「ウソッ、これがチンコ?……信じられない、指より小さいじゃない……」
ほぼ無理やりつき合わされている彼女、順子との初エッチは人生最悪の瞬間だった。
彼女は大財閥の一人娘で、顔立ちは良いものの我侭かつ色気も無く男勝り、性別だけが女という感じだ。
そんな彼女とは正反対に、高校生になった今も時々女の子と間違われるような女性的な僕。
傍目にはお似合いの逆転カップルだと揶揄されるが、正直に言うともっと色気のある女の子と付き合いたい。
いくら女性的とは言え、僕なりに性欲だってある、その全てを順子にぶつけて初エッチを頑張った。
入ってくるモノに何か違和感を感じた彼女が、エッチの最中にいきなり灯りをつけて発した言葉。
自分でもチンコが小さいとは思っていたが他人に、まして一応彼女である順子に言われたのはショックだった。
そのまま僕たちの初エッチは終わった、僕の指チンコでは役に立たず、彼女は実質的には処女のままだ。
翌日の朝、登校するなり怪訝そうな顔をした順子がパンフを見せてきた。
「ヒロシ! この手術受けなよ、費用は私が出してあげるからさ!」
目に飛び込んできたのは、大きく印刷された“男性器増大手術”の文字だ。
「そんな、どうして僕のチンコじゃダメなの?」
「はぁ? ダメに決まってんでしょ! エンピツみたいなのでどうやって私をオンナにできるのよ!」
「でも……」
僕はそれ以上、何も言い返せなかった。
「とにかく私のために手術受けなさい、わかった?」
「手術受けないならいっそ取っちゃって女にでもなれば? そのほうがせいせいするわ」
軽蔑するような眼差しでそう言い残し、順子は自分の教室に入っていった。
いくら小さくても、ちゃんと勃起して気持ちよくなる僕のチンコが愛おしい。
そこにメスを入れるなんて、考えるだけで屈辱だし怖い……。
放課後、僕は順子から逃げ出すように一人で下校した。
「(手術しなくて大きくする方法ないのかな? 女の子は牛乳で乳房が大きくなるし……松茸食べたらチンコ大きくならないかな?)」
僕はそんなくだらないことを考えながら、ボンヤリと人もまばらな商店街を歩いていた。
ドンッ!!
「キャッ」
ボンヤリしていた僕は、路地の曲がり角から出てきたエプロン姿の、綺麗なお姉さんとぶつかってしまった。
女優さんのような美しい顔立ちに、少しソバージュのかかった美しい髪……僕は一瞬ドキッ! としてしまった。
「ご、ごめんなさい」
「あらあら、私こそごめんなさいね……ってヤダ私! あれ? あれれ? 君、女の子?」
僕はおねえさんと重なるように倒れ込み、ちょうどお姉さんの右手の平が僕の股間をしっかり押さえていた。
「え? いえ……一応、男です」
「あら、ヤダ……ごめんなさいね」
お姉さんは赤面しながら気遣うようにして起き上がると、周囲に誰もいないのを確認して僕に語りかけた。
「君……もしかして、オチンチンが小さいの?」
「……はい」
「そう……じゃあ、お姉さんが君のオチンチンを大きくしてあげようか?」
「え? 病院の人?」
「ううん、そこのお花屋さんよ」
お姉さんはそう言うと、エプロンに書かれた店の名前“リプランター”を指差した。
「じゃあ、私のお店にいらっしゃい」
優しい笑顔でそう言いながら、しゃがみこんだままの僕に手を差し出してくれた。
僕は無言のままうなずき、お姉さんに連れられお店へと向かった。
お姉さんのお店は可愛い雰囲気ながら、どこか年月の流れを感じさせる西洋アンティーク調な造りだった。
見たことも無いような美しい花が咲き並んで恍惚的な香りを発している。
その香りの中に居るだけでどこか違う世界に来たような、とても心地よい不思議な感覚を覚えた。
「さあ、こちらへどうぞ」
奥の部屋に通されると、そこには温室のような棚が並んでおり、少し古臭い機械が静かなうなりを上げていた。
「蘭の紅茶をどうぞ、おいしいわよ」
