卒業式。
桜の花が満開になるこの季節になると多くの人が卒業式という人生の大きな節目を迎える。
こちらの世界とチョット変わったこの世界では、卒業式と同時に切除式という男子生徒の人生を揺るがす大きな節目がある。
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いよいよ明日は卒業式…そして切除式だ。
幼馴染の由美と一緒に下校するのも今日が最後になる。
「とうとう卒業だね。」
「ああ、あっと言う間だったよな高校生活って。」
「あのね信次君…お願いがあるの。」
由美のお願いは何となく想像がついていたが僕はあえて聞いてみた。
「何?」
「あのね、信次君のオチンチン……私が切ってもいいかな? 」
「えっ?…本気なのか由美?」
「もちろん本気だよ! 私ずっと信次君のこと好きだったから…言っちゃった! あ、もしかして先客がいる? 」
「そんなのいるわけないだろ。」
「だよね〜、いつも私と一緒にいたもんね!クスッ。」
「僕も由美の事…。」
「シッ!まだ言っちゃダメでしょ、オチンチンを切ったら…聞かせて。」
由美は嬉しそうにはしゃいでいるが僕、いや男にとってはとても大切な儀式だ。
明日の卒業式の後で行われる切除式で僕達男子は大人になるためにオチンチンとタマを切除される。
切除されたオチンチンとタマは国の性器管理局に預けられて生かしたまま保管される。
そして正式に婚約者が出来ればそれを一旦返してもらい結婚して家族を作ることができる。
子供は3人までと決められて基本として10年で繁殖期間を終える。
その後オチンチンは勃起した状態で最愛の妻の手で二回目の切断を行われ、それは性器管理局によってディルドとして生まれ変わる。
ディルドは妻が管理してそれを使ってセックスする事を許される。
立派なディルドと妻子を持つことこそが最高の男の生き様だ。
最高の男になる為にまずオチンチンを切らないといけない、もちろん言い知れない恐怖はあるがこれが男の人生のスタートラインなのだ。
僕はオチンチンを切ってはじめて由美と正式に男女交際ができる資格を得られることになる。
「あのさ…今日は一人エッチするの? 」
「えっ?そりゃまぁ結婚するまでコイツともお別れだし…するよ。」
「じゃあさ、私が見ててあげる。最後の射精、勃起したのも見てみたいし…キャッ(照)。」
「さっ、最後じゃねーよ失礼な! 」
「ゴメンゴメン! 」
僕と由美は近所の「自慰センター」に到着した。
そして二人で自慰管理官のお姉さんにあいさつをした。
女性は誰でも見学できる決まりになっているので由美が一緒に入るのは問題ない。
「こんにちは影村君。こちらは?」
「私、影村信次君の幼馴染の日向由美といいます。今日は女性として見学にきました。」
「そうなの、もしかして明日の切除式はあなたが切ってあげるのかしら?」
「は、はい…私が切ります。」
由美は赤面しながらそう答えた。
切除式でオチンチンを切る仕事は女子なら誰でも参加できる決まりになっている。
好きな男子のオチンチンを切る仕事は女子の間では憧れの的になっている。
「よかったわね、同級生に切ってくれる女の子がいるなんて君は幸せね。」
「は、はい。」
お姉さんにそう言われて僕まで赤面してしまった。
「じゃあ、二人ともこちらにいらっしゃい。」
僕はいつもオナニーをする大部屋とは違う方向へと案内された。
大部屋では衝立で仕切られた椅子に座り大きなガラス越しに監視する管理官のお姉さんに見せながらオナニーをしていた。
案内された先には完全に個室になった部屋がありふかふかの高級ソファが設置してあった。
「ここは?」
「ここは特別室よ、普段はVIPの人が使う部屋なの。」
「そ、そんな部屋を僕なんかが使っていいの?」
「別に誰が使っちゃダメっていう決まりはないの、私が決めることなのよ。」
「ありがとうございます。」
最後のオナニーの為にサービスしてくれたお姉さんに心から感謝をした。
「君の為だけにってわけじゃないのよ。そうね、そこのカワイイ婚約者さんの為かしらね。」
「え!?わ…私???婚約者!?(カーッ)」
お姉さんにそう言われて由美も僕も顔が真っ赤になってしまった。
「フフッ、二人ともカワイイわね…では日向さん、あなたに特別自慰管理官の仕事を命じます。」
「はっ、ハイ!ありがとうございますっ!」
