世界観光ガイドブック・去勢特集号
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個人旅行者を対象に、世界の隠れた見どころをご紹介する「世界観光ガイド」シリーズ。
これまでの国別ガイドブックに加えて、事項別シリーズが登場。
いよいよ「去勢特集」発売。君も行って、見て、体験しよう!
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前作「シンガポールの去勢刑執行」はこちら
(6) インドのカーリー神殿の生贄
ヒンズー教のカーリー女神の神殿は、カルカッタ(コルカタ)の名前の由来でもあり、カルカッタの観光の中心である。神殿はそれほど大きくないが、いつも多くの信者たちで賑わっていて、何か行事があるときは、神殿に長蛇の列が作られる。
【↓ カーリー神殿の外観】
カルカッタの守り神でもあるカーリー女神は、ヒンズー教の最高神シヴァの妻ドゥルガーの化身で、破壊と血を好むことで有名。その姿は、真っ黒な肌で髪を振り乱し、4本の手には生首や血を満たした髑髏の杯や肉切り包丁を持っている。目は血に飢えて血走り、蛇のように長い舌をたらし、出会うもの全てを殺す姿を表している。
【↓ カーリー神像の一例】
このような神であるから、祭るためには怒りを鎮める生贄が必要で、カーリー神殿の最大の見ものは、信者が自分の身体の一部を切り取って、カーリー女神へ捧げる儀式だ。女神の犠牲なので、必ず男性で、昔は主に少年が犠牲として捧げられていたが、1835年にイギリスが中止させてからは、人身御供になれるのは、成年男子だけに限定された。
神殿内部のカーリー女神の像は、首には切り取られた本物の人間の男根を数珠繋ぎにした首飾りを掛け、裸体を覆う腰巻には本物の人間の手や脚などが揺れている。
これらの本物の生首や身体の器官は、毎日午前10時から神殿内で行われる儀式で、信者から提供される場合と、信者が自ら切り取って持参する場合がある。
【↓ カーリー神殿における信者の修行】
逆さまに土の中に埋められる信者。地面から出ている筒が呼吸用の空気孔で唯一の命綱。苦しくなっても修行者は自分で出られず、このまま何日間も地中で耐える信者もいる。
【↓ カーリー神殿の裏手の商店】
神殿の周囲には、多数の乞食がいる。多くの乞食は手か足がなく、中には両手両脚がない乞食もいる。全員ほぼ例外なく男根も無い。乞食たちは全裸でムシロに寝たり、地面を這いずり回りながら移動して、ひたすら施しを待っている。彼らのほとんどは、カーリー神に自分の身体の一部を捧げた信者で、切断の割合が大きいほど、施しも多いという。
もっともしつこく施しを乞う彼らを見ると、信仰のために切断したのか、収入を得るために切断したのかは、微妙なところだ。
【↓ 全裸の去勢した乞食】
信者は、身体の切断と奉納の儀式儀式に先立ち、数日間神殿で断食し、長時間不自然な姿勢をとったり、釘の植えられた板の上に寝るなどの修行を積みながら、胃腸の中の食物をからっぽにする。
最後の2日間は、幅45㎝、高さ1m20㎝、奥行き60㎝の鉄の箱の中で過ごす。この箱は「搾汗箱」と呼ばれ、小さな呼吸孔があるだけで、信者を入れたまま炎天下に放置され、夜になると周囲で焚き火が焚かれ、信者の身体の水分が徹底的に搾り出される。数が足りないと、同じ箱に2人同時に入れられることもあるという。
【↓ 修行用の釘ベッド】
こうして干からびたミイラのようになった信者は、犠牲の儀式の当日、まずカーリー神に参拝してから、神殿から徒歩5分ほどのフーグリー川沿いの、カーリーガートという沐浴場で身体を清める。そしてそのまま服を着ずに、神殿に引き帰してくる。
神殿内で毎日午前10時から行われる儀式は、一般に公開されている。
最初に男根を捧げる儀式が始まる。神殿の中に一部だけ床が土になっている場所があり、そこに深さ1メートルほどの穴が掘ってある。信者は、目隠しと耳栓をしてから、後ろ手に縛られ、口にL字に曲がった竹筒のような管を咥える。準備ができると、祭司が二人がかりで信者の身体を持ち上げてから、頭を底にして穴に落とす。
穴はちょうど腰のあたりの深さなので、穴からは両脚と筒だけが突き出た格好になる。祭司はその穴を土で埋め、念入りに突き固めてから、穴の外の両脚を 120~ 180度近くまで大股開きに引き離して、穴の左右の杭の紐に、それぞれの足首をくくりつけたまま固定する。空気が通っている確認のために、筒の穴を手で塞ぐと、地面の上へ出た両脚が苦しそうにもがくが、放すと動きが収まる。
