてるわね」
「先生。どうしてこうなってしまったんでしょう」
「かなり珍しい症状の可能性があるので、念のため MRI で見てみますね」
「あっこちゃん。MRI の準備をして」
先生がわたしを呼んだ。MRI なんかしても意味がないのに、先生は芝居が上手だ。
意地悪にも、いきなり診察室に入ると、忍くんが顔を赤らめるのが分かる。わたしに股間を見られたくなかったはずだった。
忍くんに指示を出す。
「そのままの格好でいいので、こちらの台に寝てください」
MRI の撮影を行なった。男の子の陰嚢が輪切り写真で見えていく。
撮影を終え、先生が説明を続ける。
「分かりました。これは、急性陰茎萎縮症といって、10万人に1人ぐらいで発生する症状です。実はもともと、膀胱から陰嚢の後ろへ隠れた尿道があって、それが機能を持ち始めると、陰茎に通じる尿道が退化して、陰茎自体もなくなってしまうんです」
先生がありもしない病名をでっちあげ、それっぽい説明を行っている。
「そ、そうなんですか……。先生、おちんちんの再建ってできますか」
「私のところに来たのはそれが目的だと思うけど、この症状の場合、再建しても再発するおそれが非常に高いんです」
「というのは……」
「再建にはリスクがあるということです。この症状の原因は、男性ホルモンに異常があって、それが陰茎を収縮させてしまうんです。人工的に作った陰茎ならば収縮はしないけど、尿道が腐ってしまうおそれがあって、その場合は死に至る危険があります」
「じゃあ、このままなんですか?」
「残念ながら、そうですね。実は、もっといいのは、精巣も除去してしまうことです。」
「え?」
「精巣から出ている男性ホルモンが原因なので、それを除去した方がいいのです。このままだと、今使えている尿道も詰まってしまうかもしれません」
「ぼ、ぼく女の子になってしまうということですか?」
「うーん。びっくりしてほしくないんだけど、この症状になる人は、もともと女の子になる体質だったってことなの」
先生が趣味に走りだした。
「単に精巣を除去してもいいけど、せっかくならば、きちんとした女性器を作ることもできます」
「そ、そこまでしてもらわなくていいですけど……」
「そうかな?君は若くて綺麗な顔をしているし、ちんちんのない男よりも、れっきとした女の子の方が人生楽しいわよ」
「急に言われても……」
「実はここだけの話なんだけど、あの看護師さんも、君と同じ症状だったのよ」
みずき先生が大ボラをつきはじめた。
「え?あの美人の看護師さんが?」
「そう。だから君も自信を持っていいわ。幸い、名前もそのまま女の子でいけそうですし。今は戸籍の性別変更も簡単にできるから」
「じゃあ、お願いします」
ついにその気にさせてしまった。
「あっこちゃん。オペの準備して」
先生に呼ばれて準備を行う。麻酔を行なってオペ開始である。
まずは剃毛である。1週間前に行なっているが、少し毛が生えていて、それを丁寧に剃り落す。つるつるで丸っこい睾丸だ。
「かわいい女の子にしてあげるからね〜」
鮮やかな手つきで陰嚢にメスを入れ、睾丸を取り出す。先週も見た白い物体だ。
投与した精力剤の影響か、少し大きくなっているように見える。
前回は見ただけだったが、今回はついに切り離してしまう。精索を切断し、先を結紮する。
「あっこちゃん。冷凍庫から『検体 P38』を取ってきて」
「それって何ですか?」
「出してみたら分かるから」
容器から中身を取り出してみると、赤くて細長い肉体だった。何か見たことのあるような……。
「それ、忍くん、いや、忍さんの陰茎なの。こういうこともあると思って残しておいたの」
「じゃあ、これを造膣に使うんですね」
「もちろん」
陰茎を包皮、亀頭、海綿体に分離する。股間に穴を開けて膣のスペースを作り、陰茎の包皮を入れていく。
亀頭を1/3程度に切り落し、神経と血管をマイクロサージャリーで股間に接合していく。
みずき先生の手さばきは神がかっている。あっというまにクリトリスが完成した。
あとは、陰嚢の皮膚を使って大陰唇・小陰唇を形成する。
通常の性転換手術では尿道移転が必要だが、それは1週間前に行なっているので不要なのだ。
「あっこちゃん。どう?これで完成よ」
「なんかぐちゃぐちゃに見えますが」
「術後はこんなもんよ。傷が引いたら綺麗になるから。あっこちゃんのよりもすごいかもよ」
「いやん。先生、わたしのを見たことないくせに」
突然、先生が涙を浮かべ始めた。
「先生、どうしたんですか?」
「いやね。まさか、陰茎を取るだけじゃなくて、睾丸も取れるなんて思いもよらなかったから、うれしくなってしまって」
「たぶん、先週の段階で取りたかったんでしょう」
「実はそうだったのよ」
今や女の子となった「忍さん」が麻酔の切れるのを待っている。
本人は、自分の意思で女性になったと思っているが、実は先生の誘導とも知らず……。
「このまま豊胸手術と二重まぶたもやってしまいましょう」
みずき先生のうれしそうな声がオペ室にこだました。
END
-
投稿:2008.10.21
みずき先生のいたずら2
著者 ルビィ 様 / アクセス 23563 / ♥ 6