差し出された紅茶を飲みながら落ち着いた僕は、ふと、何か違和感を感じた。
僕は気になった温室のような棚へと歩み寄り、その違和感の正体を知った。
「こ、これって全部チンコ!?」
鉢に植えられた観葉植物か何かだと思っていたモノは、紛れも無く人間のチンコだった。
どれもみな松茸ぐらいはある立派なチンコで、数にして二十本ぐらいはありそうだ。
「フフフ、そうよ……このお部屋にあるのは全部オチンチンなの」
後すざりして青ざめる僕を、お姉さんが後ろから優しく抱擁して語り続けた。
「そんなに怖がらないで、これは全部お客さんに依頼された私のお仕事なのよ」
「お仕事?」
「そうよ、君のように立派なオチンチンが欲しい男性のためなの、これでも業界では有名なのよ〜」
「ちなみにオチンチンがいらない人のをちょん切って着け替えるのが、一番ポピュラーなのよ」
とても無邪気な笑顔でそう語るお姉さんの姿を見ていると、僕はこれが現実なのか夢なのかわからなくなってきた。
「でもそんな、そんなのってありえない」
「あら、私が魔女でもありえないかしら? その証拠にここのオチンチン、みんな生きてるでしょう?」
確かに植えられたチンコは微妙に動いている、中には勃起しているチンコもある。
「でも、いきなり魔女とか言われても信じられないよ」
「もう、君ってカワイイ顔なのに疑り深いのね、私の魔法はお花を扱うのが主体なの、植樹とか接木と同じ」
「植樹とか接木……」
「そう、君の場合はどっちがいいかしらね……じゃあ見せてもらおうかしら、君のオチンチンを……フフッ」
お姉さんはそう言いながら、小さく指を振った。
すると、途端に小さなスコップ、ハサミが並んだ机とベッドが、まるでポルターガイストのように飛んで現れた。
「あ、あ……体が言うことをきかない」
僕の体は意思とは別に勝手に動き出し、そのベッドに横たわった。
そしてお姉さんはニコニコしながら僕のズボンを脱がし、そしてチンコを観察した。
「キャー可愛いオチンチン! 長年このお仕事やってるけど、初めて見たわこんな可愛いの」
順子に続いて綺麗なお姉さんにまでバカにされる僕のチンコ……本当に情けなく感じた。
「でも根元がこれじゃあ簡単な接木は無理ね、細すぎるわ」
そう言うとお姉さんは手にしていた切れ味の良さそうなハサミを置き、小さなスコップに持ち替えた。
「少し大変だけど、鉢に植え替えて成長させるしかないわね、しばらく預かるけど大丈夫よ、絶対立派なオチンチンにしてあげるからね!」
僕の意思は完全に無視して、お姉さんは俄然やる気を出している。
「さぁ、リラックスしてね……大丈夫よ、怖くないから」
体をピクリとも動かせない状況の中、僕は逆らうのをあきらめた。
病院でメスで切り刻まれるよりはマシだと考えたが、やはり怖いものは怖い。
お姉さんはクスッと微笑みながら、僕のチンコを優しく口に含むと指で軽くしごき始めた、先日の初エッチよりも気持ちいい行為に思わず吐息が出る。
「フフッ、感じてる? 固くなっても可愛いオチンチンって初めてだわ……長さはまぁまぁあるのにね」
体が動かせない分、チンコの感覚が鋭くなって呼吸が上がる。
「あ、あふっんふっ……うううっ」
「クスクスッ、感じ方が可愛いわね……オチンチンを取ったらしばらく出来なくなるから、射精してもいいわよ? さぁ出して」
僕はそのままお姉さんの口の中にいっぱい出してしまった、何か罪悪感を感じながら涙目になる。
「あらら、少ししか出ないのね……タマタマも成長すれば量もちゃんと増えるから大丈夫よ」
僕の思っていたいっぱいの量は少なかったらしい、少しショックだった。
少しずつ萎えていく僕のチンコを、お姉さんはそうはさせまいとして、再び口に含みながら指でしごく。
「そう、いい子ね……今までで一番大きくしてみて」
僕は言われるまま下半身に力を込め、チンコを硬く大きくするように頑張った。