【↓ 去勢ために逆さに埋められた信者】
逆さまに穴に落とすのは、切断後に傷口を心臓より高い位置にして、止血を助けるため。脚をいっぱいに開いて固定するのは、切断後の排泄確保のためである。単なる逆さ生埋めの修業とはここが違っている。いっぱいに開かれた左右の脚の真ん中に、男性器と肛門が見えていて、両脚は二股に分かれた木の幹のようである。
この状態の信者の股間部に、祭司が樹木剪定に使うような大きなハサミが持って近づき、一気に男根を切り離す。陰嚢と陰茎を別々に切断することもある。切断後は、尿道に栓をされるだけで、そのまま2日間放置される。
【↓ 信者の性器切断の直後】
切断された男根は、そのままカーリー神の元に運ばれ、首飾りの数珠に加えられる。信者の陰茎と陰嚢は全て切断されるが、首飾りになるのは陰茎部分だけである。
【↓ 信者によって捧げられた男根のネックレス】
今日の信者の去勢が終わると、2日前に切断されて、隣りの穴で大股開きで逆さ穴埋めのまま放置されていた信者が掘り起こされる。こんな乱暴な方法にもかかわらず、死亡者はほとんどいないそうだ。
手足の切断は、斧で行われる。やはり一糸纏わぬ姿の信者が進み出て、手足などの奉納を希望する部位を台の上に置く。祭司は斧を振り上げ、一気に切断する。夥しい血が出るが、止血のために人骨を焼いて砕いた聖なる灰をつけるだけで、特別な処置は行われない。
【↓ 斧と切断された信者の手】
神殿の外の、幅3mほどの参道の両側や、神殿の裏手には、ヒンズー教の祭礼に使う道具や像を売る店が並んでいるが、これらの店に混じって、通称「肉切り医者」と呼ばれる、信者の手足などを切断してくれる医師の店がある。「肉切り医者」の店の間口は狭く、奥行きも大したことはないので、患者を手術している光景が、道路から丸見えのところが多い。
【↓ 参道の肉切り医者の店】
人気があるのは、第一に男根全部の切除、第二に左脚の切断だという。この二つは、生活への支障が少ない割に、施しを得る確率が高まるからだそうだ。ここでは、男根や手足の切断だけでなく、眼球のくりぬきと瞼の縫合、耳たぶや舌の切断の希望にも応じている。
【↓ 肉切り医者の店での信者の眼球摘出後の瞼縫合】
男根の切断も、神殿内のような逆さ埋めではなく、板のベッドの上に寝かせて、ベルトで身体を拘束して行う、一般的な方法がとられている。
【↓ 信者の男根切断手術の直後】
また、神殿内の去勢と違って、かなり乱雑ではあるが、一応、カテーテルによる排尿確保や、傷口の縫合処置も行われている。
【↓ 信者の男根切断手術後の傷口縫合】
切り取った身体をカーリー神殿に捧げるのは、不具になった信者自身が行うのが普通であるが、「肉切り医者」が代行する場合もある。カーリー神殿内なら無料で切断してもらえるのに、このような「肉切り医者」が繁盛するのは、神殿内の切断と違って、修行の期間が不要なことと、麻酔を掛けてもらえるからだという。
【↓ 男根を切断された信者の治癒後の股間部】
行き方は、は地下鉄カーリーガート駅下車徒歩。路面電車利用も可能。
▲▽▲▽▲▽▲▽ 読者からの耳より情報 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
カルカッタのカーリー神殿は有名ですが、コルカタ空港の近くにあるヒンドゥー教の分派、ラーマクリシュナ教団のドッキネッショル寺院も、同じカーリー神を祭る寺院で、過激な人身御供の儀式を行っています。
ここの教団の教義では、信者が身体を捧げるときに、司祭は一切手を出してはいけません。そこで、信者が自分たちの力だけで、次々に神の犠牲になっていきます。
通常はヒンズー教徒しか拝観できないその光景を、知人のつてで見ることができましたので、ご報告します。
【↓ ラーマクリシュナ教団の寺院】
犠牲になる信徒は、素っ裸になります。これは、神に欠陥のない者であることを見せるためだそうです。簡単なのは絞首。信者は寺院の天井から何本もぶら下がっている、先端が輪になっているロープに近づきます。
【↓ 絞首による自主的人身御供の直前】