自慰管理官や性器管理局の職員は女子の憧れの職業NO.1。由美は舞い上がるように喜んだ。
僕は服を脱ぐと心地よいソファに座り由美は横に並んで立っている。
由美は横目で僕の全身を舐めるように見つめ、オチンチンを見て「クスッ」と笑うと表情を真面目に戻し正面を向いた。
「日向管理官、今から影村信次君の自慰を監視しなさい。」
「ハイ。」
お姉さんはそう言うと端末から僕の勃起神経を遮断しているチップに解除コードを送信した。
同時に僕のオチンチンはフルサイズに勃起して性感がフィードバックされ僕は一瞬恥ずかしい声を出す。
「アァッ!」
「キャッ! これが勃起?…すごいっ!!」
「日向さんは勃起したペニスを見るのは初めてかしら? 」
「ハイッ、初めてです。小っちゃいのは見てたけど。」
「ゆっ!由美っ!」
オチンチンを切るまでは男女での肉体関係は禁止されているので僕は由美の発言に焦った。
勃起遮断チップをハッキングしてセックスをした不良グループの公開処刑番組を思い出したからだ。
肉体派の女性管理官によってオチンチンとタマは素手で引きちぎられ、男の一番大切な器官はグチャグチャに踏み潰され肉塊と化した。
彼らは家族を持つという「男らしさ」の資格を永久に断たれた。
「勃起してないペニスを見るの女性の権利だから、心配しないでも処刑したりしないわよ。」
そうだ、勃起してなければそれを見るのは女の子の自由だったことを忘れていた。
幼いころから最近まで由美にせがまれて時々オチンチンを見せていたことに僕は変な罪悪感を感じていたからだ。
「では日向さん、きちんと勃起しているか手で確認しなさい。」
「えっ!?信次君のオチンチンを触ってもいいんですか?」
「ペニスの状態確認は自慰管理官の特権で許されています、きちんと陰茎海綿体が充血しているかを確認しなさい。」
「ハイ。」
由美の顔は今にも湯気が出るほど火照っているのがわかった。
僕の目をみながら、そらしながらゆっくりとオチンチンに右手を伸ばしてくる。
「信次君…。」
「由美…。」
由美の指がそっとオチンチンに触れ、ゆっくりと力を込めるのがわかった。
初めて他人に、しかも恋愛感情を感じる由美に勃起したオチンチンを握られている。
「見てっ!信次君のおちんちんすごい…固くて、熱くて、トクン、トクンって動いてるよ。」
今にも射精してしまいそうだがお姉さんがまだ射精を解除していない。
僕は狂おしく体をくねらせて射精したいことをアピールするが許してもらえない。
「これが男性のペニスの本当の姿、子孫を残す為の大切な機能なのよ。」
「ハイ、信次君の固いオチンチン…すごくカッコよくて…なんか変な…Hな気分になります。」
「それは日向さんがもう大人の女性だからよ。だからこそペニスは私たち女性がキチンと管理しないといけないの。」
「ハイ…なんとなくわかりました。」
「賢い子ね、ペニスを自由にすると一時の感情で女性が不幸になるの。」
お姉さんはそう言いながら射精を解除した。
オチンチンの付け根の奥深くから快感が一気にゴボゴボと湧き上がってくる。
「あああっ!出るっ!ゴメン由美っ…。」
(ビクンッビクンッビクンッ…)
「キャッ!!」
3日振りに射精した僕は大量の精液を発射して由美の右手にそれが飛び散った。
あまりのショッキングなビジュアルに由美は放心している。
あまりの恥ずかしさと罪悪感で僕は泣きそうになった。
「ゴメン!由美!ゴメン…」
「日向さん? 大丈夫? いきなり射精を見るのはショックだったかしら?」
お姉さんが優しく由美を抱擁してその右手をウェットティッシュで拭き取る。
「ハイ…私は大丈夫です。」
「そう、強い子ね。これは影村君がキチンと子孫を残せる男性だという証拠なのよ。」
「ハイ。信次君が結婚できる肉体だということですよね。」
由美は放心状態から戻り僕を見つめるとニコリと笑って見せた。
「では今日は出なくなるまで射精を許可します。じゃあ日向さんお願いね、くれぐれもセックスはダメよ?」
「大丈夫です、絶対しません。」
「日向さん、ちょっとこちらへ。」
お姉さんは部屋を出ると由美を呼び何かヒソヒソと話をしている。
「影村君ってイイ子ね。」
「ハイ…。」
「絶対逃しちゃだめよ、肉体はもちろんペニスや精巣もAランクなんだから。」
「そうなんですか?」
「もし私が独身だったら明日の切除式で切除してあげて告白したいぐらいよ、妬いちゃうわ。」
「そんな…。」