「これぐらいかしら、じゃあオチンチンを取るわよ」
お姉さんは小さく呪文を唱えながら、小さなスコップを僕のチンコの付け根にズブリと付き立てた。
痛みは全く感じないものの、ビジュアル的なショックで僕は気を失いかけた。
スコップが僕の下腹部にグリグリと押し入ってくる、体内のチンコの海綿体にそって掘り返しているようだ。
そしてズルリ! とチンコが抜け落ちる感覚を感じると、全身に鳥肌が立ち心の中で叫び声をあげた。
「ほら見て! これが君のオチンチンとタマタマ一式よ、よく頑張ったわね……休んでいていいわよ」
そう言いながらお姉さんは僕に軽くキスをしてくれた、不安と恐怖、安堵感が入り混じった感覚で頭がおかしくなりそうだった。
チンコとタマに根っこが生えたような物体を、お姉さんが嬉しそうに鉢植えに植える姿を見ながら、僕は眠りに落ちた。
(チクッ、チクッ)
股間に感じる、針を刺すような痛みが僕を眠りから覚ませた。
「あら、目が覚めちゃった? 気分はどう?」
お姉さんはベッドの上で眠ったままの僕の股間を縫い付けていた。ごく普通のお裁縫セットで。
「オチンチンが生えてた部分に穴が開いちゃったから、とりあえず縫い付けておいたわ……上手でしょ?」
パッチワークされた布は溶け込むように僕の皮膚になった、まるでマネキン人形のような股間に、軽くめまいを感じた。
例え細く小さいチンコであっても、それは僕の男を象徴していた……その喪失感は大きい。
「あ、おしっこはここから出るからね、一応男の子だから嫌かもしれないけれど、おトイレはきちんと座ってしてね」
お姉さんが指差すペタンコになった股間の下のほう、お尻に近い部分に小さな穴が開いていた。
ショックでうつろな僕を横目に、お姉さんは楽しそうに僕の股間の説明をしている。
ふと視線を振ると温室の中に僕のチンコとタマを見つけた、細長くカチカチに勃起したまま鎮座している。
まるで白いアスパラガスが一本だけ生えているようだ……こうして見ると確かに小さいチンコだと感じた。
「どれぐらい……どれぐらいでチンコを返してくれるんですか?」
「そうね……おおよそ1ヶ月ってとこかしら、15センチぐらいにはなるわよ」
「そんな! 1ヶ月もチンコ無しなんて!」
僕は再びショックで眠りに落ちそうになった。
「大丈夫よ、タマタマも無いからオナニーしなくてもいいでしょ? あ、おしっこだけは仕方ないわね、フフッ」
「さ、もう帰らないと家の人が心配するわよ? ほら、元気出して!」
お姉さんは優しく僕を抱き起こし、服を整えてくれる。
「立派になったオチンチンを植え替えたら、まずお姉さんがセックスをしてあげようかな〜? どうしようかな〜?」
お姉さんは耳元でそうささやきながら、僕の背中にふくよかな胸を押し付け、チンコが無くなった平らな股間を指先で弄るように撫でる。
僕はお姉さんとのセックスを想像してしまい、股間の奥が熱くウズウズする変な気分になってしまった。
そこを撫でられるとかすかに気持ちいい、でもどうしようもない。
熱くなるのに固くなるモノが無い、発散する部分も無いのが辛く思わずうずくまってしまった。
「あらあら、ごめんなさいね……まだタマタマ取ったばかりだから体が男の子してるのよね、オチンチンを植え替えてからのお楽しみ、ね!」
お姉さんはそう言いながら、最後に軽くほっぺにキスをしてくれた。
僕は、温室のチンコに心の中でバイバイと言いながらお店を後にした。
曲がり角を曲がるまで手を振って見送ってくれたお姉さんに、淡い恋心を抱きながら……。
(後編へつづく)
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投稿:2011.08.31更新:2021.02.10
おおきくなあれ(前編)
著者 いち 様 / アクセス 20751 / ♥ 1