続 男捨てる SNS洗脳去勢
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< 目覚め >
睾丸のない男の娘──SNSで知り合ったその人物は、驚くほど明るく、前向きに生きていた。
彼は包み隠さず、去勢後の性生活、そしてオーガズムの変化について語った。
「もう戻れないけど、後悔はないよ。だって、こっちの方が楽しいから。」
仁は、ますます彼の真似をした。
美しく見られる化粧をし、可愛い女装して、SEXもしていった。
予想外に、その世界は暖かく、甘く、心地よかった。
仲間と笑い合い、抱き合い、抱かれ合ううちに、胸の奥にずっとあった虚しさが薄れていった。
──ああ、これが俺の道かもしれない。
そう思ったとき、仁の中で何かが完全に切り替わった。
ある晩、仁はスマホを握りしめ、指先で次々と「いいね」を押した。
「女装男子なな」 「美男子ゆうた」 「男の娘しおん」
綺麗な顔立ちの男の写真に、必ず「綺麗」「可愛すぎる」と返信する。
さらにDMを送る。
「君、女装したら絶対似合うよ。試してみない?」
彼らの戸惑いはすぐに薄れ、興味へと変わる。
仁は複数のアカウントを作り、違う名前、違う顔で同じ相手を褒める。
褒められた彼らは、やがて女装姿を投稿した。
仁はすかさず「いいね」と「綺麗メチャメチャ~かわい~い」「えろいデートしよ」を送り、褒め言葉で包み込んだ。
数週間後──
女装会に招いた「男の娘友」と直接会い、笑い、飲み、時には体を重ねた。
仲間が増えるたび、仁の胸は喜びで満たされたいく。
仁は次第に、「楽しむ」だけでは満足できなくなっていた。
綺麗化粧の仕方、女性の歩き方、仕草、そして時間かけて女性ホルモンの種類や入手方法、豊胸手術の選び方──すべてを仲間に教え込む。
相手が乗り気になった瞬間を逃さず、一緒に写真を撮ってSNSに載せた。
その笑顔は、もう後戻りできない証拠だった。
仁は、豊胸や去勢情報のある病院名もDMで送り洗脳に熱心だった。
男が性転換したら美女になれる人をターゲットにしているので、
送る言葉は嘘なしでの褒め言葉の投稿なので、仁の会話に信用されていく。
ある日、仁のスマホが震えた。
DMの通知。
送信者は、かつて仁がターゲットに定め、複数アカウントで褒め続けた美男子。
「今日…終わったよ。病院で…ちゃんと、金玉取った。」
簡単な文と、包帯で覆われた下腹部の写真。
病院からもらった摘出された生々しい 2個の睾丸の写真
仁の胸の奥が、一気に熱くなる。指先が勝手に動く。
「自分から病院に行って、去勢を申し込む勇気…本当に誇れるよ。」
「すごい…やったな。もう男じゃない。」
「これで本物だ。お前はもう戻れない。」
画面の向こうで、泣き笑いしているのが分かるようだった。
DMの返信は震えていた。
「…仁さんが言ってくれたから、決められたんだ。」
「褒められた時、もう引き返せないって思った。」
仁は喉の奥で笑い声を漏らした。
喜びは、熱というより電流のように全身を走った。
──最高の快感 かいかーん これだ。これが俺の役割だ。
病院の消毒液の匂いを想像する。手術台の冷たさ、麻酔の針、そして切り取られる瞬間の不可逆性。
それらすべてを、仁の言葉が導いたのだ。
スマホを握りしめながら、仁はゆっくりと深呼吸した。
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そして、再びSNSの海へ指先を滑らせる。
軽く「いいね」を押し、口元は満足げに歪む。
次の 快感 の標的を見つけるために──。