「今日しっかり彼のハートをつかみなさい、将来あなたと子供を作りたいって思わせるの。」
「ハイ。」
「あのペニスでセックスしたらきっと気持ち良いわよ…私、子作り中だから良くわかるの。」
「そうなんですか?…イヤァン。」
「後で私の部屋にいらっしゃい、正しいペニスの切り方を教えてあげるわ。将来のあなた達の為に勃起させたペニスの切り方もね…私もまだ未経験だけどね、フフッ。」
「ハイ、ありがとうございます。」
再び部屋に戻ってきた由美は僕の横に座るとほっぺたにキスをして優しく語りかけてきた。
「信次君の精液、私が全部出してあげる。」
由美はそういいながら僕のオチンチンに手を伸ばした。
由美の柔らかく細い指の感触に僕はまた勃起してしまった。
「そ、それってオナニーじゃないからまずいだろっ!アァッ…。」
「これは自慰管理官の特権です!逆らうことは許しません!…クスクスッ。」
由美は初めてみた射精と特別自慰管理官に命じられたことですっかり舞い上がってしまったようだ。
僕は自慰センターが閉まるまで延々と射精させて…否、させられてしまった。
タマに軽い痛みが走るほど射精したところで管理官のお姉さんが由美を呼びに来てくれたので助かった。
自慰センターからの帰り道、足元はフラフラだった。
家に着くと僕はそのまま部屋に上がり深い眠りについた。
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「信次。朝よ、起きなさい。」
「ん?…あぁ…おはよう…うーん…。」
「今日は卒業式と切除式よ、シャキッとしなさい。」
「うーん…わかってるよ。」
珍しく起こしに来てくれた母にそう答えながら大きく背伸びをした。
トイレに行くと切除式を意識していつも座ってしていたオシッコを立ってしてみた。
「(もっと立ってすればよかったな…。)」
いざこの日を迎えると少し寂しい気持ちになる。
「信次、今日は頑張ってね。私も見守ってあげるからね。」
朝食の後片付けをしながら母が僕を励ましてくれる。
「うん、わかってるよ。」
「切ってくれる人は決まっているの? 」
「え?…うん、まぁ…わかるだろ? 」
「由美さん? 」
「…うん。」
「そう…信次ももう大人なのね、ちょっと寂しいわ。」
母は少し寂しそうな表情を浮かべながら僕を見送った。
「信次君、おはよ。 」
「おはよう、由美。」
いつもの場所で由美と落ち合い一緒に登校する。
昨日の事もあり少し照れくさく感じる。必要以上に由美を意識してしまう。
「信次君…タマタマまだ痛い? 」
「え?ああ…まだちょっとね。」
「ごめんね、出し過ぎるとタマタマが痛くなるなんて知らなかったから…ほんとごめん。」
由美は心配そうな表情で僕を見つめていた。
「タマタマが痛いと切除式に影響ないのかな? 」
「大丈夫だって、切除したらこんな痛みぐらい飛んじゃうよ。」
「そっか…おちんちんを切るとすっごく痛いんだよね。チョットかわいそう…私どうしよう。」
「仕方ないよそういう儀式だからさ、僕は大丈夫だよ。」
「うん、なるべく痛くないように切れるよう頑張るね。」
卒業式は順調に終わり感極まった女子達が涙を流しながら友達と抱き合っている。
その一方、僕達男子はみな神妙な面持ちで切除式の行われる校庭へと集合している。
校庭の隅の男子トイレは立ちションをするために並んだ男子で行列になっている。
記念の立ちションを何人かの女子のグループが横で見学しながら応援している。
しばらく校庭で物思いにふけっていると由美が駆け寄ってきた。
「信次君は立ちオシッコしないの? 」
「さっき中でしてきたから大丈夫だよ。」
「そっか…私も見たかったな〜、最後の立ちオシッコ。」
「だから最後じゃないってば。それに、何度も見たことあるじゃん。」
「そうだね、クスクスッ! 」
「間もなく切除式を始めますので卒業生男子と関係者の方はこちらに集まってください。」
もうすぐ切除式が始まる、性器管理局の職員がスピーカーで呼びかけを始めた。
「じゃあ後でね! 」
「うん、後で。」
由美は僕のオチンチンの切除申請をする為に関係者が集まるテントへと向かった。
儀式の性格上、来賓として参加できるのは家族を含めて女性だけになっている。
僕たち男子は大きなテントに集められ改めて切除式の説明を受ける。
説明をしているのはあの自慰管理局のお姉さんだった。