まず足元にある重石を下に車輪が付いた台車に載せます。この重石の上にもロープが付いていて、天井の滑車で先端が輪になったロープに繋がっています。次にこの輪に首を通してから、足元の重石が載った台車を蹴ります。台車は緩やかな斜面を転がっていって、床の中央にある、深い穴に重石が落ちて、それと同時に、犠牲者の身体が宙に浮き、絞首刑のように天井高くぶら下がり、死に到るものです。今回の犠牲者は既に去勢している信者です。
【↓ 深い穴に落とす重石】
しかし、死に到るまでの苦痛が大きく、苦悶の時間が長いほど神に喜ばれるという信仰がありますので、すぐには死なない方式として、小さな檻の中に閉じ込められて吊るされて、そのまま衰弱死する方法も、好んで行われます。
【↓ 円筒形の自然餓死用吊し籠】
籠は円筒形のものと、人型のものが用意されています。
【↓ 人型の餓死用吊し籠】
もっと苦痛が大きい方法は、全身に鉄の鉤を刺して、天井から吊るされ徐々に死んでゆく方式です。 まず、信者は素っ裸になって、皮膚や肉を鉤針で刺し通します。そしてこの鉤に付けたロープは、1本に纏められて神殿の天井高くにある滑車に結ばれていますので、このロープの反対側の錘を、絞首の場合と同様に蹴って、穴の中に落としますと、信者の身体は鉤針で空中高く吊るされ、やがて出血と衰弱で徐々に死んで行くのです。
【↓ 鉤針で吊るされる信者】
このように、ラーマクリシュナ教団の犠牲は、空中高く吊るすのが特徴です。死体は吊るしたまま風に委ね、自然に腐ってゆくのに任されます。そして3ヶ月ほどしてほぼ白骨化すると、ロープは切断さされ、重石が横穴から回収されるとともに、信者の遺骸が床に落とされます。この後で、信者の頭蓋骨だけが、カーリー神像の首にかかるネックレスにされるのです。
もちろん、去勢していない修行者が、過激な修行に挑むこともあります。
【↓ 尻に刺さった釣り針だけで逆さ吊りになった修行者】
また、カーリー神の犠牲に不可欠なリンガ(切断された男根)は、信者同士がお互いの男根を同時切断する方法で捧げられます。
信者は祭壇の机の前で素っ裸となり、向き合って、斜め右前にいる相手の陰茎の根本を左手で掴みます。陰嚢は掌の中に包むように持って、右手に持った刃物で、お互いの陰茎の握った手から出た部分を、気合とともに同時に切断します。一瞬のうちに切られた陰茎が床に落ちますので、血のしたたる陰茎を拾って祭壇に捧げます。陰嚢は下腹部に残りますが、陰茎の切断痕からすごい勢いで血が吹き出します。しかし二人は、全身血塗れのまま神に祈るのです。
【↓ 信者がお互いの陰茎を同時に切断し合う光景】
男根全部を捧げる信者は、同じように全裸で2人1組で向き合いますが、今度は相手が斜め左前に立ちます。その相手の男根全体を左手で掴み、右手に持った刃物で、お互いの男根を今度は根元から、掛け声に合わせて陰茎、陰嚢もろとも同時に切断します。今度は切断された相手の陰茎と陰嚢が、手の掌の中に残ります。見事に成功したら、2人は股間を真っ赤に染めながら、手の中に残った相手の男根を持って踊り続けます。
実際の光景とはかけ離れていますが、寺院で去勢場面のイメージ絵葉書が売っていましたので、ご覧ください。実際にはこんな美少年はめったにいませんが。
【↓ 寺院で販売されていた男根の相互切断のイメージ絵葉書】
よく息を合わせて切断しないと、自分の男根を切られた激痛で手元が狂って、相手の男根を切るのを失敗することがあるそうです。なお、傷口は、金属の栓で尿道を確保してから、松明で真っ赤に熱した鉄の棒を押し当てて止血するので、死亡することはないと聞きました。
【↓ 切断されて吊るされる信者の男根】
男根を捧げた信者は、切断の傷が治った後も、セックスも立小便もできない不具の身体になったわけで、命を捧げるのに近い迫力がありました。
(2003年春~神戸市・相原真人)
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世界観光ガイド・去勢特集(7)~アイスランドの陰茎博物館はこちら
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投稿:2006.10.05更新:2023.05.06
世界観光ガイド・去勢特集(6)~インドのカーリー神殿の生贄
挿絵あり 著者 Castrato 様 / アクセス 65088 / ♥ 160