「こんにちは。私は自慰管理官の藤野順子です…改めてご挨拶しなくてもみんな知ってるわね。」
同じ自慰センターに行っている男子達から軽く笑い声が出て緊張が少し解れた。
「今日は君達がこれから立派な男性になれるようにお手伝いさせていただきます。」
「もう説明を聞いているでしょうけれど、来賓の皆様の前で記念の自慰を行ってもらいます。」
「少し恥ずかしいかもしれないけれど、男らしく堂々と自慰をするのがこの式典の趣旨です。みんな頑張ってね! 」
「ハイッ! 」
いつも自慰を見守ってくれていた憧れのお姉さんのエールでみんなが元気付いた。
僕たちは上から下まで服を脱ぎ全裸になって檀上に整列する。
およそ300人の男子が全裸になって檀上の四方に整列する姿は圧巻のようで来賓から拍手が湧き上がる。
ちょうど目前で家族や親戚、同級生の晴れ舞台を見に来た女子生徒達が僕達を見守る。
初めて男子の裸を見る女子達が軽く黄色い声を上げているのが聞こえる。
「信次君がんばって〜! 」
由美が僕を応援しながら手を振っている、その横には照れくさそうな顔をした母が立っている。
朝は少し心配したけれど、母と由美も昔から仲なので僕のオチンチンを切ることを許したのだろう。
「ただ今から、第50回全国一斉男性器切除式を行います。」
全裸で起立する僕達の前で校長先生や市長、卒業生代表のあいさつや談話が行われる。
「卒業生男子による記念の自慰。」
性器管理局の職員による合図が始まると、自慰管理官のお姉さんが強制勃起コードを入力した。
すると同時に総勢300本のオチンチンが固く起立して空を向いた。
そして男子全員がフィードバックされた性感に吐息を合唱した。
同時にあちこちでカメラのフラッシュが瞬く。
「ヤダァ…。」
「キャーッ! ケンジ君のおちんちん凄い! 」
「武史、こんなに立派になっていたのね…。」
「お兄ちゃん! おちんちんガンバレ〜! 」
会場のいたる所から家族や女子生徒達の様々な声や拍手、声援が湧いている。
僕のオチンチンから目をそらしながら赤面している母の横で由美は照れながらもニヤニヤと笑みを浮かべていた。
「信次君っ! 」
由美は僕に声をかけるとそっと右手でオチンチンを握る仕草をした。
「(由美…。)」
僕は昨日のオナ…いや由美に出してもらった事を思い出して強制勃起以上に固く勃起した。
「それでは記念の自慰を始めて下さい。」
自慰管理官のお姉さんの合図で僕達は一斉にオナニーを始めた。
視線を前に戻すと、火照った表情で由美も同じリズムで右手を動かしている。
「(もう、結婚するまで出来ないんだよな…硬くなったコレを擦るの。)」
さっきまでは何も感じなかった恐怖と寂しい気持ちが急に僕を襲う。
12歳で初めて自慰センターに行った時のこと。
オナニーを教えてくれた自慰センターのお姉さんに少し淡い想いを馳せたこと。
そして昨日、由美の柔らかい指で擦られたこと…。
オチンチンの思い出が頭の中でグルグルと巡る。
「(もっと由美に擦ってもらいたい、由美と気持ちよくなりたい…。)」
その叶わない想いが僕の目頭から涙を流させる、その気持ちをごまかすように僕はひたすら擦り続けた。
ひと擦りごとに自分のオチンチンの長さ、固さ、感触を確かめながら擦ったのはこれが初めてだ。
擦り始めてから5分が過ぎいよいよ発射の時間になった。
強制射精コードが入力され僕達は吐息の合唱と共に空高く射精した。
発射から少し間を開けて拍手と励ましの声が鳴り響く。
母も由美も僕を見つめながら拍手してくれている。
「母さん…由美…ありがとう。」
僕は思わずそうつぶやいた。
「続きまして…卒業生男子、男性器切除。」
淡々とした司会進行とは反対に男子の何人かは今の射精で感極まって号泣している。
「やっぱりまだ切りたくないよー!」と子供のように泣きじゃくる者もいた。
切除は10人一組で30回に分けて行われる。僕は30列目、最後のグループだった。
このグループは「男組」と呼ばれ同期生は固い友情で結ばれるらしい。
控えの場所で順番に整列していると性器管理局の職員が慌ただしく切除用の刃物と保存ケースを用意し始めた。
刃物の登場で僕達にまた緊張が走る、グスグスと女々しく涙を流す者もいる。
切除用の刃物は3種類。包丁型、ハサミ型、ギロチン型が用意される。
刃先はナノ単位で特殊加工がしてあり、まるで豆腐を切るように簡単にオチンチンを切り落とせるらしい。
「では今から止血用のナノマシンをペニスに注射しますね。」
性器管理局の看護職員が手分けをして僕達のオチンチンに注射をし始めた。
「大丈夫よ、頑張ってね。」
ナース姿の職員が怖がる男子を励ましながらオチンチンを優しく握り注射をしている。
「影村君、記念の自慰立派だったわよ。」
「え? 藤野管理官???…どうして? 」
僕に注射をするために現れたのはナース姿の自慰管理官のお姉さんだった。
「どうしても切除式は人手不足なの、私は元々性器管理局の出身なのよ。」
「そうなんですか、びっくりしました。」
「ウフフッ、この服似合うかしら? 」
「ハイ、とても素敵です。」
憧れていたお姉さんのナース服姿に少しドキドキしてしまった。
「ウフッ、ありがとう。」
そう言いながらお姉さんは僕のオチンチンをそっと左手に乗せて消毒すると優しく注射をしてくれた。
そして注射した部分をその指先で揉み解す。もし勃起神経を遮断してなければ一瞬で勃起していただろう。
「初めてセンターに来た頃に比べて成長したわね。亀頭もしっかりしてるし…素敵なペニスね。」
お姉さんは僕のオチンチンを指先で弄ぶように揉み続けながらそう言ってくれた。
「え?…あ、ありがとうございます。」
「日向さんにキチンと切除テクニックを教えてあげたから、安心して彼女に任せなさい。」
「え?そうなんですか? 」
「それとも…。」
「それとも? 」
「私が影村君のペニスを切除してあげようかしら? 」
「えっ!? 」
「やっぱり、年上の人妻じゃ嫌かしら? 」
「そっ!そんなことないです!ずっと憧れていました。」
お姉さんの意外な発言に僕は驚いて思わずそう答えてしまった。
「ウフフッ、半分冗談よ。じゃあ頑張ってね。」
「え?…は、ハイッ! 」
お姉さんはそう言い残すと他の男子の注射へと向かった。
僕はお姉さんの「半分冗談よ」という言葉に言いようのない心の痛みを感じた。
そうこうしているうちに1グループ目の切除が始まった。
1グループにはアイドルを目指しているイケメンのケンジがいる。彼のオチンチン切除権を巡って女子の間でジャンケン大会が行われていたらしい。
「あれ?木村先生? 」
彼の切除権をゲットしたのは生徒ではなく女性教師の木村先生だった。
日頃のおとなしい姿からは想像も出来ない積極的な行動。先生が男性アイドルマニアだという噂は本当だったのだろう。
ジャンケンに敗れた女子達からのブーイングを受けながらもみんなの憧れのオチンチンを切除した先生は幸せそうな表情だった。
片や切除された男子達は苦痛に顔を歪ませている。
男のプライドにかけて激痛を我慢するのがこの儀式の習わしだから仕方ない。
とは言え僕も正直怖くなった。保存ケースに入れられた自分のオチンチンを抱えて号泣している者もいる。
ここまで来たら由美の切除テクニックにかけるしかない。
「もうっ!みんな仕方ないわね。先生も大変なのよ。」
そう呟きながらみんなの憧れの美人教師の田中先生がハサミを片手に5人目の切除をしている。
先生は毎年一番人気で卒業する男子から切除をお願いされているそうだ。
「武史はお母さんのものよ…。」
「綾香が大好きなお兄ちゃんのおちんちんをチョキンッ! 」
「私、日野クンのこと大好きです。 」
女性教師、母親、姉妹、そして憧れていた女子…切ってくれる相手がいる男子が結構多い。
誰も切ってくれる相手がいない者は性器管理局の職員が3種類の刃物を駆使して淡々と切除している。
その中には自慰管理官のお姉さんの姿もあった…。
2グループ、3グループとどんどん順番が迫ってくる。気が付くと僕はその存在を確かめるようにオチンチンを弄っていた。
僕は切除式の事を少し楽観的に考えていたことを後悔しながら必死に心の準備を急がせた。
会場に保管ケースを抱える男子の姿が増えて来たころ、ついに僕がいる10グループの順番が来た。
意を決して檀上に整列するとそこには保管ケースが並べられていた。
目前に立つ由美の手には包丁型の刃物が握られている…僕と由美は互いに見つめ合った。
「信次君。」
「由美…。」
僕は今から由美の手で大人の男になる儀式を受けるのだ。
(つづく)
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投稿:2012.02.26更新:2012.03.05
卒業式と切除式 (前編)
著者 いち 様 / アクセス 23142 / ♥ 6